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稲のベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤耐性遺伝子CYP81A6

国内特許コード P150011646
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2008-518589
公表番号 特表2008-546419
登録番号 特許第5085539号
出願日 平成17年6月28日(2005.6.28)
公表日 平成20年12月25日(2008.12.25)
登録日 平成24年9月14日(2012.9.14)
国際出願番号 CN2005000936
国際公開番号 WO2007000077
国際出願日 平成17年6月28日(2005.6.28)
国際公開日 平成19年1月4日(2007.1.4)
発明者
  • ▲塗▼ 巨 民
  • 張 集 文
  • 潘 剛
  • 張 憲 銀
  • 武 曉 智
出願人
  • 浙江大学
  • 武漢財富科技有限公司
発明の名称 稲のベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤耐性遺伝子CYP81A6
発明の概要 本発明により、単離された水稲内在性のベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤耐性遺伝子(遺伝子CYP81A6)、その機能保存変体、機能の同等の生物活性断片または誘導体が提供される。さらにハイブリッド種子生産過程での自家交配混雑を避ける方法、部位特異的遺伝操作の新たな方法及び植物の性質の改良する新たな方法が提供される。
従来技術、競合技術の概要


背景技術

稲の雑種強勢を利用して、中国はハイブリット・イネの研究に成功して、稲の生産高を大幅に高めさせている。中国のは核細胞質相互作用雄性不稔(Nuclear Male Sterile)の三系法(Three-line-method)に基づく雑種強勢の利用の成功に続いて、大規模な二系法(Two-line-method)ハイブリット・イネの研究、開発及び普及を進めている。二系法の稲のハイブリッド種子は、光・温度感応性雄性不稔系統の育種(Breeding of PTGMS-Line)により生産されるものであるが、光・温度感応性雄性不稔系統の稔性は、環境温度の影響を受け易く、夏の異常低温が光・温度感応性雄性不稔系統の稔性を回復させることがある。これにより、二系法でハイブリッド種子の生産が低温に遭うと、収穫する種子が真のハイブリッド種子に偽のハイブリッド種子(即ち不稔系統の自家交配で実る種)が混じるという潜在的なリスクが存在している。一旦、このような母本の自家交配の混雑がおこると、これを有効に除去できなければ、種子生産または大面積での生産に重大な損失が引き起こされる。広西では1989年、湖南では1999年に、すべてこのような原因により大きな損失に見舞われた。



資料によれば、稲のハイブリッド種の純度が1パーセント下がるごとに、大面積での生産ではヘクタールごとに生産高が75kg減少する。このため、「稲のハイブリッド種子の純度を98%以上に達すること」との、中国農業部による種子規格が規定されている。光・温度感応性雄性不稔系統の種子生産で生産される二系法稲のハイブリッド種子に混雑の問題が存在しているだけでなく、修飾遺伝子が関与する核の主要遺伝子による不稔、薬剤及び施薬条件に影響される人工化学品による除雄不稔、核内の温度感応性遺伝子に影響される核細胞質相互作用雄性不稔、及び人工培養の非整倍体雄性不稔などの不完全雄性不稔系統で種子を培養する場合も、すべて、生産されるハイブリッド種子に母本自家交配の種子が混雑することがある。その自家交配混雑を排除して、作物の雑種強勢の利用の普及によってより信頼できる基礎を確立するために、様々な試みがなされてきた。耐除草剤の特性が現代作物の育種に広く応用されている現状に鑑み、野生型の稲のベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に対して耐性のある特徴を利用して、上記のハイブリッド稲の育種の過程にある種の混雑の問題を解決するように努力している研究者も少なくない。



野生型の稲に適用されている選択性の除草剤は主に二種類ある。一つはベンタゾンのような、ベンゾチアジアゾール(benzothiadiazole)類の除草剤である。これは、有効成分が作物の根、葉を通じて吸収され、豆科以外の大多数の双子葉植物及びカヤツリグサ科の雑草に対する除去作用がある一方で、イネ科植物に無害である。ベンタゾンの除草原理は植物の光合成の中のヒル反応(Hill reaction)に対する抑制である。これまでのところ、植物からベンタゾンのような除草剤に耐性のある内在性遺伝子はまだクローニングされていない。もう一つは、DuPont社により開発された、スルホニルウレア系除草剤類であり、選択性が高く、適用範囲の広く、毒性が低く、内部吸収型であるという特徴のある、新しいカテゴリーの超高効果除草剤である。この内、ベンスルフロンメチル(bensulfuron-methyl)、トリベヌロンメチル(Tribenuron-methyl)及びその複合剤型は、中国の稲田の除草に最も広く応用されている除草剤である。スルホニルウレア系除草剤は最大の特徴が高い活性にあり、普通の場合、使用剤量が5~100g/ヘクタールである。スルホニルウレア系除草剤はアセトラクテート合成酵素(ALS)抑制剤であり、多くの一年生または多年生の雑草、特に広葉の雑草に特効を持っていて、稲、小麦、大豆、トウモロコシ、アブラナ(耐エタメツルフロンメチル)、平らな草地及びその他の非耕地の雑草に広く用いられている。DuPont社は複数のスルホニルウレアに耐性のある遺伝子を開発した。一つはタバコ耐性変異体からクローニングされた耐スルホニルウレア遺伝子SURB-Hraである。当遺伝子はタバコALS遺伝子の変異に基いて形成する耐性であり、すでに綿花、大豆など多種の作物に応用されている(US5013659,US5084086,US5141870,US5378824,US5605011)。他のの耐スルホニルウレア遺伝子は土壌細菌からの遺伝子P450 su1であり、スルホニルウレアの代謝を速めて無毒にしてその耐性を実現させるものである。DuPont社は遺伝子P450及びその応用について深く研究した。関連の情報はUS5349127などを参照のこと。日本の日産化学株式会社は特許出願WO9708327において、双子葉の広葉植物のホウキギ(Kochia scoparia)のcDNAから単離されて、形質転換された植物の株をスルホニルウレアに耐えさせる機能を持っているアセトラクテート合成酵素(ALS)の遺伝子を公開した。



現在、除草剤耐性の作物の開発方法は主に二種類ある。一つは伝統的な物理化学的な突然変異生成を通じて、耐除草剤の作物の変異体を得る方法であり、もう一つはDNA組換え技術により耐除草剤の遺伝子を現有の種に導入して、耐除草剤の新しい素材を創造する方法である。この内、後者は最も広く応用されているものである。現在、作物の除草剤耐性を高めるために、組換えDNA技術を用いる二種類の方策がある。一つは除草剤の作用を修飾するターゲットタンパク(herbicide target protein)を導入して、除草剤に対して耐性にさせ、または、植物が除草剤を吸収してから正常に代謝できるように、それを過量発現させるものである。もう一つは新たな酵素または酵素システムを導入して、除草剤が働く前にそれを分解したり、解毒したりするものである。例えば、遺伝子P450など(Wang Guanlin & Fang Hongjun、1998)である。



野生型稲は天然的にベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤に対して耐性を持っている。日本の学者のMori氏及び湖北省農業科学院張集文氏などは相次ぎ、ガンマ線照射技術により、稲のベンタゾン感応性致死変異体である、農林8号M(Mori,1984)及び8077S(張集文氏、武暁智氏、1999)を得た。張集文氏らはさらに、ベンタゾン除草剤に対して感応性である隠性遺伝子の部位(site)で母本不稔系統を表示する除雑保純技術システム(張集文氏ら、2001)も開発した。ハイブリッド稲特に二系ハイブリッド稲の種の純度安全の保障体系の中のこんな種質資源の重要な応用により、8077Sの携帯している変異部位で表示する二系不稔系統を利用すると、最大の限度で二系ハイブリッド稲の種子生産のリスクを下げ、ハイブリッド種子の純度を保証できるので、育種の専門家及び種子企業に高度に重視されている。但し、その除雑保純技術システムは種子生産の後に除雑を行うものであるから、効果がいいであっても、販売の前に、その純度の低い種が国家の規定する種子の純度の規格と衝突するので、種子の管理機関に承認され難い。したがって、新たな除雑保純技術システムが必要となる。但し、多年以来、当性質の制御遺伝子がずっと正確にマッピングまたは単離クローンを行われていないので、当性質に対する遺伝操作及びさらにの利用ができない。これはこの分野の大きな技術障害となった。



上述の状況に鑑み、本発明者らは研究を通じて、稲の現有の二つのベンタゾン感応性致死変異体を材料にして、その変異の遺伝子部位に対する精細なマッピングを行って、それにその野生型同部位の遺伝子をクローニングした。同時に、それに基いて有用の方法及び技術を開発した。例えば、植物化学での補充殺雄の温度感応性の不稔系統の創造方法、遺伝子グループの二部位または多(複数)部位の部位特異的な遺伝子の共修飾による遺伝子操作技術、植物遺伝子の生物学機能の新たな調査方法及び植物の性質改良の新たな方法。それにより、ハイブリッド稲の育種の過程にある除雑保純の問題を解決しただけでなく、遺伝子の生物学機能の研究及び生物性質の改良に極めて応用前途を持っている実用的な方法を提供している。

産業上の利用分野


【技術分野】

本発明は、遺伝子工学の技術分野に属するものである。より詳しくは、本発明は、稲の中のベンタゾン(Bentazon)及びスルホニルウレア系(sulfonylurea)除草剤に耐性のある遺伝子の正確なマッピング、単離、及びクローニングに関する。さらに本発明は、前記の除草剤耐性遺伝子の助けを借りて他の重要な農学上の性質に関する遺伝子に対して部位特異的突然変異を行って、稲などの作物の重要な農学上の性質に対する改良、ハイブリッド種子を作る場合の自家交配混雑の回避及び部位(座位)特異的な遺伝子の操作などへの応用にも関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤耐性遺伝子を植物細胞に導入し、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤耐性を選別することを含んでなる形質転換植物の製造方法であって、前記遺伝子が下記の(1)~(3)からなる群より選択される何れかのヌクレオチドを含んでなる、方法:
(1) 配列番号1に示すヌクレオチドを有する、ヌクレオチド;
(2) 配列番号2に示すヌクレオチドを有する、ヌクレオチド;および
(3) 配列番号1または配列番号2に示すヌクレオチドと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズしうる、ヌクレオチド。

【請求項2】
遺伝子が、配列番号1または配列番号2に示すヌクレオチドを有する、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
ヌクレオチドが組換えベクター内にあり、前記組換えベクターが前記ヌクレオチドを転写させるために必要な調節エレメントを含んでなる、請求項1または2に記載の方法。

【請求項4】
ヌクレオチドが転写調節エレメントと作動的に連結している、請求項3に記載の方法。

【請求項5】
転写に必要な調節エレメントが、プロモーター、ターミネーター、エンハンサー、MAR配列または5’側の上流の調節配列を含む、請求項3に記載の方法。

【請求項6】
ベクターが発現ベクターである、請求項3に記載の方法。

【請求項7】
下記からなる群より選択されるいずれかのヌクレオチドを含んでなる、ベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤感応性遺伝子:
(1) 配列番号1に示すヌクレオチドから第2455位塩基Cまたは第4006位塩基Gを欠失することによって得られる、ヌクレオチド;および
(2) 配列番号2に示すヌクレオチドから第560位塩基Cまたは第1385位塩基Gを欠失することによって得られる、ヌクレオチド。

【請求項8】
化学的に補充された除雄でかつ温度感応性雄性不稔植物の育成方法であって、
請求項1に記載の遺伝子のアンチセンスRNAまたはRNAi断片を含んでなる組換え核酸分子を温度感応性雄性不捻植物に導入し、当遺伝子をその葯で発現できないようにして、および
前記植物をスルホニルウレア系除草剤と接触させ、花粉を殺すことにより、化学的に補充された徐雄でかつ温度感応性雄性不捻植物を作製すること、
を含んでなる、方法。

【請求項9】
請求項7に記載の遺伝子を含んでなる、遺伝子組換え植物細胞。

【請求項10】
請求項7に記載のベンタゾン及びスルホニルウレア系除草剤感応性遺伝子を植物細胞に導入し、ベンタゾン及びスルホニルウレア除草剤感応性を選別することを含んでなる、形質転換植物の製造方法。

【請求項11】
請求項1に記載のヌクレオチドを含んでなる、除草剤耐性の選別マーカー。

【請求項12】
請求項8に記載の方法により育成された、化学的に補充された除雄でかつ温度感応性雄性不稔植物。

【請求項13】
請求項7に記載のヌクレオチドを含んでなる、除草剤耐性ネガティブ選別マーカー。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
分野
  • 化学;冶金
  • 生活必需品
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