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ポリグリコールで修飾されたキトサンオリゴ糖脂肪酸グラフト体、その調製方法およびその使用

国内特許コード P150011649
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2011-513848
公表番号 特表2011-524446
出願日 平成21年6月16日(2009.6.16)
公表日 平成23年9月1日(2011.9.1)
国際出願番号 CN2009000656
国際公開番号 WO2009152691
国際出願日 平成21年6月16日(2009.6.16)
国際公開日 平成21年12月23日(2009.12.23)
優先権データ
  • 200810062568.0 (2008.6.17) CN
発明者
  • 胡 富強
  • 杜 永忠
  • 袁 弘
  • 蒙 ▲分▼
出願人
  • 浙江大学
発明の名称 ポリグリコールで修飾されたキトサンオリゴ糖脂肪酸グラフト体、その調製方法およびその使用
発明の概要 式(I)の構造単位および式(II)の構造単位を有するポリグリコールで修飾されたキトサンオリゴ糖脂肪酸グラフト体、ならびにその調製方法が提供され、ここで、該キトサンオリゴ糖の分子量は、200,000未満であり、脱アセチル化度は70%~100%であり、キトサンオリゴ糖鎖上の遊離アミノの一部は脂肪酸またはポリグリコールで置換され、nはポリグリコールの重合度であり、Rは11~21個の炭素原子を有するアルキルであり、脂肪酸のグラフト化率は1%~50%であり、かつポリグリコールのグラフト化率は0.05%~50%である。さらに、担体としてポリグリコールで修飾されたキトサンオリゴ糖脂肪酸グラフト体を含む医薬組成物、および医薬組成物の製造におけるポリグリコールで修飾されたキトサンオリゴ糖脂肪酸グラフト体の使用が提供される。




【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要 薬物自体のin vivoでの生物学的輸送能力に拘束されて、薬物は、その物理化学的特性に応じて、体循環を介して病巣組織、病巣細胞、およびその細胞内オルガネラ中のその標的に輸送されて、その有効性を発揮するはずである。しかし、現存薬物の生物薬剤学的および薬物動力学的特徴により、明らかに、それらの薬物は、病理組織および健常組織に対する特異性に欠けている。満足な治療効果を達成するには、より多くの薬物投与量が要求され、そのような投与量は、薬物毒性/副作用の発生をもたらし、それによって該薬物の臨床的応用を制限する。

標的療法は、上記の諸問題を解決するのに最も有効な手段の1つである。薬物の分子標的は、病巣組織の細胞中に主として集中され、酵素が50%を占め、受容体が35%を占め、イオンチャネルが15%を占める。薬物の治療効果は、分子標的に対する占拠効果を介して主として提供される。例えば、細胞障害性抗癌薬の分子標的の大部分は、腫瘍細胞の核中に主として存在するDNA(マイトマイシンC,ドキソルビシン、カンプトテシンなど)、または細胞質中に存在する微小管タンパク質(パクリタキセル、ビンブラスチンなど)である。遺伝子治療薬の分子標的は、また、核中のプラスミドDNAおよび細胞質中のsiRNAのように、標的細胞の細胞質または核中に存在する。抗ウイルス薬の分子標的は、また、標的細胞の核または細胞質中に存在する。適切な担体技術を介して薬物を病理学的組織(器官)および細胞に直接的に標的化することは、低有効性および毒性/副作用の問題を解決する重要な手段の1つである。最近、国内および国外で、抗腫瘍薬を組織(器官)および細胞に標的化することに関するいくつかの進歩が、担体技術によってなされてきたが、治療効果の飛躍的進歩は得られていない。問題の本質は、抗癌薬のための分子標的の大部分が細胞内部に存在することである。したがって、腫瘍細胞内の分子標的箇所(細胞内オルガネラ)に標的化する薬物担体の材料に関する研究および開発は、癌化学療法のボトルネックを打破するための鍵である。

標的担体の設計は、薬物の分子標的に対する細胞内オルガネラへの標的化効果を達成するために、病巣器官への担体の標的化効果、およびそれに基づいた病巣器官全域での病巣細胞の標的化効果に主として関連付けられる。薬物の組織または器官への初期の標的化では、小さい粒子サイズの微粒子を使用して、肝臓などの器官に受動的に導き、腫瘍組織への集中は、高められた浸透性および保持効果を介して達成される。最近、腫瘍細胞表面の特定の受容体(葉酸受容体など)の過剰発現特性に基づいて、リガンドで修飾された担体材料が、癌標的療法に首尾よく適用されて、腫瘍細胞への標的化を達成し、抗癌薬の細胞内集中を向上させ、かつ抗癌薬自体の有効性を増強している。

最近、ポリマーミセルが、薬剤学および生物医学の分野で広範な注目を引いている。ポリマーミセルは、両親媒性ブロックコポリマーまたはグラフトコポリマーから水性媒体中で自己集合により形成され、コア-シェル構造を有する。ポリマーミセルでは、疎水性部分および親水性部分が、それぞれ、ミセルのコアおよびシェルを形成する。疎水性のコアは、貧水溶性薬物として役立つことができる。外側の親水性膜は、水性環境中でミセルの安定性を維持し、かつ物理および化学的特性を修飾してミセルの活性な標的化効果などの特定の目的を達成できる。

ポリマーミセルは、薬物送達系として多くの利点を有する。それは、溶解度、pH値、ゼータ電位などの材料特性を調節することによって、in vivoでの薬物放出を制御することができる。ミセルの粒子サイズはかなり小さいので、それは、血液脳関門および細網内皮系を通って浸透できるだけでなく、胃腸粘膜などでの吸収を促進することができ、その結果、サイズの大きな粒子が通過できない場所に到達し、それによって、受動的標的化の目的を達成する。ポリマーミセル骨格の保護および遮蔽効果は、薬物が分解されることをある程度まで防止し、薬物の安定性を維持し、かつ薬物の毒性を低減することができる。リポソームに比較して、ポリマーミセルの薬物装填量は、相対的により多い。ポリマー材料の多様性は、ポリマーを担体として使用し、それによって各種の応用分野の要求を満たす多様な医薬製剤の製造に好都合である。

薬物担体の親水性PEG化は、担体上への血漿タンパク質の吸着および薬物担体のマクロファージによる貧食作用の双方を低下させ、それによって、循環系中での担体の半減期を延長させることができると報告されている。この基本原理により、ポリマーミセルの親水性シェルのPEG化は、ポリマーミセルの血漿タンパク質のオプソニン化を低減し、それによって、マクロファージによるポリマーミセルの取込みを低減し、かつ血漿からのポリマーミセルの排除を遅らせることができる。腫瘍組織中でのポリマーミセルの受動的標的化は、高められた浸透性および保持効果を介してさらに改善できる。一方、他の器官および組織への活性な標的化は、リガンド-または抗体-修飾によって実行できる。

本発明において、本発明者らの以前の研究を基礎にして、急速な細胞内取込みおよびオルガネラへの標的化効果を示す脂肪酸グラフト化キトサンオリゴ糖のミセルを採用して、PEGでの表面修飾を実施し、細網内皮系の識別を回避できる、長期循環性の脂肪酸グラフト化キトサンオリゴ糖を合成した。このような脂肪酸グラフト化キトサンオリゴ糖は、抗癌薬、遺伝子治療薬、抗ウイルス薬等々の調製および応用に適用できる。

産業上の利用分野 本発明は、ポリエチレングリコール(PEG)で修飾された脂肪酸グラフト化キトサンオリゴ糖、該PEG化脂肪酸グラフト化キトサンオリゴ糖の合成方法、それからなる医薬製剤、および医薬組成物の調製におけるPEG化脂肪酸グラフト化キトサンオリゴ糖の応用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
次式(I)で表される構造単位および次式(II)で表される構造単位

【化1】



を含むPEG化脂肪酸グラフト化キトサンオリゴ糖であって、
キトサンオリゴ糖鎖の遊離アミノ基の一部は、12~22個の炭素原子を有する脂肪酸、または1,000~10,000Daの分子量を有するPEGで置換され、nはPEGの重合度を指し、Rは11~21個の炭素原子を有するアルキル基であり、脂肪酸のグラフト化率は1%~50%であり、かつPEGのグラフト化率は0.05%~50%であるPEG化脂肪酸グラフト化キトサンオリゴ糖。

【請求項2】
PEGのグラフト化率が0.5%~50%である、請求項1に記載のPEG化脂肪酸グラフト化キトサンオリゴ糖。

【請求項3】
脂肪酸のグラフト化率が5%~50%である、請求項1または2に記載のPEG化脂肪酸グラフト化キトサンオリゴ糖。

【請求項4】
PEGが2,000~10,000Daの分子量を有する、請求項1から3までのいずれか一項に記載のPEG化脂肪酸グラフト化キトサンオリゴ糖。

【請求項5】
脂肪酸が、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、およびドコサン酸からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1から4までのいずれか一項に記載のPEG化脂肪酸グラフト化キトサンオリゴ糖。

【請求項6】
次のステップ:
(a)キトサンを酵素の存在下で分解して、200,000Da未満の分子量を有するキトサンオリゴ糖を得るステップ;
(b)キトサンオリゴ糖を12~22個の炭素原子を有する脂肪酸と、架橋用カップリング剤の存在下でカップリングして、脂肪酸グラフト化キトサンオリゴ糖を得るステップ;および
(c)末端で置換された、分子量が1,000~10,000DaであるPEGを、脂肪酸グラフト化キトサンオリゴ糖とカップリングして、PEG化脂肪酸グラフト化キトサンオリゴ糖を得るステップ;
を含む、請求項1に記載のPEG化脂肪酸グラフト化キトサンオリゴ糖の調製方法。

【請求項7】
ステップ(c)において、末端で置換されたPEGの、脂肪酸グラフト化キトサンオリゴ糖に対するモル比が1:20~80:1である、請求項6に記載の方法。

【請求項8】
末端で置換されたPEGが、末端でアルデヒド化されたPEG、末端でカルボキシル化されたPEG、末端でスクシンイミド化されたPEG、および末端で無水マレイン酸化されたPEGからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。

【請求項9】
薬学的に活性な成分、および請求項1に記載のPEG化脂肪酸グラフト化キトサンオリゴ糖を含む医薬組成物。

【請求項10】
薬学的に活性な成分が抗腫瘍薬であり、好ましくは該抗腫瘍薬が、マイトマイシンC、ドキソルビシン、パクリタキセル、およびヒドロキシカンプトテシンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項9に記載の医薬組成物。

【請求項11】
腫瘍細胞の薬物耐性を逆転させる能力のある、請求項10に記載の医薬組成物。

【請求項12】
薬学的に活性な成分が遺伝子治療薬であり、好ましくは該遺伝子治療薬が、プラスミドDNAまたはsiRNAである、請求項9に記載の医薬組成物。

【請求項13】
薬学的に活性な成分が抗ウイルス薬であり、好ましくは該抗ウイルス薬が、抗B型肝炎ウイルス薬である、請求項9に記載の医薬組成物。

【請求項14】
抗B型肝炎ウイルス薬が、アデホビル、アシクロビル、アデホビルジピボキシル、エンテカビル、およびガンシクロビルからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項13に記載の医薬組成物。

【請求項15】
医薬組成物の調製における請求項1に記載のPEG化脂肪酸グラフト化キトサンオリゴ糖の使用。

【請求項16】
医薬組成物が抗腫瘍薬、遺伝子治療薬、または抗ウイルス薬を含む、請求項15に記載の使用。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 公開
分野
  • 化学;冶金
  • 生活必需品
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