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5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子及びその製造方法

国内特許コード P150011662
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2008-547838
公表番号 特表2009-522211
登録番号 特許第5280858号
出願日 平成18年12月29日(2006.12.29)
公表日 平成21年6月11日(2009.6.11)
登録日 平成25年5月31日(2013.5.31)
国際出願番号 CN2006003696
国際公開番号 WO2007073699
国際出願日 平成18年12月29日(2006.12.29)
国際公開日 平成19年7月5日(2007.7.5)
優先権データ
  • 200510112233.1 (2005.12.29) CN
  • 200510112232.7 (2005.12.29) CN
発明者
  • 張 万斌
  • 張 勇健
  • 王 飛軍
出願人
  • 上海交通大学
発明の名称 5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子及びその製造方法
発明の概要 本発明は、化学工業技術分野における5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子である。本発明は、オキサゾリンの中心性キラリティーを含むだけでなく、ビフェニル類の軸性キラリティーも同時に含んでいる。このような配位子は不斉反応に用いることができ、高い反応活性と立体選択性をもち、応用の範囲が比較的広い。本発明の配位子の構造式は下記の通りである。


従来技術、競合技術の概要



高い選択性と触媒活性をもつキラリティー触媒を設計・合成することは不斉合成の鍵となることであり、そのうち、キラリティー配位子は触媒として不斉誘導と制御を行うもとである。C2型キラリティージオキサゾリン配位子は、その構造の特殊性により、不斉シクロプロパン化反応、分子内Wacker-Type環化反応、オレフィンの不斉酸化反応、分子内[2+1]環付加反応など、不斉反応に広く応用されている。30年間にわたった発展を経て、多くのキラリティーオキサゾリン配位子が現れ、特に各種のキラリティー側鎖を含むキラリティーオキサゾリン配位子が相次いで開発された。そのうち、軸性キラリティー側鎖はその独特な剛性構造により、配位子において広く適用されている。多年にわたった研究を積み重なった結果、ビフェニル構造を含む軸性キラリティー配位子





【化1】








(BINAP)は既に光学活性を有する化合物の工業化に成功し、応用されている。BINAPの工業化の応用は、軸性キラリティーの配位子設計の合成における応用を大いに推進した。キラリティー側鎖を含むオキサゾリン配位子も相次いで開発され、各種の不斉反応に応用されている。





従来技術の文献を検索した結果、E.J.Coreyらが『Tetrahedron Letters』(四面体通信)VOL.36,No.48,pp.8745-8748において発表した「The First Enantioselective Synthesis of the Chemotactic Factor Sirenin by an Intramolecular [2+1] Cyclization Using a New Chiral Catalyst」(分子内[2+1]環化反応により初めてSireninエナンチオ選択性合成を実現した新型キラリティー触媒)を見つけた。この論文で提案した軸性キラリティー配位子の設計概念はすべてビアリル軸隣接ビットに2つの比較的大きな原子団を加え、それらのビット阻害により安定な軸性キラリティーを得るとされているが、同様にビフェニルの回転可能な角度を制限し、即ち、二面角を制限した。この二面角の大きさは不斉反応の触媒活性と選択性に影響することが既に実証されているので、新型の軸性キラリティー配位子を設計・合成することは有機化学者たちの研究のホットポイントの一つになっている。

産業上の利用分野



本発明は化学工業の技術分野における化合物及びその製造方法に関し、特に、5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子であって、その構造式が下記一般式(1)の通りであることを特徴とする、5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子。
【化1】



【請求項2】
請求項1に記載の5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子において、前記ジオキサゾリンビフェニル配位子は、軸が(R)と(S)構造をもつジアステレオマー化合物であり、その構造式が下記(II)及び(III)の通りであることを特徴とする、5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子。
【化2】



【請求項3】
下記一般式(I)で表される5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法であって、
【化3】


下記一般式(IX)と、アルキルスルホニウムハライド、アリールスルホニルハライド、燐オキシクロリド、オキシ塩化燐、五塩化燐、塩化チオニル及びトリフェニルホスフィンの群から選ばれるヒドロキシル基を活性化することのできる活性化剤とを塩基の存在下に反応させることを特徴とする5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法。
【化4】



【請求項4】
下記一般式(II)及び(III)で表される5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法であって、
【化5】


下記一般式(VII)と、
【化6】


ジハロゲン化アルカンとを反応させ、5,5’位で連結された(R)と(S)構造を含む下記一般式(VIII)で示される化合物を得、
【化7】


次いで該一般式(VIII)で表される化合物と、各種のキラリティーアミノアルコールとを反応させ、(R)と(S)構造を含む下記一般式(IX)で表されるアミド類化合物を得、
【化8】


次いで、アミド類化合物(IX)と、アルキルスルホニウムハライド、アリールスルホニルハライド、燐オキシクロリド、オキシ塩化燐、五塩化燐、塩化チオニル及びトリフェニルホスフィンの群から選ばれるヒドロキシル基を活性化することのできる活性化剤とを塩基の存在下に反応させることを特徴とする5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法。

【請求項5】
2-臭素-4-メトキシベンゼンケトンを原料とし、酸化とエステル化をして2-臭素-4-メトキシベンゼンカルボン酸メチル(V)を製造し、2-臭素-4-メトキシベンゼンカルボン酸メチル(V)を銅粉による結合と脱メチル化反応により5,5’-ジヒドロキシ-1,1’-ビフェニル-2,2’-二蟻酸メチル(VII)を得、次に化合物(VII)をジハロゲン化アルカンと反応させ5,5’位で連結された(R)と(S)構造を含む下記の化合物(VIII)を得、
【化9】


次に各種のキラリティーアミノアルコールと反応させ(R)と(S)構造を含む下記のアミド類化合物(IX)を得、
【化10】


次にアルキルスルホニウムハライド、アリールスルホニルハライド、燐オキシクロリド、オキシ塩化燐、五塩化燐、塩化チオニル及びトリフェニルホスフィンの群から選ばれるヒドロキシル基を活性化することのできる活性化剤を用いて塩基が存在する条件において構造式が下記の通りである一連の(R)と(S)構造の目的配位子(II)と(III)を製造することを特徴とする、5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法。
【化11】



【請求項6】
請求項5に記載の5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法において、具体的に、
(1)水酸化ナトリウム水溶液に臭素を添加する条件において、2-臭素-4-メトキシベンゼンケトンと臭素とのモル比が1:4~6で反応を行って2-臭素-4-メトキシベンゼンケトンを2-臭素-4-メトキシベンゼンカルボン酸(IV)に転化する、2-臭素-4-メトキシベンゼンケトンから化合物(IV)を調製するステップと、
(2)アルコール溶液にジクロロスルホキシドが存在する条件において、化合物(IV)とジクロロスルホキシドとのモル比が1:1~10で反応を行って、化合物(IV)を2-臭素-4-メトキシベンゼンカルボン酸メチル(V)に転化する、化合物(IV)から化合物(V)を調製するステップと、
(3)銅粉が存在する条件において、化合物(V)と銅粉とをモル比が1:2~5で反応させ、化合物(V)を5,5’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル-2,2’-二蟻酸メチル(VI)に転化する、化合物(V)から化合物(VI)を調製するステップと、
(4)有機溶媒にエタンチオールが存在する条件において、化合物(VI)と三塩化アルミニウムとをモル比が1:3~6で反応させ、5,5’-ジヒドロキシ-1,1’-ビフェニル-2,2’-二蟻酸メチル(VII)を得る、化合物(VI)から化合物(VII)を調製するステップと、
(5)有機溶剤に塩基が存在する条件において、化合物(VII)の5,5’-ジヒドロキシ-1,1’-ビフェニル-2,2’-二蟻酸メチルとジハロゲン化アルカンとをモル比が1:1~1.5で反応させ、5,5’位で連結された(R)と(S)構造が混合する化合物(VIII)を得る、化合物(VII)から(R)と(S)構造の化合物(VIII)を調製するステップと、
(6)塩基が存在する条件において、(R)と(S)構造の混合物(VIII)とキラリティーアミノアルコールとをモル比が1:3~10で反応させ、それぞれ軸が(R)と(S)構造をもつアミド類ジアステレオマー化合物(IX)を得る、(R)又は(S)構造の化合物(VIII)から(R)又は(S)構造の化合物(IX)を調製するステップと、
(7)有機溶媒に塩基とアルキルスルホニウムハライド、アリールスルホニルハライド、燐オキシクロリド、オキシ塩化燐、5塩化燐、塩化チオニル及びトリフェニルホスフィンの群から選ばれるヒドロキシル基を活性化することのできる活性化剤が存在する条件において、軸が(R)又は(S)構造をもつアミド類ジアステレオマー化合物(IX)と塩基と活性化剤とのモル比が1:5~25:3~12で反応を行って、軸が(R)又は(S)構造をもつアミド類ジアステレオマー化合物(IX)を、軸が(R)又は(S)構造をもつ化合物(II)又は(III)に転化させる、(R)又は(S)構造の化合物(IX)から(R)又は(S)構造の化合物(II)と(III)を調製するステップと、を含むことを特徴とする、5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法。

【請求項7】
請求項6に記載の5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法において、前記ステップ(1)において、水酸化ナトリウム水溶液の濃度が5~20%であり、反応温度が20~70℃であり、反応時間が12~20時間であることを特徴とする、5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法。

【請求項8】
請求項6に記載の5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法において、前記ステップ(2)において、反応温度が20~80℃であり、反応時間が1~12時間であることを特徴とする、5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法。

【請求項9】
請求項6に記載の5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法において、前記ステップ(3)において、反応温度が150~180℃であり、反応時間が2~24時間であることを特徴とする、5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法。

【請求項10】
請求項6に記載の5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法において、前記ステップ(4)において、反応温度が0~25℃であり、反応時間が2~6時間であることを特徴とする、5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法。

【請求項11】
請求項6に記載の5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法において、前記ステップ(5)において、反応温度が20~100℃で、反応時間が8~72時間で、前記ジハロゲン化アルカンが以下の式で表されることを特徴とする、5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法。
【化12】



【請求項12】
請求項6に記載の5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法において、前記ステップ(6)において、反応温度が50~120℃であり、反応時間が4~12時間であることを特徴とする、5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法。

【請求項13】
請求項6に記載の5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法において、前記ステップ(7)において、反応温度が室温であり、反応時間が12~36時間であることを特徴とする、5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法。

【請求項14】
請求項4乃至6のいずれかに記載の5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法において、化合物(IV)~(VII)及び軸が(R)と(S)構造をもつ化合物(VIII)と(IX)の構造式が、
【化13】


であり、
軸が(R)構をもつ化合物(VIII)と(IX)の構造式が、
【化14】


であり、
軸が(S)構造をもつ化合物(VIII)と(IX)の構造式が、
【化15】


であることを特徴とする、5,5’位で連結された1,1’-ビフェニル類軸性キラリティー配位子の合成方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
分野
  • 化学;冶金
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