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非対称PCR増幅法、その特別なプライマーおよび用途

国内特許コード P150011602
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2007-528557
公表番号 特表2008-510471
登録番号 特許第4833981号
出願日 平成16年11月22日(2004.11.22)
公表日 平成20年4月10日(2008.4.10)
登録日 平成23年9月30日(2011.9.30)
国際出願番号 CN2004001330
国際公開番号 WO2006021131
国際出願日 平成16年11月22日(2004.11.22)
国際公開日 平成18年3月2日(2006.3.2)
優先権データ
  • 200410056866.0 (2004.8.26) CN
発明者
  • ▲張▼治位
  • 王▲つぁん▼
  • 祝令香
  • ▲張ちおん▼
  • 程京
出願人
  • 北京博奥生物芯片有限▲責▼任公司
  • 清▲華▼大学
発明の名称 非対称PCR増幅法、その特別なプライマーおよび用途
発明の概要 本発明は、非対称PCR増幅法、その特別なプライマーおよび用途を開示し、一本鎖産物の調製のための単純で効率的なPCR増幅を提供する。本発明のPCRプライマーは、いくつかのプライマー対を含み、検出される標的配列とは無関係の核酸配列が、一方のプライマーの5’末端に付加されている。提供される非対称PCR増幅は:1)予備的に変性する工程;2)PCRの第一段階として、変性、プライマーアニーリング、伸長サイクルを繰り返す工程;3)PCR増幅の第二段階として、変性、プライマー伸長サイクルを繰り返す工程、を包含し、検出される標的配列とは無関係の核酸配列が、伸長における各対の一方のPCRプライマーの5’末端に付加されている。本発明の非対称PCR増幅によって、一本鎖産生のハイスループットを得ることができ、単一のPCR増幅または複数のPCR増幅が実施され得る。そして本方法は、核酸の検出において広範に使用され得る。
従来技術、競合技術の概要



(背景)

ライフサイエンスの研究が進歩するにつれて、核酸が、遺伝情報の決定のための重要な物質であることがよく認識されるようになった。被験体のサンプルにおいて核酸配列の変化または変異を決定することによって、その被験体が、病原性微生物および/もしくはそのような微生物に対する耐性を有するか否か、その被験体が特定の疾患を有するか否か、ならびにその被験体が特定の遺伝状態にあるか否かを決定することができる。したがって、核酸分析技術には、ライフサイエンス研究の種々の領域において用途が見出され、この領域としては、病原性微生物の耐性遺伝子の試験、分類および検出、疾患の診断および予後、HLA分類、ならびにSNP検出が挙げられる。





サンプルにおける核酸の量は通常分析には不十分であるため、検出されるためには、分析の前にその核酸を増幅することが通常必須である。増幅法としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)、鎖置換増幅(RDA)、およびローリングサイクル増幅(rolling cycle amplification)(RCA)が挙げられる(非特許文献1)。とりわけ、PCRが近年最も頻繁に使用されている。PCR産物を分析するための、多くの方法が存在する。例えば、アガロースゲル電気泳動またはPAGE電気泳動が、PCR産物の検出のために使用されている。これらの電気泳動法は、迅速かつ簡便な分析を提供する。しかしながら、これらの方法には、特異性が低いという問題があり、それゆえ遺伝子変異分析には適していない。PCR産物を分析するための別の方法は、制限酵素の使用であり、この方法は、制限された用途、、低い感受性を有し、操作が困難である。PCR産物の配列情報における正確性を保証する1つの方法は、PCR産物をクローニングすること、およびそのクローニングされた配列を配列決定することを包含する。しかしながら、この方法は、複数の工程を包含し、それゆえ高価で、実用的ではない。





PCR産物のプローブとのハイブリダーゼーションの方法としては、以下が挙げられる:1)サザンハイブリダイゼーション、すなわち、そのPCR産物を析出させるために電気泳動を使用し、そのPCR産物をメンブレンに移し、そしてそのPCR産物を標識されたプローブとハイブリダイズさせる。この技術は、良好な特異性を生じるが、操作が複雑であり、時間を要し、そしてそれゆえ、複数の特徴についての並行分析には適していない。2)ポジティブドットハイブリダイゼーション(positive dot Hybridization)、すなわち、PCR産物を巻くまたは他の固体基板上に固定化し、その固定化されたPCR産物とプローブとをハイブリダイズさせる。この方法は、PCR産物が生成、定量および固定化されていることを必要とし、時間を要し、そして少量のサンプルにおける検出に適していない。3)リバースドットハイブリダイゼーション(reverse dot Hybridization)、すなわち、PCR産物と、既に膜または他の固体基板の表面に固定化したプローブとをハイブリダイズさせる。多数のプローブを含有する基板は、迅速に調製され得、そしてPCR反応完了後速やかにPCR産物を分析するために使用され得る。したがって、この方法は、迅速かつ簡便であり、キットおよび遺伝子チップにおける使用に適している。





遺伝子チップ技術は、革新的である。その対称的、微小的および自動的特性に起因して、遺伝子チップ技術は、核酸分析(特に、ハイスループット核酸分析)において、重要な用途が見出されている(非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;および非特許文献5)。核酸チップは、特異的な条件下で、遺伝子発現プロファイルを分析するために使用されており、そして1kbまでの遺伝子領域において、一塩基多型(SNP)を決定するためにもまた使用されている。





バイオチップ(例えば、感染性疾患の検出のために使用されるバイオチップ)を使用する伝統的な受動的核酸分析は、代表的に、3つの工程を包含する。第一の工程は、サンプル調製、すなわち、血漿、血液、唾液、尿、および糞便のようなサンプルからの核酸の調製である。そのようなサンプルから得られた核酸は、通常、直接分析されるには不十分であり、さらなる増幅(例えば、PCR増幅)が必要である。第二の工程は、核酸ハイブリダイゼーション、すなわち、その増幅された産物と、そのチップ上に固定化されたプローブとの間のハイブリダイゼーションである。第三の工程は、ハイブリダイゼーションシグナルの検出である。この工程は、代表的に、特定の標識の検出によって実施される。この標識は、増幅およびハイブリダイゼーションの間に導入され得る。検出方法は、使用される標識に依存する。例えば、蛍光検出器が蛍光標識を検出するために使用され得、一方オートラジオグラムが放射能標識を検出するのに使用され得る。ビオチンおよびストレプトアビジン標識が使用される場合、さらなる酵素的増幅が実施され得る。異なる増幅法が、実験の所望の感度に依存して使用される。例えば、チラミドシグナル増幅(Tyramide signal amplification)(TSA)および分枝DNA法(それぞれ、非特許文献6および非特許文献7に記載される)である。





標的核酸と、バイオチップの表面上に固定化されたプローブとの間のハイブリダイゼーションは、核酸検出における中心的な工程を構成する。この標的核酸は、代表的に、PCRによって増幅され、一本鎖PCR産物に変性され、これが次いで、ストリンジェントな条件下でプローブにハイブリダイズされる。このハイブリダイズされた産物を、次いで、洗浄および検出する。ハイブリダイゼーションの間、そのPCR産物の一方の鎖のみがプローブとハイブリダイズし得る。対応する相補鎖は、PCR二本鎖産物の自己アニーリングに起因して、ハイブリダイゼーションを妨害し得る。結果として、ハイブリダイゼーションシグナルが失われ得る。オリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズする場合、一本鎖DNAのハイブリダイゼーション感度は、変性した二本鎖DNAよりも約5倍高いことが見出されている(非特許文献8)。したがって、遺伝子チップ上でのオリゴヌクレオチドとの高効率ハイブリダイゼーションのために、一本鎖核酸を得ることが望ましい。





一本鎖核酸を調製するための、いくつかの方法が存在する。熱または塩基による二本鎖DNAの変性に加えて、一本鎖核酸を調製するための方法としては、以下が挙げられる。





1.逆転写法。この方法では、T7プロモーターがPCRプライマーに加えられる。一本鎖核酸は、鋳型として精製PCR産物を使用する、T7 RNAポリメラーゼ媒介性インビトロ転写によって生成される(非特許文献9)。一本鎖核酸の収率はこの方法では非常に高いが、そのような二工程の方法は不便であり、そしてRNaseによる汚染の傾向がある。





2.エキソヌクレアーゼ切断法(非特許文献10)。この方法において、上記PCRプライマーの一方はリン酸化されている。PCR産物がエキソヌクレアーゼによる切断に供される場合、このリン酸化されたプライマーから伸長した鎖は切断されない。次いで、このエキソヌクレアーゼは熱不活性化されなければならない。この方法は、PCR産物の精製を必要とし、エキソヌクレアーゼ活性に依存し、そしてそれゆえ不便である。





4.変性高速液体クロマトグラフィー(DHPLC)。この方法において、上記PCRプライマーの一方はビオチンで標識されている。標識されたプライマーから伸長した鎖は、それゆえ、DHPLCにおいて他の鎖から分離され得る(非特許文献11)。所望の一本鎖は、15分以内に、二本鎖PCR産物から得ることができる。しかしながら、そのような方法は、高価な機器を必要とし、それゆえ一般的には使用され得ない。





4.磁性ビーズ捕捉法。この方法では、ビオチンが上記PCRプライマーの一方に結合される。標識されたプライマーから伸長した鎖は、ストレプトアビジンコーティングされた磁性ビーズによって捕捉され、そしてNaOHを使用してそのビーズから分離される(非特許文献12)。この方法は、コーティングされた磁性ビーズの使用に起因して、非常に高価である。





5.非対称PCR。上記の方法の全てがPCR反応後に余分な工程を含む一方で、非対称PCRは、PCR反応プロセスの間のDNAの調製を可能にする。本発明者らは、非対称PCRおよび磁性ビーズ捕捉法の両方が、比較的高い感度および特異性を有することを見出したが、熱変性および塩基変性法はしばしば、偽陰性の結果を生じる。これら全ての方法の中で、非対称PCRは、比較的単純かつ低価格であり、それゆえずっと実用的である(非特許文献13)。





近年、非対称PCRのための以下のスキームが存在する。





1)非対称PCRのための異なる濃度の上流プライマーおよび下流プライマーの使用。サイクルが増加するにつれて、低い濃度のプライマーが使い果たされ、一方高濃度のプライマーは、線形に増加する速度で一本鎖DNAを産生する(非特許文献14)。同様に、Zihong へらは、SNP検出のためにIGF-II遺伝子を非対照的に増幅するために、プライマーを1:10および1:20の比率において使用した(非特許文献15)。Shuangding Liらは、HLA-DRB1遺伝子を非対照的に増幅するために、プライマーを1:15の比率で使用した(非特許文献16)。そのような方法は、上流プライマーと下流プライマーとの間の比率の最適化を必要とし、非特異的増幅の可能性を増加させる。結果として、その産物は、通常、電気泳動上で拡散したバンドとして示される(非特許文献17)。





2)非対称PCRのための異なる長さの上流プライマーおよび下流プライマーの使用。Xiaomou Pengらは、HBVのS遺伝子を非対照的に増幅するために、34ヌクレオチドの上流プライマーおよび20ヌクレオチドの下流プライマーを使用した。PCRサイクルの第二相の間に、アニーリング温度が上昇される。短いプライマーはそのような条件下ではアニーリングできず、一方長いプライマーは伸長し続け、一本鎖核酸を得る(非特許文献18)。このプライマーは遺伝子特異的であるが、長いプライマーの使用により、増幅に非特異性が導入される。したがってそのような方法は、多くのSNP部位を有する遺伝子(例えば、細菌の16S rRNA)の増幅には適していない。





3)PCR鋳型を生成するための対称PCRの使用、ならびにPCR産物をさらに非対称増幅および標識するための1つのプライマーまたは異なる量のプライマーの使用(非特許文献19;非特許文献20;非特許文献21;非特許文献22)。これらの方法は、鋳型として精製された対称PCR産物を使用し、その後PCRサイクルを介して一本鎖を産生するために1つのプライマーを使用する。この方法は、複数工程の反応を必要とし、そしてそれゆえ、時間を要し、不便である。





複数PCRの慣習的な方法は、複数のレベルの最適化を必要とする。これらの方法は、以下の問題点を有する。1)複数のプライマーの使用が、これらの異なるプライマーによる偽陽性の増幅を生成する。2)異なるプライマー間での競合により、標的核酸のバランスのとれていない増幅が生じる。すなわち、特定のプライマー対が効率的に増幅し、一方特定のプライマー対は非常に非効率的に増幅する。3)異なる実験を繰り返す。したがって、そのような状況下で非対称PCRをさらに実施するのは不満である。上述の方法は、それゆえ、複数の標的の同時分析には適していない。一工程の非対称PCRに対する必要性が存在する。

【非特許文献1】

ndrasら、Mol.Biotechnol.,19:29-44,2001

【非特許文献2】

ebouckおよびGoodfellow,Nature Genetics,1999,21(補遺):48-50

【非特許文献3】

ugganら、Nature Genetics,1999,21(補遺):10-14

【非特許文献4】

erholdら、Trends Biochem.Sci.,1999,24:168-173

【非特許文献5】

lizadehら、Nature,2000,403:503-511

【非特許文献6】

arstenら、Nucleic Acid Res.,2002,E4

【非特許文献7】

ricka,Clin.Chem.,1999,45:453-458

【非特許文献8】

awaiら、Anal.Biochem.1993,209:63-69

【非特許文献9】

ughesら、Nat.Biotechnol.,2001,19:342-347

【非特許文献10】

iguchiおよびOchman,Nucleic Acid Res.,1989,17:5865

【非特許文献11】

ickmanおよびHornby,Anal.Biochem.,2000,284:164-167

【非特許文献12】

spelundら、Nucleic Acids Res.1990,18:6157-6158

【非特許文献13】

aoら、Analytical Letters,2003,33:2849-2863

【非特許文献14】

yllenstenおよびErlich,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,1988,85:7652-7656

【非特許文献15】

eら、Chinese Journal of Sports Medicine,2002,21:116-121

【非特許文献16】

iら、Chinese Journal of Experimental Hematology,2003,11:393-397

【非特許文献17】

rdoganら、Nucleic Acids Res.,2001,29:E36

【非特許文献18】

engら、Chinese Experimental Diagnostics,2002,6:206-208

【非特許文献19】

orelovら、Biochem.Biophys.Res.Commun.,1994,200:365-369

【非特許文献20】

cottら、Lett.Appl.未C路日おL。、1998,27:39-44

【非特許文献21】

uoら、Genome Res.,2002,12:447-457

【非特許文献22】

houら、Medical Animal Control,2003,19:524-527

産業上の利用分野



(技術分野)

本願は、PCR増幅法、PCR増幅法のためのプライマー、およびそれらの使用に関する。具体的には、本願は、核酸の検出における、非対称PCR増幅法、非対称PCR増幅のためのプライマー、およびそれらの使用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数のPCRプライマー対と、さらに一般プライマーとを含む非対称PCR増幅のためのキットであって、各プライマー対における一方のプライマーのみが、5’末端において、増幅される標的配列に無関係な配列を有するオリゴヌクレオチドテイルを有し、該一般プライマーは、該オリゴヌクレオチドテイルにおけるヌクレオチドと同じ、少なくとも8個の連続するヌクレオチドを有し、該非対称PCR増幅に使用される該一般プライマーの濃度は、該非対称PCR増幅に使用される該プライマー対の濃度よりも高い、キット。

【請求項2】
前記オリゴヌクレオチドテイルは8オリゴヌクレオチド長~40オリゴヌクレオチド長である、請求項1に記載のキット。

【請求項3】
前記オリゴヌクレオチドテイルは15ヌクレオチド長~25ヌクレオチド長である、請求項2に記載のキット。

【請求項4】
前記一般プライマーの配列は、前記オリゴヌクレオチドテイルの配列と同じである、請求項1~3のいずれか1項に記載のキット。

【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のキットを使用して、増幅される標的配列を非対称に増幅する非対称PCR増幅法であって、該方法は、
1)プレ変性;
2)以下のa~cのサイクル:
a)変性、
b)アニーリングおよび
c)プライマー伸長
1つ以上含む、前記複数のプライマー対および前記一般プライマーを使用する第一相のPCR増幅;ならびに
3)以下のd~eのサイクル:
d)変性および
e)プライマー伸長
1つ以上含む、各プライマー対における、5’末端において増幅される標的配列に無関係な配列を有するオリゴヌクレオチドテイルを有する前記プライマーのみを伸長するための第二相のPCR増幅、
を包含する、方法。

【請求項6】
前記第二相のPCRの後にさらなる伸長工程をさらに包含する、請求項に記載の方法。

【請求項7】
前記第一相のPCR増幅のための前記PCR増幅サイクルは、8回~25回である、請求項またはに記載の方法。

【請求項8】
前記第二相のPCRのための伸長温度は、60~75℃である、請求項5~7のいずれか1項に記載の方法。

【請求項9】
標的配列の検出のための方法であって請求項5~8のいずれか1項に記載の非対称PCR増幅法と、さらに、
4)増幅された前記標的配列を検出する工程
を包含する、方法

【請求項10】
記検出は、遺伝子チップまたはメンブレンハイブリダイゼーションを使用する、請求項に記載の使用。

【請求項11】
核酸の検出のための、請求項1~のいずれか1項に記載のキット。

【請求項12】
記検出は、遺伝子チップまたはメンブレンハイブリダイゼーションを使用して行われる、請求項1に記載のキット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
分野
  • 化学;冶金
  • 物理学
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