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地震イベントパラメータの推定を取得する方法及びそのシステム、地震イベント探索エンジン

国内特許コード P150011685
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2014-506751
公表番号 特表2014-517377
登録番号 特許第5650353号
出願日 平成24年5月24日(2012.5.24)
公表日 平成26年7月17日(2014.7.17)
登録日 平成26年11月21日(2014.11.21)
国際出願番号 CN2012075980
国際公開番号 WO2013143222
国際出願日 平成24年5月24日(2012.5.24)
国際公開日 平成25年10月3日(2013.10.3)
優先権データ
  • 201210101264.7 (2012.3.31) CN
発明者
  • 張 捷
  • 張 海 江
  • 陳 恩 紅
  • 鄭 毅
  • 况 文 歓
出願人
  • 中国科学技▲術▼大学
発明の名称 地震イベントパラメータの推定を取得する方法及びそのシステム、地震イベント探索エンジン
発明の概要 入力された地震イベントの地震パラメータの推定を高速に取得する方法及びそのシステム並びに地震リアルタイム探索エンジンを開示している。当該方法は、地震イベントの、地震波形を含む地震記象データを入力するステップ、実際に発生した地震イベントの地震記象データを記憶する予め作成された履歴地震記象データベース及び人工的にモデル化された地震記象データを記憶する理論的地震記象データベースにおいて、波形のマッチングによって、近似最近傍探索法を用いて並行探索を行い、予め決められた類似度条件に従って当該入力された地震イベントの地震記象データに類似する複数の地震記象データを探索結果の集合として探し出すステップ、及び探索結果の集合からマッチングしている地震記象データを確定し、その中から、入力された地震イベントの地震パラメータの推定を取得するステップを含む。本発明によれば、数百万のデータ量のデータベースにおいて、数秒だけで探索結果を取得することができ、高速、さらにリアルタイムの地震パラメータの推定を実現している。
従来技術、競合技術の概要



地震イベントは、工業の活動による微震イベント、石油や天然ガスの産量を増加させるために注水破裂を用いることによる微震イベント、強度の小さい又は大きい自然地震イベント、核爆発イベント或いは爆薬の爆発イベントなどを含む、地球内部のある一部の領域で発生した地質構造の突然変動によって発生したイベントである。





地震イベントが発生した際に、当該地震イベントに対応する地震波信号データは、地震観測ステーション(地震波レシーバー)に記録され、出来るだけ速めに当該地震イベントの発生位置、震度及び震源メカニズムなどの情報を推定したい。現在、当該分野における最先端な技術は、縦波及び/又は横波の伝搬時間情報を用いて、地震が発生した後直ちに地震の発生位置を推算することができるが、その震源メカニズムが解析により得られるのは数時間又は数日もかからなければならない。現在の地震位置決め技術及び地震震度判定技術については、推定結果の精確度を保証するために、依然として一定レベルとなった専門家の推算に基づく必要がある。2004年12月26日に発生したスマトラ島北端沖での震度M9.1の地震イベントを例とし、当該地震イベントが発生した時にクリスマス休暇中のため、当該地震イベントが早めに報告されなくて、津波の警報が出さなかった。発生した地震イベントの震源メカニズムをリアルタイムで報告するのは、非常に重要なことである。例えば、Bouchon, M., Karabulut, H., Aktar, M., Ozalaybey, S., Schmittbuhl, J., and Bouin, M-P. (2011). Extended nucleation of the 1999 Mw 7.6 Izmit Earthquake, Sciences 331, 877-88にて、1999年トルコのイズミットで発生した震度M7.6の地震の地震前兆を解析し, 一連の前震の震源メカニズムが、動的断裂に加速したまでに、どれも類似的断層変位が現れたことを発見した。リアルタイムで前震の震源メカニズムを取得することは、早期警戒システムの開発に役立ち、又は、さらに、地震発生の予測までにも役立つことが可能となる。しかし、地震の震源メカニズムを取得するのは、例えば、波形モデル化や波形逆演算などの幾つかのプロセスの処理の必要があり、通常、その処理プロセスは、地震後の数時間又は数日内行われ、さらに、高度なモデル化と計算技術を用いることが要される。

産業上の利用分野



本発明は、地震観測及び地震予測分野に関し、特に、入力された地震イベントの地震パラメータの推定を高速に取得する方法及びそのシステム、並びに地震リアルタイム探索エンジンに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
地震イベントの地震パラメータの推定を取得するためにコンピュータによって実行される方法であって、
地震イベントの、地震波形を含む地震記象データを入力するステップと、
実際に発生した地震イベントの地震記象データを記憶する予め作成された履歴地震記象データベース、及び人工的にモデル化された地震記象データを記憶する理論的地震記象データベースにおいて、波形のマッチングによって、近似最近傍探索法を用いて並行探索を行い、予め決められた類似度条件に従って当該入力された地震イベントの地震記象データに類似する複数の地震記象データを探索結果の集合として探し出すステップと、
探索結果の集合からマッチングしている地震記象データを確定し、その中から、入力された地震イベントの地震パラメータの推定を取得するステップとを含む、
地震イベントの地震パラメータの推定を取得する方法。

【請求項2】
履歴及び理論的地震記象データベースにおける地震記象データは、インデックス処理されており、
局所性鋭敏型ハッシュ法を用いて探索を行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。

【請求項3】
履歴及び理論的地震記象データベースにおける地震記象データは、インデックス処理されており、
マルチランダムKDツリー法を用いて探索を行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。

【請求項4】
履歴及び理論的地震記象データベースに対しては、それぞれ、記憶された地震記象データを帯域フィルタリングして、複数の周波数レンジに分割すると共に、各周波数レンジに対して、それぞれ、地震記象データの初動到着時刻及び最大振幅到着時刻に基づいて波形の合わせを行い、2組の地震記象データを取得することを特徴とする請求項1に記載の方法。

【請求項5】
履歴及び理論的地震記象データベースに対しては、それぞれ、取得された2組の地震記象データに対して、マルチランダムKDツリー法を用いて、各組の地震記象データに対して、単一又はマルチKDツリーを作成すると共に、
マルチKDツリーの場合は、各組内のマルチKDツリーに対して、並行に前記探索のステップを実行することを特徴とする請求項4に記載の方法。

【請求項6】
地震記象データは、多次元データであり、
各組の地震記象データに対してKDツリーを作成するステップは、
組内の全ての地震記象データの各次元における平均値及び分散を算出し、複数の次元のうち平均値に対する最大分散を有する1つ又は複数の次元を確定すると共に、確定された1つ又は複数の次元うちの各次元に対して、当該次元における平均値を中間値として、地震記象データを2つの部分に分割し、各部分が1つの地震記象データしか残されていないことになるまで、再帰的に各部分に対して前記算出、確定および分割のステップを行い、それによって、単一又はマルチKDツリーを作成するステップを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。

【請求項7】
マルチKDツリーにおいて、近似最近傍探索法を用いて複数の探索結果を探し出し、複数の探索結果が、類似する具合に応じて高い順にソートされ、その中から前に並べた複数の探索結果を、探索結果の集合を構成する近似最近傍として選択することを特徴とする請求項5に記載の方法。

【請求項8】
予め決められた地震パラメータの範囲を格子化し、格子毎に人工的モデル化で理論的地震記象データを算出することによって、理論的地震記象データベースを作成することを特徴とする請求項1に記載の方法。

【請求項9】
マッチングしている地震記象データを確定するステップは、
入力された地震記象の地震記象データと探索結果の集合における各探索結果との間の相互相関係数を算出し、相互相関係数が最大の探索結果を、マッチングしている地震記象データとして用いるステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。

【請求項10】
予め決められた類似度条件は、予め決められた探索正確率を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。

【請求項11】
全てのマッチングしている地震記象データの相互相関係数分布を比較することによって、探索結果の解析度及び信頼性を評価するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。

【請求項12】
履歴及び理論的地震記象データは、1つ又は複数の地震ステーションが記録した地震パラメータに基づいて作成されており、
複数の地震ステーションが記録した地震パラメータを用いれば、地震ステーション毎に地震パラメータの推定を取得し、複数の地震ステーションの地震パラメータの推定の論理積を、入力された地震イベントの地震パラメータの推定として確定することを特徴とする請求項1に記載の方法。

【請求項13】
履歴地震記象データベース及び理論的地震記象データベースからそれぞれ取得されたマッチングしている地震記象データと入力された地震イベントの地震記象データとの相互相関係数が同じ又は類似している場合、履歴地震記象データベースのマッチングしている地震記象データを選択することを特徴とする請求項1に記載の方法。

【請求項14】
地震パラメータは、震央距離、震源深度、震源メカニズム及び震度のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。

【請求項15】
地震イベントの地震パラメータの推定を取得するシステムであって、
実際に発生した地震イベントの地震記象データを記憶する履歴地震記象データベースと、
人工的モデル化された地震記象データを記憶する理論的地震記象データベースと、
地震イベントの、地震波形を含む地震記象データを入力する入力装置と、
履歴地震記象データベース及び理論的地震記象データベースにおいて、波形のマッチングによって、近似最近傍探索法を用いて並行探索を行い、予め決められた類似度条件に従って当該入力された地震イベントの地震記象データに類似する複数の地震記象データを探索結果の集合として探し出し、探索結果の集合からマッチングしている地震記象データを確定し、その中から、入力された地震イベントの地震パラメータの推定を取得する探索エンジンとを含む、
地震イベントの地震パラメータの推定を取得するシステム。

【請求項16】
履歴及び理論的地震記象データベースにおける地震記象データは、インデックス処理されており、
探索エンジンは、局所性鋭敏型ハッシュ法を用いて探索を行うことを特徴とする請求項15に記載のシステム。

【請求項17】
履歴及び理論的地震記象データベースにおける地震記象データは、インデックス処理されており、
探索エンジンは、マルチランダムKDツリー法を用いて探索を行うことを特徴とする請求項15に記載のシステム。

【請求項18】
履歴及び理論的地震記象データベースに対しては、それぞれ、記憶された地震記象データを帯域フィルタリングして、複数の周波数レンジに分割すると共に、各周波数レンジに対して、それぞれ、地震記象データの初動到着時刻及び最大振幅到着時刻に基づいて波形の合わせを行い、2組の地震記象データを取得することを特徴とする請求項15に記載のシステム。

【請求項19】
履歴及び理論的地震記象データベースに対しては、それぞれ、取得された2組の地震記象データに対して、マルチランダムKDツリー法を用いて、各組の地震記象データに対して、単一又はマルチKDツリーを作成すると共に、
マルチKDツリーの場合は、各組内のマルチKDツリーに対して、並行に前記探索のステップを実行することを特徴とする請求項18に記載のシステム。

【請求項20】
地震記象データは多次元データであり、
各組の地震記象データに対して、組内の全ての地震記象データの各次元における平均値及び分散を算出し、複数の次元のうち平均値に対する最大分散を有する1つ又は複数の次元を確定すると共に、確定された1つ又は複数の次元うちの各次元に対して、当該次元における平均値を中間値として、地震記象データを2つの部分に分割し、各部分が1つの地震記象データしか残されていないことになるまで、再帰的に各部分に対して前記算出、確定および分割のステップを行い、それによって、単一又はマルチKDツリーを作成することを特徴とする請求項19に記載のシステム。

【請求項21】
探索エンジンは、マルチKDツリーにおいて、近似最近傍探索法を用いて複数の探索結果を探し出し、複数の探索結果が、類似する具合に応じて高い順にソートされ、その中から前に並べた複数の探索結果を、探索結果の集合を構成する近似最近傍として選択することを特徴とする請求項19に記載のシステム。

【請求項22】
予め決められた地震パラメータの範囲を格子化し、格子毎に人工的モデル化で理論的地震記象データを算出することによって、理論的地震記象データベースを作成することを特徴とする請求項15に記載のシステム。

【請求項23】
探索エンジンは、入力された地震記象の地震記象データと探索結果の集合における各探索結果との間の相互相関係数を算出し、相互相関係数が最大の探索結果を、マッチングしている地震記象データとして用いることによって、マッチングしている地震記象データを確定することを特徴とする請求項15に記載のシステム。

【請求項24】
全てのマッチングしている地震記象データの相互相関係数分布を比較することによって、探索結果の解析度及び信頼性を評価する評価装置をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載のシステム。

【請求項25】
履歴及び理論的地震記象データは、1つ又は複数の地震ステーションが記録した地震パラメータに基づいて作成されており、
複数の地震ステーションが記録した地震パラメータを用いれば、探索エンジンは、地震ステーション毎に地震パラメータの推定を取得し、複数の地震ステーションの地震パラメータの推定の論理積を、入力された地震イベントの地震パラメータの推定として確定することを特徴とする請求項15に記載のシステム。

【請求項26】
履歴地震記象データベース及び理論的地震記象データベースからそれぞれ取得されたマッチングしている地震記象データと入力された地震時間の地震記象データとの相互相関係数が同じ又は類似している場合、探索エンジンは、履歴地震記象データベースのマッチングしている地震記象データを選択することを特徴とする請求項15に記載のシステム。

【請求項27】
地震イベント探索エンジンであって、
入力された地震イベントの、地震波形を含む地震記象データに対して、実際に発生した地震イベントの地震記象データを記憶する予め作成された履歴地震記象データベース、及び人工的にモデル化された地震記象データを記憶する理論的地震記象データベースにおいて、波形のマッチングによって、近似最近傍法を用いて並行探索を行い、予め決められた類似度条件に従って当該入力された地震イベントの地震記象データに類似する複数の地震記象データを探索結果の集合として探し出す探索装置と、
探索結果の集合において、マッチングしている地震記象データを確定し、その中から入力された地震イベントの地震パラメータの推定を取得する確定装置とを含む、
地震イベント探索エンジン。

【請求項28】
履歴及び理論的地震記象データベースにおける地震記象データは、インデックス処理されており、
探索装置は、局所性鋭敏型ハッシュ法を用いて探索を行うことを特徴とする請求項27に記載の地震イベント探索エンジン。

【請求項29】
履歴及び理論的地震記象データベースにおける地震記象データは、インデックス処理されており、
探索装置は、マルチランダムKDツリー法を用いて探索を行うことを特徴とする請求項27に記載の地震イベント探索エンジン。

【請求項30】
探索装置は、マルチKDツリーにおいて、近似最近傍探索法を用いて複数の探索結果を探し出し、複数の探索結果が、類似する具合に応じて高い順にソートされ、その中から前に並べた複数の探索結果を、探索結果の集合を構成する近似最近傍として選択することを特徴とする請求項29に記載の地震イベント探索エンジン。

【請求項31】
確定装置は、入力された地震記象の地震記象データと探索結果の集合における各探索結果との間の相互相関係数を算出し、相互相関係数が最大の探索結果を、マッチングしている地震記象データとして用いることによって、マッチングしている地震記象データを確定することを特徴とする請求項27に記載の地震イベント探索エンジン。

【請求項32】
履歴及び理論的地震記象データは、1つ又は複数の地震ステーションが記録した地震パラメータに基づいて作成されており、
複数の地震ステーションが記録した地震パラメータを用いれば、地震イベント探索エンジンは、地震ステーション毎に地震パラメータの推定を取得し、複数の地震ステーションの地震パラメータの推定の論理積を、入力された地震イベントの地震パラメータの推定として確定することを特徴とする請求項27に記載の地震イベント探索エンジン。

【請求項33】
履歴地震記象データベース及び理論的地震記象データベースからそれぞれ取得されたマッチングしている地震記象データと入力された地震時間の地震記象データとの相互相関係数が同じ又は類似している場合、確定装置は、履歴地震記象データベースのマッチングしている地震記象データを選択することを特徴とする請求項27に記載の地震イベント探索エンジン。
国際特許分類(IPC)
Fターム
  • 2G105AA03
  • 2G105MM02
画像

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JP2014506751thum.jpg
出願権利状態 登録
分野
  • 物理学
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