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癌治療のための新規複合体

国内特許コード P150011690
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2008-550618
公表番号 特表2009-523433
出願日 平成19年1月19日(2007.1.19)
公表日 平成21年6月25日(2009.6.25)
国際出願番号 CN2007000203
国際公開番号 WO2007082482
国際出願日 平成19年1月19日(2007.1.19)
国際公開日 平成19年7月26日(2007.7.26)
優先権データ
  • 200610011246.4 (2006.1.20) CN
発明者
  • ▲羅▼ 永章
  • 周 昊
  • 雷 清新
  • 常 国▲棟▼
出願人
  • 清華大学
  • 北京普▲羅▼吉生物科技▲発▼展有限公司
発明の名称 癌治療のための新規複合体
発明の概要 本発明は、高抗原性、短い半減期という、前記抗癌タンパク質に固有の欠点を克服し、一貫しない修飾部位、非均一な組成物、有意に減少する活性および製品品質の制御の困難性という非特異的な修飾方法に起因する欠点を克服し、最終的にそれを癌の治療と抗癌剤の調製に利用可能なものとするため、特定の修飾剤と特定部位で結合した抗癌タンパク質に関する。
従来技術、競合技術の概要 肝癌および悪性黒色腫は、診断後一年以内に大部分の患者が、死に至る疾患である。肝癌は、中国で最も一般的な悪性腫瘍の一つであり、進行が早く、治癒が困難である。治療の効果は、満足できるものではなく、肝癌を患う患者は、一般的に寿命が短い。これが、肝癌が、「癌の王」と呼ばれる理由である。中国における肝癌での年間死亡率は、10万人あたり20.4人であり、これは、全ての悪性腫瘍の18.8%であることを、近年の調査データは示している。死亡率は、1970年代に3位から2位に上昇し、都市部では肺癌、地方部では胃癌のみに次ぐ。悪性黒色腫も、急性かつ悪性の癌であり、その発生率は、アメリカにおいて最も速く増加している。一方で、皮膚の褐色細胞腫は、全ての皮膚悪性癌の5%であるが、悪性癌で死亡する患者の75%以上は、悪性の黒色腫を患っている。2003年には、約6万人のアメリカ人が黒色腫を患っていると診断され、そのうち1万のケースが致死的である。黒色腫は、早期に治療できなければ、他の癌と異なり、悪性の癌に発達し、高い効率で全身に転移可能である。

血液から、ある必須アミノ酸を特異的に除去する方法は、ある種の癌の治療に使用できる。前記方法において、有名な例は、血液中のアスパラギン濃度を下げるためにL-アスパラギナーゼを使用する、急性リンパ性白血病の治療法である。一般的に用いられるL-アスパラギナーゼは、Escherichia coliから単離される。しかし、その固有の抗原性および短い循環半減期のために、前記酵素の適用は極めて制限されている(非特許文献1)。Escherichia coliのL-アスパラギナーゼがポリエチレングリコールで修飾されると、前記半減期は、顕著な延長が可能であり、前記抗原性は、有意な減少が可能である(非特許文献1、2)。ある種の必須アミノ酸の除去により、いくつかの癌は、ある程度治療可能であるが、必須アミノ酸は、正常細胞の成長にも必要である。その結果、血液中のある種の必須アミノ酸の減少は、いくつかの重篤な副作用を招く。

いくつかの癌細胞は、正常な細胞とは異なる代謝方式を有することが示されている。癌細胞による特定種類のアミノ酸要求性もまた、正常な細胞とは異なる。この理論に基づけば、例えば、アルギニンのような特定の非必須アミノ酸の分解により、正常な細胞にはほとんど影響無く、例えば、肝癌および悪性黒色腫のようないくつかの癌を制御できることが見いだされた。Pseudomonas pudita由来のあるアルギニンデイミナーゼは、in itroで癌細胞を阻害し、死滅できる。しかし、Pseudomonas puditaのアルギニンデイミナーゼに固有の欠陥(例えば、中性pH環境の条件下では、酵素の活性が低く、迅速に除去される)により、癌治療への適用には制限があった。分子量46,000DaのMycoplasma arginini由来の別のアルギニンデイミナーゼは、中性pH条件下で活性を維持でき、実験動物モデルにおいて癌の成長を阻害できることが確認された(非特許文献3および特許文献1、これは引用により本明細書に含まれる)。しかし、前記アルギニンデイミナーゼもまた、微生物由来の異種タンパク質として、高抗原性、短い循環半減期、および実験動物の体内で分解されやすいという問題を有する。ポリエチレングリコールを結合させたタンパク質は、半減期の有意な延長、抗原性の減少、癌の治療が可能であることが、いくつかの報告により示されている(非特許文献4)。ポリエチレングリコールとの結合により、アルギニンデイミナーゼを癌の臨床治療に使用することが可能となるが(非特許文献5)、使用される結合様式は、複数部位と異質な修飾であり、これにより、修飾タンパク質の形状が非均一になり、調製の質が制御不能になる。その結果、異なるバッチの修飾タンパク質産物の効能および薬剤代謝の評価は困難であり、一方では、その薬剤固有の非均一性が原因で、患者の臨床治療効果の違いが説明困難である。これにより、異なる癌患者に対する適切な治療計画の処方に大きく悪影響を及ぼしている可能性がある。

化学薬剤と比較すると、ポリペプチドおよびタンパク質の薬剤は、毒性/副作用が低く、薬剤耐性がほとんど無い等の利点を持つ。より高い活性、生物学的有効性、および、生体内での低い分解性を達成するために、タンパク質薬剤は、通常、静脈内に投与される。しかし、この状況では、低分子量タンパク質薬剤の半減期は非常に短いと考えられるが、その理由は、分解だけではなく、腎臓を介した迅速な除去にもよる。血液中では、タンパク質の水力半径がアルブミンのそれよりも大きい場合、あるいはタンパク質の分子量が66kDaよりも大きい場合、そのタンパク質は、循環中、安定に保たれる。しかし、より低分子量のタンパク質は、糸球体を介して血液から迅速に除去されうる。このように、血液中で低分子量タンパク質の有効な治療濃度を維持するために、頻繁な静脈内投与が必要となる。このような治療により治療効果を達成できたが、それによって、患者には不便さおよび痛みをもたらし、治療のコストも増大する。一方では、薬剤の長期間の投与により、例えば、免疫反応等の副作用が起こる可能性がある。

タンパク質薬剤としてのアルギニンデイミナーゼ(アルギニン脱イミノ基酵素)もまた、短い半減期ならびに生体内での高い除去率という欠点を持っている。さらに、アルギニンデイミナーゼは、病原性微生物由来であるため、より高い抗原性を持ち、これによりヒトの身体に強い免疫反応を誘導する可能性がある。

巨大分子重合体を用いたタンパク質修飾は、半減期、生物学的特質および毒素学的特質のような薬剤の動的特質を変化させて制御する一般的な方法である。タンパク質修飾に用いる巨大分子重合体は、他に比べて、優れた水溶性、優れた生体適合性、低い免疫原性を有するべきである。ポリエチレングリコールは、主流のタンパク質修飾分子である。前記ポリエチレングリコールは、両親媒性の性質を持ち、水だけでなく、大部分の有機溶媒に溶解可能である。一方、前記ポリエチレングリコールは、無毒性、無免疫原性で、水溶性が高いため、アメリカ合衆国のFDAと同様に中国のSFDAを含む多くの国の医薬品局により、薬剤調製用の巨大分子重合体として認可されている。例えば、前記ポリエチレングリコールのような巨大分子重合体とタンパク質を結合させることにより、タンパク質の生体内での安定性を増大させ、非特異的な吸収と抗原性を減少させることができる。いったん前記複合体がある分子量に達すると、腎臓による除去率は効果的に減少する。これは、タンパク質薬剤の生体内半減期を延長させる効果的手段である(非特許文献6、7)。ポリエチレングリコール修飾における反応部位として当初用いられたアミノ基は、主に、タンパク質N末端のα-アミノ基と、リジン残基側鎖のε-アミノ基であった。その反応産物は、単一もしくは複数のPEG分子と非特異的に結合したタンパク質分子である。リジン残基側鎖のε-アミノ基修飾は、非特異的な反応部位のために、修飾された異性体を生成する可能性がある。

近年、タンパク質N末端のα-アミノ基と、リジン残基側鎖のε-アミノ基との等電点の違いに着目して、タンパク質N末端を特異的に修飾するポリエチレングリコール修飾剤が開発されており、その結果、同一部位が修飾された均一な修飾産物を得ることが可能である。ポリエチレングリコール修飾を受ける他のタンパク質部位は、システイン残基のメルカプト基である。一般的に、メルカプト基の数は、タンパク質のアミノ基の数よりも少ないため、メルカプト基修飾は、より特異的である。遺伝子工学的手法を用いれば、特異的修飾部位として提供するために、今や、タンパク質の任意の位置にシステインの導入が可能である。しかし、修飾部位としてのシステインの導入は、また、一定の制限を有する。なぜなら、システイン残基を有さないタンパク質やポリペプチドにとっては、これにより分子間のクロスリンクが生じ、結果として活性が消失し、また、システイン残基を既に含むタンパク質にとっては、これによりジスルフィド結合の誤ったペア形成が生じ、結果として前記タンパク質は再生不能となる。さらに、タンパク質のカルボキシル基もまた修飾部位として頻繁に用いられる(非特許文献8)。ポリエチレングリコールによる修飾技術は、PEG-アスパラギナーゼ(非特許文献9、Avramis Vassilios I.ら、特許文献2、3)、PEG-アデノシンデアミナーゼ(非特許文献10~12)、ならびに、PEG-インターフェロンα2aおよびPEG-インターフェロンα2b等(非特許文献13、14,Meng Xiantaiら、特許文献4、Van Vlasselaer Peterら、特許文献5、Ballon Pascal Sebastlanら、特許文献6,Karasiewicz Robertら、特許文献7)のPEG-インターフェロンを含む複数のタンパク質薬剤で使用が成功している。

他の代表的な巨大分子修飾剤は、グルカン、ポリスクロース、でんぷん、ポリアラニン、アジピン酸とマロン酸との共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリ1,3-ジオキソラン、エチレンとマレイン酸ヒドラジドとの共重合体、ポリシアル酸、シクロデキストリン等を含む。

タンパク質薬剤の半減期の他の延長方法では、タンパク質薬剤の分子量を増加させるためのキャリアーとして使用される血中タンパク質またはその断片を、前記タンパク質薬剤と結合または融合させる。例えば、免疫グロブリンのFc断片は、後者の半減期を延長するために、ターゲットタンパク質と結合させてもよい。例えば、この戦略は、Notch1受容体タンパク質(Kitajewsky Janら、特許文献8)、エリスロポエチン(EPO)(Gillies Stephen D.ら、特許文献9)、ヒトソマトロピン(Kim Young Minら、特許文献10)等に用いられている。血漿アルブミンは、一般的に用いられる他の結合キャリアーであり、抗生物質、抗炎症剤および抗酸化剤(Ezrin Alan Mら、特許文献11、Otagiri Masakiら、特許文献12)等のようなタンパク質に用いられている。

in vitroでタンパク質薬剤を血中タンパク質キャリアーと直接結合させることに加えて、薬剤タンパク質に、生体内分子への化学的反応活性または高い親和性を与えるために、薬剤タンパク質のin vitroでの修飾も可能である。これにより前記薬剤タンパク質は、体内に入って血中成分との反応が可能になり、より長い半減期を有する巨大分子または化合物を形成する。一つの例は、血中タンパク質または細胞表面タンパク質のメルカプト基と反応できるマレイミドを持つ活性基で修飾された、抗ウイルス性の小ペプチド抗RSVである(Bridon Dominique Pら、特許文献13)。もう一つの例は、生体内アルブミンへのタンパク質の親和性を増大させるために、前記タンパク質表面のアミノ酸残基へのアシル化反応による脂肪酸の導入である。血中に投与されると、前記タンパク質は、アルブミンとより大きな複合体を形成でき、それによって、前記タンパク質の半減期は延長される。前記方法は、長期間作用するインスリンの製造に用いられている(非特許文献6、15)。

徐放性製剤は、タンパク質薬剤の生体内半減期の他の延長方法である。前記タンパク質薬剤は、医薬用キャリアー内に配置される。前記医薬用キャリアーは、化学的巨大分子、または、タンパク質を緩やか且つ持続的に放出可能な物理的装置であってよく、それにより前記タンパク質は、キャリアーから緩やかに放出され、その結果、安定した生体内薬剤濃度が維持される。一般的に用いられる徐放性製剤には、ヒドロゲル、マイクロカプセル、マイクロバルーン、リポソーム、微小浸透圧ポンプ等が含まれる(非特許文献16~18)。リポソームは、二重膜構造を有する中空球体形の極微粒子である。前記二重膜は、両親媒性分子から構成されており、前記両親媒性分子の大部分はリン脂質であり、親水性の内室を形成する。前記親水性タンパク質薬剤は、リポソームの前記内室に封入されており、このため、生体内での緩やかな放出が可能であり、血中での前記タンパク質濃度を維持し、前記半減期を延長する。具体例は、神経成長因子(Hou Xinpuら、特許文献14)およびヘモグロビン(Farmer Martha Cら、特許文献15)等である。微小浸透圧ポンプは、半透膜の外部浸透圧と内部浸透圧との違いを用いることにより、内容物の緩やかな放出を制御する物理的装置であり、実験動物モデルにおいて、種々の化学的および生物学的薬剤の緩やかな放出の研究に広く用いられている。

【非特許文献1】Park YKら、Anticancer Res., 1: 373-376 (1981)
【非特許文献2】Kamisald Yら、J Pharmacol. Exp. Ther., 216: 410-414(1981)
【非特許文献3】Takakuら、Int. J. Cancer, 51:244-249 (1992)
【非特許文献4】Ensor CMら、Cancer Research, 62: 5443-5550 (2002)
【非特許文献5】Ascierto PAら、J. Clin. Oncol., 22: 1815-1822および23: 7660-7668 (2005)
【非特許文献6】Frokjaer Sら、Nat. Rev. Drug Discov. 2005 Apr 4(4): 298-306
【非特許文献7】Harris JMら、Nat. Rev. Drug Discov. 2003 Mar 2(3): 214-21
【非特許文献8】Veronese FMら、Drug Discov. Today. 2005 Nov 1;10(21):1451-8
【非特許文献9】Graham ML Adv. Drug Deliv. Rev. 55, 1293-1302
【非特許文献10】Levy Yら、J. Pediatr. 113, 312-317
【非特許文献11】Davis Sら、Clin Exp. Immunol. 46: 649-652
【非特許文献12】Hershfield MSら、N Engl J Med 316 : 589-596
【非特許文献13】Bailon Pら、C. Bioconjug. Chem. 12, 195-202
【非特許文献14】Wang YSら、Adv. Drug Deliv. Rev. 54, 547-570
【非特許文献15】Kurtzhals Pら、Biochem. J. (1995) 312, 725-731
【非特許文献16】Frokjaer Sら、Nat Rev Drug Discov. 2005 Apr;4(4):298-306
【非特許文献17】Peppas NAら、Eur. J. Pharm. Biopharm. 50, 27-46 (2000)
【非特許文献18】Packhaeuser CBら、Eur. J. Pharm. Biopharm. 58, 445-455 (2004)
【非特許文献19】Metselaar JMら、Mini Rev. Med. Chem. 4, 319-329 (2002)
【特許文献1】US特許005474928号公報
【特許文献2】国際公開WO1999/039732号パンフレット
【特許文献3】US特許006689762号公報
【特許文献4】国際公開WO2005/077421号パンフレット
【特許文献5】国際公開WO2004/076474号パンフレット
【特許文献6】US2004/030101A1号公報
【特許文献7】EP000593868A1号公報
【特許文献8】国際公開WO2005/111072号パンフレット
【特許文献9】国際公開WO2005/063808号パンフレット
【特許文献10】国際公開WO2005/047337号パンフレット
【特許文献11】国際公開WO2001/017568号パンフレット
【特許文献12】EP001571212A1号公報
【特許文献13】国際公開WO2000/069902号パンフレット
【特許文献14】CN1616087
【特許文献15】US特許004911929号公報

産業上の利用分野 本発明は、生理活性と代謝安定性を示す、組み換えアルギニンデイミナーゼの製造方法に関する。本発明は、また、前記アルギニンデイミナーゼを含む医薬複合体、前記アルギニンデイミナーゼを含む医薬組成物、および、前記アルギニンデイミナーゼと前記医薬組成物とを含むキットを提供する。本発明は、さらに、癌の予防、診断および治療のための前記アルギニンデイミナーゼおよび前記医薬組成物の使用を提供する。

特許請求の範囲 【請求項1】
修飾剤とアルギニンデイミナーゼとにより形成される複合体であって、前記修飾剤が、前記アルギニンデイミナーゼの生体内半減期を延長可能である複合体。

【請求項2】
前記修飾剤が、前記アルギニンデイミナーゼに共有結合されている、請求項1記載の複合体。

【請求項3】
前記修飾剤が、巨大分子重合体、タンパク質およびその断片、ペプチド、小分子または他の化合物からなる群から選択される、請求項2記載の複合体。

【請求項4】
前記巨大分子重合体が、ポリエノール化合物、ポリエーテル化合物、ポリビニルピロリドン、ポリアミノ酸、ジビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、N-(2-ヒドロキシプロピル)-メタクリルアミド、多糖、ポリオキシエチル化ポリオール、ヘパリン、ヘパリン断片、ポリ-アルキル-エチレングリコールおよびその誘導体、ポリ-アルキル-エチレングリコールとその誘導体との共重合体、ポリビニルエチルエーテル、a,P-ポリ[(2-ヒドロキシエチル)-DL-アスパルタミド]、ポリカルボン酸、ポリオキシエチレン-オキシメチレン、ポリアクリロイルモルホリン、アミノ化合物とオキシオレフィンとの共重合体、ポリヒアルロン酸、ポリオキシラン、エタン二酸とマロン酸との共重合体、ポリ(1,3-ジオキソラン)、エチレンとマレイン酸ヒドラジドとの共重合体、ポリシアル酸またはシクロデキストリンからなる群から選択される、請求項3記載の複合体。

【請求項5】
前記ポリエーテル化合物が、ポリアルキレングリコール(HO((CHO)H)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン(HO((CHO)H)、ポリビニルアルコール((CHCHOH))またはそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項4記載の複合体。

【請求項6】
前記ポリエノール化合物が、ポリエチレングリコール(モノメトキシポリエチレングリコールおよびモノヒドロキシポリエチレングリコールを含む)、ポリビニルアルコール、ポリアリルアルコール、ポリブテノールまたは他のポリエノール化合物、および、脂質のようなそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項4記載の複合体。

【請求項7】
前記ポリエノール化合物が、好ましくはポリエチレングリコールであり、より好ましくはモノメトキシポリエチレングリコールである、請求項6記載の複合体。

【請求項8】
前記ポリエチレングリコールが、線状または分岐状である、請求項7記載の複合体。

【請求項9】
前記ポリエチレングリコールが、5,000から100,000Da、好ましくは5,000から60,000Da、より好ましくは5,000から40,000Da、最も好ましくは20,000から40,000Daの範囲の平均分子量を有する、請求項7記載の複合体。

【請求項10】
アルギニンデイミナーゼ一分子が、ポリエチレングリコール一分子と結合している、請求項7記載の複合体。

【請求項11】
前記結合部位が、アルギニンデイミナーゼにおける、N末端アミノ酸残基のα-アミノ基、リジン残基側鎖のε-アミノ基、システイン残基側鎖のメルカプト基、アスパラギン酸残基側鎖のカルボキシル基、グルタミン酸残基側鎖のカルボキシル基、チロシン残基側鎖の水酸基、セリン残基側鎖の水酸基、および、スレオニン残基側鎖の水酸基からなる群から選択される一つ、または、それらの組合せである、請求項7から10のいずれか一項記載の複合体。

【請求項12】
アルギニンデイミナーゼ分子が、ポリエチレングリコール分子と結合しており、前記結合部位が、アルギニンデイミナーゼのN末端アミノ酸残基のα-アミノ基である、請求項7から11のいずれか一項記載の複合体。

【請求項13】
アルギニンデイミナーゼが、ポリエチレングリコール分子と、付加されたシステイン残基におけるメルカプト基で結合しており、前記付加されたシステイン残基が、前記アルギニンデイミナーゼ分子のN末端、C末端または内部領域に、システイン残基またはシステイン残基を含むペプチド鎖の付加により導入されている、請求項7から11のいずれか一項記載の複合体。

【請求項14】
アルギニンデイミナーゼ分子が、特定部位でポリエチレングリコール分子と結合しており、前記特定部位が、前記アルギニンデイミナーゼ分子におけるアスパラギン酸残基またはグルタミン酸残基のカルボキシル基である、請求項7から11のいずれか一項記載の複合体。

【請求項15】
アルギニンデイミナーゼ分子が、特定部位でポリエチレングリコール分子と結合しており、前記特定部位が、前記アルギニンデイミナーゼ分子のチロシン残基、セリン残基またはスレオニン残基の水酸基である、請求項7から11のいずれか一項記載の複合体。

【請求項16】
前記アルギニンデイミナーゼの前記修飾部位が、一つであり限定されている、請求項7から15のいずれか一項記載の複合体。

【請求項17】
前記タンパク質が、アルブミン、免疫グロブリン、サイロキシン結合性タンパク質、トランスサイレチン、トランスフェリン、フィブリノゲン、およびそれらの断片からなる群から選択される、請求項3記載の複合体。

【請求項18】
アルギニンデイミナーゼ一分子が、一つ以上のアルブミン分子、好ましくはヒト血清アルブミンまたはその断片と結合している、請求項17記載の複合体。

【請求項19】
前記アルギニンデイミナーゼ分子が、一つ以上の免疫グロブリンのFc断片、好ましくはヒト免疫グロブリンIgGのFc断片と結合している、請求項17記載の複合体。

【請求項20】
前記アルギニンデイミナーゼ分子が、小分子または小ペプチドまたは他の化合物と結合しており、前記複合体が、生体内の他の分子または成分と反応または結合可能であり、それにより、前記複合体が、生体内の他の分子または成分とより大きな複合体を形成可能である、請求項3記載の複合体。

【請求項21】
前記複合体が、血液成分のアミノ基、水酸基またはメルカプト基と共有結合を形成可能な反応基を含む、請求項20記載の複合体。

【請求項22】
前記反応基が、アルブミンのような血液成分のメルカプト基と反応可能なマレイミドである、請求項21記載の複合体。

【請求項23】
前記複合体が、アルブミンまたは免疫グロブリンまたは他のタンパク質のようないくつかの血液成分に強い親和性を有し、それにより、より大きな複合体が形成可能である、請求項20記載の複合体。

【請求項24】
前記複合体が、グリコシル化、リン酸化またはアシル化されたアルギニンデイミナーゼ分子のような、小分子または小ペプチドで修飾されたアルギニンデイミナーゼ分子であって、前記修飾部位が、野生型タンパク質におけるアミノ酸残基または変異により生じたアミノ酸残基である、請求項3記載の複合体。

【請求項25】
前記アルギニンデイミナーゼ分子が、非共有相互作用を介して他のキャリアーと結合し、前記キャリアーが、タンパク質、小分子、または、キャリアーとして機能する他の物質である、請求項1記載の複合体。

【請求項26】
生体適合性キャリアーと、請求項1から25のいずれか一項記載の複合体とにより形成される、徐放性製剤。

【請求項27】
前記徐放性製剤が、マイクロカプセル、ヒドロゲル、マイクロスフェア、微小浸透圧ポンプまたはリポソームからなる群から選択される形態である、請求項26記載の徐放性製剤。

【請求項28】
前記アルギニンデイミナーゼが、Mycoplasma hominisMycoplasma arthritidisもしくはMycoplasma arginini由来である、または、前記アルギニンデイミナーゼが、遺伝子組み換え技術によるクローニングによって調製されるMycoplasma hominisMycoplasma arthritidisもしくはMycoplasma argininiのアルギニンデイミナーゼである、請求項1から27のいずれか一項記載の複合体または徐放性製剤。

【請求項29】
前記アルギニンデイミナーゼが、好ましくはMycoplasma hominis由来であり、その野生型が、配列番号1に示す配列を有する、請求項1から27のいずれか一項記載の複合体または徐放性製剤。

【請求項30】
前記アルギニンデイミナーゼが、より好ましくはE. coliに発現させた野生型組み換えMycoplasma hominisアルギニンデイミナーゼであり、配列番号1または配列番号2に示す配列を有する、請求項1から27のいずれか一項記載の複合体または徐放性製剤。

【請求項31】
前記アルギニンデイミナーゼが、アルギニンデイミナーゼの活性断片、変異体、誘導体、異性体、またはそれらの組合せ、好ましくは、Mycoplasma属由来のアルギニンデイミナーゼの活性断片、変異体、誘導体、異性体、またはそれらの組合せ、より好ましくは、Mycoplasma hominis由来のアルギニンデイミナーゼの活性断片、変異体、誘導体、異性体、またはそれらの組合せである、請求項1から27のいずれか一項記載の複合体または徐放性製剤。

【請求項32】
前記アルギニンデイミナーゼ誘導体が、N末端またはC末端に1~15アミノ酸残基の長さの付加ペプチドの配列を有し、好ましくは、配列番号3または配列番号4に示す配列を有し、前記N末端に付加Hisタグを含むペプチドMGGSHHHHHを有する、請求項31記載の複合体。

【請求項33】
請求項1から27のいずれか一項記載の複合体または徐放性製剤と薬学上許容できるキャリアーとを含む医薬組成物。

【請求項34】
前記薬学上許容できるキャリアーが、リン酸、クエン酸および他の有機酸の緩衝液を含む水溶性のpH緩衝液;アスコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量ポリペプチド(10残基以下);血清アルブミン、グルチンまたは免疫グロブリンのようなタンパク質;ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニンまたはリジンのようなアミノ酸;単糖、二糖、および、グルコース、マンノースまたはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTAのようなキレート剤;マンニトールまたはソルビトールのような糖アルコール;ナトリウムイオンのような塩を形成する対イオン;Tween(登録商標)、PEG、PLURONICS(登録商標)のような非イオン性界面活性剤からなる群から選択される、請求項33記載の医薬組成物。

【請求項35】
請求項1から34のいずれか一項記載の複合体、組成物または徐放性製剤、および、その使用のための説明書を含むキット。

【請求項36】
巨大分子重合体とアルギニンデイミナーゼとを混合する工程、ならびに、溶液、温度、pHおよび反応モル比を含む適切な条件下で反応させる工程を含む、請求項7から16のいずれか一項記載の複合体を調製する方法。

【請求項37】
前記pHが、pH3~pH10である、請求項36記載の方法。

【請求項38】
イオン交換カラムを用いて前記複合体を精製する工程を含む、請求項7から16のいずれか一項記載の複合体を調製する方法。

【請求項39】
ゲルろ過を用いて前記複合体を精製する工程を含む、請求項7から16のいずれか一項記載の複合体を調製する方法。

【請求項40】
癌の予防、診断および治療における、請求項1から35のいずれか一項記載の複合体、組成物、徐放性製剤またはキットの使用。

【請求項41】
前記癌が、肺癌、肝癌、胃癌、食道癌、骨肉腫、膵臓癌、リンパ腫、大腸癌、乳癌、前立腺癌、口腔癌、鼻咽腔癌、子宮頸癌、白血病、悪性黒色腫、肉腫、腎臓癌、胆道癌または他の癌からなる群から選択される、請求項40記載の使用。

【請求項42】
他のアルギニン関連疾患の予防、診断または治療における、請求項1から35のいずれか一項記載の複合体、組成物、徐放性製剤またはキットの使用。

【請求項43】
その投与経路が、静脈内注射、点滴、静脈管内投与、動脈管内投与、筋内注射、経口投与、吸入投与、皮下投与、経皮投与、腹腔内投与、直腸投与、膣内投与、鼻粘膜投与、口腔粘膜投与もしくは眼内投与、または他の投与経路からなる群から選択される、請求項40から42のいずれか一項記載の使用。

【請求項44】
抗癌剤の調製における、請求項1から35のいずれか一項記載の複合体、組成物、徐放性製剤またはキットの使用。

【請求項45】
他のアルギニン関連疾患の予防、診断または治療のための医薬品の調製における、請求項1から35のいずれか一項記載の複合体、組成物、徐放性製剤またはキットの使用。

【請求項46】
アルギニンデイミナーゼの半減期の延長方法であって、アルギニンデイミナーゼと、アルギニンデイミナーゼの生体内半減期を延長可能な修飾剤との間で複合体を形成させる工程を含む方法。

【請求項47】
アルギニンデイミナーゼの半減期の延長方法であって、アルギニンデイミナーゼまたはアルギニンデイミナーゼを含む複合体と生体適合物質との間で、徐放性製剤を形成させる工程を含む方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
分野
  • 化学;冶金
  • 生活必需品
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