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癌治療のための医薬品およびその使用

国内特許コード P150011691
掲載日 2015年3月30日
出願番号 特願2008-550619
公表番号 特表2009-523743
登録番号 特許第5687823号
出願日 平成19年1月19日(2007.1.19)
公表日 平成21年6月25日(2009.6.25)
登録日 平成27年1月30日(2015.1.30)
国際出願番号 CN2007000204
国際公開番号 WO2007082483
国際出願日 平成19年1月19日(2007.1.19)
国際公開日 平成19年7月26日(2007.7.26)
優先権データ
  • 200610011247.9 (2006.1.20) CN
発明者
  • ▲羅▼ 永章
  • ▲韓 慶▼
  • 雷 清新
  • 常 国▲棟▼
  • 付 彦
出願人
  • 清華大学
  • 北京普▲羅▼吉生物科技▲発▼展有限公司
発明の名称 癌治療のための医薬品およびその使用
発明の概要 本発明は、抗癌複合体の製造方法と同様に、抗癌複合体および医薬組成物または前記複合体を含むキットを開示する。本発明の前記抗癌複合体は、生体内で代謝的に安定であり、癌の治療および抗癌剤の製造のために最終的には利用可能なものである。
従来技術、競合技術の概要



血管新生とは、現存する血管からの新しい毛細血管の成長を意味する。癌細胞の成長および移行は、血管新生に依存し、そのため、癌の血管内皮細胞を癌治療の標的とみなすことは、癌治療のための新しい戦略を提供する(非特許文献1)。





エンドスタチンは、コラーゲンXVIIIのC末端の20kDaの切断断片である。1997年に、ハーバード大学のFolkman教授らは、血管内皮細胞の増殖、移行、および生体内での血管形成への阻害活性を持つ血管内皮腫細胞の培地内に、このタンパク質を発見した。さらなる実験により、前記組み換えエンドスタチンは、マウスでの種々の癌の成長および転移を阻害でき、薬剤耐性を誘導しない癌でさえ、治療可能なことが明らかになった。エンドスタチンの前記活性の基礎となる機構は、血管内皮細胞の成長阻害による癌組織内の血管新生の抑制である。その結果、癌は、成長に必要な栄養および酸素を得られず、成長の阻害または壊死が起こる(非特許文献2、3)。遺伝子操作により調製されるヒト組み換えエンドスタチンは、抗癌複合体に発展し、臨床試験で癌の成長に有効な阻害効果を示す。中国では、それは、非小細胞肺癌の臨床試験において、極めて優れた抗癌効果を示す。





化学的薬剤と比較すると、ポリペプチドおよびタンパク質の薬剤は、低い毒性/副作用、および、薬剤耐性がほとんど無い等の利点を有する。より高い活性、生物学的な有効性、生体内での低分解性を達成するために、前記タンパク質薬剤は、通常、静脈内に投与される。しかし、この状況では、低分子量のタンパク質薬剤の半減期は非常に短いが、その理由は、分解だけではなく、腎臓を介した迅速な除去にもよる。血液中では、タンパク質の水力半径がアルブミンよりも大きい場合、あるいはタンパク質の分子量が66kDaよりも大きい場合、そのタンパク質は、循環システムにおいて、安定に保たれる。しかし、より低分子量のタンパク質は、糸球体を介して血液から迅速に除去されうる。このように、血液中で低分子量タンパク質の有効な治療濃度を維持するために、頻繁な注射または連続的な注入が必要となる。このような治療により治療効果を達成できたが、それによって、患者には不便さおよび痛みをもたらし、治療のコストも増大する。一方では、長期間の薬剤投与により、例えば、免疫反応等の副作用が起こる可能性がある。





【非特許文献1】

olkman J. N Engl J Med 1971; 285:1182-1186

【非特許文献2】

olkman J.ら、Cell 1997; 88:277-285

【非特許文献3】

olkman J.ら、Nature 1997; 390:404-407

産業上の利用分野



本発明は、エンドスタチンを含み、生理活性があり且つ代謝的に安定な複合体、およびその徐放性製剤、ならびに、それらの調製方法に関する。本発明は、また、前述の複合体または徐放性製剤を含む医薬組成物およびキットを提供する。本発明は、また、癌を予防、診断、治療するための、エンドスタチン複合体、徐放性製剤、医薬組成物、およびキットの使用、ならびに抗癌剤調製のためのエンドスタチン複合体の使用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
エンドスタチン1分子へのポリエチレングリコール1分子の結合により形成される複合体であって、
前記ポリエチレングリコール分子が、エンドスタチンのN末端α-アミノ基で、エンドスタチンに結合しており、
前記エンドスタチンが、配列番号1または配列番号2に示す配列を有し、
前記ポリエチレングリコールの平均分子量が、1kDaから100kDaであり、かつ、
前記複合体の生物学的活性が、対応する未修飾エンドスタチン分子よりも促進されている複合体。

【請求項2】
前記ポリエチレングリコール分子が、線状または分岐状である、請求項1記載の複合体。

【請求項3】
前記ポリエチレングリコールの平均分子量が、5kDaから40kDaである、請求項1または2記載の複合体。

【請求項4】
前記ポリエチレングリコールの平均分子量が、20kDaまたは40kDaである、請求項3記載の複合体。

【請求項5】
前記ポリエチレングリコールが、モノメトキシポリエチレングリコール、モノヒドロキシルポリエチレングリコール、または、それらの誘導体である、請求項1から4のいずれか一項記載の複合体。

【請求項6】
前記モノメトキシポリエチレングリコール誘導体が、モノメトキシポリエチレングリコールブチラルド(mPEG-ButyrALD)またはモノメトキシポリエチレングリコールスクシンイミジルプロピオン酸(mPEG-SPA)である、請求項5記載の複合体。

【請求項7】
エンドスタチン1分子へのポリエチレングリコール1分子の結合により形成される複合体であって、
前記ポリエチレングリコール分子が、エンドスタチンのN末端α-アミノ基で、エンドスタチンに結合しており、
前記エンドスタチンが、エンドスタチン誘導体であり、
前記エンドスタチン誘導体が、配列番号1のN末端またはC末端に、長さ1~15アミノ酸残基のペプチドが付加することにより形成された誘導体であり、
前記ポリエチレングリコールの平均分子量が、1kDaから100kDaであり、かつ、
前記複合体の生物学的活性が、対応する未修飾エンドスタチン分子よりも促進されている複合体。

【請求項8】
前記エンドスタチン誘導体が、配列番号6または配列番号7に示す配列を有する、請求項記載の複合体。

【請求項9】
請求項1からのいずれか一項記載の複合体と生体適合物質とにより形成される徐放性製剤であって、
前記徐放性製剤が、マイクロカプセル、ヒドロゲル、マイクロスフェア、微小浸透圧ポンプおよびリポソームからなる群から選択された少なくとも一つの形態である徐放性製剤。

【請求項10】
請求項1からのいずれか一項記載の複合体および請求項記載の徐放性製剤の少なくとも一方と、薬学上許容できるキャリアーとを含む医薬組成物。

【請求項11】
前記薬学上許容できるキャリアーが、リン酸、クエン酸または他の有機酸の緩衝液を含む水溶性pH緩衝液;アスコルビン酸または他の抗酸化剤;低分子量のポリペプチド(10残基以下);血清アルブミン、グルチン、免疫グロブリンまたは他のタンパク質;ポリビニルピロリドンまたは他の親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、リジンまたは他のアミノ酸;単糖、二糖、グルコース、マンノース、デキストリンまたは他の炭水化物;EDTAまたは他のキレート剤;マンニトール、ソルビトールまたは他の糖アルコール;ナトリウムイオンまたは他の塩を形成する対イオン;Tween(登録商標)、PEG、PLURONICS(登録商標)または他の非イオン性界面活性剤である、請求項1記載の医薬組成物。

【請求項12】
癌を予防または治療するための医薬品であって、
請求項1からのいずれか一項記載の複合体、請求項記載の徐放性製剤、および、請求項1または1記載の医薬組成物からなる群から選択された少なくとも一つを含む医薬品。

【請求項13】
前記癌が、肺癌、神経内分泌腫瘍、大腸癌、骨肉腫、肝癌、胃癌、膵臓癌、口腔癌、乳癌、前立腺癌、リンパ腫、食道癌、鼻咽腔癌、子宮頸癌、肉腫、腎臓癌、胆道癌、悪性黒色腫および他の癌からなる群から選択された少なくとも一つである、請求項1記載の医薬品。

【請求項14】
異常な血管新生により生じる組織または器官の障害によって特徴づけられる疾患を予防または治療するための医薬品であって、
請求項1からのいずれか一項記載の複合体、請求項記載の徐放性製剤、および、請求項1または1記載の医薬組成物からなる群から選択された少なくとも一つを含む医薬品。

【請求項15】
投与経路が、静脈内注射、静脈内注入、皮下注射、筋内注射、腹腔内注射、皮下への埋め込み、経皮吸収、肝動脈注射、経口投与、経鼻投与、口腔粘膜投与、眼内投与、直腸投与および膣内投与からなる群から選択された少なくとも一つである、請求項1から1のいずれか一項に記載の医薬品。

【請求項16】
癌を予防または治療するための医薬品の製造方法であって、
請求項1からのいずれか一項記載の複合体、請求項記載の徐放性製剤、および、請求項1または1記載の医薬組成物からなる群から選択された少なくとも一つを使用する医薬品の製造方法。

【請求項17】
異常な血管新生により生じる組織または器官の障害によって特徴づけられる疾患を予防または治療するための医薬品の製造方法であって、
請求項1からのいずれか一項記載の複合体、請求項記載の徐放性製剤、および、請求項1または1記載の医薬組成物からなる群から選択された少なくとも一つを使用する医薬品の製造方法。

【請求項18】
エンドスタチンの生体内半減期を延長するとともに生物学的活性を促進する方法であって、
ポリエチレングリコール1分子をエンドスタチン1分子に結合させることにより、複合体を形成する工程であって、前記エンドスタチンにおける結合部位が、エンドスタチンのN末端α-アミノ基であり、前記エンドスタチンが、配列番号1もしくは配列番号2に示す配列を有し、または、前記エンドスタチンが、配列番号1のN末端もしくはC末端に、長さ1~15アミノ酸残基のペプチドが付加することにより形成された誘導体であり、かつ、前記ポリエチレングリコールの平均分子量が、1kDaから100kDaである工程を含む、生体内半減期を延長するとともに生物学的活性を促進する方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
分野
  • 生活必需品
  • 化学;冶金
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