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生物膜ろ過システム

国内特許コード P05A007046
整理番号 A151P16
掲載日 2005年4月25日
出願番号 特願2001-220985
公開番号 特開2003-033792
登録番号 特許第3934368号
出願日 平成13年7月23日(2001.7.23)
公開日 平成15年2月4日(2003.2.4)
登録日 平成19年3月30日(2007.3.30)
発明者
  • 津野 洋
  • 田中 俊博
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • 荏原エンジニアリングサービス株式会社
発明の名称 生物膜ろ過システム
発明の概要 【課題】 従来の生物浄化装置にて処理された処理液の全窒素濃度の限界は10mg/リットル程度であり、この値以下に窒素除去をすることは極めて困難であった。また、通常10~12時間であるHRT(Hydric Retention Time、滞留時間)を短縮するという要望が強い。更に、最終沈殿池を設けずに処理液の透明度を改善するという要望も強かった。
【解決手段】 本発明の生物膜ろ過システムは、生物膜ろ過装置等の生物浄化装置の下流に、制御された水素供与体を注入しかつ制御された酸素含有気体を注入する生物膜ろ過型浄化槽を配し、上記の課題を解決した。
従来技術、競合技術の概要
近年、下水道の普及率の増加とともに都市部では汚泥の処理・処分が大きな問題となっており、汚泥を効率的に処理するための集約化が進められている。汚泥集約処理プラントで発生する大量かつ高濃度の返流水を従来のように近隣の下水処理場に戻すことは近隣下水処理場に対して大きな負荷量となるため、負荷量を低減する処理を行う必要がある。また、汚泥集約処理プラントでは敷地面積に制約があり、省スペース型の返流水処理方式が要求される。
1998年度末における下水道の普及率は政令指定都市において97%に達し、下水道整備は中小市町村に重点が移って来ている。また、水環境保全に対する意識が高まるなか、閉鎖性水域の富栄養化対策や下水処理水の循環再利用などを目的とした高度処理の促進も重要な課題となっている。高度処理法における現在の主な除去対象物質は、標準活性汚泥法で除去できない窒素とリンであり、これらの除去方式として、循環式硝化脱窒法(窒素除去)や嫌気好気法(リン除去)などがすでに実用化されている。
【0003】
最近では、標準活性汚泥法と同等の滞留時間で、窒素、リンの同時除去可能な担体投入型活性汚泥法が開発され、その普及が期待されている。一方、生物膜ろ過法は物理的なろ過作用に加えて、ろ材に高密度に付着した微生物の働きにより溶解性有機物の除去や硝化を高速で行えることから、高機能な生物処理装置として開発が進められてきた(用水と廃水, vol.25, No.5 (1983)、志村ら「生物膜ろ過法を用いた窒素除去プロセス」第31回下水道研究発表会講演集(1994)など)。小規模下水処理においては、前記特長に加え、沈でん池が必要なく汚泥管理が不要で維持管理が容易であることから、好気的条件で処理する好気性ろ床法が活性汚泥法に代わる二次処理方式として実用化が進んでいる。また、下水二次処理水を対象とした高度処理としても適用が進んできている。しかしながら、実用化が進んでいるこれらの方式は窒素除去に対応していないため、生物膜ろ過法の特長を生かした窒素除去プロセスが望まれていた。
【0004】
発明者等は、小規模下水向けの窒素除去プロセスとして、比重が水より軽い浮上ろ材を用いた生物膜ろ過法による窒素除去装置の開発を行った(佐久間ら「浮上ろ材を用いた生物膜ろ過法による窒素除去」第4回北大衛生工学シンポジウム講演論文集(1996)など)。生物膜ろ過法のろ材として浮上ろ材を用いた場合、上向流で通水し、充填層に通気管を設置することで、通気管の下部を嫌気部、上部を好気部とすることができ、一塔で窒素除去が可能となる(Rogalla et.al. “Upscaling a compact nitrogen removal process” Wat. Sci. Tech.(1992))。また、嫌気性ろ床に浮上ろ材を用い、ろ床下部を沈でん部とすることで最初沈でん池を兼ねた脱窒槽とすることが可能であり、既設の好気性ろ床と組合せることで窒素除去を行うことができる(田中ら「小規模下水処理プロセスに関する研究」荏原インフェルコ時報第104号(1991))。
このような背景のもと、発明者らは汚泥集約処理の返流水の効率的な処理方式として、SS、リンの除去を目的とした前処理プロセスと有機汚濁物質、窒素の除去を目的とした生物処理プロセスとからなる処理システムの開発を行ってきた(エバラ時報 No.187 (2000-4)、(社)日本下水道協会 第38回下水道研究発表会講演集p538-540(2001)など)。
産業上の利用分野
この発明は、生物膜ろ過を利用したろ過システムに関し、より詳細には、生物膜ろ過装置等の生物浄化装置の下流に、制御された水素供与体を注入しかつ制御された酸素含有気体を注入する生物膜ろ過型浄化槽を配したろ過システムに関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 生物浄化装置及びその下流側に設けた生物膜ろ過型浄化槽から成る生物膜ろ過システムであって、該生物膜ろ過型浄化槽を上向流式として、該生物膜ろ過型浄化槽の中間部にろ材充填部分を配し、該ろ材充填部分の上流に酸化態窒素(NOx-N)検知手段を設け、該酸化態窒素検知手段からの信号によりCOD/N比が3~7となるように制御された量の水素供与体を該ろ材充填部分の上流に注入し、一方該ろ材充填部分の下流に溶存酸素(DO)検知手段を設け、該溶存酸素検知手段からの信号によりDOが5mg/L以上となるように制御された量の酸素含有気体を該ろ材充填部分のほぼ中央部に注入することを特徴とする生物膜ろ過システム。
【請求項2】 生物浄化装置及びその下流側に設けた生物膜ろ過型浄化槽から成る生物膜ろ過システムであって、該生物膜ろ過型浄化槽が、上流側に嫌気性ろ床から成る第一槽及び下流側に好気性ろ床から成る第二槽から成り、該第一槽及び該第二槽を共に上向流式として、該第一槽及び該第二槽の中間部にそれぞれろ材充填部分を配し、該第一槽のろ材充填部分の上流に酸化態窒素(NOx-N)検知手段を設け、該酸化態窒素検知手段からの信号によりCOD/N比が3~7となるように制御された量の水素供与体を該第一槽のろ材充填部分の上流に注入し、一方該第二槽のろ材充填部分の下流に溶存酸素(DO)検知手段を設け、該溶存酸素検知手段からの信号によりDOが5mg/L以上となるように制御された量の酸素含有気体を該第二槽のろ材充填部分のほぼ中央部に注入することを特徴とする生物膜ろ過システム。
【請求項3】 前記生物浄化装置が生物膜ろ過型である請求項1又は2に記載の生物膜ろ過システム。
【請求項4】 前記生物浄化装置が無酸素性ろ床から成る第一槽及び好気性ろ床から成る第二槽から成る請求項に記載の生物膜ろ過システム。
【請求項5】 前記生物浄化装置が、その下部が無酸素性ろ床から成り、その上部が好気性ろ床から成る単一槽である請求項に記載の生物膜ろ過システム。
【請求項6】 前記生物浄化装置の上流に更に凝集処理装置を有する請求項1~のいずれか一項に記載の生物膜ろ過システム。
【請求項7】 前記凝集処理装置が、沈殿槽並びにその上流に無機凝集剤の攪拌槽及び有機凝集剤の攪拌槽の少なくとも一方から成る請求項に記載の生物膜ろ過システム。
産業区分
  • 衛生設備
  • 微生物工業
  • 混合分離
  • 廃水処理
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 資源循環・エネルギーミニマム型システム技術 領域
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