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新規大容量バイナリーシャトルベクター

国内特許コード P990001981
整理番号 植物バイオ-140
掲載日 2000年6月1日
出願番号 特願平09-299278
公開番号 特開平10-155485
登録番号 特許第3350753号
出願日 平成9年9月26日(1997.9.26)
公開日 平成10年6月16日(1998.6.16)
登録日 平成14年9月20日(2002.9.20)
優先権データ
  • 特願平08-255184 (1996.9.26) JP
発明者
  • 川崎 信二
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 新規大容量バイナリーシャトルベクター
発明の概要 【解決手段】 T-DNA領域とRi複製起点とを有し、大型の染色体断片を組み込むことが可能な大容量バイナリーシャトルベクター、植物の形質転換能を有するゲノムライブラリー、上記大容量バイナリーシャトルベクターによって形質転換された植物、および上記ベクターを用いる有用遺伝子の探索方法を提供する。
【効果】 上記のベクターは、10kb以上の大型の染色体断片を、容易かつ効率的に、安定性して、これらの染色体の分断等が起こらない条件で、高等植物に導入できる。また、lox部位を有する環状ゲノムライブラリーを取込むことができるか、任意の発現特性を有する遺伝子で効率的に植物を形質転換することができる、上記のRi ori駆動ベクター由来とは別のベクターを提供する。ベクター中に挿入されたゲノム断片の機能を、相補性検定によって評価できる評価法もまた包含され、有用遺伝子の効率的な探索が可能で、単離も容易となる。
従来技術、競合技術の概要



単子葉作物は、農業上の重要性にもかかわらず、その形質転換は双子葉植物より困難である。これまでこれらの植物の形質転換は、遺伝子銃による強制的導入法やプロトプラスト化した上での電気導入(エレクトロポレーション)法やPEG(polyethylene glycol)法、などにより行われてきた。しかし、電気導入法やPEG法による場合にはプロトプラストからの再生が困難であり、遺伝子銃を用いる場合には高価な装置を必要とする上、多数の試料の同時処理が困難であるという問題点があった。また、いずれの方法を用いても10kb以上の大きな遺伝子断片を、効率良く、かつその構成を損なわずに単子葉作物に導入した例はなかった。

最近、日永らは単子葉作物であるイネにおいても、pBI系ベクターとアグロバクテリウムとを用いた形質転換が可能なことを報告し(Hiei et al., Plant Journal, 6;271-282(1994))、これにより、イネの形質転換は飛躍的に容易になった。しかし、日永らの用いたpBI系のベクターでは、10kb程度のDNA をイネに安定的に導入できるにすぎなかった。また、シャトルベクターとしてもこれ以上の大きさのDNA を組み込むと、大腸菌の中でもベクターを安定して維持することが難しくなる。

産業上の利用分野



本発明は、種子植物の形質転換などに用いられる大容量シャトルベクターに関する。特に、種子植物の中でも経済的価値が高いにもかかわらず形質転換の難しい単子葉作物の形質転換にも用いられるとともに、ゲノム機能の相補性検定解析やゲノム機能解析用ゲノムライブラリー構築にも好適に用いることができる大容量バイナリーシャトルベクターに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
T-DNA領域と、複製起点にRi ori及びRK2 oriを有する大容量バイナリーシャトルベクター。

【請求項2】
前記バイナリーシャトルベクターがpBI系のベクターである請求項1に記載の大容量バイナリーシャトルベクター。

【請求項3】
前記T-DNA領域にマルチクローニングサイトを有する遺伝子を導入した請求項1または2に記載の大容量バイナリーシャトルベクター。

【請求項4】
前記マルチクローニングサイトを有する遺伝子がlacZ遺伝子である請求項1~3のいずれかに記載の大容量バイナリーシャトルベクター。

【請求項5】
前記T-DNA領域に導入されたlacZと前記T-DNAの境界配列との間に抗生物質耐性遺伝子を導入した請求項4に記載の大容量バイナリーシャトルベクター。

【請求項6】
前記抗生物質がハイグロマイシンである請求項5に記載の大容量バイナリーシャトルベクター。

【請求項7】
大型の染色体断片を組み込むことができる請求項1~6のいずれかに記載の大容量バイナリーシャトルベクター。

【請求項8】
T-DNA領域中のlox部位と、parC遺伝子と、複製起点としてRioriとを有するバイナリーベクターであって、cre酵素によりlox部位を有する環状ゲノムライブラリーの構成クローンと統合可能な請求項1~7のいずれかに記載の大容量バイナリーシャトルベクター。

【請求項9】
T-DNA領域中に植物用のプロモーターとターミネーターとで挟まれたマルチクローニングサイトと、複製起点としてRi ori及びRK2 oriを有する植物の形質転換用大容量バイナリーシャトルベクター。

【請求項10】
染色体断片をT-DNA領域中に挿入した請求項1~9のいずれかに記載の大容量バイナリーシャトルベクターから構成される、植物の形質転換能を有するゲノムライブラリー。

【請求項11】
請求項1~9のいずれかに記載の大容量バイナリーシャトルベクターをアグロバクテリウム細胞中に導入する工程と、前記アグロバクテリウムを植物中に移行させる工程とを備える、請求項10に記載のゲノムライブラリーのクローンに挿入された染色体断片中の遺伝子の機能を評価するための相補性検定方法。

【請求項12】
lox部位を有する環状ベクターを用いて構築され、かつ宿主が大腸菌であるライブラリーの構成プラスミドクローンと、請求項1~9のいずれかに記載のバイナリーベクターとを統合する工程と、
前記統合ベクターをアグロバクテリウム細胞中に導入する工程と、
前記アグロバクテリウムを植物中に移行させる工程とを備える、請求項10に記載のゲノムライブラリーのクローンに挿入された染色体断片中の遺伝子の機能を評価するための相補性検定方法。

【請求項13】
染色体断片をT-DNA領域中に挿入した請求項1~9のいずれかに記載の大容量バイナリーシャトルベクターをアグロバクテリウム細胞中に導入する工程と、前記アグロバクテリウムで植物を形質転換する工程と、を備える、染色体断片中の遺伝子の探索方法。

【請求項14】
10kb以上のDNAをT-DNA領域中に挿入した請求項1~9のいずれかに記載の大容量バイナリーシャトルベクターを導入することを特徴とする、形質転換植物の作出方法。

【請求項15】
植物が種子植物またはすべての植物である請求項14に記載の方法。

【請求項16】
植物が単子葉植物である請求項14に記載の方法。

【請求項17】
recA遺伝子上での部位特異的突然変異によってrecA-遺伝子を有するプラスミドを作製する工程と、
該プラスミドのrecA-遺伝子とアグロバクテリウムのrecA+遺伝子との間で相同組換えを行う工程と、
相同組換え後のアグロバクテリウム株を広げたプレート及びそのレプリカプレートを作製する工程と、
前記プレートに紫外線照射してUV照射下では生育できないクローンをスクリーニングする工程とを備える、請求項1~9に記載の大容量バイナリーシャトルベクターを導入するためのrecA-アグロバクテリウム株の生産方法。

【請求項18】
10kb以上のDNAをT-DNA領域中に挿入した請求項1~9に記載の大容量バイナリーシャトルベクターを導入してなるrecA-アグロバクテリウム株。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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06119_02SUM.gif
出願権利状態 登録


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