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キャピラリープレート、その製造方法、ガス比例計数管、及び撮像システム 新技術説明会

国内特許コード P05A007083
整理番号 K018P04
掲載日 2005年4月25日
出願番号 特願2003-030797
公開番号 特開2004-241298
登録番号 特許第4058359号
出願日 平成15年2月7日(2003.2.7)
公開日 平成16年8月26日(2004.8.26)
登録日 平成19年12月21日(2007.12.21)
発明者
  • 門叶 冬樹
  • 櫻井 敬久
  • 郡司 修一
  • 岡田 晃行
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 浜松ホトニクス株式会社
発明の名称 キャピラリープレート、その製造方法、ガス比例計数管、及び撮像システム 新技術説明会
発明の概要 【課題】ノイズレベルを十分に低減してS/N比を向上でき、高感度且つ安定な測定を実現できる撮像システム等を提供する。
【解決手段】撮像型X線検出装置200は、撮像系210に電源系34及び制御系35が接続されて成っている。撮像系210は、ベリリウム窓21を有し且つ鉛不含ソーダ石灰ガラスから成るキャピラリープレート1が設けられたチャンバ22の後段に、CMOSセンサアレイ3が収容されたチャンバ23がFOP2を介して接合されたものである。
【選択図】 図3
従来技術、競合技術の概要


従来、孔径1~100μm程度のガラス製毛細管(キャピラリー)が規則的に平行に束ねられ、それが円板状や角板状に成形されたものは、マイクロチャネルプレート(Micro-channel Plate;MCP)と呼ばれ、電子やイオンをはじめ紫外線、真空紫外線、中性子線、軟X線から硬X線等、広範な検出対象に感度を有しており、小型軽量且つ高利得であることから、画像増強管(Image Intensifier;I.I.)や質量分析装置といった電子装置の必須構成要素として用いられている。MCPは、キャピラリー材料として鉛ガラスを用い、キャピラリーの微細な貫通孔の内壁面に、酸化鉛のH2還元(PbO+H2→Pb+H2O)によって導電性が付与されている。これにより、MCPの各貫通孔(チャネル)が独立した二次電子増倍器として機能し、全体として電子増倍器の二次元アレイが実現される。



また、MCPは、円板状や角板状に成形される際、バイアス角度(板面に垂直な方向とキャピラリーの延在軸方向との成す角度)が一般的に5~15°程度となるように、キャピラリーが束ねられたガラス体を切削(スライス)して形成される。このようにバイアスカットするのは、貫通孔内への電子の入射が妨害されないようにしつつ、入射電子がチャネル内の電場勾配によって壁面に衝突し易くするためのものである。こうすることにより、各チャネルにおいて、電子が高効率且つなだれ式に増幅(増殖)される。さらに、MCPでは、電子がチャネル内壁面に衝突するまでに電場によって十分なエネルギーを有するほどに加速される必要があるため、MCPは真空領域の圧力下で動作する。



また、MCPと同様の構造つまり複数のキャピラリープレートの集積構造を有するガラス体として、気体や液体の流速や流量制御用途、ガスフィルタや差圧排気窓材用途、荷電粒子や分子に対して指向性を付与する整流用途、さらに、電磁波(光、X線、γ線)のコリメータ用途として利用されるキャピラリープレート(Capillary Plate)が知られている。キャピラリープレートは、元来MCP作成時の副生成物として得られ鉛ガラス製であるが、MCPが言わばチャネル孔導電型のキャピラリープレートであるのに対し、上述した各種使途に用いられるキャピラリープレートは、必ずしもチャネル内壁に導電性が付与される必要はない。また、かかる用途のキャピラリープレートは、流体、気体、光等がチャネルを円滑に流通するようにバイアス角度は通常0°とされることが多い。



近年、このような鉛ガラス製キャピラリープレートを撮像型のガス比例計数管(Capillary Gas Proportional Counter;CGPC)として動作させる新しいタイプの検出器が開発されている(非特許文献1、2参照。)。図9は、このような従来のCGPCを用いた撮像型X線検出装置の構成を示す模式図である(非特許文献3参照)。撮像型X線検出装置100は、ガス比例計数部110の後段に光学系120及び撮像系130が順に連設されたものである。



ガス比例計数部110は、一方端及び他方端にそれぞれベリリウム窓111及び合成シリカから成る光透過窓112が設けられたチャンバ113の内部に、各窓111,112と同軸状に設けられたキャピラリープレート114が設置されたものである。キャピラリープレート114は、中空状を成す100μm径程度の鉛ガラス製キャピラリーが複数集積されて成っており、成形時のバイアス角度は0°とされている。なお、キャピラリープレート114の貫通孔内面はH2還元されていない。



また、キャピラリープレート114の両面には、電源系140に接続された薄膜電極(図示せず)が形成されている。さらに、キャピラリープレート114の前段には、整形リング(シェイピングリング)115,116が設けられており、ドリフト領域が画成されている。これらの整形リング115,116は、電源系160及び接地電位に接続されており、電源系160からの高電圧と接地間が抵抗分割されてそれぞれに適切なドリフト電圧が印加されるようになっている。さらに、チャンバ113内には、主成分であるArガス、CH4ガス等にペニング効果(Penning Effect)を奏するトリメチルアミン(TMA)やトリエチルアミン(TEA)が添加された混合ガス117が封入されている。



撮像型X線検出装置100がMCPを用いた放射線検出装置と異なる最も重要な機能は、上述のようにMCPが真空中で動作するのに対し、キャピラリープレート114が混合ガス117中で用いられる点にある。すなわち、ベリリウム窓111を通してチャンバ113内に入射したX線Aがベリリウム窓111/キャピラリープレート114間領域のガス分子と相互作用し、光電効果によって高エネルギーの電子(一次電子)が放出される。この一次電子(X線光電子)は、他のガス分子にエネルギーを付与しながら進み、その飛跡中に電子-イオン対を生じる。よって、この電子-イオン対の数はX線Aのエネルギーに比例する。一次電子の飛跡に沿って生じた電子(電子雲とも呼ばれる。)は、ベリリウム窓111/キャピラリープレート114間に生成された電場により、その電子雲形状を保持したままキャピラリープレート114の前面からその内部に進入する。



キャピラリープレート114の内部には、ガスの放電及び励起発光を引き起こすのに十分な例えば104V/cm以上の電場が形成されており、電子がガス分子と次々に衝突して電子増殖及び光増殖が行われ、例えば、1個の電子が103~104個程度に増幅される。このように、撮像型X線検出装置100は、MCPと異なり、電子がキャピラリープレート114の貫通孔内壁に衝突して電子増幅を行うものではなく、ガス比例計数管として機能する。増幅光は光透過窓112を透過して光学系120に入射し、レンズ系121を通ってフッ化マグネシウム(MgF2)等から成る光透過窓122を透過して撮像系130へ出射される。



撮像系130としては、例えばICCD(Intensified CCD)が採用される。入射光は、光電面(図示せず)で光電変換され、I.I.131で電子増倍された後、図示しない蛍光面で再び光電変換され、ファイバーオプティックプレート(FOP)等を通してCCDアレイ(共に図示せず)に入射する。こうして増強された二次元画像情報は電気信号として信号処理系150へ送出され、例えば二次元位置情報と各位置での発光強度から成る三次元X線発光画像が得られる。



また、レンズ系121の代わりに反射系(リフレクタ)を用いたもの、並びに、光学系120及び撮像系130の代わりに光電子増倍管(photo multiplier tube;PMT)を備えたものも開発されている(非特許文献4~8参照。)。なお、キャピラリープレートのチャージアップを抑えるために、キャピラリープレート114に代えて、MCP同様貫通孔の内面をH2還元して低抵抗化したものも提案されている(非特許文献9参照。)。



【非特許文献1】
H. Sakurai et al., "A new type of proportional counter using a capillary plate", Nucl. Instr. And Meth. In Phys. Res. A374(1996)341-344.
【非特許文献2】
H. Sakurai et al., "Characteristics of capillary gas proportional counter", SPIE Proceedings Reprint, vol.2806(1996)569-576.
【非特許文献3】
H. Sakurai et al., "Detection of photoabsorption point with capillary imaging gas proportional counter", IEEE Trans on Nucl. Sci. vol.49, No.3, (2002).
【非特許文献4】
M. Tsukahara et al., "The development of a new type of imaging X-ray detector with a capillary plate", IEEE Trans on Nucl. Sci. vol.49, No.3, (1997)679-682.
【非特許文献5】
H. Sakurai et al., "The form of X-ray photoelectron tracks in a capillary gas proportional counter", IEEE Trans on Nucl. Sci. vol.46, No.3, (1999)333-337.
【非特許文献6】
H. Sakurai, "Imaging gas proportional counter with capillary plate", 放射線 vol.25, No.1, (1999)27-37.
【非特許文献7】
H. Sakurai et al., "New type of imaging X-ray detector using a capillary plate", SPIE Proceedings Reprint, vol.3114(1997)481-487.
【非特許文献8】
T. Masuda et al., "Optical imaging capillary gas proportional counter with penning mixtures", IEEE Trans on Nucl. Sci. vol.49, No.2, (2002)553-558.
【非特許文献9】
Nishi,Yu.; Tanimori,Y.; Ochi,A.; Nishi,Ya.; Toyokawa,H., "Development of a hybrid MSGC with a conductive capillary plate.", SPIE, vol.3774(1999)87-96.

産業上の利用分野


本発明は、キャピラリープレート、その製造方法、ガス比例計数管、及び撮像システムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
板状を成し且つ複数の貫通孔が設けられたガラス基体を有しており、主として不活性ガスを含む検出用ガス中に配置されて比例計数管を構成するキャピラリープレートであって、
前記ガラス基体が鉛不含ソーダ石灰ガラスで形成されたものであり、
前記ガラス基体の両面上又は両面側に設けられた電極を備えており、
前記電極のうち前記複数の貫通孔の一方端側に設けられた電極は、該一方端から該貫通孔の軸方向に放出される光を、該一方端及び該軸方向延長線上において透過可能に設けられたものである、
キャピラリープレート。

【請求項2】
主として不活性ガスを含む検出用ガスが充填されており、電磁波又は電離放射線が入射する窓を有するチャンバと、
前記チャンバ内に配置されており、板状を成し且つ複数の貫通孔が設けられ且つ鉛不含ソーダ石灰ガラスで形成されたガラス基体と、
前記ガラス基体の両面上又は両面側に設けられた電極と、
を備えており、
前記電極のうち前記複数の貫通孔の一方端側に設けられた電極は、該一方端から該貫通孔の軸方向に放出される光を、該一方端及び該軸方向延長線上において透過可能に設けられたものである、
ガス比例計数管。

【請求項3】
前記検出用ガスが分子中にハロゲン原子を含む有機系ガスを含有する、請求項記載のガス比例計数管。

【請求項4】
前記有機系ガスが、少なくとも一つの水素原子がフッ素原子で置換された炭化水素から成るガスである、請求項記載のガス比例計数管。

【請求項5】
請求項2~4のいずれか一項に記載のガス比例計数管と、
前記チャンバの後段に配置された光検出器と、
を備える撮像システム。

【請求項6】
前記光検出器がCMOSセンサである、請求項記載の撮像システム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003030797thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ 情報と細胞機能 領域
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