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有害物質の除去方法

国内特許コード P05A007293
整理番号 RJ001P46
掲載日 2005年5月9日
出願番号 特願平11-334310
公開番号 特開2001-149775
登録番号 特許第4420496号
出願日 平成11年11月25日(1999.11.25)
公開日 平成13年6月5日(2001.6.5)
登録日 平成21年12月11日(2009.12.11)
発明者
  • 渡部 俊也
  • 橋本 和仁
  • 中島 章
  • 藤嶋 昭
  • 西川 貴志
出願人
  • 石原産業株式会社
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 有害物質の除去方法
発明の概要 【課題】本発明の課題は、燃焼に伴って生成する有害物質の除去方法の提供である。
【解決手段】本発明は、金属酸化物を酸処理することによって、有害物質の除去性能を改善する。金属酸化物として酸化チタンなどの光触媒を利用し、有害物質の分解までも実現できる。有機塩素化合物の燃焼によって生成するダイオキシン類などの除去に有用である。
従来技術、競合技術の概要
生物にとって有害な物質の環境汚染が深刻化している。特に塩化ビニル等の塩素を含むポリマーの焼却の際に発生するダイオキシン類は、そのホルモン様活性のみならず、発癌性や催奇形性等の毒性も高いため、対策が急がれる汚染物質の一つである。ダイオキシン類とは、ダイオキシン(PCDD)に加え、ダイオキシンと毒性や性質が似ているポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)やコプラナPCB(Co-PCB)を含めた化合物の総称で、2,7-ジクロロ-ジベンゾダイオキシン(2,7-dichloro-p-dibenzodioxin)等の化合物が知られている。ダイオキシン類は塩素が混入した物質を燃焼させる際には必ず発生することから、根本的な対策が困難で近年大きな問題になっている。ダイオキシン類は焼却炉から排出される排気ガスや、焼却後に残る灰(焼却灰)に残留する。焼却灰は最終処分場に埋め立てられるが、この処分場の上空では飛散した焼却灰によるダイオキシン類汚染が検出されている。
【0003】
廃棄物のみならず、化石燃料の燃焼によって生成する化合物の中にも様々な有害物質が存在する。たとえばディーゼルエンジン等の排気ガスには、アントラセンやピレンのような発ガン性の強い多環式芳香族炭化水素化合物が含まれる。二酸化炭素や窒素酸化物などの排気ガス規制と並んで、これら芳香族環を有する有害物質の対策も急務である。
【0004】
これらの環境汚染物質は、比較的安定で環境中での微生物分解が期待できないものも多く、いったん環境中に排出されると除去は困難である。たとえばダイオキシン類は熱や酸、アルカリに対して比較的安定で、水にも溶けにくい性質があり、残留性が高い。ダイオキシン類は廃棄物の焼却過程で生じることが多いので、ダイオキシン類の吸着フィルターを焼却炉に付設するといったような工夫で環境中への放出を低減できる可能性がある。しかし現実には、ダイオキシン類に対して、安価で効果的な吸着剤は知られていない。また一般廃棄物以外にも、農業資材のように山間部で野焼きされる製品も多く、焼却にともなって発生するダイオキシン類の対策は完全ではなかった。
【0005】
他方、光触媒は光によって活性化されて、接触する物質に触媒作用を及ぼす化合物の総称である。光照射のみで強い触媒作用を発現するため、幅広い分野への応用が試みられている。特に酸化チタンからなる光触媒は、紫外線の照射によって強力な有機物の分解作用を示す。この作用を利用して、酸化チタンは、交通標識のような屋外設備の汚染防止、脱臭、あるいは水質浄化などに利用されている。光触媒のような触媒活性物質が持っている、物質を吸着し分解する作用を利用してダイオキシン類を除去することができれば有用である。しかしながら、先に述べたように現在問題となっている有害物質の多くは、化学的に安定な物質が多い。そのため、有害物質の吸着と分解を短時間で行うために、より強力な触媒活性が望まれている。
【0006】
酸化チタンの光触媒活性は、結晶構造によって左右されることが古くから知られている。すなわち、ルチル型は光触媒活性が低く、アナターゼ型の光触媒活性は高い。一般にアナターゼ型の結晶は比表面積が大きくなるので、触媒活性も高まるとされている。更に、酸化チタンの物性と光触媒活性の関係に関する知見が集積するのに伴って、光触媒活性を様々な手法によって制御することが可能になってきている。たとえば特開平7-303835号公報には、酸化チタン粒子の内部や表面に鉄化合物を含有させたり、あるいは鉱酸で処理すると、光触媒活性が高まることが開示されている。
【0007】
また、触媒作用が触媒の表面で発現することから、一般に、触媒の比表面積を大きくすることによって触媒活性が向上することが知られている。光触媒においても、比表面積の増大は触媒活性を増強する。しかし、比表面積は触媒化合物の物理的な性状や最終的な製品形態に制限される。一方、熱触媒においては、触媒の固体酸量が触媒活性を左右することが知られている(工業化学雑誌,74巻,p1085-1090,1971)。固体酸量が触媒表面における有機物の吸着量を増やし、結果的に触媒活性を増強するものと推測されている。つまり、比表面積が一定の場合、固体酸量の増加によって吸着量を増やせば、触媒活性の改善につながる。
しかし公知の固体酸量の増加方法は、一般に他の化合物との混合や複合化による方法(dope)を利用している。この方法は、金属酸化物の表面状態を変えてしまうので、その金属酸化物がもともと持っている物質の吸着活性を損なっている恐れがある。つまり、公知の固体酸量の増加方法は、金属酸化物本来の吸着量や触媒活性を犠牲にしている可能性が考えられた。
【0008】
熱触媒活性における物質の吸着量と触媒活性の関係は、既に明らかにされている(Applied Catalysis B:Environmental; Vol.20, p249-256,1999)。この報告によれば、酸化チタンTiO2に担持したV2O5-WO3触媒が、200℃~300℃で塩素含有多環式芳香族化合物を分解する。これに対して、例えばSiO2のようなルイス酸点が少ない酸化物は、200℃~300℃で塩素含有多環式芳香族化合物を保持することができず、蒸発させてしまう。この報告に用いられた触媒は、ルイス酸点の多い金属酸化物であるが、報告中に固体酸量と分解活性の関連性に関する記載は無い。なお固体酸量とは、触媒として用いられる金属酸化物表面の酸点の数を意味する。通常、指示薬を加えた試料を塩基で滴定することによって求められる。固体酸点にはルイス酸点とプレンステット酸点とがあるが、この方法によって求められるのはルイス酸点である。
しかしながら、上記のような物質の吸着量や触媒活性の増強方法は、いずれもその対象となる化合物を考慮していない。つまりこれらの報告は、いずれも物質の単なる性状を述べているのにすぎない。したがって、現在のところ、燃焼に伴って生成する有害物質の除去を目的として酸処理した金属酸化物を利用する試みは報告されていない。
産業上の利用分野
本発明は、ダイオキシン類のような有害物質の除去方法に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】廃棄物を吸着剤とともに燃焼させ、燃焼に伴って生成する有害物質を吸着剤によって除去する方法であって、この吸着剤が酸処理した酸化チタンであり、かつ前記有害物質が芳香族環を含む化合物である方法
【請求項2】吸着剤である酸処理した酸化チタンの光触媒作用により前記有害物質を除去する請求項1に記載の方法
【請求項3】吸着剤である酸処理した酸化チタンの熱触媒作用により前記有害物質を除去する請求項1に記載の方法
【請求項4】酸処理が、フッ化水素酸、硫酸、塩酸、および硝酸からなる群から選択されるいずれかの酸によって行われる請求項1に記載の方法。
【請求項5】廃棄物がポリマーである請求項1-4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】ポリマーが有機塩素化合物である請求項に記載の方法。
【請求項7】ポリマーが予め前記吸着剤を添加したものである請求項に記載の方法。
【請求項8】芳香族環を含む化合物が、多環式芳香族化合物である請求項1-7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】芳香族環を含む化合物が、ポリスチレン、スチレンモノマー、ナフタレン、およびダイオキシン類からなる群から選択された少なくとも1種の化合物である請求項に記載の方法。
産業区分
  • その他無機化学
  • 処理操作
  • 高分子化合物
  • 排気処理
  • 廃棄物処理
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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