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新規なベンゾジカルコゲノフェン誘導体、その製造方法およびそれを用いた有機半導体デバイス 新技術説明会 実績あり

国内特許コード P05P002074
整理番号 RSP59P06
掲載日 2005年6月24日
出願番号 特願2003-397788
公開番号 特開2005-154371
登録番号 特許第4157463号
出願日 平成15年11月27日(2003.11.27)
公開日 平成17年6月16日(2005.6.16)
登録日 平成20年7月18日(2008.7.18)
発明者
  • 瀧宮 和男
  • 功刀 義人
  • 大坪 徹夫
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 新規なベンゾジカルコゲノフェン誘導体、その製造方法およびそれを用いた有機半導体デバイス 新技術説明会 実績あり
発明の概要 【課題】 有機半導体材料に求められている高い電界効果移動度(0.1cm2/Vs以上)と、高いオン/オフ電流比(105以上)の双方を満足する新規なベンゾジカルコゲノフェン誘導体、その実用材料としての製造および精製が容易な製造方法、およびそれを用いた有機半導体デバイスを提供する。
【解決手段】 次の一般式(1)、



または、次の一般式(2)、



(式中、X1~X4はそれぞれ独立にセレン原子またはテルル原子である)で表されるベンゾジカルコゲノフェン誘導体である。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


有機半導体層を有する薄膜トランジスタは、低コストデバイス、軽量デバイスとして、現在のシリコンベースTFTの安価な代替品として注目されている。かかる薄膜トランジスタでは、有機材料を用いることでシリコンデバイスの製造において必要とされる高コストプロセスを経ることなく、デバイスを作製することが可能となる。また、軽量、フレキシブルなど、有機材料特有の利点を活用することで、これまでにないスマートタグ、軽量ディスプレイなどへの応用も考案されている。



一方、有機半導体デバイスは、一般的に応答速度が遅いという欠点を有する。これは有機薄膜活性層中の伝導キャリアの移動度が低いことに起因する。この問題点を克服するため、今日までさまざまな有機半導体材料が提案され、その移動度が検討されている。



例えば、5個のベンゼン環が直線状に縮合した多環芳香族分子であるペンタセンにおいて、アモルファスシリコンに匹敵する高移動度(0.1~1.0cm2/Vs)が報告されているが、ペンタセンをベースとしたTFTの性能は活性層であるペンタセンの純度に大きく依存し、デバイス作製前に複数回の真空昇華精製や水素気流中での昇華精製を行うことで、初めて前記の性能が達成されている(非特許文献1)。



また、非特許文献2には、ベンゾジチオフェンモノマーを二量体化したベンゾジチオフェンダイマーにおいて0.04cm2/Vsの移動度が得られたと報告されている。



さらに、近年、チオフェンとフルオレンを組み合わせることで、移動度が0.14cm2/Vsに達する材料が報告されている(非特許文献3参照)。さらにまた、最近では、アントラセンのダイマーやトリマーにおいて0.1cm2/Vsオーダーの移動度が報告されている(非特許文献4)。



前記非特許文献2~4に記載された材料は、その製造において多段階の反応を必要とする上に、低収率の段階も含まれているので、大量合成に不適であり、実用材料としての応用には製法的にも克服すべき点が残されている。また、前記非特許文献1記載のペンタセンは材料の純化に問題がある。



これら従来の問題点を克服する材料として、特許文献1には次の一般式(5)、
R-X1-CH=CH-X2-R (5)
(式中、X1およびX2はそれぞれ独立に、下記式、


で表される二価の置換基であって、Y1~Y7はそれぞれ同一かまたは異なり、硫黄原子、酸素原子または窒化物NRa(Raは水素原子、塩素原子、炭素数1~8のアルキル基または置換されてもよいアリール基)である)で示される有機分子配向薄膜用材料に関する提案がなされている。



また、同様に前記従来技術の問題点を克服することを目的として、特許文献2には、下記一般式(6)および一般式(7)、


(式中、Xは酸素原子、アミン、又は硫黄原子である)で示される有機半導体化合物に関する提案がなされている。



【特許文献1】
特開2000-122068号公報
【特許文献2】
特開平11-195790号公報
【非特許文献1】
IEEE Electron Dev.Lett.1997,18,87
【非特許文献2】
Joyce G.Laquindanum et al,Adv.Mater.1997,9,36
【非特許文献3】
Z.Bao et al,J.Am.CHEM.Soc.2001,123,9214
【非特許文献4】
Suzuki et al, Angew.Chem.Int.Ed.2003,42,1159

産業上の利用分野


本発明は、新規なベンゾジカルコゲノフェン誘導体、その製造方法およびそれを用いた有機半導体デバイスに関し、詳しくは、電気的、電子的、光電気的部品に用いられる有機電子部品材料として有用な新規なベンゾジカルコゲノフェン誘導体、その製造方法およびそれを用いた有機半導体デバイスに関する。かかる新規な縮合複素環式化合物は、有機半導体層を有する薄膜トランジスタ(TFT)、有機キャリア輸送層または発光層を有する発光デバイス等への利用が可能な有機電子部品材料である。

特許請求の範囲 【請求項1】
次の一般式(1)、


(式中、XおよびXはそれぞれ独立にセレン原子またはテルル原子、nは1~3の整数、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数2~18のアルキル基、又はカルコゲン原子を有していてもよいアリール基であり、該アリール基は、ハロゲン原子、炭素数2~18のアルキル基、炭素数2~18のアルキルオキシ基、炭素数2~18のアルキルチオ基およびアリール基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基を有していてもよい)で表されることを特徴とするベンゾジカルコゲノフェン誘導体。

【請求項2】
次の一般式(3)、


(式中、XおよびXはそれぞれ独立にセレン原子またはテルル原子、nは1~3の整数、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数2~18のアルキル基、セレン原子又はテルル原子を有していてもよいアリール基であり、該アリール基は、ハロゲン原子、炭素数2~18のアルキル基、炭素数2~18のアルキルオキシ基、炭素数2~18のアルキルチオ基およびアリール基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基を有していてもよい)で表されるベンゾジカルコゲノフェン誘導体を製造するにあたり、
末端にRおよびR(但し、RおよびRが水素原子の場合には該水素原子に対する保護基としてケイ素置換基を有する)を別々に有する2個のエチニル基と、およびXとを同一環上に有するベンゼン環において、
末端にRおよびR(但し、RおよびRが水素原子の場合には該水素原子に対する保護基としてケイ素置換基を有する)を別々に有する2個のエチニル基を有するベンゼン環に、セレンおよび/またはテルルを加えて、リチオ化することで、
(但し、Rが水素原子の場合には該水素原子に対する保護基としてケイ素置換基を有する)を有するエチニル基ととの間と、R(但し、Rが水素原子の場合には該水素原子に対する保護基としてケイ素置換基を有する)を有するエチニル基ととの間とで、夫々縮合反応させる工程を含むことを特徴とするベンゾジカルコゲノフェン誘導体の製造方法。

【請求項3】
前記一般式(3)中のnが1で表される化合物を有機金属試薬処理により活性化した後、金属塩による酸化的結合生成反応を利用することにより、前記一般式(3)中のnが2または3で表される化合物を製造する請求項2記載の製造方法。

【請求項4】
前記一般式(1)および/または下記一般式(2)、


(式中、XおよびXはそれぞれ独立にセレン原子またはテルル原子、nは1~3の整数、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数2~18のアルキル基、又はカルコゲン原子を有していてもよいアリール基であり、該アリール基は、ハロゲン原子、炭素数2~18のアルキル基、炭素数2~18のアルキルオキシ基、炭素数2~18のアルキルチオ基およびアリール基からなる群から選択される少なくとも1種の置換基を有していてもよい)で表される化合物の少なくとも1種を有機半導体材料として用いたことを特徴とする有機半導体デバイス。

【請求項5】
有機半導体層を有する薄膜トランジスタである請求項記載の有機半導体デバイス。

【請求項6】
有機キャリア輸送層または発光層を有する発光デバイスである請求項記載の有機半導体デバイス。

【請求項7】
0.1cm/Vs以上の電界効果移動度を有する請求項のうちいずれか一項記載の有機半導体デバイス。

【請求項8】
10以上のオン/オフ電流比を有する請求項のうちいずれか一項記載の有機半導体デバイス。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
ライセンス状況 通常実施権[E06-09]
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