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シリコンで構成される偏光フィルター及びその製造方法 コモンズ

国内特許コード P05P002055
整理番号 Y03-P293
掲載日 2005年7月12日
出願番号 特願2003-413133
公開番号 特開2005-173206
登録番号 特許第4403538号
出願日 平成15年12月11日(2003.12.11)
公開日 平成17年6月30日(2005.6.30)
登録日 平成21年11月13日(2009.11.13)
発明者
  • 藤井 稔
  • ヨーヒム ディーナー
  • ニコライ クンツナー
  • エーゴン グロス
  • ドミトリー コバレフ
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 シリコンで構成される偏光フィルター及びその製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】偏光フィルターを形成するには面内に光学異方性を持つ材料が必要であるが、シリコン結晶は、光学異方性が非常に小さい材料であり、そのままでは偏光フィルターとしての機能を実現することが出来なかった。
【解決手段】光に対して面内に光学異方性をもつポーラスシリコンからなり、特性(平均誘電率、誘電率の異方性、膜厚)の異なる3種類以上のポーラスシリコンで形成される多層膜構造を形成することにより、偏光プリズムと偏光フィルターの長所を併せ持つ新規の偏光フィルターを提供するものである。また、ポーラスシリコン作製におけるエッチング電流値とエッチング時間のシーケンスプログラムの設計によって、任意の目的とする光学特性を持たせる偏光フィルターを得ることができる。
【選択図】図1


従来技術、競合技術の概要


自然光や無偏光の入射光から直線偏光を得る光学素子には、主に高分子からなる偏光フィルタとブロック型の偏光プリズムがある。
ここで、偏光フィルターとは、ランダムに偏光した光からある特定の方向に偏光した光を取り出す光学素子であり、光が関与する分野で必ず必要とされている素子である。そのため利用分野を限定するのが困難なほど利用分野は多岐にわたっているが、代表的な利用分野として、光通信分野などが挙げられる。



偏光性能(消光比)は、一般には、偏光プリズムの方が偏光フィルターよりも優れている。また、偏光プリズムは、高出力レーザーに対して使用できるという特徴がある。そのため、高い偏光能が求められる光通信の偏光制御等には、一般に、偏光プリズムが使用されている。



また、素子に白色光(いろいろな波長の光が混じりあっている)を入射した場合、ある特定の波長の光のみを透過し、それ以外の光は透過しないものとして、誘電体多層膜フイルタが知られている。



一方で、ポーラス(多孔質)シリコン(Si)は、光学異方性を持たせることが可能であることが知られており、光学異方性を持つポーラスシリコンは、従来から、波長板などに利用できることが知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1、非特許文献2)。



【特許文献1】
DE19962199A1
【非特許文献1】
N. Kunzner, D. Kovalev, J. Diener, E. Gross, V. Yu. Timoshenko, G. Polisski, F. Koch, and M. Fujii, "Giant Birefringence in Anisotropically Nanostructured Silicon," Optics Letters, Volume 26, Issue 16, pp. 1265-1267, August (2001)
【非特許文献2】
J. Diener, N. Kunzner, D. Kovalev, E. Gross, F. Koch, and M. Fujii, " Dichroic behavior of multilayer structures based on anisotropically nanostructured silicon," Journal of Applied Physics, Volume 91, Issue 10, pp. 6704-6709, May (2002).

産業上の利用分野


本発明は、光学部品として用いられる偏光フィルター及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
光に対して面内に異方性を持つ面方位(110)のポーラスシリコンが用いられ、前記ポーラスシリコンの特性(平均誘電率及び/又は誘電率の異方性及び/又は膜厚)が異なる3種類以上の層の組み合わせによる多層膜で形成されたことを特徴とする偏光フィルター。

【請求項2】
前記多層膜が、2種類以上のダイクロイックミラーを積層した構造を含むことを特徴とする請求項1に記載の偏光フィルター。

【請求項3】
前記多層膜が、1種類以上のダイクロイックミラーと1種類以上のダイクロイックマイクロキャビティーを積層した構造を含むことを特徴とする請求項1に記載の偏光フィルター。

【請求項4】
前記多層膜が対称構造を有し、偏光フィルターの面のどちらから光を照射しても光透過特性及び反射特性が同じであることを特徴とする請求項1に記載の偏光フィルター。

【請求項5】
前記多層膜が非対称構造を有し、偏光フィルターへの光の照射面により、光透過特性及び/又は反射特性が異なることを特徴とする請求項1に記載の偏光フィルター。

【請求項6】
前記ポーラスシリコン面の少なくともどちらか一方の面に、特定の波長域のみを透過又は反射する特性を持つ物質を有することを特徴とする請求項1に記載の偏光フィルター。

【請求項7】
請求項1の偏光フィルターの上部又は下部に波長板を形成することによりランダム偏光の光を円偏光に変換する素子(円偏光板)。

【請求項8】
前記多層膜中に、空気の誘電率とは異なる誘電率を有する物質を注入したことを特徴とする請求項1に記載の偏光フィルター。

【請求項9】
前記空気と異なる誘電率を有する物質が、温度又は電圧により誘電率が変化することを特徴とする請求項8に記載の偏光フィルター。

【請求項10】
請求項9の偏光フィルターにおいて、温度又は電圧を制御することにより、偏光フィルターの性状をチューニング若しくはスイッチングを行うことを特徴とする偏光フィルター。

【請求項11】
請求項1の偏光フィルターにおいて、誘電率が連続的に変わるRugateフィルターを形成することを特徴とする偏光フィルター。

【請求項12】
請求項1に記載の偏光フィルターの製造方法であって、前記ポーラスシリコンが、シリコンを陽極化成することにより形成されることを特徴とする偏光フィルターの製造方法。

【請求項13】
前記ポーラスシリコン作製工程における陽極化成の電流値及び/又はエッチング時間を制御することにより、前記ポーラスシリコンの特性をコントロールすることを特徴とする請求項12に記載の偏光フィルターの製造方法。

【請求項14】
急峻な電流制御をすることにより、前記多層膜の層間に急峻な界面を形成させることを特徴とする請求項12に記載の偏光フィルターの製造方法。

【請求項15】
連続的で、滑らかな変化を有する電流制御をすることにより、前記多層膜の層間に滑らかな界面を形成させることを特徴とする請求項12に記載の偏光フィルターの製造方法。

【請求項16】
前記ポーラスシリコンの表面を強制的に酸化又は窒化することによって、偏光フィルターの安定性向上もしくは光学特性を制御することを特徴とする請求項12に記載の偏光フィルターの製造方法。

国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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