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IgA腎症の治療薬のスクリーニング方法 実績あり

国内特許コード P05A007401
整理番号 KUTLO-2003-004
掲載日 2005年7月12日
出願番号 特願2003-103921
公開番号 特開2004-305111
登録番号 特許第3811803号
出願日 平成15年4月8日(2003.4.8)
公開日 平成16年11月4日(2004.11.4)
登録日 平成18年6月9日(2006.6.9)
発明者
  • 浅野 雅秀
  • 宮石 理
  • 西江 敏和
出願人
  • 国立大学法人金沢大学
発明の名称 IgA腎症の治療薬のスクリーニング方法 実績あり
発明の概要 【課題】IgA腎症の発症機構の解明や根本的な治療薬の開発に有効なIgA腎症発症モデル非ヒト動物を提供する。
【解決手段】ゲノム中のβ-1,4-ガラクトース転移酵素-I遺伝子を欠損し、ヒトIgA腎症に特有の症状を発症し、また、ゲノム中のβ-1,4-ガラクトース転移酵素-I遺伝子を欠損するという遺伝的に明確な特徴を有するので、IgA腎症のモデル動物として極めて有用である。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


IgA腎症は、糸球体メサンギウム細胞及び基質の増殖性変化と、メサンギウム領域へのIgAを主体とする沈着物とを認めるものをいい、我が国の慢性糸球体腎炎のうち約半数を占める代表的な腎炎である。10代から40代までの幅広い年齢層で発症し、一般に腎機能が徐々に低下するといった緩慢な経過をたどるが、発症後約20年で3割から4割の患者が末期腎不全に移行し、人工透析治療や腎移植を余儀なくされるといわれる。IgA腎症発症の原因は不明であり、血中のIgAを主体とする免疫複合体の糸球体への沈着によって引き起こされるという説が有力であるが、免疫複合体を構成する原因抗原や、免疫複合体の形成の機構等も不明である。自己抗原、食物抗原、ウイルス抗原、細菌抗原等が原因抗原の候補として例示されているが、確定的な証拠は得られていない。IgA腎症患者の血清及び糸球体沈着性IgAにおいて多量体IgAが形成される原因としては、高IgA血症やIgA1ヒンジ部の糖鎖不全等が考えられている。



IgA腎症は、患者に対する精神的・経済的負担が極めて大きく、日本では特定疾患の指定を受ける重要な腎疾患であるが、発症機構が不明であることから根本的な治療方法や治療薬が得られていないのが現状である。したがって、IgA腎症の治療薬の研究者らから、発症機構を解明するための適切なモデル動物の開発が渇望されている。



IgA腎症のモデル動物としては、例えばクローズド・コロニーの動物として市販されているDDY系マウスを素材として、IgA腎症の早期発症と高率発症を目標に掲げ血清IgA値を指標とした選抜育種を実施し、早期かつ高率に当該病態を発現するヒトIgA腎症様病態発現マウスが、IgA腎症の病態研究のためのモデル動物として提案されている(例えば、特許文献1参照)。



しかしながら、血清中のIgA値が高値であることがIgA腎症の発症原因であるとはいえないため、単に高IgA血症のマウスを選抜育種し、さらに近交系化して作製された上述のモデルマウスでは、IgA腎症の根本的な発症原因を突き止めるには不十分である。また、このモデルマウスのIgA腎症の発症原因は全くわかっていない。



ところで、β-1,4-ガラクトース転移酵素(以下、β-1,4-GalT又はGalTと称することがある。)(EC 2.4.1.38)は、2型基幹構造(Galβ1→4GlcNAc)の生合成に必須な糖転移酵素であり、この構造は糖タンパク質のN型糖鎖やO型糖鎖並びに糖脂質に広く見られる。特に、2型基幹構造は、免疫系で重要な役割を担っているシアリルルイスxや初期発生に重要なSSEA-1に必須である。β-1,4-GalT遺伝子は最近までひとつと思われてきたが、1997年から1998年に次々と新しい遺伝子が単離され、現在、7つからなる遺伝子ファミリーを形成していることが明らかとなった。



これらの遺伝子ファミリーのうち、最初に単離されたβ-1,4GalT-Iについて、本発明者や他のグループがノックアウトマウスを作製している(非特許文献1,2参照。)。特に非特許文献1においては、β-1,4GalT-Iノックアウトマウスに関して、若干のβ-1,4-GalT残存活性や2型基幹構造に対応する薄いバンドが検出されたが、これらは他のβ-1,4-GalT遺伝子によるものと考えられること等が記載されている。



【特許文献1】
特開2002-360118号公報
【非特許文献1】
Asano, M. et al.: Growth retardation and early death of β-1,4-galactosyltransferase knockout mice with augmented proliferation and abnormal differentiation of epithelial cells. EMBO J. 16: 1850-1857 (1997).
【非特許文献2】
Lu, Q. et al.: Targeted mutation in β-1,4-galactosyltransferase leads to pituitary insufficiency and neonatal lethality. Dev. Biol. 181: 257-267 (1997).

産業上の利用分野


本発明は、IgA腎症の治療薬のスクリーニング方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ゲノム中のβ-1,4-ガラクトース転移酵素-I遺伝子を欠損し、IgA腎症の症状を呈するIgA腎症発症モデル非ヒト動物に被検物質を投与し、IgA腎症の症状を改善するか否かを判別することを特徴とするIgA腎症の治療薬のスクリーニング方法。

【請求項2】
上記β-1,4-ガラクトース転移酵素-I遺伝子が、配列番号1記載の塩基配列であることを特徴とする請求項1記載のIgA腎症の治療薬のスクリーニング方法。

【請求項3】
上記非ヒト動物が、げっ歯目動物であることを特徴とする請求項1又は2記載のIgA腎症の治療薬のスクリーニング方法。

【請求項4】
上記げっ歯目動物が、マウスであることを特徴とする請求項3記載のIgA腎症の治療薬のスクリーニング方法。

【請求項5】
ゲノム中のβ-1,4-ガラクトース転移酵素-I遺伝子を欠損し、IgA腎症の症状を呈するIgA腎症発症モデル非ヒト動物由来の細胞を培養し、当該細胞に被検物質を投与することを特徴とするIgA腎症の治療薬のスクリーニング方法。

【請求項6】
上記β-1,4-ガラクトース転移酵素-I遺伝子が、配列番号1記載の塩基配列であることを特徴とする請求項5記載のIgA腎症の治療薬のスクリーニング方法。

【請求項7】
上記非ヒト動物が、げっ歯目動物であることを特徴とする請求項5又は6記載のIgA腎症の治療薬のスクリーニング方法。

【請求項8】
上記げっ歯目動物が、マウスであることを特徴とする請求項7記載のIgA腎症の治療薬のスクリーニング方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003103921thum.jpg
出願権利状態 登録
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ご興味のある方は、下記「問合せ先」へ整理番号と共にご連絡願います。
なお、既に活用のお申し込み・お打合わせ等の段階に入っている場合もございますので、予めご承知おきください。


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