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新規Z-スキーム型可視光活性な水の完全分解用光触媒系及び前記触媒を用いた水の完全分解方法 新技術説明会

国内特許コード P05P002944
整理番号 TUS-30
掲載日 2005年8月12日
出願番号 特願2004-008746
公開番号 特開2005-199187
登録番号 特許第4803414号
出願日 平成16年1月16日(2004.1.16)
公開日 平成17年7月28日(2005.7.28)
登録日 平成23年8月19日(2011.8.19)
発明者
  • 工藤 昭彦
  • 加藤 英樹
  • 今田 涼子
  • 下平 祥貴
出願人
  • 学校法人東京理科大学
発明の名称 新規Z-スキーム型可視光活性な水の完全分解用光触媒系及び前記触媒を用いた水の完全分解方法 新技術説明会
発明の概要

【目的】 Fe3+/Fe2+レドックスを用いたZ-スキーム型可視光活性光触媒系の提供
【構成】 WO系、BiVO系及びBiMoO系からなる群から選択される少なくとも1種の酸素生成系光触媒とPt/SrTiO:Rhの水素生成系光触媒とからなる組み合わせ光触媒系、及び前記組み合わせ光触媒系をZ-スキーム型光触媒系に構成させるFe3+/Fe2+レドックス系を形成するFe化合物を存在させたZ-スキーム型可視光水完全分解型触媒系
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


化石資源は無尽蔵とは言えないことから、これらを化学原料に振り向けることが資源の有効利用の観点から好ましい。また、地球温暖化などの環境問題などの観点から、COの発生を伴わないクリーンなエネルギーへの変換が熱望されている。また、石炭の燃焼の際にはCOの発生だけでなく、白雲母として石炭中に含まれている化合物からのフッ素の発生も有ると言われている。前記問題ないエネルギー供給手段として登場して来た原子力利用の発電技術も、燃料物質を製造する工程、及び使用後の処理において生成する物質の兵器としての使用などによる世界秩序の破壊が懸念されるという事態に至り、大きな問題を抱えることになった。このような中で、環境に優しく、安全性が高く、かつ設備コストも比較的かからないエネルギー資源の開発が望まれている。最近、風力発電に、無尽蔵なエネルギー資源の利用の観点、及び設備費も比較的小さいなどから、多くの投資が向けられている。また、太陽電池もクリーンで、利用性の高いエネルギーを生産することから、実用化され、かつ更に効率性の向上と、安定したエネルギー供給に向けて多数の研究が行われている。また、太陽光を利用するエネルギー変換技術として、光触媒を利用した水の光分解反応に興味が持たれている。ここで利用される水の光分解反応に活性を示す光触媒は、光吸収、電荷分離、表面での酸化還元反応といった機能を備えた高度な光機能材料であり、多くのものが既に提案されている。




【特許文献1】特願2002-167300(平成13年6月7日出願)

【非特許文献1】Darwent,J.R.;Mills,A.J.Chem.Soc.,Faraday.Trans.21982,78,359.

【非特許文献2】Kudo,A.;Omori,K.;Kato,H.J.Am.Chem.Soc.1999, 121,11459.

【非特許文献3】下平祥貴, 加藤英樹, 小林久芳, 工藤昭彦 日本化学会第81春季年会予稿集 2002,121.

【非特許文献4】Fujihara,K;Ohno.T.;Matsumura,M.J.Chem. Soc., Faraday Trans.1998,94,3705.

【非特許文献5】Sayama,K.;Yoshida,R.;Kusama,H.;Okabe,K.;Abe,Y.;Arakawa,H.Chem.Phys.Lett.2001,Vol.277,387.

【非特許文献6】Sayama,K.;Mukasa,K.;Abe,R.;Arakawa,H.Chem.Commun. 2001,2416.

【特許文献2】特開2002-255502、請求の範囲

【非特許文献7】日本化学会第78春季年会予稿集 2000,32,石井辰也, 中川征良, 加藤英樹, 工藤昭彦

【非特許文献8】H.Kato and A.Kudo,J.Phys.Chem.B,2002,106,5029.

【非特許文献9】Y. Hosogi,K.Tanabe.H.Kato,H. Kobayashi and A.Kudo,Chem.Lett.2004,Vol.33,28

【非特許文献10】R.Konta,H.Kato,H.Kobayashi,and A.Kudo,Phys.Chem.Chem.Phys.,2003,5,3061.



前記光触媒を用いた水の光分解反応において、半導体電極による水の光分解反応が報告され半導体光触媒の開発に精力的研究されてきた。これまでに、いくつかの金属酸化物が、水の水素と酸素への分解反応に活性な光触媒であることが報告されている。この中で可視光照射下で、電子供与体(アルコール、亜硫酸イオンなど)を含む水の光分解により水素生成する反応に活性を示す光触媒として、特に、RhドーピングPt/SrTiOが報告されている〔特許文献1〕。これに対して、電子受容体(Ag、Fe3+など)を含む水溶液からの酸素生成反応に可視光照射下で活性を示す光触媒として、WO〔非特許文献1〕、BiVO〔非特許文献2〕、BiMoO〔非特許文献3〕などが報告されている。



前記電子供与体または電子受容体を含む水溶液からの水素または酸素生成反応は、それぞれ水の分解反応の半反応である。したがって、半反応に活性なこれらの光触媒を組みあわせた複合系によって水を全分解することが考えられる。実際、今まで次に示す二段階励起型の複合系光触媒(Z-Scheme型光触媒系)が報告されている。Pt/TiOとBrを含む水素生成槽とTiOとFe3+を含む酸素生成槽をPtコイルおよびイオン交換膜で接続した2槽型システム〔非特許文献4〕およびFe3+/Fe2+レドックスとRuO/WO光触媒を複合した1槽型システム〔非特許文献5〕による水の光触媒的分解反応が報告されている。前者では、水素生成槽および酸素生成槽に紫外線を照射し水素と酸素が生成している。生成したBrおよびFe2+は、お互いを酸化還元しBrとFe3+へと再生される。一方、後者では,水素生成は,紫外線照射下(λ<280nm)でのFe2+と水との光化学反応で進行し,酸素生成は,RuO/WO上で電子捕捉剤であるFe3+を利用し光触媒的に進行している。そして近年,水素生成光触媒と酸素生成光触媒とIO/Iレドックスを組み合わせることで水の分解のための1槽型システムが開発された〔非特許文献6、特許文献2〕。このシステムでは,可視光応答性を有するPt/SrTiO:Cr,Ta〔非特許文献7〕およびWOを組み合わせることで可視光照射下でも水の分解反応が進行している。しかしながら、この光触媒系での量子収率は、0.1%(420.7nm)と非常に低い。以上のように、2つの光触媒反応系を電子伝達系で接続するZ-スキーム型システムは,太陽光の利用を目指した水の光触媒的分解反応系開発の一つの手段であるが、現時点で効率の高い光触媒系は、開発されていない。また,有効波長領域の拡大も望まれている。
この光触媒系では、高効率な水素および酸素生成能を持つ可視光応答性光触媒が不可欠である。特に、需要の面から水素生成光触媒の開発が重要である。また、安定性を考慮すると、これらの光触媒は酸化物が望ましい。本発明者らは、そのような水素生成光触媒として、Cr/TaまたはCr/Sbを共ドーピングしたSrTiO〔非特許文献7および8〕、RhドーピングしたSrTiO〔特許文献1〕、SnNb等〔非特許文献9〕を開発してきた。一方、酸素生成触媒として、BiVO〔非特許文献2〕、BiMoO〔非特許文献3〕、AgVO〔非特許文献10〕等を開発してきた。しかしながら、これらを組み合わせたレドックス系は構築されていない。

産業上の利用分野


本発明は、Fe3+/Fe2+レドックス系を形成するFe化合物、例えばFeClと酸素生成光触媒と水素生成光触媒との複合触媒系を組み合わせた水の完全光分解を進めるZ-スキーム型可視光活性水分解用光触媒系に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
酸素生成系光触媒及び水素生成系光触媒からなる組み合わせ光触媒系と、レドックス反応系とを組み合わせた可視光水完全分解型複合光触媒系において、前記酸素生成系光触媒がWO系、BiVO系及びBiMoO系からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記水素生成系光触媒がPt/SrTiO:Rhであり、前記レドックス反応系がFe3+/Fe2+レドックス系を形成するFe化合物により構成されていることを特徴とする可視光水完全分解型複合光触媒系。

【請求項2】
前記Fe化合物がFe(SO、Fe(NO、及びFeClからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の可視光水完全分解型触媒系。

【請求項3】
WO系、BiVO系及びBiMoO系からなる群から選択される少なくとも1種の酸素生成系光触媒及びPt/SrTiO:Rhの水素生成系光触媒からなる光触媒系と、F3+/Fe2+レドックス系を形成させるFe化合物を水中に共存させ、前記水のpHを酸性に調整し、可視光を含む光を照射して可視光水完全分解型複合光触媒系の形成下に水完全分解する方法。
産業区分
  • その他無機化学
  • 無機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004008746thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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