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イソキノリンアルカロイドの生合成に関与する遺伝子断片としてのポリヌクレオチド、イソキノリンアルカロイド生合成に関与する全長遺伝子とタンパク質、並びにその形質転換体 コモンズ

国内特許コード P05A007432
整理番号 150
掲載日 2005年8月12日
出願番号 特願2003-310660
公開番号 特開2004-121233
登録番号 特許第3987931号
出願日 平成15年9月2日(2003.9.2)
公開日 平成16年4月22日(2004.4.22)
登録日 平成19年7月27日(2007.7.27)
優先権データ
  • 特願2002-260642 (2002.9.5) JP
発明者
  • 佐藤 文彦
  • エミリン ゴウ デュブゼイ
  • 森重 敬
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 イソキノリンアルカロイドの生合成に関与する遺伝子断片としてのポリヌクレオチド、イソキノリンアルカロイド生合成に関与する全長遺伝子とタンパク質、並びにその形質転換体 コモンズ
発明の概要

【課題】イソキノリンアルカロイド生合成関連遺伝子断片及びそれを高頻度に含むcDNAライブラリー、並びに、それを用いてイソキノリンアルカロイド生合成関連遺伝子を効率よく、包括的に単離できる方法を提供する。
【解決手段】ベルベリン生産性の高いオウレン培養細胞から得られたcDNAを、pDR196ベクターにサブクローニングした後、ランダムに選抜した2016クローンの5’側塩基を決定した。そのうち、100塩基以上配列決定できた1014クローンの配列を、NCBlデータベースでtBLASTxにより相同検索し、その遺伝子機能を推定した。その結果、特定の領域を構成する塩基配列からなるポリヌクレオチドが、アルカロイド生合成に関与する遺伝子断片であることが確認された。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


植物細胞が生産する様々な二次代謝産物は、香辛料、染料として利用されるばかりでなく、有用医薬品としても利用されている。これらの植物は天然から採取されたり、栽培されたりしているが、多くの植物は生育が遅く、培養細胞など他の方法による生産方法が模索されている。



このような植物の二次代謝産物の一つであるアルカロイドは、少量投与でヒト、動物などに顕著な生理活性を示すものが多い。アルカロイドの中でも、イソキノリン誘導体及び生合成的にこれに由来するイソキノリン系アルカロイドには、ベルベリン、モルフィン、パパベリンなど強い生理活性を有するものが多く、現在でも多くの有用医薬品に使用されている。このイソキノリンアルカロイドの生合成系の前半部分は、各種化合物で共通しているため、上記イソキノリンアルカロイドの生合成を効率よく行う方法として、その生合成に関わる遺伝子を利用する方法が挙げられる。これら遺伝子を利用してイソキノリンアルカロイドの生合成を行うためには、当該遺伝子の単離と同定が不可欠である。



ベンジルイソキノリンアルカロイドであるベルベリンは、図1に示すように、アミノ酸であるチロシン2分子から13段階の酵素反応によって生合成される。これまでに、ベルベリン生産性の高い細胞を材料として生合成酵素を精製し、それぞれの酵素に対する遺伝子が単離・同定されている。



具体的には、ベルベリンを高生産するオウレン培養細胞等を素材として、コクラウリン N-メチルトランスフェラーゼ(CNMT)(非特許文献1参照)、N-メチル-コクラウリン 3’-ヒドロキシラーゼ(非特許文献2参照)、ベルベリンブリッジエンザイム(BBE)(非特許文献3参照)、スコウレリン 9-O-メチルトランスフェラーゼ(SMT)(非特許文献4参照)などのcDNAが単離されている。



また、上記ベルベリン生合成関連遺伝子の一例として、特許文献1には、ノルコクラウリン 6-O-メチルトランスフェラーゼ(6OMT)をコードする遺伝子について、特許文献2には、(S)-3’-ヒドロキシ-N-メチルコクラウリン4’-O-メチルトランスフェラーゼ(4OMT)をコードする遺伝子について記載されている。



また、イソキノリンアルカロイドの初発酵素であるnorcoclaurine synthaseは、例えば、図1に示すベルベリン生合成経路の初期反応である、ドーパミン(Dopamine)と4-ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド(4-Hydroxyphenylacetaldehyde)との縮合反応を触媒する酵素であり、イソキノリンアルカロイドの生合成にとって非常に重要な酵素であるため、遺伝子の単離と同定は長く希求されていた。しかし、そのタンパク質精製の困難さから、研究が遅れており、近年になって、やっとその精製が報告されるに至っている(非特許文献6、7参照)。しかし、遺伝子の単離・同定には、至っていない。

【特許文献1】特開平11-178577号公報(公開日:平成11年7月6日)

【特許文献2】特開平11-178570号公報(公開日:平成11年7月6日)

【非特許文献1】Choi, K.-B., Morishige, T., Shitan. N., Yazaki, K., and Sato, F., Molecular cloning and characterization of coclaurine N-methyltransferase from cultured cells of Coptis japonica. J. Biol. Chem., 277:830-835(2002)

【非特許文献2】Pauli HH, Kutchan TM. 1998. Molecular cloning and functional heterologous expression of two alleles encoding (S)-N-methylcoclaurine 3’-hydroxylase (CYP80B1), a new methyl jasmonate-inducible cytochrome-p450-dependent mono-oxygenase of benzylisoquinoline alkaline biosynthesis. Plant J. 13, 793-801

【非特許文献3】Dittrich H, Kutchan TM.1991. Molecular cloning, expression, and induction of berberine bridge enzyme, an enzyme essential to the formation of benzophenantrhidine alkaloids in the response of plants to pathogen attack. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:9969-9973

【非特許文献4】Takeshita, N., Fujiwara, H., Mimura, H., Fitchen, J.H., Yamada, Y. and Sato, F., 1995. Molecular cloning and characterization of S-adenosyl--methionine: scoulerine-9-O-methyltransferase from cultured cells of Coptis japonica. Plant Cell Physiol36 1, pp. 29-36

【非特許文献5】Lange, BM, Wildung MR, Stauber, EJ, Sanchez, C, Pouchnik, D, Croteau, R. 2000. Probing essential oil biosynthesis and secretion by functional evaluation of expressed sequence tags from mint glandular trichomes. Proc. Nat’l Acad Sci (USA) 97:2934-2939

【非特許文献6】Samanani N, Facchini PJ., Purification and Characterization of Norcoclaurine : The first committed enzyme in benzylisoquinoline alkaloid biosynthesis in plants. J. Biol. Chem., Vol. 277, 33878-33883, 2002

【非特許文献7】Samanani N, Facchini PJ., Isolation and partial characterization of norcoclaurine synthase, the first committed step in benzylisoquinoline alkaloid biosynthesis, from opium poppy. Planta. 2001 Oct;213(6):898-906.

産業上の利用分野


本発明は、植物の二次代謝産物の一つであり、医薬品として利用度の高いイソキノリンアルカロイドの生合成に関与する遺伝子断片としてのポリヌクレオチド、及びそのポリヌクレオチドを含むcDNAライブラリーに関するものあり、さらに、そのポリヌクレオチドを用いて単離されたイソキノリンアルカロイド生合成に関与する全長遺伝子とタンパク質、その単離方法、並びにそのポリヌクレオチドあるいはその全長遺伝子が導入された形質転換体に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の(c)又は(d)のタンパク質をコードする遺伝子。
(c)配列番号56に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。
(d)配列番号56に示されるアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつノルコクラウリン合成酵素としての活性を持つタンパク質。

【請求項2】
上記遺伝子は、オウレン由来であることを特徴とする請求項1に記載の遺伝子。

【請求項3】
配列番号55に示す塩基配列からなるイソキノリンアルカロイドの生合成に関与する全長遺伝子。

【請求項4】
配列番号55に示す塩基配列の第22番目~1077番目の塩基配列をオープンリーディングフレームとして含む遺伝子。

【請求項5】
以下の(c)又は(d)のタンパク質。
(c)配列番号56に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。
(d)配列番号56に示されるアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつノルコクラウリン合成酵素としての活性を持つタンパク質。

【請求項6】
上記タンパク質は、オウレン由来であることを特徴とする請求項5に記載のタンパク質。

【請求項7】
請求項1ないし4の何れか1項に記載の遺伝子または全長遺伝子が組み込まれたベクター。

【請求項8】
請求項7記載のベクターが導入された形質転換体。

【請求項9】
前記ベクターが植物に導入されることを特徴とする請求項8記載の形質転換体。

【請求項10】
前記植物はイソキノリンアルカロイドを生産する植物であることを特徴とする請求項9記載の形質転換体。

【請求項11】
請求項5または6に記載のタンパク質、および請求項8~10に記載の形質転換体のうち、少なくとも1つを用いて、イソキノリンアルカロイドを生産する方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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