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レーザ装置及びレーザ発振方法 コモンズ

国内特許コード P05P002302
整理番号 A241P28
掲載日 2005年8月26日
出願番号 特願2004-037437
公開番号 特開2005-228994
登録番号 特許第4421319号
出願日 平成16年2月13日(2004.2.13)
公開日 平成17年8月25日(2005.8.25)
登録日 平成21年12月11日(2009.12.11)
発明者
  • 伊藤 正
  • 芦田 昌明
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 レーザ装置及びレーザ発振方法 コモンズ
発明の概要 【課題】 効率のよい発光現象を利用したレーザ発振を実現できるレーザ装置を実現する。
【解決手段】 半導体量子ドットを用いてレーザ発振を起こさせるレーザ装置に、半導体量子ドットが形成されたレーザ部材11と、レーザ部材11において発生した光を共振させる共振器14と、2光子共鳴励起によって半導体量子ドットに励起子分子状態を形成するように、2光子共鳴励起に対応するエネルギーを有する励起光をレーザ部材11に対して照射するポンプレーザ15とを備える。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


0次元の半導体、いわゆる半導体量子ドットは固体中でのサイズ量子化において、量子井戸や量子細線よりも電子的性質の大きな変化をもたらす。半導体量子ドットのように、キャリアが3次元閉じ込めを受ける系では、電子エネルギー準位が離散化してデルタ関数的となり、状態密度の集中化が起こる。



このような性質が発現することから、半導体量子ドットをレーザ媒質として利用することにより、(1)低い発振しきい値を得ることができる、(2)利得スペクトルがバルク材料と比べてより狭い領域に集中することにより発振効率を増加させることができる、などの利点が得られる。



このような利点は、エピタキシャル成長した自己形成量子ドットレーザにおいて実証されている(例えば、非特許文献1参照)。このエピタキシャル量子ドットによるレーザ発振の成功を受けて、量子サイズ効果が現れてくる、およそ10nm以下のコロイド状あるいはナノ結晶量子ドットによるレーザ開発への期待が高まっている。



特に、CdSeナノ結晶は、レーザ媒質として、また量子閉じ込めを強く受けるナノ結晶として、最もよく研究されているものの一つである。CdSeナノ結晶の蛍光スペクトルは可視域で容易に色を変えることができ、さらに合成も比較的容易である。



CdSeナノ結晶からのレーザ発振の研究としては、微少な管に入れたナノ結晶によるWhispering Gallery Modeの微少リングレーザ発振が知られている(例えば、非特許文献2参照)。



ナノ結晶量子ドットからのレーザ発振としては、CdSeナノ結晶からのレーザ発振の他にCuClナノ結晶からのレーザ発振が知られている(例えば、非特許文献3参照)。



図17は、上記非特許文献3においてレーザ発振を行うために用いられたレーザ100の構成を示している。このレーザ100は、CuClナノ結晶が埋め込まれたNaCl結晶からなる試料101と、共振器をなす2枚の誘電体ミラー102・102とから構成されている。



試料101におけるCuClナノ結晶の平均有効半径は5.0nmであり、NaCl結晶の外形は3.2×5.6×0.58mm3である。誘電体ミラー102・102は、それぞれ反射率90%の反射平面102a・102aを有している。この反射平面102a・102aが試料101をその厚み方向(0.58mmの厚み方向)に挟持し、かつ、互いに平行になるように、誘電体ミラー102・102が配置されている。



上記非特許文献3では、レーザ100を77Kに冷却した状態において、このレーザ100に対して波長337nmの窒素レーザ光を10nsのパルス幅で照射することにより、レーザ発振を確認している。このレーザ発振では、照射した窒素レーザ光のエネルギー密度に関する発振しきい値Ithが2.1MW/cm2となった。



図18は、上記発振しきい値の前後における発光強度を示しており、破線はエネルギー密度0.86Ithの場合、実線はエネルギー密度1.08Ithの場合をそれぞれ示している。
【非特許文献1】
N.N.Ledentsov, V.M.Ustinov, A.Y.Egorov, et. al., Semiconductors 28, 832(1994)
【非特許文献2】
A.V.Maiko, A.A.Mikhailovsky, M.A.Petruska, Appl. Phys. Lett 81, 1303(2002)
【非特許文献3】
Y.Masumoto, T.Kawamura, K.Era, Appl. Phys. Lett. 62, 225(1993)

産業上の利用分野


本発明は、半導体量子ドットを用いてレーザ発振を起こさせるレーザ装置及びレーザ発振方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
半導体量子ドットを用いてレーザ発振を起こさせるレーザ装置において、
半導体量子ドットが形成されたレーザ部材と、
前記レーザ部材において発生した光を共振させる共振器部と、
2光子共鳴励起によって前記半導体量子ドットに励起子分子状態を形成するように、前記2光子共鳴励起に対応するエネルギーを有する励起光を前記レーザ部材に対して照射する励起光源部とを備えることを特徴とするレーザ装置。

【請求項2】
前記共振器部は、前記レーザ部材の端面を成す劈開面によって構成されることを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。

【請求項3】
前記励起光源部は、前記レーザ部材に対する励起光の連続照射期間をピコ秒オーダとすることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ装置。

【請求項4】
前記励起光源部は、前記レーザ部材に対する励起光の連続照射期間をフェムト秒オーダとすることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ装置。

【請求項5】
前記レーザ部材は、前記半導体量子ドットと、前記半導体量子ドットを保持する母材とを有し、
前記半導体量子ドットは、CuCl,CuBr,CdSe,CdSのうちの何れかからなり、前記母材は、ガラス又はアルカリハライド結晶からなることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載のレーザ装置。

【請求項6】
前記レーザ部材は、前記半導体量子ドットと、前記半導体量子ドットを保持する母材とを有し、
前記半導体量子ドットは、InAs又はInGaSbからなり、前記母材は、GaAsからなることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載のレーザ装置。

【請求項7】
半導体量子ドットを用いてレーザ発振を起こさせるレーザ発振方法において、
2光子共鳴励起によって半導体量子ドットに励起子分子状態を形成することにより、前記半導体量子ドットを発光させ、レーザ発振を起こさせることを特徴とするレーザ発振方法。

【請求項8】
前記半導体量子ドットが形成されたレーザ部材の端面を成す劈開面で前記レーザ部材において発生した光を共振させることを特徴とする請求項7に記載のレーザ発振方法。

【請求項9】
前記2光子共鳴励起に対応するエネルギーを有する励起光を前記半導体量子ドットに対して照射することにより、前記半導体量子ドットに励起子分子状態を形成することを特徴とする請求項7又は8に記載のレーザ発振方法。

【請求項10】
前記励起光の連続照射期間をピコ秒オーダとすることを特徴とする請求項に記載のレーザ発振方法。

【請求項11】
前記励起光の連続照射期間をフェムト秒オーダとすることを特徴とする請求項に記載のレーザ発振方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004037437thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 新しい物理現象や動作原理に基づくナノデバイス・システムの創製 領域
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