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水溶性デンドリマー分子ワイヤー及びその合成方法 コモンズ

国内特許コード P05P002299
整理番号 E063P19
掲載日 2005年9月9日
出願番号 特願2004-042639
公開番号 特開2005-232293
登録番号 特許第3858027号
出願日 平成16年2月19日(2004.2.19)
公開日 平成17年9月2日(2005.9.2)
登録日 平成18年9月22日(2006.9.22)
発明者
  • 相田 卓三
  • 江 東林
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 水溶性デンドリマー分子ワイヤー及びその合成方法 コモンズ
発明の概要 【課題】 水溶液中で蛍光を発するなど水溶性の機能材料として有用なポリフェニレンエチニレン類を提供する。
【解決手段】 一般式(1)で表される親水性デンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレン。式(1)中、2つのRは、それぞれ独立して、芳香環を含む繰り返し単位から成り親水性の置換基をデンドロン残基であり、mは重合度を示す自然数を表す。デンドロン残基として特に好ましい例は、3,5-ジオキシベンジル基を繰り返し単位とする芳香族ポリエーテル構造から成り末端に親水性置換基を有するものである。臭素置換したデンドロン側鎖前駆体化合物、2,5-ビス(トリメチルシリル)ヒドロキノン、炭酸カリウムおよび18-クラウン-6-エーテルを反応させて親水性デンドロン側鎖含有ジエチルベンゼンを得た後、これを酸化触媒、助触媒およびアミン系塩基の存在下にp-フェニレンジアイオダイドと反応させることにより合成することができる。



【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


ポリフェニレンエチニレン(以下、PPhEと略記することがある)は、その長い非屈曲性のπ電子共役系高分子主鎖構造を有するため、光の吸収と発光、導電性等の性質を有するので産業上の利用が期待される材料である。例えば、Devadoss,C.ら;J.Am.Chem.Soc.,118巻、9635頁(1996)(非特許文献1)、あるいは池田剛ら;Polym. Prepr., Japan、47巻3号、403頁(1998)(非特許文献2)には、この構造の光物性の利用についての記述がある。しかしながらポリフェニレンエチニレンは、π電子共役系、導電性や発光性を有する高分子として、同様の目的で盛んに検討されてきたポリフェニレンビニレン、ポリフェニレン、あるいはポリチオフェン等に比べて必ずしも基礎研究が十分に行われていないのが現状である。これは、PPhEが溶媒に溶解しにくく、高分子量のものの合成が容易でないことが一因と考えられる。



かかるPPhEの応用に関する最近の新しい技術として、芳香環を含む繰り返し単位から成るデンドロン側鎖がそのフォーカルポイントでPPhEに結合されてなる構造、すなわち、デンドリマーを分子ワイヤーとする構造のポリフェニレンエチニレンが案出されている。例えば、ポリベンジルエーテル構造を有するデンドロン側鎖を有するPPhEが、特開2000-239360号公報(特許文献1)に開示されている。この技術により、かかるPPhEは、該デンドロンの導入に起因して有機溶媒溶解性を獲得し、さらに特開2002-212272号公報(特許文献2)には該PPhEよりなる薄膜成形体が開示されているが、該PPhEの水系媒質への溶解度は必ずしも十分なものではなく、その応用に限界があった。また、特開2002-293890号公報(特許文献3)には、芳香族ポリエーテルケトン構造を有するデンドロン側鎖を有する改善された機溶媒溶解性を有するPPhEが開示されており、さらに該PPhEの有機溶媒溶液からのスピンコートによる薄膜が開示されているが、この技術によっても水系媒質への溶解性は必ずしも満足できるものではなく、産業上の利用に限界があった。従来の技術にはπ電子共役系高分子主鎖構造を有する構造の光物性を水溶液中で利用しようとする発想がなく、もちろん上記特開2000-239360号公報、特開2002-212272号公報および特開2002-293890号公報にも水系媒質への溶解性に関する概念は開示されていない。
【非特許文献1】
Devadoss,C.ら;J.Am.Chem.Soc.,118巻、9635頁(1996)
【非特許文献2】
池田剛ら;Polym.Prepr.,Japan、47巻3号、403頁(1998)
【特許文献1】
特開2000-239360号公報
【特許文献2】
特開2002-212272号公報
【特許文献3】
特開2002-293890号公報

産業上の利用分野


本発明は、共役系高分子に関し、特に、水溶性のポリフェニレンエチニレン化合物類に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記の一般式(1)で表されることを特徴とする親水性デンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレン。
【化1】


〔但し、一般式(1)中、2つのRは、それぞれ独立して、芳香環を含む繰り返し単位から成り親水性の置換基を有するデンドロン残基であり、下記の一般式(2)で表され、2つのRは相互に同一であっても異なっていてもよく、mは重合度を示す自然数を表す。〕
【化2】


〔但し、一般式(2)中、Aroは芳香環を表し、Xは親水性の置換基であって、-CO2R’、-CO2、-CONH(CH2)2R’’より成る群から選ばれる少なくとも1種であり、相互に異なっていてもよく、また、R’およびR’’はそれぞれ炭素数1から4のアルキル基を表し、nは1~6の整数を表す。〕

【請求項2】
Rが芳香族ポリエーテル構造を有し芳香環上に親水性の置換基を有するデンドロン残基であり、下記の一般式(3)で表されることを特徴とする請求項1に記載の親水性デンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレン。
【化3】


〔但し、一般式(3)中、Xは親水性の置換基であって、-CO2R’、-CO2、-CONH(CH2)2R’’より成る群から選ばれる少なくとも1種であり、相互に異なっていてもよく、また、R’およびR’’はそれぞれ炭素数1から4のアルキル基を表し、nは1~6の整数を表す。〕

【請求項3】
Rが下記の一般式(4)、一般式(5)および一般式(6)から成る群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載の親水性デンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレン。
【化4】


【化5】


【化6】


〔但し、一般式(4)、一般式(5)及び一般式(6)中、Xは-COR’、-CO、-CONH(CH)R”より成る群から選ばれる少なくとも1種であって相互に異なっていてもよく、また、R’およびR”はそれぞれ炭素数1から4のアルキル基を表す。〕

【請求項4】
請求項1の親水性デンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンの合成方法であって、
(I)下記の一般式(7)で表される臭素置換デンドロン側鎖前駆体化合物(一般式(7)中、Aro、Xおよびnは一般式(2)中のAro、Xおよびnと同義である)、2,5-ビス(トリメチルシリルエチニル)-1,4-ヒドロキノン、炭酸カリウムおよび18-クラウン-6-エーテルを含有する溶液を撹拌下に反応させて下記の一般式(8)で表される親水性デンドロン側鎖含有ジエチニルベンゼン(一般式(8)中、Rは一般式(1)中のRと同義である)を得る工程、
(II)得られた親水性デンドロン側鎖含有ジエチニルベンゼンを酸化触媒、助触媒およびアミン系塩基の存在下にp-フェニレンジアイオダイドと不活性ガス雰囲気下で反応させる工程、
を含むことを特徴とする方法。
【化7】


【化8】



【請求項5】
請求項2の親水性デンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンの合成方法であって、臭素置換デンドロン側鎖前駆体化合物が下記の一般式(9)〔式(9)中、Xおよびnは一般式(3)中のXおよびnと同義である〕で表されるものであることを特徴とする請求項4に従う方法。
【化9】



【請求項6】
請求項2の親水性デンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンの合成方法であって、臭素置換デンドロン側鎖前駆体化合物が下記の一般式(10)、一般式(11)または一般式(12)(一般式(10)、一般式(11)および一般式(12)中、Xは一般式(4)、一般式(5)および一般式(6)中のXと同義である)で表されるものであることを特徴とする請求項4に従う方法。
【化10】


【化11】


【化12】



【請求項7】
工程(II)における酸化触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、助触媒としてヨウ化第一銅、およびアミン系塩基としてジイソプロピルアミンを用いることを特徴とする請求項4~6のいずれかに従う方法。

【請求項8】
請求項1~請求項3のいずれかの親水性デンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンから成ることを特徴とする水溶性蛍光剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 相田ナノ空間プロジェクト 領域
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