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アレルゲン特異的T細胞抗原決定基を植物へ集積させる方法、および該抗原決定基を集積させた植物

国内特許コード P05A007480
整理番号 植物バイオ-170
掲載日 2005年9月21日
出願番号 特願2003-120639
公開番号 特開2004-321079
登録番号 特許第4512816号
出願日 平成15年4月24日(2003.4.24)
公開日 平成16年11月18日(2004.11.18)
登録日 平成22年5月21日(2010.5.21)
発明者
  • 高岩 文雄
  • 高木 英典
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 アレルゲン特異的T細胞抗原決定基を植物へ集積させる方法、および該抗原決定基を集積させた植物
発明の概要 【課題】アレルゲン特異的ヒトT細胞エピトープを植物へ集積させる方法、および該エピトープを集積させた植物の提供を課題とする。
【解決手段】ヒトT細胞エピトープをコメの胚乳中に集積させる手法として、T細胞エピトープ連結ペプチド(7crp)を直接種子中に集積させる方法、およびイネの主要な貯蔵タンパク質であるグルテリンの可変領域の中に挿入し、グルテリン貯蔵タンパク質の一部として発現・集積させる方法が開発された。本発明で開発されたT細胞エピトープ連結ペプチドを生産するイネは、スギ花粉症に対する食べるワクチンとして現実的に機能することが強く期待される。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


近年、アレルギー疾患に対する根治的治療法は、従来注射によりアレルゲンそのものを投与し、長期間にわたり段階的に増加させアレルゲン特異的な免疫反応性を鈍らせる減感作療法であった。しかしこの療法では、アレルギー症状を引き起こす肥満細胞に結合しているIgE抗体との反応性が残っており、アナフィラキシーショック等の副作用が見られる問題があることが指摘されている。



近年、アレルゲンに由来するT細胞エピトープペプチドを投与するペプチド免疫療法が注目されている。その作用機構として、アレルゲン特異的なヘルパーII型のT細胞の不応答や欠失が起こると考えられる。T細胞エピトープを利用するペプチド免疫療法は一般にアレルギー反応を起こすB細胞エピトープを含まず、アレルゲン特異的なIgE抗体との結合性もないことから、従来の減感作療法で起きている副作用が起きにくく安全である。



スギ花粉症のアレルゲンに由来するT細胞エピトープペプチドについても、特異的T細胞に対する高い反応性を示すことから、経口投与によりT細胞の不応答化を誘導する能力を持つことが示唆されている(例えば、非特許文献1~4参照)。このことから、T細胞エピトープペプチドをペプチドワクチンとしてスギ花粉症の治療への応用が期待されていたものの、実際の応用形態については、未開発の状態であった。



アレルゲン特異的なT細胞エピトープを実際に有用な植物へ集積させる方法、および集積された有用な植物等については、これまでのところ知られていなかった。



【非特許文献1】
ヒラハラ・カズキ(Kazuki Hirahara)ら著, J. Allergy Clin. Immunol., Vol. 102, p.961-967, 1998年



【非特許文献2】
ヒラハラ・カズキ(Kazuki Hirahara)ら著, J. Allergy Clin. Immunol., Vol. 108, p.94-100, 2001年



【非特許文献3】
ソネ・トシオ(Toshio Sone)ら著, J. Immunology, p.448-457, 1998年



【非特許文献4】
ヨシトミ・トモミ(Tomomi Yoshitomi)ら著, Immunology, Vol. 107, p.517-522, 2002年

特許請求の範囲 【請求項1】
ADPグルコースピロホスホリラーゼプロモーターの制御下に以下の(a)~(c)のいずれかのDNAが配置された構造を有するDNA。
(a)配列番号:1に記載のペプチド又は該ペプチドが2回以上タンデムに繋がれたペプチドをコードするDNAの5’末端に貯蔵タンパク質シグナル配列をコードするDNA、および/または3’末端に小胞体係留シグナル配列をコードするDNAが付加されたDNA
(b)配列番号:1に記載のペプチド又は該ペプチドが2回以上タンデムに繋がれたペプチドのN末端に貯蔵タンパク質シグナル配列、および/またはC末端に小胞体係留シグナル配列が付加されたポリペプチドをコードするDNA
(c)貯蔵タンパク質の可変領域へ、配列番号:1に記載のペプチド又は該ペプチドが2回以上タンデムに繋がれたペプチドが挿入された構造を有するポリペプチドをコードするDNA

【請求項2】
請求項1に記載のDNAを含む、T細胞エピトープ集積植物作製用ベクター。

【請求項3】
請求項1に記載のDNA、または請求項2に記載のベクターを保持する宿主細胞。

【請求項4】
アレルゲン特異的なT細胞エピトープをイネ植物の胚乳に集積させる方法であって、請求項1に記載のDNA、または請求項2に記載のベクターをイネ植物へ導入することを特徴とする方法。

【請求項5】
以下の工程(a)~(c)を含む、T細胞エピトープをイネ植物の胚乳に集積させる方法。
(a)配列番号:1に記載のペプチド又は該ペプチドが2回以上タンデムに繋がれたペプチドをコードするDNAを取得する工程、
(b)前記(a)で取得されたDNAの5’末端に貯蔵タンパク質シグナル配列をコードするDNA、および/または3’末端に小胞体係留シグナル配列をコードするDNAを付加する工程、
(c)前記(b)のDNAを、イネ植物の胚乳においてADPグルコースピロホスホリラーゼプロモーターの制御下で発現させる工程

【請求項6】
以下の工程(a)および(b)を含む、T細胞エピトープをイネ植物の胚乳に集積させる方法。
(a)配列番号:1に記載のペプチド又は該ペプチドが2回以上タンデムに繋がれたペプチドをコードするDNAを取得する工程、
(b)前記(a)のDNAを、植物の貯蔵タンパク質の可変領域をコードするDNA領域へ挿入しADPグルコースピロホスホリラーゼプロモーターの制御下で発現させる工程

【請求項7】
請求項4~のいずれかに記載の方法により作出される、T細胞エピトープが集積したトランスジェニックイネ植物。

【請求項8】
請求項に記載のイネ植物の子孫またはクローンである、トランスジェニック植物。

【請求項9】
請求項またはに記載のイネ植物に由来する細胞。

【請求項10】
請求項またはに記載のイネ植物の繁殖材料。

【請求項11】
請求項またはに記載のイネ植物の種子。

【請求項12】
熱に安定であることを特徴とする、請求項11に記載の種子。

【請求項13】
請求項4~6のいずれかに記載の方法により作出される、T細胞エピトープが集積したコメ。

【請求項14】
請求項11もしくは12に記載の種子、または請求項13に記載のコメを有効成分とする、アレルギー性疾患の治療または予防のための食品組成物。

【請求項15】
アレルギー性疾患がI型アレルギーである、請求項14に記載の食品組成物。

【請求項16】
請求項4~のいずれかに記載の方法を用いた、胚乳にT細胞エピトープが集積したトランスジェニックイネ植物の製造方法。

【請求項17】
請求項4~6のいずれかに記載の方法を用いた、胚乳にT細胞エピトープが集積したコメの製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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11373_01SUM.gif
出願権利状態 登録


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