TOP > 国内特許検索 > 乾燥耐性が高められた植物の作出における、ZPT2-3ジンクフィンガー型転写因子の利用

乾燥耐性が高められた植物の作出における、ZPT2-3ジンクフィンガー型転写因子の利用

国内特許コード P05A007510
整理番号 植物バイオ-183
掲載日 2005年9月21日
出願番号 特願2003-311535
公開番号 特開2005-073669
登録番号 特許第4238358号
出願日 平成15年9月3日(2003.9.3)
公開日 平成17年3月24日(2005.3.24)
登録日 平成21年1月9日(2009.1.9)
発明者
  • 高辻 博志
  • 菅野 正治
  • 上中 弘典
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 乾燥耐性が高められた植物の作出における、ZPT2-3ジンクフィンガー型転写因子の利用
発明の概要 【課題】 ジンクフィンガー型転写因子遺伝子を利用して、植物の乾燥耐性を向上させることを課題とする。
【解決手段】 ZPT2-3の機能を調べるため、CaMV 35Sプロモーターの制御下でZPT2-3遺伝子を過剰発現する形質転換ペチュニアを作製し、乾燥ストレス処理に対する耐性の有無を検討した結果、驚くべきことに、形質転換ペチュニアが、野生型と比較して、乾燥に対して顕著な耐性を示すことが明らかとなった。さらに、形質転換ペチュニアには生育や形態上の異常は認められなかったことから、ZPT2-3遺伝子の過剰発現が植物の生育等に悪影響を及ぼさないことも明らかとなった。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


乾燥に対する植物の耐性は、様々な作物や園芸植物において栽培の省力化や栽培可能な地域の拡大に関わる重要な要素である。遺伝子組換えによる乾燥耐性の改良によって、乾燥した地域における作物栽培の困難さが克服できれば、世界的な食糧不足への対応策の一つとしての可能性が期待される。これまで、遺伝子組換えによって乾燥耐性が改善される実験例の報告として、トレハロース合成を高めたもの(非特許文献2;Garg et al., (2002)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99, 15898-15903)やパーオキシダーゼ遺伝子を導入したもの(非特許文献6;Llorente et al., (2002)Plant J. 32, 13-24.)などがある。また転写因子の遺伝子を用いて乾燥耐性を高めた例としてAP2ドメインをもつDREBの遺伝子を導入した例がある(非特許文献4;Kasuga et al., (1999)Nat Biotechnol 17, 287-291.)。



ZPT2-3(EPF2-7から改名)はペチュニアのジンクフィンガー型転写因子である。本発明者らは以前、ペチュニアからその遺伝子を単離し、花器官に特異的に発現することを見出していたが、その機能については不明であった(非特許文献7;Takatsuji et al., (1994)Plant Cell 6, 947-958.)。最近、ZPT2-3遺伝子が傷害、低温、重金属処理によって発現誘導を受けること、この発現誘導にはジャスモン酸を介したシグナリング経路が関与していることを明らかにした。一方、この遺伝子は、成葉においては、乾燥処理や高塩濃度に対しては発現応答を示さないこともわかった(日本植物生理学会2001年度年会講演要旨集、第25回日本分子生物学会年会)。構造が類似しているジンクフィンガー遺伝子として、凍結耐性を与える大豆のSCOF-1(非特許文献5;Kim et al., (2001)Plant J. 25, 247-259.)や強光耐性を与えるアラビドプシスのRHL41(非特許文献3;Iida et al., (2000)Plant J. 24, 191-203.)、アルファルファの根粒形成に関与しているMszpt2-1(非特許文献1;Frugier et al.,(2000)organogenesis. Genes Dev. 14, 475-482.)が知られているが、植物に導入して乾燥耐性を付与する作用を示すジンクフィンガー遺伝子はこれまで知られていない。



【非特許文献1】
Frugier et al.,(2000)organogenesis. Genes Dev. 14, 475-482.
【非特許文献2】
Garg et al., (2002)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99, 15898-15903.
【非特許文献3】
Iida et al., (2000)Plant J. 24, 191-203.
【非特許文献4】
Kasuga et al., (1999)Nat Biotechnol 17, 287-291.
【非特許文献5】
Kim et al., (2001)Plant J. 25, 247-259.
【非特許文献6】
Llorente et al., (2002)Plant J. 32, 13-24.
【非特許文献7】
Takatsuji et al., (1994)Plant Cell 6, 947-958.
【非特許文献8】
Takatsuji et al., (1992)EMBO J. 11, 241-249.
【非特許文献9】
日本植物生理学会2001年度年会および第41回シンポジウム講演要旨集p.174
【非特許文献10】
第25回日本分子生物学会年会プログラム・講演要旨集 p.809

産業上の利用分野


本発明は、乾燥耐性が高められた植物の作出における、ZPT2-3ジンクフィンガー型転写因子の利用に関し、主として植物育種の分野に属する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記の(a)から(d)のいずれかに記載のDNAまたは該DNAが挿入されたベクターを含む、植物の乾燥耐性を高めるための薬剤。
(a)配列番号:3に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA
(b)配列番号:1または2に記載の塩基配列のコード領域を含むDNA
(c)配列番号:1または2に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAであって、配列番号:3に記載のアミノ酸配列と95%以上の同一性を示すアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA
(d)配列番号:3に記載のアミノ酸配列において1または10以内のアミノ酸が置換、欠失、付加、および/または挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA

【請求項2】
下記の(a)から(d)のいずれかに記載のDNAまたは該DNAが挿入されたベクターが導入された形質転換植物細胞であって、乾燥耐性が高められた植物体を再生しうる形質転換植物細胞。
(a)配列番号:3に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA
(b)配列番号:1または2に記載の塩基配列のコード領域を含むDNA
(c)配列番号:1または2に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAであって、配列番号:3に記載のアミノ酸配列と95%以上の同一性を示すアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA
(d)配列番号:3に記載のアミノ酸配列において1または10以内のアミノ酸が置換、欠失、付加、および/または挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA

【請求項3】
請求項2に記載の形質転換植物細胞から再生された、乾燥耐性が高められた植物体。

【請求項4】
請求項3に記載の植物体の子孫またはクローンである、乾燥耐性が高められた植物体。

【請求項5】
請求項3または4に記載の乾燥耐性が高められた植物体の繁殖材料。

【請求項6】
乾燥耐性が高められた植物体の製造方法であって、
(I)下記の(a)から(d)のいずれかに記載のDNAまたは該DNAが挿入されたベクターを植物細胞に導入する工程、
(a)配列番号:3に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA
(b)配列番号:1または2に記載の塩基配列のコード領域を含むDNA
(c)配列番号:1または2に記載の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAであって、配列番号:3に記載のアミノ酸配列と95%以上の同一性を示すアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA
(d)配列番号:3に記載のアミノ酸配列において1または10以内のアミノ酸が置換、欠失、付加、および/または挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするDNA
(II) 工程(I)においてベクターが導入された形質転換植物細胞から植物体を再生する工程、
を含む方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

25424_01SUM.gif
出願権利状態 登録


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close