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高リン含量の馬鈴薯澱粉を用いた麺類、パン類、又は菓子類食品及びその製造法

国内特許コード P05A007514
整理番号 食品-66
掲載日 2005年9月21日
出願番号 特願2003-323004
公開番号 特開2005-087056
登録番号 特許第3959435号
出願日 平成15年9月16日(2003.9.16)
公開日 平成17年4月7日(2005.4.7)
登録日 平成19年5月25日(2007.5.25)
発明者
  • 野田 高弘
  • 山内 宏昭
  • 遠藤 千絵
  • 瀧川 重信
  • 森 元幸
  • 津田 昌吾
  • 斎藤 勝一
  • 小田 有二
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 高リン含量の馬鈴薯澱粉を用いた麺類、パン類、又は菓子類食品及びその製造法
発明の概要

【課題】 高リン型馬鈴薯澱粉用いることによって嗜好性の高い食感良好な麺類、パン類、菓子類を提供する。
【解決手段】 リン含量760ppm好ましくは800ppm以上で有り、平均粒径40μm以上、RVAの最高粘度250以上の馬鈴薯澱粉を適当量添加することにより、弾力性に富んだ食感良好な麺類、パン類、菓子類を製造することができる。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


工業的に利用されている澱粉は、馬鈴薯、甘藷、タピオカなどの根茎澱粉、コーン、米、小麦などの穀類澱粉がある。澱粉は種類によって性質が異なり、馬鈴薯澱粉は、粒子が大きい、ゲルの粘度が高い、糊化開始温度が低い、といった特徴がある。また、馬鈴薯澱粉には、澱粉中のアミロペクチンと直接エステル結合しているリン酸基が、リン含量換算で500ppm以上と、甘藷(約150ppm)、タピオカ(約80ppm)等の他の澱粉と比較して極めて多量に含まれる(澱粉科学、22巻、27頁、1975年)。小麦をはじめとした穀類澱粉にもリンが多く含まれるが、リン脂質の形ででん粉中のアミロースと複合体を形成しているものと理解されていて、馬鈴薯等の根茎でん粉とは異なる形で存在している。馬鈴薯澱粉は、結合型のリン酸基が多いため、他の澱粉と比べ、ゲルの粘度が高くなると考えられており、それが馬鈴薯澱粉の特徴となっている。馬鈴薯澱粉には、このようなユニークな高分子特性を活かした、馬鈴薯澱粉ではなければならない、あるいは、馬鈴薯澱粉である方が望ましい固有用途がある。代表的な例として、竹輪、蒲鉾、魚肉ソーセージなどの水産練り製品、畜肉ハム用がまずあげられ、固有用途全体の約2割を占めている。その他、化工澱粉、うどん、即席麺、冷麺などの麺類、エビせんべい、衛生ボーロなどの菓子類、タレ、ソース、オブラート、片栗粉などがある。馬鈴薯澱粉の総生産量約23万トンのうち、約半分がこれらの固有用途であり、残りの約半分が水飴、ブドウ糖を生産するための糖化用となっている。



国内における馬鈴薯澱粉は、北海道でのみ生産され、北海道の馬鈴薯生産量の約半分が澱粉原料用として消費されている。澱粉原料用の馬鈴薯は、紅丸(1938年育成)が従来の主要品種であり、農林1号(1943年育成)、エニワ(1961年育成)もかなりのシェアを占めていた。1980年以降も、コナフブキ(1981年育成)、アスタルテ(1993年育成)、サクラフブキ(1994年育成)、アーリースターチ(1996年育成)といった有望な数品種が育成された。現在では、コナフブキが約12000haの栽培面積に達し、澱粉原料用全体の70%以上を占めている。一方、紅丸は第2位の座を保っているが、ここ数年の落ち込みは激しくなっている。また、農林1号、エニワは大きく減少し、サクラフブキ、アスタルテが代わりに伸びている。さらに、男爵、メイクイーン、キタアカリをはじめとする生食用品種やトヨシロ、ホッカイコガネをはじめとする加工用品種において、規格外のはね品が澱粉用に向けられ、馬鈴薯澱粉生産量の約20%が、これらのはね品に由来する。



馬鈴薯を澱粉原料用として利用するにあたっては、澱粉の品質が重要である。これまでの研究で、澱粉のリン含量、粒径分布、粘度特性などの基本的な澱粉特性の馬鈴薯品種間での差異が調べられ、これらの特性には品種間差があることが明らかとなっている(古舘ら,北農,68,p349-354(2001);矢木ら,澱粉科学,20,p51-58(1973))。エニワ、コナフブキは、紅丸、農林1号に比べ、リン含量が高く、最高粘度も大きいことが認められている。水産練り製品、畜肉ハム、タレ、ソースなどの用途においては、長期間の冷凍保存中の澱粉ゲルの離水が問題となる。離水は馬鈴薯澱粉中の結合性リン酸基に関係していて、リン含量が高いほど離水が顕著に現れるのが一般的である。現在の主力品種のコナフブキは、これまでの主力品種だった紅丸に比べ、リン含量が150~250ppm程度高く、離水しやすいといった欠点があり、固有用途の一部で不評となっている。馬鈴薯澱粉は、品質的に優れているものから順に販売、流通され、離水しやすい高リン型のコナフブキの澱粉は売れ残る傾向にある。



このような状況下、供給過剰気味の高リン型馬鈴薯澱粉の固有用途の開発、高付加価値化が強く求められている。しかしながら、これまで高リン型馬鈴薯澱粉の高付加価値化のためにその特性を活かした固有用途の開発はほとんど行われておらず、一般的馬鈴薯澱粉、化工澱粉を用いた麺類、パン類、菓子類の以下の製造法が開示されているのみである。具体的には、麺類では、、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、を、パン類では、特許文献7、特許文献8、特許文献9を、菓子類では、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13において一般的な馬鈴薯澱粉について麺、パン等への利用法が開示されているにすぎず、ほとんど検討されていないのが現状である。




【特許文献1】特開2001-128632号公報

【特許文献2】特開2001-037436号公報

【特許文献3】特開2001-270796号公報

【特許文献4】特開平11-243922号公報

【特許文献5】特開平07-194328号公報

【特許文献6】特開平05-328921号公報

【特許文献7】特開平05-316978号公報

【特許文献8】特開2000-023614号公報

【特許文献9】特開平05-007448号公報

【特許文献10】特開2000-125726号公報

【特許文献11】特開平10-295275号公報

【特許文献12】特開平09-075006号公報

【特許文献13】特開平05-227890号公報

産業上の利用分野


本発明は、高リン含量の馬鈴薯澱粉を用いた麺類、パン類、又は菓子類食品、及びその高リン含量の馬鈴薯澱粉を用いた麺類、パン類、又は菓子類食品の製造法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
馬鈴薯澱粉を用いた麺類、パン類、又は菓子類食品であって、
使用される前記馬鈴薯澱粉の全量が、リン含量が760ppm以上の馬鈴薯澱粉であり、且つ、平均粒径が40μm以上で、RVAの最高粘度が250RVU以上であることを特徴とする高リン含量の馬鈴薯澱粉を用いた麺類、パン類、又は菓子類食品。

【請求項2】
前記馬鈴薯澱粉のリン含量が800ppm以上であることを特徴とする請求項1に記載された高リン含量の馬鈴薯澱粉を用いた麺類、パン類、又は菓子類食品。

【請求項3】
馬鈴薯澱粉を用いた即席麺又は冷麺食品であって、
使用される前記馬鈴薯澱粉の全量が、リン含量が760ppm以上の馬鈴薯澱粉であり、且つ、平均粒径が40μm以上で、RVAの最高粘度が250RVU以上であることを特徴とする高リン含量の馬鈴薯澱粉を用いた即席麺又は冷麺食品。

【請求項4】
前記馬鈴薯澱粉のリン含量が800ppm以上であることを特徴とする請求項3に記載された高リン含量の馬鈴薯澱粉を用いた即席麺又は冷麺食品。

【請求項5】
馬鈴薯澱粉を用いた麺類、パン類、又は菓子類食品の製造法であって、
使用される前記馬鈴薯澱粉の全量が、リン含量が760ppm以上の馬鈴薯澱粉であり、且つ、平均粒径が40μm以上で、RVAの最高粘度が250RVU以上であることを特徴とする高リン含量の馬鈴薯澱粉を用いた麺類、パン類、又は菓子類食品の製造法。

【請求項6】
前記馬鈴薯澱粉のリン含量が800ppm以上であることを特徴とする請求項5に記載された高リン含量の馬鈴薯澱粉を用いた麺類、パン類、又は菓子類食品の製造法。

【請求項7】
馬鈴薯澱粉を用いた即席麺又は冷麺食品の製造法であって、
使用される前記馬鈴薯澱粉の全量が、リン含量が760ppm以上の馬鈴薯澱粉であり、且つ、平均粒径が40μm以上で、RVAの最高粘度が250RVU以上であることを特徴とする高リン含量の馬鈴薯澱粉を用いた即席麺又は冷麺食品の製造法。

【請求項8】
前記馬鈴薯澱粉のリン含量が800ppm以上であることを特徴とする請求項7に記載された高リン含量の馬鈴薯澱粉を用いた即席麺又は冷麺食品の製造法。
産業区分
  • 食品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中


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