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ウニの這い上がりを防止する方法及びその方法に用いる器具

国内特許コード P05A007516
整理番号 機械・加工・装置-173
掲載日 2005年9月21日
出願番号 特願2003-332917
公開番号 特開2005-095062
登録番号 特許第4362583号
出願日 平成15年9月25日(2003.9.25)
公開日 平成17年4月14日(2005.4.14)
登録日 平成21年8月28日(2009.8.28)
発明者
  • 川俣 茂
出願人
  • 国立研究開発法人水産研究・教育機構
発明の名称 ウニの這い上がりを防止する方法及びその方法に用いる器具
発明の概要 【課題】ウニの侵入を防止すべき施設の脚部や外壁に対して、ウニが這い上がることを防止する容易にして確実な方法及びその方法に用いる簡単な器具の提供。
【解決手段】ウニの侵入を防止すべき施設の脚部もしくは外壁又はこれらに取り付けた防護材に対して、その周囲に、ウニがくぐり抜けることができず、かつウニの管足が届かない程度の間隔を空けて、細くて硬い丸棒を軸にして回転自在の珠を数珠のように連結してなる輪状又は帯状の器具を配置・固定して、当該脚部又は外壁へのウニの這い上がりを防止する方法。この方法に用いるための、回転自在の珠を細くて硬い丸棒を軸にして数珠のように連結してなる輪状又は帯状の器具。これらの器具は、当該脚部もしくは外壁または防護材から放射状に伸ばした複数本のアームによって支持・固定して用いることが好ましい。
【選択図】 図2

従来技術、競合技術の概要


ウニ(海胆:sea urchin)は、球形ないし半球形をしたイガグリのような海生動物の総称であり、ナマコやヒトデ等と同様に棘皮動物に分類されている。ウニの硬い殻の表面には多数の棘と共に先端に吸盤を有する多数の管足が突き出ていて、ウニはこの多数の管足と棘を駆使して移動することが知られている。また、ウニは、海藻類を好んで食し、「アリストテレスの提灯」と俗称される口部の咀嚼器官で海藻その他の食物を噛み砕く。



ウニが高密度に生息し、その摂食によって葉状の海藻が生育せずに、磯焼け状態になっている岩礁域は全国各地の沿岸に広く分布している。このような磯焼け地帯では、ウニの侵入を防止し、食害を受けない場を作ることができれば、海藻が着生して海藻を食べるウニやアワビの生産が増加するだけでなく、藻場の形成により多種多様な魚介類の産卵場、幼稚魚の保護育成場、隠れ場、餌料場等として沿岸の漁業資源や多様な生物の保護育成に役立てることができる。このため、従来から、ウニの侵入を防止する技術の開発が試みられてきた。しかし、ウニは、数百本以上もある管足を用いて、細い棒にも容易に這い上がることができるほどの高い移動能力を有するので、その侵入防止は非常に困難である。



これまでに開発されたウニの侵入防止技術には、以下の方法がある。
(1)コンクリートブロック等を積み上げて水深を浅くし、波動を強くする方法
(2)プラスチック製人工海藻を、囲むように海底に設置したり、コンクリートブロック に巻き付けたりする方法
(3)網地を棒状に丸めてチェーンで海底に止める方法(特開平10-4808号)
(4)ウニの侵入し難い砂地に埋没しない高さのコンクリートブロック等の基質を設置す る方法
(5)中層に係留した延縄式ロープに海藻を育成する方法
(6)空気を封入した逆U字溝ブロックを海底に張り巡らす方法(特開昭62-1668 2号)



上記(1)は、波動流がある程度の強さになると、ウニの摂餌活動が制限されることを利用する方法であるが、凪のときにもウニの摂餌活動を制限するためには水深をかなり浅くしなければならず、建設コストが非常にかかるという欠点がある。
上記(2)は、波によって動く海藻等の物体に叩かれることを嫌うウニの性質を利用する方法であり、上記(1)よりも弱い波でも機能するが、人工海藻がウニの被食や波浪による擦れ等によって劣化することに加えて、藻体を揺らすほどの波がなければ効果が生じ難い。



また、上記(3)は、波によって棒状の網が揺動することによってウニの侵入が防止されるが、上記(2)と同様の問題があるほか、海底との間にできる隙間からウニが侵入してしまったり、強い波で施設が破損してしまうことがある。
上記(4)は、岩盤の上に薄く砂が堆積する領域でなければコンクリートブロック等の基質が埋没してしまうため、適地が限定されるほか、漂砂の影響で透明度が悪くて漁場には適さないことが多く、また、周辺域からウニの幼生が加入してやがて食害されて磯焼け状態になることも少なくない。



上記(5)は、波によって揺れるロープまではなかなかウニが這い上がって来ないことから有効な方法であるが、大型海藻にはロープ上では大きく成長しない種のものが多く、また、激浪によって施設が破損、流失したり、長期にわたって利用できないという問題がある。
さらに、上記(6)は、ウニが空気層へ這い上がって来ない性質を利用した方法であるが、空気が海水に溶けて減少してしまったり、空気層が波によって動揺して流出してしまうために送気手段が必要となり、また、施設が大がかりになってコストがかかり過ぎるという問題がある。
【特許文献1】
特開昭62-166826号公報
【特許文献2】
特開平10-4808号公報
【特許文献3】
特開平10-108585号公報
【特許文献4】
特開2000-175591号公報
【非特許文献1】
水産工学(Fisheries Engineering) Vol.36,No.1の71~72頁の報文「ウニの逃避防止用エアポケットフェンスの効果について」(1999年)
【非特許文献2】
平成12年度日本水産学会学術講演会講演要旨集「波によって”動く”海藻着生基質の効果に関する予備実験」(川俣茂)
【非特許文献3】
平成14年度日本水産学会学術講演会講演要旨集「基質の性状によるキタムラサキウニの侵入防止効果(川俣茂・古旛淳一)

産業上の利用分野


本発明は、ウニの這い上がりを防止する方法及びその方法に用いる器具に関する。詳しくは、ウニの侵入を防止すべき施設の脚部や外壁に対して、ウニが這い上がることを防止する容易にして確実な方法及びその方法のために用いる簡単な器具に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ウニの侵入を防止すべき施設の脚部もしくは外壁又はこれらに取り付けた防護材に対して、その周囲に、ウニがくぐり抜けることができず、かつウニの管足が届かない程度の間隔を空けて、細くて硬い丸棒を軸にして回転自在の珠を数珠のように連結してなる輪状の器具を配置・固定し、当該脚部又は外壁へのウニの這い上がりを防止する方法。

【請求項2】
ウニの侵入を防止すべき施設の脚部もしくは外壁又はこれらに取り付けた防護材に対して、その周囲に、ウニがくぐり抜けることができず、かつウニの管足が届かない程度の間隔を空けて、細くて硬い丸棒を軸にして回転自在の珠を数珠のように連結してなる複数個の帯状の器具を、ウニがくぐり抜けることができない程度の間隔を空けて輪状に配置・固定し、当該脚部又は外壁へのウニの這い上がりを防止する方法。

【請求項3】
請求項1又は2の記載のウニの這い上がりを防止する方法において、ウニの侵入を防止すべき施設の脚部もしくは外壁又はこれらに取り付けた防護材から放射状に伸ばした複数本のアームによって当該輪状又は帯状の器具を支持・固定して用いる方法。

【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のウニの這い上がりを防止する方法において、ウニの侵入を防止すべき施設の脚部もしくは外壁又はこれらに取り付けた防護材と輪状又は帯状の器具との間隔を「ウニの殻径寸法の2分の1以上」に維持する方法。

【請求項5】
細くて硬い丸棒を軸にして回転自在の珠を数珠のように連結してなる輪状の器具であって、ウニの侵入を防止すべき施設の脚部もしくは外壁又はこれらに取り付けた防護材の周囲に、ウニがくぐり抜けることができず、かつウニの管足が届かない程度の間隔を空けて当該器具を配置・固定し、当該脚部又は外壁へのウニの這い上がりを防止するために用いる器具。

【請求項6】
細くて硬い丸棒を軸にして回転自在の珠を数珠のように連結してなる帯状の器具であって、ウニの侵入を防止すべき施設の脚部もしくは外壁又はこれらに取り付けた防護材に対して、ウニがくぐり抜けることができず、かつウニの管足が届かない程度の間隔を空けて複数個の当該器具を輪状に配置・固定し、当該脚部又は外壁へのウニの這い上がりを防止するために用いる器具。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003332917thum.jpg
出願権利状態 登録


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