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花粉特異的発現活性を有するプロモーター

国内特許コード P05A007543
整理番号 植物バイオ-193
掲載日 2005年9月21日
出願番号 特願2003-416939
公開番号 特開2005-168470
登録番号 特許第4505626号
出願日 平成15年12月15日(2003.12.15)
公開日 平成17年6月30日(2005.6.30)
登録日 平成22年5月14日(2010.5.14)
発明者
  • 市川 裕章
  • 田中 宥司
  • 中村 英光
  • 宮原 研三
  • 菊池 尚志
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 花粉特異的発現活性を有するプロモーター
発明の概要 【課題】 花粉特異的な発現をもたらすプロモーター活性を有するDNA、該DNAを含有し、目的遺伝子を花粉特異的に発現させることを可能にした組換えプラスミド、該組換えベクターを導入した形質転換植物体を提供すること。
【解決手段】イネ由来の特定の塩基配列からなるDNA、及び該DNAにおいて、1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、かつ花粉特異的な発現をもたらすプロモーター活性を有するDNAもしくは、該DNA塩基配列の一部の塩基配列からなり、かつ花粉に特異的な発現をもたらすプロモーター活性を有するDNA。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


植物細胞内で機能可能なプロモーターの下流に発現させたい目的タンパク質をコードする遺伝子を連結させた遺伝子を植物細胞に導入し、得られた植物細胞を通常の植物組織培養技術により再生させる方法によって、所望の形質を有する改良植物体を作出することが行われている。植物で一般に用いられるプロモーターとしては、例えば、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)35Sプロモーター、アグロバクテリウムTiプラスミド由来ノパリン合成酵素遺伝子のプロモーター(Pnos)、トウモロコシ由来ユビキチンプロモーター、イネ由来のアクチンプロモーターなどが知られている。これらのプロモーターは、植物細胞内で目的とするタンパク質を構成的(constitutive)に発現させることが知られており、汎用されている。



しかしながら、植物を改良する場合、例えば、目的タンパク質を局所的に発現させることにより効果的な改良が行えることがあり、このような改良により新しいタイプの高機能性植物を開発する一環として、組織特異的な発現をもたらす植物プロモーターの探索が望まれている。



これまでに、植物において目的タンパク質を組織特異的に発現させることのできるプロモーターとしては、イネを例にすると、葯特異的プロモーターRA8(特許文献1)、葯又は花粉特異的プロモーターCatA(特許文献2)、雄ずい特異的プロモーターT72, T23, T42, T155, E1(特許文献3)、花器特異的プロモーターRPC213(特許文献4)、葉肉細胞特異的プロモーターrbcS(非特許文献1)、胚乳特異的プロモーターGluB-1、GluA-2(非特許文献2、3)、カルス特異的プロモーターPRO3(特許文献5)等が報告されている。



植物は一般に、品種間の交配で生じるF1ハイブリッド(雑種第一代)にすると両親よりも優れた性質を示し(雑種強勢)、収量や品質が向上することが知られている。イネにおいてもこの性質を利用してハイブリッドライスの生産が行われている。イネなどの自家受粉を行う作物においては、このような雑種強勢の性質を利用して品種改良を行うにあたり、花粉が稔性を持たない雄性不稔系統の作出・維持が不可欠となっている。従来は、植物遺伝資源の中から雄性不稔系統を探したり、突然変異を誘発して雄性不稔系統を選抜したりしていたが、実用品種にその遺伝子を導入するのは容易ではなく、利用は限られていた。近年、遺伝子工学的手法を利用するものとして、花粉や葯で発現する遺伝子のプロモーターにこれらの細胞や組織の形成を阻害する機能を持つ遺伝子(例えば、ヌクレアーゼ、プロテアーゼ、グルカナーゼ等をコードする遺伝子)を連結して植物に導入し、稔性のある花粉形成を阻止する方法が提案されている(非特許文献4)。あるいは、花粉や葯での発現を誘導するプロモーターを利用して、これらの細胞や組織の形成時に発現する遺伝子のアンチセンスRNAを転写させたり、花粉や葯の形成時に発現する遺伝子のmRNAと相補的な配列を有するsiRNA(short interfering RNA: 短い阻害RNA)を発現させる方法も有望視されている。なお葯特異的遺伝子(中でも特に若い葯の最も内側に存在するタペータム細胞で特異的に発現する遺伝子)プロモーターとして、タバコTA29およびTA13遺伝子(非特許文献4)、シロイヌナズナA9遺伝子(非特許文献5)、イネOsg6B遺伝子(非特許文献6)、タバコEIF-4A遺伝子(非特許文献7)などが報告されている。一方、花粉特異的に発現する遣伝子のプロモーターとして、トマトLAT52やLAT59遺伝子(非特許文献8)やトウモロコシZmg13遺伝子(非特許文献9)などが知られている程度で種類が限定されている。従って、これら葯あるいは花粉特異的プロモーターを幅広く実用に供するには、花粉や葯で特異的に高発現するプロモーターのさらなる取得が重要である。これにより、イネ等の作物を含む有用植物の品種改良に大いに貢献できると期待される。
【特許文献1】
特表2002-528125号
【特許文献2】
国際公開WO00/58454
【特許文献3】
特表平06-504910号
【特許文献4】
国際公開WO99/43818
【特許文献5】
特開2003-265182号
【非特許文献1】
Plant Physiol. 102, 991-1000 (1993)
【非特許文献2】
Plant Mol. Biol. 30, 1207-1221 (1996)
【非特許文献3】
Plant J. 4, 357-366 (1993)
【非特許文献4】
Mariani et al., Nature 347, 737-741 (1990)
【非特許文献5】
Paul et al., Plant Molecular Biology 19, 611-622 (1992)
【非特許文献6】
Tsuchiya et al., Plant Molecular Biology 26, 1737-1746 (1994)
【非特許文献7】
Brander et al., Plant Molecular Biology 27, 637-649 (1995)
【非特許文献8】
Twell et al., Genes and Development 5, 496-507 (1991)
【非特許文献9】
Guerrero et al., Mol. Gen. Genet. 224, 161-168 (1990)

産業上の利用分野


本発明は、花粉特異的発現活性を有するプロモーター及びその使用に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の(a)、(b)又は(c)に示す、プロモーターとして機能しうるDNA。
(a)配列表の配列番号1に示す塩基配列からなるDNA
(b)配列表の配列番号1に示す塩基配列において、1若しくは数個の塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列からなり、かつ花粉に特異的な発現をもたらすプロモーター活性を有するDNA
(c)配列表の配列番号1に示す塩基配列に対して95%以上の相同性を有する塩基配列からなり、かつ花粉に特異的な発現をもたらすプロモーター活性を有するDNA

【請求項2】
請求項に記載のDNAを含有する組換えベクター。

【請求項3】
請求項に記載のDNAと目的タンパク質をコードする遺伝子を含有する組換えベクター。

【請求項4】
請求項2又は3に記載の組換えベクターを導入した形質転換植物体。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録


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