TOP > 国内特許検索 > 新規多糖類、およびそれを用いた染料含有廃水の凝集脱色方法

新規多糖類、およびそれを用いた染料含有廃水の凝集脱色方法

国内特許コード P05A007611
整理番号 D95-04P01
掲載日 2005年10月4日
出願番号 特願平10-267942
公開番号 特開2000-095802
登録番号 特許第4392704号
出願日 平成10年9月22日(1998.9.22)
公開日 平成12年4月4日(2000.4.4)
登録日 平成21年10月23日(2009.10.23)
発明者
  • 野畑 靖浩
  • 黒宮 友美
  • 倉根 隆一郎
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • 独立行政法人産業技術総合研究所
発明の名称 新規多糖類、およびそれを用いた染料含有廃水の凝集脱色方法
発明の概要 【課題】 水溶性の高い染料に対して優れた凝集脱色効果を奏し、環境汚染や二次公害のない安全性の高い微生物産生多糖類および染料含有廃水の脱色処理方法を提供する。
【解決手段】 実質的にグルクロン酸、グルコース、ガラクトースおよびフコースよりなり、その構成割合がグルクロン酸10~60重量%、グルコース5~70重量%、ガラクトース10~80重量%、フコース5~20重量%である新規多糖類、並びに該多糖類と、キトサン、水溶性のカチオン性高分子および水中で2価あるいは3価の金属イオンを供与し得る物質からなる群より選ばれた1種以上とを補助剤として染料により着色した廃水中に添加し、凝集した染料を分別することよりなる染料含有廃水の凝集脱色方法。
従来技術、競合技術の概要
微生物産出多糖類には、増粘性、接着性、乳化性、保湿性、凝集性といった物性を有するものが存在し、この物性を利用した用途は食品基材、セメント混和剤など多岐に亙っている。例えば土壌細菌であるロードコッカスエリスロポリッス(Rhodococcus erythropolis)S-1株は菌体外に凝集性を示す多糖類を分泌し、これを凝集剤として利用することが提案されている〔微生物工業技術研究所研究報告、第75号49~67頁(1992年)〕。
【0003】
微生物が産生する多糖類を用いた天然系凝集剤は、生分解性であることから安全性や環境への影響といった面で優れているが、凝集作用では対象とする物質の適用範囲が狭く、また価格的に高いといった問題点をもっている。
【0004】
一方、ポリアクリルアミド類で代表される合成高分子系凝集剤は、一般に凝集剤としての能力、経済性の点で優れており、各種産業廃水処理や都市廃水処理等において幅広く使用されている。しかし、生体系への安全性、環境への影響の面から問題点が指摘されている。
【0005】
染料工場、染色工場から排出される染料を含む着色廃水は、着色の故に可視公害としてその対策の必要性が望まれている。特に最近では、和歌山市においてみられるように、地方自治体レベルで廃水の着色度を規制する条例が発効されるなど、廃水中の着色度は大きな関心事である。
【0006】
染料、特に直接染料、酸性染料、反応性染料等の水溶性染料は、分子構造中にスルホン基などの水溶性基を持ち水に溶解し易いように設計されている。このことは廃水処理の面からみると、通常の凝集剤による処理等では水から分離除去し難いといった問題を提起している。
【0007】
従来、上述のような水溶性の染料が含まれている廃水の処理は、幾種類もの凝集剤の使用や幾段階もの処理を行なう必要があり、非常に煩雑な工程を踏み、かつ多量の凝集剤が必要があった。凝集処理による着色廃水の処理としては、ポリアミン類(特公昭52-34845号公報)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(特公平7-41247号公報)などが提案されているが、親水性の高いアニオン系染料の凝集処理はその効果が不十分であり、また対象とする廃水のpHを調整する必要があり、処理条件が煩雑となるなどの問題がある。
【0008】
それに代わってイオン交換樹脂及び活性炭に吸着させて脱色する方法、オゾンなど化学的に酸化分解する方法、電気化学的に分解する方法が提案されているが、価格面、さらに二次公害の問題などもあり実用化が遅れている。
【0009】
一方、微生物産生の凝集剤については、ロードコッカス属に由来する微生物の産生する多糖類NOC-1〔微生物工業技術研究所研究報告、第75号49~67頁(1992年)〕やアルカリゲネス・レータスB-16株の産生する多糖類(特開平2-90903号公報)を用いる方法が提案され、安全性の面で注目されているが、後記比較例から明らかなように凝集剤としての効果は不十分であり、水溶性染料を含有する着色廃水の処理には、脱色効果は不十分であった。
産業上の利用分野
本発明は新規な多糖類、およびそれを用いた染料含有廃水の凝集脱色方法に関するものである。
特許請求の範囲 【請求項1】 ブルコールデリア(Burkholderia sp.)属細菌に属するブルコールデリアKYO-36株(FERM BP-6468)細菌の産生した多糖類であって、下記(1)~(5)の性質を有する新規多糖類;
(1) ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーによる糖構成割合;実質的にグルクロン酸、グルコース、ガラクトースおよびフコースよりなり、その構成割合がグルクロン酸14~27重量%、グルコース11~51重量%、ガラクトース15~62重量%、フコース5~20重量%
(2) 元素分析値(重量%);
C:37.8~40.2
H:6.5~7.2
O:52.9~55.3
(3) 分解開始温度;205~230℃
(4) 高速液体クロマトグラフィーによる分子量;7×10以上
(5) 赤外線吸収スペクトル; 1000~1100cm-1、1400~1450cm-1、1600~1650cm-1、1700~1750cm-1、2000~2200cm-1、2900~3000cm-1、3400~3500cm-1にピークを有する。
【請求項2】 多糖類が、下記性質を有する多糖類I~VIのうちのいずれかである請求項1記載の新規多糖類;
多糖類I:(1) グルクロン酸27重量%、グルコース27重量%、ガラ
クトース27重量%、フコース18重量%、(2) 元素分析値 C:
378重量%、H:6.7重量%O:55.3重量%、(3)分解
開始温度;215℃
多糖類II:(1) グルクロン酸20重量%、グルコース40重量%、ガラ
クトース20重量%、フコース20重量%、(2) 元素分析値 C:
38.0重量%、H:7.2重量%O:54.8重量%、(3)分解
開始温度;205℃
多糖類III:(1) グルクロン酸22重量%、グルコース11重量%、ガラ
クトース62重量%、フコース5重量%、(2) 元素分析値 C:4
0.2重量%、H:6.9重量%O:52.9重量%、(3)分解開
始温度;220℃
多糖類IV:(1) グルクロン酸14重量%、グルコース21重量%、ガラ
クトース45重量%、フコース20重量%、(2) 元素分析値 C:
38.0重量%、H:6.7重量%、O:55.3重量%、(3)分解
開始温度;230℃
多糖類V:(1) グルクロン酸18重量%、グルコース29重量%、ガラ
クトース34重量%、フコース19重量%、(2) 元素分析値 C:
37.9重量%、H:6.5重量%O:55.2重量%、(3)分解
開始温度;225℃
多糖類VI:(1) グルクロン酸24重量%、グルコース51重量%、ガラ
クトース15重量%、フコース10重量%、(2) 元素分析値 C:
38.7重量%、H:6.6重量%O:54.5重量%、(3)分解
開始温度;230℃
【請求項3】 請求項1又は2記載の多糖類と、補助剤としてキトサン、水溶性のカチオン性高分子および水中で2価あるいは3価の金属イオンを供与し得る物質からなる群より選ばれた1種以上とを、染料により着色した廃水中に添加し、凝集した染料を分別することを特徴とする染料含有廃水の凝集脱色方法。
産業区分
  • 高分子化合物
  • その他無機化学
  • 混合分離
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close