TOP > 国内特許検索 > 常温溶融塩を用いた電気泳動法による希土類およびアルカリ土類元素の濃縮方法及び回収装置

常温溶融塩を用いた電気泳動法による希土類およびアルカリ土類元素の濃縮方法及び回収装置 コモンズ

国内特許コード P05P002434
整理番号 Y2003-P417
掲載日 2005年10月4日
出願番号 特願2004-076644
公開番号 特開2005-264209
登録番号 特許第4242313号
出願日 平成16年3月17日(2004.3.17)
公開日 平成17年9月29日(2005.9.29)
登録日 平成21年1月9日(2009.1.9)
発明者
  • 松宮 正彦
  • 徳楽 清孝
  • 松浦 治明
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 常温溶融塩を用いた電気泳動法による希土類およびアルカリ土類元素の濃縮方法及び回収装置 コモンズ
発明の概要 【目的】 環境に優しいグリーンケミストリーを指向する新しい反応媒体である常温溶融塩を溶媒に用いて、希土類およびアルカリ土類元素の少なくとも1種を含む資源から前記元素を電気泳動法により濃縮して回収する方法及び装置の提供
【構成】 常温溶融塩(MB)を収容する常温溶融塩浴(B)内に、並列に配置した前記常温溶融塩中に浸漬された、常温溶融塩が浸透により流入する浸透部(PF)、電気泳動により濃縮・分離された元素の対流による拡散を防ぐ常温溶融塩で浸食されない充填材が充填され、浸透した常温溶融塩が陽極(AD)において、電気泳動により元素が濃縮・分離された常温溶融塩を回収できる開口(OP)が設けられた分離管(ST)、電気泳動において前記陽極(AD)の対極として作用する常温溶融塩浴に配置された陰極(CD)、及び前記両電極間に電界を印加する電極(E)を有することを特徴とする常温溶融塩を用いた電気泳動法による希土類及びアルカリ土類元素の濃縮回収方法及び前記方法の実施装置。
【選択図】 図2
従来技術、競合技術の概要


近年、自動車排ガス触媒、超伝導体、蛍光発光体、磁性体等に稀少資源である希土類元素やアルカリ土類元素が高機能性を付与する成分として使用されている。これらの資源から前記有用元素を、環境に負荷を与えず、効率的に回収できる手段の確立は、日常生活レベルの安定な維持などの面からも熱望されている技術的課題である。これまでに、希土類元素回収に関する技術としては、鉱酸を用いた又は陽極酸化のような電気化学的な手段を用いる処理によって使用済希土類元素などを含む資源から希土類元素を溶解させ、得られた溶解液に蓚酸又は蓚酸アルカリ等の沈澱剤を添加し、希土類元素を蓚酸塩の形で回収し、次いでその蓚酸塩を酸化焙焼することにより希土類元素を酸化物の形で回収する方法が提案されている(特許文献1、三井金属鉱業(株))。また、希土類元素等を含む被処理溶媒に、炭酸ヒドラジンを含む水溶液を逆抽出液として混入し、混合液を水相と有機相に分離し、水相から前記希土類元素等を回収する方法が提案されている(特許文献2、石川島播磨重工業(株))。しかし、これらの湿式法では分離効率が悪く、多段プロセスになり、システムの簡素化・選択的回収の高効率化に欠ける。また、大量の酸や有機溶媒を使用し、二次廃棄物が低減できないという大きな問題がある。



このような中で、非特許文献1には無機系溶融塩を用いた電気泳動法によりCs、SrおよびGdなどの多価金属イオンを濃縮・分離する方法が報告されている。この方法は主として、塩化リチウムと塩化カリウム等に代表される共晶塩を前記イオンの溶媒として使用し、排水を伴わない技術であるが、この方法では水分を嫌うために、コストの嵩む複雑な設備を要する不活性雰囲気下での操業が要求される。また、吸湿性の少ない塩化ナトリウムと塩化カリウムの混合物等の場合には、融点が800℃程度と非常に高温で行われるため、溶融炉の材料が腐食する不都合があり、取り扱いや操業上の配慮が必要となる。
このような溶媒として、最近では、Alやその合金の電析に利用されているN-アルキルイミダゾリウムと塩化アルミニウム等で構成される常温溶融塩の有用性が注目されている。しかしながら、前記常温溶融塩(ハロアルミネート系)には、アルミニウムが含有されているので、目的の希土類塩の価数と同じである場合でもアルミニウムの濃縮に電気エネルギーが使われるため、希土類塩のみを効率良く濃縮させることが困難である。
このように、通常の前記無機系溶融塩及び前記ハロアルミネート系常温溶融塩を用いた電気泳動法を用いた前記元素の濃縮・分離技術については、これまで、特に常温かつ大気中での連続的操業という点で十分満足できる方法が確立されておらず、操業を簡易な設備でかつ安全に、また容易に行うことができる前記希土類元素の濃縮技術の確立が要望されていた。



【特許文献1】
特開2000-087154
【特許文献2】
特開平09-243788
【非特許文献1】
H.Matsuura et al.,J. Nucl.Sci.Technol.34(3),304,1998.
【非特許文献2】
J.Sun,M.Foryth,D.R.MacFarlane,J.Phys.Chem.B 1998,102,8858-8864

産業上の利用分野


本発明は、希土類およびアルカリ土類元素の少なくとも1種を含む種々の資源を常温の溶融塩(または、イオン性液体)に溶解させ、前記溶液に電界を加え、電気泳動により前記資源中に含まれる前記元素を濃縮し、濃縮塩を回収する方法および前記方法を実施するための装置、特に濃縮塩を連続回収する手段を有する連続稼動装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
式NRで表される四級アンモニウムのカチオンと、[CF(CFSO、CFSO、PF、及びBFからなる群から選択される少なくとも一種のアニオンとから構成される常温(15℃以上20℃以下、JISK0211)の溶融塩中に希土類およびアルカリ土類元素に含まれる元素の少なくとも1種を含む資源を溶解させた後、常温において電気泳動により前記資源に含まれる前記元素を濃縮して回収する方法。(上記アンモニウムカチオンの式中R、R、R、Rは置換基を有していてもよい同一又は異なった炭素数1~6のアルキル基またはシクロアルキル基のいずれかである。また、nは0以上の整数を表す。)。

【請求項2】
前記常温溶融塩中において、資源に含まれる希土類およびアルカリ土類元素の濃度が1mol%以下である請求項1に記載の電気泳動による資源に含まれる前記元素を濃縮して回収する方法。

【請求項3】
前記常温溶融塩中における希土類およびアルカリ土類元素を電気泳動により濃縮する方法において電流密度を10mA/mm以下とする請求項1または2に記載の前記元素を濃縮して回収する方法。

【請求項4】
希土類およびアルカリ土類元素に含まれる元素の少なくとも1種を含む資源を溶解させた常温溶融塩(MB)を収容する常温溶融塩浴(B)、前記常温溶融塩中に浸漬された、常温溶融塩が浸透により流入する浸透部(PF)、電気泳動により濃縮・分離された元素の対流による拡散を防ぐ常温溶融塩で浸食されない充填材が充填され、浸透した常温溶融塩が陽極(AD)と接触する開口(OP)が設けられた分離管(ST)、電気泳動において前記陽極(AD)の対極として作用する常温溶融塩浴に配置された陰極(CD)、及び前記両電極間に電界を印加する電極(E)を有する常温溶融塩を用いた電気泳動法による希土類及びアルカリ土類元素の濃縮回収装置。

【請求項5】
常温溶融塩と陽極(AD)と接触する開口(OP)近傍に、分離管(ST)内の近傍に生成した濃縮溶融塩の取出手段(ET)を配置したことを特徴とする請求項4に記載の電気泳動法による希土類及びアルカリ土類元素の濃縮回収装置。

【請求項6】
濃縮溶融塩の取出手段を電気泳動法による希土類及びアルカリ土類元素の濃縮回収装置の常温溶融塩浴に供給するように配置し多段の濃縮を可能としたことを特徴とする請求項5に記載の電気泳動法による希土類及びアルカリ土類元素の濃縮回収装置。

【請求項7】
常温溶融塩(MB)を収容する常温溶融塩浴(B)内に、陽極(AD)、前記常温溶融塩中に浸漬された、常温溶融塩が浸透により流入する浸透部(PF)、電気泳動により濃縮・分離された元素の対流による拡散を防ぐ常温溶融塩で浸食されない充填材が充填され、浸透した常温溶融塩と前記陽極(AD)が接触し、電気泳動により元素が濃縮・分離された常温溶融塩が回収できる開口(OP)が設けられた分離管(ST)、電気泳動において前記陽極(AD)の対極として作用する常温溶融塩浴に配置された陰極(CD)、及び前記両電極間に電界を印加する電極(E)を2以上並列に配置したことを特徴とする常温溶融塩を用いた電気泳動法による希土類及びアルカリ土類元素の並列濃縮回収装置。

【請求項8】
常温溶融塩と陽極(AD)と接触する開口(OP)近傍に、分離管(ST)内の近傍に生成した濃縮溶融塩の取出手段(ET)を配置し多段の濃縮を可能としたことを特徴とする請求項7に記載の電気泳動法による希土類及びアルカリ土類元素の並列濃縮回収装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2004076644thum.jpg
出願権利状態 登録
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close