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高品質ハニカム構造フィルムの製造方法 コモンズ

国内特許コード P05P002481
整理番号 Y2003-P553
掲載日 2005年10月14日
出願番号 特願2004-081570
公開番号 特開2005-262777
登録番号 特許第4549707号
出願日 平成16年3月19日(2004.3.19)
公開日 平成17年9月29日(2005.9.29)
登録日 平成22年7月16日(2010.7.16)
発明者
  • 小幡 法章
  • 藪 浩
  • 田中 賢
  • 下村 政嗣
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 高品質ハニカム構造フィルムの製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】 ハニカム状に配列した空孔を持つ薄膜(ハニカムフィルム)を作製する方法において、ハニカムフィルムにおける空孔の周期性を向上させ、結晶欠陥のない、高品位な多孔質膜を提供しようというものである。
【解決手段】 基板上に高湿度下でキャストすることによってハニカムフィルムを作製する際に、フィルムを生成する原料溶液あるいはフィルムを生成させる基板に一定周期の振動を与え、この振動を制御することによってテンプレートとなる水滴の大きさと配列を制御し、異状粒の生成を抑制、排除し、均一なハニカム構造の孔を有するフィルムを製造する。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


近年、ナノスケールレベルでの技術開発が盛んに行われ、超精密加工,超精密制御の重要性がますます求められている。この傾向は、細胞培養工学、医用スカフォールト材料を始めとして、半導体、記録材料、スクリーン、セパレータ、イオン交換膜、電池隔膜材料、ディスプレイ、光学材料、導波管、音響機器材料等各種技術分野において特に顕著であり、超精密技術開発に対する期待は高まっている。本発明で対象としている多孔質膜においてもその例外ではない。すなわち、本発明で対象とする多孔質膜は、当然ながら上記分野に使用する用途を含むものであり、したがってその設計に際しては、上記分野の動向を反映して、その要請に応えられるものでなければならず、膜構造をなす孔の分布状態、均一性の確保に対して高度な設計が求められている。



多孔質膜の用途は、多岐に亘るが、近年では高度に設計された微細な孔があいたフィルムを利用して新しい技術の創出が考えられている。とりわけエレクトロニクス、フォトニクス、およびバイオテクノロジーの分野においては、均一で規則的に配列した孔を有する高品質化フィルムが求められている。ところが、このような多孔質膜を製造することは容易ではなく、通常の延伸法による製膜技術では、一様な孔の確保は困難である。比較的簡便な製作法として知られる相分離法による多孔質製膜技術でも、孔の径やその配列を制御し、均一な孔径、規則的配列のものを得ることは困難である。一方、均一な孔径と配列を持つマイクロ構造体を作製する方法としてフォトリソグラフィーやソフトリソグラフィー、及びナノインプリントリソグラフィーなどのリソグラフィー技術が用いられているが、高度で高価な機器と技術を要し、コストが高くつき、また製作手順も多工数を要する複雑なプロセスを要する上、適用できる材料にも制限がある等、この方法による製作手段も、実用レベルでの多孔質フィルムを提供するにふさわしい製膜技術とは言えないものであった。



これに対して、最近、ポリマーの希薄溶液を固体基板上にキャストすることで、比較的簡単に微細な規則的パターンが形成されることが各種文献に報告され、提案されている。これについては、本発明者らの研究グループにおいても既に提案し、成功を得ているところである(非特許文献1参照、)。この方法は、高分子の希薄溶液をキャストし、溶媒を蒸発させることによって高分子ポリマーに微細構造のドット(突起)パターンを形成するものである。しかしながら、この提案による方法は、その突起の配列を制御可能に規則性を持ったマイクロドットとするまでには至っておらず、不十分なものであった。



また、微細構造として、ドット構造とは異なる微細なハニカムパターンを有してなる多孔質膜を形成することも提案されている(非特許文献2、非特許文献3)。この方法は、自己凝集力の強い部分と柔軟性を発現する部分とを併せ持つ特殊なポリマーを利用し、これらのポリマーを疎水性有機溶液に溶解し、キャストすることによって該パターンを形成するものである。



なお、この方法についても、本発明者等グループにおいて鋭意研究した結果、キャストするポリマーとして、特定のポリマーを選択することにより、特有なハニカム構造を持ってなる微細構造体を作製することに成功し、その成果については技術論文において発表し、報告した(非特許文献4、非特許文献5)。
すなわち、該ポリマーの構成成分として、親水性のアクリルアミドポリマーを主鎖骨格とし、疎水性側鎖としてドデシル基と親水性側鎖としてラクトース基或いはカルボキシル基を併せ持つ両親媒性ポリマー、或いはヘパリンやデキストラン硫酸などのアニオン性多糖と4級の長鎖アルキルアンモニウム塩とのイオン性錯体を使用することによって、ハニカムパターン構造を有する多孔質薄膜を生成することに成功しているものである。



本発明者らにおいては、また、様々な生分解性ポリマーで作製してなる多孔質ハニカム構造膜が細胞培養基材として極めて有望な材料であることについても知見し、これに基づいて特許出願した(特許文献1参照)。
この特許出願で、本発明者らの提案した作製方法は、濃度調整した疎水性有機溶液のキャスト膜に高湿度の空気を吹き付ける、または高湿度下に置くだけで作製するという、極めて簡便で安価ですみ、極めて魅力ある利点のある、優れた手法である。
この方法は、その作製工程の際に、孔の鋳型になる水滴径を変化させることで、多孔質膜の孔径を0.1~100μmの範囲で制御することが出来るものであり、この点でも極めて優れた提案であると言うことができる。



しかしながらこれらの方法においても、該ハニカムフィルム空孔の配列は横毛管力による凝集力により運ばれた水滴の配列であるため、個々水滴粒子と溶液の界面現象に依存し、結果的には多数の欠陥・粒界をもつことが懸念されていた。といっても、これに対処するために個々の粒子において制御し、欠陥を防ごうとすることは事実上困難である。このことが電子材料や光学材料など、高い均一性を求められる材料への応用を妨げていた一因ともなっていた。



【非特許文献1】
Chemistry Letters,821,1996.
【非特許文献2】
Science 283,373,1999
【非特許文献3】
Nature 369,387,1994
【非特許文献4】
Thin Solid films 327,829,1998
【非特許文献5】
Moleculer Cryst.Liq.Cryst.322,305,1998
【特許文献1】
特開2001-157574号公報

産業上の利用分野


本発明は、均一に配列した微細なハニカム構造の孔を有する高品質ハニカム構造薄膜体の製造方法に関する。詳しくは、ハニカム状に配列した空孔を持つ薄膜構造体(ハニカムフィルム)、すなわち、多孔質ハニカム構造薄膜構造体(以下、ハニカムフィルムという)の製造方法において、ハニカム状に配列した微細な空孔が、均一な大きさで規則的に配列してなる多孔質ハニカムフィルムの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
機能性高分子と両親媒性高分子の混合物を溶解した疎水性有機溶媒溶液を、相対湿度50~95%の大気下で基板上にキャストし、該有機溶媒を徐々に蒸散させると同時に該キャスト液表面で湿分を結露させ、該結露により生じた微小水滴を蒸発させることで水滴をテンプレートとするハニカム状の空孔を形成するハニカムフィルムの製造方法において、基板上にキャストした溶液に、振動数が10Hz~100Hzの範囲で、振動の振幅が25V以上の振動を付与しながらハニカムフィルムを作製することを特徴としたハニカムフィルムの製造方法。

【請求項2】
溶液をキャストする基板がギャップを有して平行に設置された1対の基板からなり、該ギャップに該溶液をキャストして両基板に接触させ、接触状態を維持しながら、そのどちらかを平行に移動させて製膜することを特徴とした、請求項1に記載のハニカムフィルムの製造方法。

【請求項3】
キャストする位置に高湿度空気を吹き付けるノズルを設定し、キャストされた原料溶液と生成するフィルムに対して高湿度空気を吹き付け、水滴をフィルム面に結露させるようにしたことを特徴とする、請求項1または2に記載のハニカムフィルムの製造方法。

【請求項4】
該キャストした溶液および基板に振動を付与する手段がピエゾ振動子であり、この振動子を制御することにより水滴の大きさと配列を制御し、ハニカムフィルムの孔の大きさと配列を制御することを特徴とする、請求項1ないしの何れか1項に記載のハニカムフィルムの製造方法。

【請求項5】
該機能性高分子が生分解性、光機能性、電子機能性材料から選ばれる1種であることを特徴とする、請求項1ないしの何れか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。

【請求項6】
前記ハニカム構造体の孔径が0.1~50μmである請求項1ないしの何れか1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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