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偏光エンタングルド光子対発生装置

国内特許コード P05A007919
整理番号 NUBIC-2003000157
掲載日 2005年11月25日
出願番号 特願2004-071909
公開番号 特開2005-258232
登録番号 特許第4264735号
出願日 平成16年3月15日(2004.3.15)
公開日 平成17年9月22日(2005.9.22)
登録日 平成21年2月27日(2009.2.27)
発明者
  • 井上 修一郎
出願人
  • 日本大学
発明の名称 偏光エンタングルド光子対発生装置
発明の概要 【課題】波長1550nmの偏光エンタングルド状態にある光子対を効率よく発生する。
【解決手段】フェムト秒パルスレーザーからの45度偏光のフェムト秒パルス1を、偏光ビームスプリッター2で分岐する。偏光ビームスプリッター2に接続された偏波保存光ファイバー5で、サニャック干渉計が構成されている。サニャック干渉計には、光通信における波長変換素子として開発された導波路型PPLNが2つ組み込まれている。第1の導波路型PPLN3と第2の導波路型PPLN4とを、両側からフェムト秒パルスレーザーからの光でポンプして、波長1550nmの偏光エンタングルド状態にある光子対を発生させる。このようにして、純度の高い偏光エンタングルド状態にある光子対を高効率で発生することができる。<EMI LX=1100 HE=096 WI=066 ID=000002 LY=1742>
従来技術、競合技術の概要 【背景技術】 1984年のCharles Bennet(IBM)等による量子暗号プロトコルの開発、1994年のPeter Shore(AT&T)による量子計算アルゴリズムの発表を契機として、量子情報処理に関する研究が精力的に進められている。中でも、量子暗号は既に実用化の水準に達しており、通信波長帯(波長1550nm)での既設光ファイバーを用いた実験も行われている。これらの実験では、単一光子レベルまで減衰させたレーザー光が用いられているが、光子の非局所性を利用した高度な量子情報通信(量子テレポーテーションなど)を実用化するためには、エンタングルド(絡み合わせ)状態にある光子対が必要となる。このエンタングルド状態にある光子対は非線形光学過程である自然パラメトリック下方変換によって発生できる。 量子情報通信の研究分野では、ベル状態を用いた量子暗号・量子テレポーテーションなどの原理証明実験が、主に波長700~800nmの偏光エンタングルド状態にある光子対を用いて行われてきた。その理由は、この波長帯では量子効率が高く、しかもダークカウントが少ない単一光子検出器が市販されていること、BBOなどの高効率下方変換が可能な結晶と高出力ポンプレーザとしてアルゴンレーザ(波長351nm)やチタンサファイアレーザーの第二高調波(波長400nm付近)を使用できることにある。 波長1550nmのエンタングルド光子対の発生に関する研究は、これまで2件報告されている。それらは、周期分極擬似位相整合シリカファイバーを利用したもの(サザンプトン大学)と、分散シフトファイバーによる四光波混合を利用したもの(ノースウエスタン大学)である。ポンプ出力1mWに対する1秒間あたりの光子対発生率はそれぞれ、1.7と500である。波長1550nmの偏光エンタングルド状態にある光子対を、フェムト秒パルスレーザーにより発生させた実験はまだ報告されていない。 図3に、フェムト秒レーザーによる波長800nmの偏光エンタングルド状態発生に用いられた光学系を示す。この系では、2つのBBO結晶で発生した光子対をコヒーレントに重ね合わせるために、マッハツェンダー干渉計の腕の長さを調整し安定化する必要がある。また、アライメントが困難であるため、期待される光子対の発生率および高い純度のエンタングルメントは得られていない。 特許文献1に開示された「もつれ合い光子対発生装置」は、もつれ合った状態の光子対を、ビーム状に収束して高効率に発生できるもつれ合い光子対発生装置である。図4に示すように、垂直偏光、他方が水平偏光に固定された「もつれ合っていない」状態で、光子対をビーム状に発生させるBBOなどを用いた偏光確定光子対発生装置を2つ直列に配置する。それら2つの装置の中間に、偏光を90度回転させる1/2波長板を挿入する。ポンプ光を入射することにより、2つの偏光確定光子対発生装置でそれぞれ発生された水平偏光と垂直偏光の光子ビームを、異なる偏光同士で重ね合わせる。従来よりも高い効率で、もつれ合った光子対ビームを発生させることができる。 非特許文献1に開示された光子対発生装置は、図5に示すように、2つのPPLN導波器を使用して、波長1550nmの偏光相関光子対を発生する装置である。2光子干渉実験において、同時検出率は、0.53kHzである。非特許文献2に開示された光子対発生装置は、図6に示すように、サニャック干渉計を使用して、偏光エンタングルド光子対のパルスを発生する装置である。
【特許文献1】特開2003-228091号公報
【非特許文献1】A. Yoshizawa, R. Kaji and H. Tsuchida, "Generation of polarization-entangled photon pairs at 1550nm using PPLN waveguides", Electron. Lett., vol.39, pp.621-622. (3 April 2003).
【非特許文献2】B. S. Shi, A, Tomita, "Generation of Pulsed Polarization Entangled Photon Pair Using a Sagnac Interferometer", Phys. Rev. A (2004).
産業上の利用分野 本発明は、偏光エンタングルド光子対発生装置に関し、特に、導波路型PPLNと光ファイバーサニャック干渉計とで構成した偏光エンタングルド光子対発生装置に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】フェムト秒パルスレーザーからの45度偏光を分岐する偏光ビームスプリッターと、前記偏光ビームスプリッターに接続され第1の導波路型PPLNと第2の導波路型PPLNとを組み込んだ偏波保存光ファイバーで構成されたサニャック干渉計とを具備し、前記第1の導波路型PPLNと前記第2の導波路型PPLNを、第1の方向に回るビームは前記第1の導波路型PPLNをポンプし、第2の方向に回るビームは前記第2の導波路型PPLNをポンプするように、フェムト秒パルスレーザーからの光でポンプすることにより、波長1550nmの偏光エンタングルド状態にある光子対を発生させることを特徴とする偏光エンタングルド光子対発生装置。
【請求項2】フェムト秒パルスレーザーからの45度偏光を透過するとともに、波長λ/2の偏光エンタングルド状態にある光子対を反射するダイクロイックミラーと、前記ダイクロイックミラーを透過した光を分岐する無偏光ビームスプリッターと、前記無偏光ビームスプリッターに接続され第1の導波路型PPLNと第2の導波路型PPLNとを組み込んだ偏波保存光ファイバーで構成されたサニャック干渉計とを具備し、前記サニャック干渉計を双方向に回るビームのそれぞれの第1の偏光成分は前記第1の導波路型PPLNをポンプし、第2の偏光成分は前記第2の導波路型PPLNをポンプするように、前記第1の導波路型PPLNと前記第2の導波路型PPLNを両側からフェムト秒パルスレーザーからの光でポンプすることにより、波長1550nmの偏光エンタングルド状態にある光子対を発生させることを特徴とする偏光エンタングルド光子対発生装置。
産業区分
  • 光学装置
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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