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微細操作用マイクロマニピュレーション装置 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P05A007930
整理番号 IBAD-1
掲載日 2005年12月2日
出願番号 特願2003-047341
公開番号 特開2004-255493
登録番号 特許第4555958号
出願日 平成15年2月25日(2003.2.25)
公開日 平成16年9月16日(2004.9.16)
登録日 平成22年7月30日(2010.7.30)
発明者
  • 江田 弘
  • 齊藤 浩之
  • 太田 一史
  • 周 立波
  • 川上 辰男
出願人
  • 国立大学法人茨城大学
発明の名称 微細操作用マイクロマニピュレーション装置 コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【目的】生体細胞等微小な顕体試料を、顕微鏡の視野の中に捉えて、その画像を観察しながら該顕体試料の微細でかつ精密な加工作業を正確にかつ効率よく、自動であるいは自動に手動を組み合わせて行なうための装置を提供する。
【構成】各々独立の座標系にあるマイクロプローブを持つ複数のマニピュレータの座標軸を、画像情報及び/または力覚情報をもとに共通の座標系に統合してマニピュレーションを行なうことを特徴とする微細操作用マイクロマニピュレーション装置である。
【選択図】図3

従来技術、競合技術の概要
従来、例えば生体細胞等微小な顕体試料を単に顕微鏡で観察するだけではなく、顕微鏡下で極めて微細な加工を施すということ、即ち、所謂微細作業は、熟練を要する作業であり、斯界では熟練技術者による熟練作業として行なわれていた。しかしながら、特に近年、マイクロマシンの開発、あるいはバイオ関連の技術の発達に伴い、顕体試料を顕微鏡視野の中に捉えてマニピュレータを用いて何らかの高度な加工を行なうことに対する要求と重要性は、その精度の向上とともにいままで以上に高度化しつつある。この技術は、単に対象となる顕体試料の微小化に伴なう操作分解能の高精度化を要求するのみならず、極めて微小でかつ位置変動を起こしやすい顕体試料を顕微鏡視野の中で追跡し捉え、特定部位を操作するハンドリング技術の高精度化と簡易化を要求するものであり、顕体試料側の動きの自由度が多い場合にでも微細作業の操作性、確実性を確保したものでなければならない。
【0003】
特に近年、畜産あるいは医療などの分野では、生体細胞に対する精密でかつ微細な作業を行なう技術が注目されている。畜産分野では、良質で安定した家畜の生産を目的として核移植技術が導入されており、受精卵クローン牛や体細胞クローン牛の生産がすでに始まっている。また、人工授精技術においては、運動性を有する精子を追跡し捕捉し、正確に受精せしめるという技術の確立も強く求められてきている。更に、再生医療の分野では拒絶反応のない生体組織や臓器の移植が期待されている。
【0004】
現在の、細胞に対する精密かつ微細な作業は、熟練を積んだ作業者が、光学顕微鏡視野下で、一個一個の細胞に対し、例えば、核の除去や薬液注入などの作業を手作業で行なっているのが現実である。これらの作業は、光学顕微鏡の視野下でマニピュレータをマニュアルで動かし行なうのが実情であるため、長時間に亘る作業は、作業者に対する肩こり、眼精疲労、精神疲労等の障害を伴うものである。よって、作業の簡素化、高効率化、特に自動化が強く求められているのが実情である。
【0005】
顕微鏡の視野の下において、マニピュレータに取り付けられたマイクロプローブを操作して顕体試料の正確な移動や加工を行なう装置については、例えば特許文献1において、顕微鏡下での微細試料とマイクロプローブの動きを連動せしめ、三次元の方向での位置決め、移動や加工を行ない易くした装置が開示されている。更に、特許文献2においては、顕微鏡画像をテレビカメラの画像によってモニタリングする装置が開示されている。これらの装置は、顕微鏡の視野において、顕体試料とマイクロプローブの動きを正確にし、顕体試料の回転を含めた位置決め、マイクロプローブによる試料の移動、切断、穿孔、接合等の操作を行なうことを可能にしたものであって、オペレータの目視による複雑な作業を可能にしたものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平2000-221409号公報
【特許文献2】
特開平2001-91857号公報
【0007】
しかしながら、現実の作業においては、複数個のマニピュレータを使用し、それらのマニピュレータを一作業員が顕微鏡画像を観察しつつ、同時に操作し、実際の微細加工作業を行なうのであるから、各マニピュレータが独自の座標に参照してコントロールされていたのでは、顕体資料の捕捉、固定、加工といった協調作業の精度が極めて悪化し、作業自体の正確さを阻害し、作業の成功率の低下を招くものである。例えば、図1に示すように、両腕の指先で試料を把持する(独立座標系)よりも、一方の腕で試料を把持する(単一座標系)ことのほうが容易である。これは、二つの独立な座標系によって協調作業をするよりも、共通の単一の座標系を用いた作業のほうが容易で確実であることを表している。その理由は独立の座標系に所属する各々のプローブの持つ位置的あるいは機械的誤差が相乗して拡大されることになる。特にバイオテクノロジー分野においては顕体試料が生体細胞等であり、その形態は複雑な3次元構造をとる上に経時的な変形、位置移動を行なうものである。これらの作業を確実に行なうためには、顕微鏡視野下においてまず顕体試料を捉え、所定の加工作業を行なうためには複数のプローブによる協調作業が不可欠である。
【0008】
顕微鏡視野下において、作業者が直接マニュアルによる操作を行なう場合、作業者自らがCCDカメラからの映像による視覚情報に基づいてツールと顕体資料の位置を確認しながら操作を行なう。ツール、即ち、マイクロプローブの動きはマイクロプローブを搭載したステージの動きによって行なわれるものであり、ステージはそれぞれXYZ軸方向の自由な動きを許容するものである。そして、そのXYZ軸方向への駆動は、例えば超音波モータ、マイクロモータ、ピエゾ素子、超磁歪アクチュエータあるいは微動ネジ等をもって行なわれるものであるが、作業を自動化する場合XYZステージの駆動にはいずれの場合もヒステリシスの影響や設置誤差、ドリフトによる誤差などの機械的誤差要因が含まれるため、それらの影響を考慮しなければ、正確な協調作業を行なうことができない。
【0009】
微細マニピュレーションの自動化において、前述のXYZステージの設置誤差やヒステリシス、ドリフト等の機械的誤差は微細作業を困難にする。図2(a)に示すように、設置誤差は各軸の直交座標系がずれることによって生じ正確な線の追従を難しくする。即ち、直交座標がずれた場合は(a)右図に示す真円が(a)左図のような楕円状になることもある。また、図2(b)に示すように、ヒステリシスの誤差は(b)左図に示すように、必ずしも同じ座標にマニピュレータを正確に移動することができない。さらに、図2(c)に示すように、ドリフトによる誤差は(c)左図に示すようにマイクロプローブ先端を長時間にわたって一定の位置で保持することができない。これらの誤差要因の影響を低減し、より正確な作業を行なうためには様々な手法が行なわれているが、特に、複数のマイクロプローブの動きをそれぞれ別個の座標軸で行なう限り、この問題の解決は完全ではない。
【0010】
次に、マニピュレータを用いた自動作業において、マイクロプローブと顕体試料の動きの制御は、マイクロプローブ先端と顕体試料上の作業点の座標値をコンピュータに記憶せしめ、その作業点を追跡しつつマイクロプローブ先端を移動せしめ、必要な作業を行なうという手法、いわゆる位置制御手法が一般的に行われている。しかしながら、顕体試料も動くものである場合その対応が困難な上、マイクロプローブ先端と顕体試料上の作業点の距離が長い場合、動作時間が長くなる。それを是正するためにはプローブ先端の動きを速くして動作時間を短縮することができるが、それにより顕体試料に対する衝撃が大きくなり、顕体試料が生体試料の場合それを損傷するおそれがあるので好ましくない。そこで、迅速で、且つソフトな作業が強く求められている。
特許請求の範囲 【請求項1】各々独立の座標系にあるマイクロプローブと前記マイクロプローブを駆動するXYZステージとを有する複数のマイクロマニピュレータとを備え、前記複数のマイクロマニピュレータの座標軸は各々三次元系であり、画像情報及び力覚情報をもとに、前記複数のマイクロマニピュレータのXY軸方向の情報が共通の単一座標系として位置付けられる画像情報に基づいて各マイクロマニピュレータのXY座標系を統一することによって、共通の画素座標系に統合して前記複数のマイクロマニピュレータを統一して制御し、前記複数のマイクロマニピュレータの機械的誤差を取り除くとともに、かつZ軸方向の情報が力覚情報に基づいているものとして、前記複数のマイクロマニピュレータによってマニピュレーションを行なうことを特徴とする微細操作用マイクロマニピュレーション装置。
【請求項2】画像情報が観察用光学顕微鏡で観察し、その視野画像をCCDカメラで捉えた画素情報であることを特徴とする請求項1に記載の微細操作用マイクロマニピュレーション装置。
【請求項3】力覚情報がマイクロプローブに取り付けられたストレインゲージからのフォース情報に基づいたものであり、前記力覚情報によってZ軸方向のマニピュレーションを行なうことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微細操作用マイクロマニピュレーション装置。
【請求項4】請求項1において、マイクロプローブ先端と顕体試料の位置との距離を求めて、求めた距離に応じて前記マイクロプローブ先端の前記顕体試料の位置への移動速度を調節し、前記マイクロプローブ先端の前記顕体試料の位置への移動は、距離が離れている場合は速い速度で移動し、前記マイクロプローブ先端と前記顕体試料との間が近づいた場合はゆっくりした速度で移動することを特徴とする微細操作用マイクロマニピュレーション装置。
【請求項5】請求項4において、顕体試料が移動する試料であり、マイクロプローブの先端が前記移動する顕体試料に対して追従することを特徴とする微細操作用マイクロマニピュレーション装置。
産業区分
  • その他運輸
  • 光学装置
  • 工業用ロボット
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003047341thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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