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パルスレーダ装置

国内特許コード P05A007934
整理番号 1947
掲載日 2005年12月2日
出願番号 特願2000-081983
公開番号 特開2001-272463
登録番号 特許第3366615号
出願日 平成12年3月23日(2000.3.23)
公開日 平成13年10月5日(2001.10.5)
登録日 平成14年11月1日(2002.11.1)
発明者
  • 原 照幸
  • 中根 正文
  • 戸梶 功
  • 田中 正之
出願人
  • 三菱電機株式会社
  • 防衛装備庁長官
発明の名称 パルスレーダ装置
発明の概要 【課題】 従来のパルスレーダ装置では、合成帯域処理を行う場合、パルス繰り返し周期が長いため、1回の結果を得るための、信号送信時間が長くなるという課題があった。
【解決手段】 あらかじめ求めた目標との相対距離情報を用いて受信波の周波数情報を求める周波数計算器と、周波数計算器で求めた受信波の周波数情報とパルス繰り返し周期から、その受信波に対応する送信波を生成する時に用いた送信用局部発振信号と同じ初期位相となる位相を計算する位相計算器と、周波数計算器で求めた受信波の周波数情報を用いて受信波の周波数に対応する周波数の受信用局部発振信号を位相計算器で求めた初期位相で生成する初期位相可変型周波数シンセサイザを設ける。
従来技術、競合技術の概要


合成帯域処理を利用したパルスレーダ装置では、送信時に、図9に示すように、N個のパルスに対して、パルス毎に送信周波数をf0からfN-1まで周波数ステップ間隔Δf毎に変化させて送信を行う。そのときの送信信号Sn(t)は数1で表される。ただし、ここでは、数式による表現を簡略化するために、各信号を複素信号で表現している。
【数1】
ただし、Aは送信信号の振幅、φnは各送信周波数の初期位相、Tpはパルス幅、Tpriはパルス繰り返し周期を表す。この送信信号がパルスレーダ装置から距離R離れたところにある目標に反射して、パルスレーダ装置に受信された場合、受信信号はUn(t)は、数2で表される。
【数2】
ただし、A’は受信信号の振幅、cは光速を表す。この受信信号に対して、数3で示すような各周波数の初期位相が送信信号と同じ参照信号Vn(t)を用いて周波数変換を行った場合、周波数変換後の信号Wn(t)は数4で表される。
【数3】
【数4】
数4で表されるWn(t)のパルス変調された部分の信号を用いて、逆フーリエ変換を行った場合、逆フーリエ変換後の信号P(k)は数5で表される。
【数5】
また、包絡線検波の方法として、直線検波を用いた場合、包絡線検波後の信号|P(k)|はP(k)の絶対値で数6で表される。
【数6】
数6より、kが2RNΔf/cと等しくなった時に|P(k)|がピーク値となることがわかる。|P(k)|がピーク値となるkをkpとすると、kpより数7に示すように、パルスレーダ装置と目標との相対距離Rを求めることができる。
【数7】
また、距離分解能ΔRは数8で表される。
【数8】
数8より、NΔfを大きくすることによって、距離分解能ΔRを向上することができることがわかる。
図10は、例えば、D.R.Wehner著、“High-Resolution Radar”,Artech House,pp.197-237,1955、記載の合成帯域処理によって、距離分解能ΔRを向上し、目標寸法以下の距離分解能ΔRを得、図12に示すような目標のレンジプロフィールを得る従来のパルスレーダ装置である。図10において、1はタイミング発生器、2は固定初期位相周波数シンセサイザー、3a、3bは分配器、4は基準中間周波数信号発生器、5a、5bは周波数変換器、6はパルス変調器、7は電力増幅器、8は送受切替器、9はアンテナ、10は目標、11は中間周波数増幅器、12は90度ハイブリッド器、13a、13bは位相検波器、14a、14bはA/D変換器、15は合成帯域器、16は包絡線検波器、17は表示器である。
上記の従来のパルスレーダ装置の動作について図10を参照して説明する。タイミング発生器1では、パルス繰り返し周期Tpriの間隔で、周波数切換信号を固定初期位相周波数シンセサイザー2へ、パルス変調信号をパルス変調器6へ、送受切換信号を送受切換器8へ出力する。固定初期位相周波数シンセサイザー2では、タイミング発生器1からの周波数切換信号によって、あらかじめ周波数と初期位相を定めたN種類の信号の中の一種類の信号をあらかじめ定めた順序、例えば、低い周波数から順番にパルス繰り返し周期Tpri毎に生成し、分配器3aに出力する。分配器3aでは、固定初期位相周波数シンセサイザー2からの入力信号を2分し、一方を送信信号生成用の周波数変換器5aの局部発振信号(送信用局部発振信号)として、周波数変換器5aに、もう一方を中間周波数信号生成用の周波数変換器5bの局部発振信号(受信用局部発振信号)として出力する。周波数変換器5aでは、分配器3aからの送信用局部発振信号の周波数と、基準中間周波数信号発生器4で生成した基準中間周波数信号の周波数との和の周波数の送信キャリア信号を生成し、パルス変調器6に出力する。パルス変調器6では、周波数変換器5aからの入力信号に対して、タイミング発生器1からのパルス変調信号によって、パルス繰り返し周期Tpri毎に、あらかじめ定めたパルス幅Tpのパルス変調を行う。パルス変調器6の出力信号は、電力増幅器7に入力され、電力の増幅が行われ、送受切替器8に出力される。送受切替器8では、タイミング発生器1からの送受切換信号によって、パルス繰り返し周期Tpri毎に、あらかじめ定めた時間間隔の電力増幅器7からの入力信号をアンテナ9に出力する。アンテナ9では、送受切替器8からの入力信号を、送信信号として空間へ放射する。送信信号は目標10、および背景に反射し、反射信号となってアンテナ9で受信され、送受切替器8に出力される。送受切替器8では、タイミング発生器1からの送受切換信号によって、パルス繰り返し周期Tpri毎に、あらかじめ定めた時間間隔のアンテナ9からの入力信号を周波数変換器5bに出力する。また、周波数変換器5bには、分配器3aから受信用局部発振信号も入力される。周波数変換器5bでは、受信信号の周波数と受信用局部発振信号の差の周波数の中間周波数信号を生成し、中間周波数増幅器11へ出力する。中間周波数増幅器11では、中間周波数信号の電力の増幅を行い、その結果を分配器3bに出力する。分配器3bでは、中間周波数増幅器11から入力信号を2分し、それぞれを位相検波器13a、13bに出力する。一方、基準中間周波数信号発生器4で発生した基準中間周波数信号は、90度ハイブリッド器12で90度の位相差を持った2つの信号に分離され、位相検波器13a、13bに出力される。位相検波器13a、および13bでは、分配器3bからの入力信号と90度ハイブリッド器12からの入力信号から、中間周波数信号の周波数と基準中間周波数信号の周波数の差の周波数を持ち、互いに90度の位相差を持つI成分、Q成分のビデオ信号を生成する。生成されたI、Qビデオ信号は、サンプリング周波数が1/TpのA/D変換器14a、14bに入力され、パルス幅Tpと同じ間隔のレンジビン毎のディジタルI、Qビデオ信号に変換され、合成帯域器15に出力する。合成帯域器15では、送信周波数の異なるN個の送信パルスに対する同じレンジビンのディジタルI、Qビデオ信号を逆フーリエ変換することによって、パルス幅Tp以下の距離分解能ΔRを得る合成帯域処理を行い、その結果を包絡線検波器16に出力する。包絡線検波器16では、合成帯域器15から入力されるすべて複素信号の振幅値を求め、その結果を表示器17に出力する。表示器17では、包絡線検波器16からの入力信号を表示する。

産業上の利用分野


この発明は、合成帯域処理によって、距離分解能を向上するパルスレーダ装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
あらかじめ定めたパルス繰り返し周期毎にあらかじめ定めた周波数、および初期位相の送信用局部発振信号を生成する固定初期位相周波数シンセサイザーと、前記固定初期位相周波数シンセサイザーで生成した前記送信用局部発振信号を用いて、あらかじめ定めたパルス繰り返し周期、およびパルス幅でパルス変調した送信信号を生成する送信機と、前記送信信号をパルス繰り返し周期のタイミングで送受信の信号を切り換える送受切換器を介して、背景を含む目標に送信波として放射し、目標、および背景で反射した前記送信波を受信波として受けるアンテナと、あらかじめ求めた目標との相対距離情報を用いて前記受信波の周波数情報を求める周波数計算器と、前記周波数計算器で求めた前記受信波の周波数情報とパルス繰り返し周期から前記送信用局部発振信号と同じ初期位相となる位相を求める位相計算器と、前記周波数計算器で求めた前記受信波の周波数情報を用いて前記受信波の周波数に対応する周波数の受信用局部発振信号を前記位相計算器で求めた初期位相で生成する初期位相可変型周波数シンセサイザーと、前記受信波から前記受信用局部発振信号を用いてディジタルI、Qビデオ信号を生成する受信機と、前記ディジタルI、Qビデオ信号を逆フーリエ変換する合成帯域器を備えたことを特徴とするパルスレーダ装置。

【請求項2】
あらかじめ定めたパルス繰り返し周期毎にあらかじめ定めた周波数、および初期位相の送信用局部発振信号を生成する固定初期位相周波数シンセサイザーと、前記固定初期位相周波数シンセサイザーで生成した前記送信用局部発振信号を用いて、あらかじめ定めたパルス繰り返し周期、およびパルス幅でパルス変調した送信信号を生成する送信機と、前記送信信号をパルス繰り返し周期のタイミングで送受信の信号を切り換える送受切換器を介して、背景を含む目標に送信波として放射し、目標、および背景で反射した前記送信波を受信波として受けるアンテナと、あらかじめ求めた目標との相対距離情報を用いて前記受信波の周波数情報を求める周波数計算器と、前記周波数計算器で求めた前記受信波の周波数情報とパルス繰り返し周期から前記送信用局部発振信号と同じ初期位相となる位相を求める位相計算器と、前記周波数計算器で求めた前記受信波の周波数情報を用いて前記受信波の周波数に対応する周波数の受信用局部発振信号をあらかじめ定めた初期位相で生成する固定初期位相周波数シンセサイザーと、前記受信波から前記受信用局部発振信号を用いてディジタルI、Qビデオ信号を生成する受信機と、前記位相計算器で求めた初期位相を用いて前記ディジタルI、Qビデオ信号の位相の補正を行う位相補正器と、前記位相補正器によって位相補正された前記ディジタルI、Qビデオ信号を逆フーリエ変換する合成帯域器を備えたことを特徴とするパルスレーダ装置。

【請求項3】
あらかじめ定めたパルス繰り返し周期毎にあらかじめ定めた周波数、および初期位相の送信用局部発振信号を生成する固定初期位相周波数シンセサイザーと、前記固定初期位相周波数シンセサイザーで生成した前記送信用局部発振信号を用いて、あらかじめ定めたパルス繰り返し周期、およびパルス幅でパルス変調した送信信号を生成する送信機と、前記送信信号をパルス繰り返し周期のタイミングで送受信の信号を切り換える送受切換器を介して、背景を含む目標に送信波として放射し、目標、および背景で反射した前記送信波を受信波として受けるアンテナと、あらかじめ求めた目標との相対距離情報を用いて前記受信波の周波数情報を求める周波数計算器と、前記周波数計算器で求めた前記受信波の周波数情報を用いて前記受信波の周波数に対応する周波数の受信用局部発振信号をあらかじめ定めた初期位相で生成する固定初期位相周波数シンセサイザーと、前記受信波から前記受信用局部発振信号を用いてディジタルI、Qビデオ信号を生成する受信機と、前記ディジタルI、Qビデオ信号を逆フーリエ変換する合成帯域器と、前記合成帯域器の出力信号に対して、前記周波数計算器で求めた前記受信波の周波数情報を用いて、距離の補正を行う距離補正器を備えたことを特徴とするパルスレーダ装置。

【請求項4】
あらかじめ定めた周波数、および初期位相の信号を生成する複数の安定化発振器と、あらかじめ定めたパルス繰り返し周期毎に、あらかじめ定めた順序で、前記複数の安定化発振器で生成した信号の中から送信信号生成に用いる送信用局部発振信号を選択する送信用周波数選択器と、前記送信用周波数選択器で選択した前記送信用局部発振信号を用いて、あらかじめ定めたパルス繰り返し周期、およびパルス幅でパルス変調した送信信号を生成する送信機と、前記送信信号をパルス繰り返し周期のタイミングで送受信の信号を切り換える送受切換器を介して、背景を含む目標に送信波として放射し、目標、および背景で反射した送信波を受信波として受けるアンテナと、あらかじめ求めた目標との相対距離情報を用いて前記受信波の周波数情報を求める周波数計算器と、前記周波数計算器で求めた前記受信波の周波数情報を用いて前記受信波の周波数に対応する周波数の受信用局部発振信号を前記複数の安定化発振器の出力信号の中から選択する受信用周波数選択器と、前記受信波から前記受信用局部発振信号を用いてディジタルI、Qビデオ信号を生成する受信機と、前記ディジタルI、Qビデオ信号を逆フーリエ変換する合成帯域器を備えたことを特徴とするパルスレーダ装置。
国際特許分類(IPC)
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