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航走体放射雑音からの航跡標定方法及び装置

国内特許コード P05A007944
整理番号 1992
掲載日 2005年12月2日
出願番号 特願2000-260448
公開番号 特開2002-071784
登録番号 特許第3511090号
出願日 平成12年8月30日(2000.8.30)
公開日 平成14年3月12日(2002.3.12)
登録日 平成16年1月16日(2004.1.16)
発明者
  • 倉野 重光
出願人
  • 防衛装備庁長官
発明の名称 航走体放射雑音からの航跡標定方法及び装置
発明の概要 【課題】 同期絶対時間が未知の航走体放射雑音を3台以上の受波器で受信することで、各受波器までの放射雑音到達時間差が検出できることを基にして航走体放射雑音から航跡を標定する。
【解決手段】 航走体放射雑音を3台以上の受波器S~Sで受信し、FFT処理後の各受波信号を航走雑音周波数帯域でバンドパスフィルター処理器13-1~13-Nで処理した後ドップラー補正し、前記受波器の内の各2台の組み合わせに対し、相互相関による仮定到達時間差検出器17でドップラー補正された受波信号について相互相関処理を行い仮定到達時間差曲線を算出し、航走体位置変動量と未知バイアス変動量演算器18てに航走体位置変動量と未知バイアス変動量を求め、これらから真の放射雑音到達時間差検出器19で真の放射雑音到達時間差を検出し、航走体の航跡標定器20で航走体の位置を算出して航跡を標定する。
従来技術、競合技術の概要


従来の音響航跡標定装置は、「海洋音響(基礎と応用)」海洋音響学会P209~P213(以下、公知文献1)と、特許第2723866号公報「発明の名称:信号検出装置」(以下、公知文献2)に開示されているものがあり、両装置とも原理はLBL測位方式(Long Base-Line System)と呼ばれるものである。その原理等を図8、図9を用いて説明する。また、公知文献2で開示された従来の技術の構成を図10に示す。
図8において、水中又は水上を航走する目標航走体の位置P(x,y,z)と海底に設置した複数の受波器位置S(x,y,z),S(x,y,z),S(x,y,z),…,S(x,y,z)及びレンジR,R,R,…,Rの関係は次式(1)によって表される。
【数1】
ここで航走体に取り付けられたピンガー音発信器からのピンガー音の計測結果から各受波器までの到達時間差τが求められたとすると、水中の音波伝搬速度をWとして到達時間差τとレンジRの関係は次式(2)が成り立つ。
-R=τijW …(2)
(但し、τijはレンジR,R間の到達時間差)
三次元方程式を解くために図8に示す3台の受波器について考えると次式(3)が得られる。
【数2】
これを、i台の受波器について解くことによりレンジRが算出される。
ピンガー音の各受波器までの到達時間差τは、ピンガー音が絶対時間に同期して送波される場合には、各受波器の受波信号から直接検出することが出来る。ピンガー音が非同期方式の場合には、各受波器の受波信号間の相互相関係数を算出し、その値が最大となる到達時間差からレンジRを検出することができる。さらに、航走体深度をダブルピングの間隔として送信することにより航走深度を求めることもできる。

産業上の利用分野


本発明は、航走体の放射雑音を用いて、航走体の航跡を標定する航走体放射雑音からの航跡標定方法及び装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
航走体の放射雑音を3台以上の受波器で受信し、受信された受波信号間の相互相関をとることにより音源の位置を求める航走体放射雑音からの航跡標定方法において、
各受波信号を航走体固有振動特性に起因する航走雑音周波数帯域でバンドパスフィルター処理した後ドップラー補正して、3台以上の受波器の内の各2台の組み合わせに対し、それぞれドップラー補正された受波信号について相互相関処理を行い周波数分析間隔dt毎の相関係数を算出し放射雑音計測開始時間tにおける到達時間差を0とした仮定到達時間差曲線を算出し、各受波信号のn個のサンプル信号の内の初期のi個を用いて航走体位置変動量と未知バイアス変動量を求め、前記航走体位置変動量と未知バイアス変動量から真の放射雑音到達時間差を検出し、全放射雑音計測時間にわたって航走体の位置を算出して航跡を標定することを特徴とする航走体放射雑音からの航跡標定方法。

【請求項2】
請求項1記載の航走体放射雑音からの航跡標定方法において、(a)前記3台以上の受波器の内、各2台の組み合わせにおいて、航走体固有振動特性に起因する航走雑音周波数帯域でバンドパスフィルター処理された後ドップラー補正された全放射雑音計測時間Tの受波信号X(t)とX(t)のFFT処理信号を読み込んで、前記周波数分析間隔dt毎にn回(T=n×dt)逆FFT処理したn個のサンプル信号χin(t)とχjn(t)の相互相関係数Cijnを算出し、該相互相関係数の実数部を当該相互相関係数の実数部の最大値で割り相対相互相関係数△dijnで表示した時間-相対相関係数信号を算出するステップと、(b)前記相対相互相関係数△dijn信号を読み込んで、放射雑音計測開始時間tでの受波器SとSの航走体放射雑音到達時間差を0とし、サンプル信号χin(t)とχjn(t)について1番目の相対相互相関係数△dij1と2番目の相対相関係数△dij2の相関を計算し、そのズレ幅△wij1を求め、同様に、2番目の相対相関係数△dij2と3番目の相対相関係数△dij3の相関からズレ幅△wij2、さらに△dij2と△dij3の相関からズレ幅△wj3、これを順次、△dijiと△diji+1のズレ幅△wijiまで算出して、仮定到達時間差曲線τij’=wij(t)を求めるステップと、(c)前記3台以上の受波器により計測された各受波信号のn個のサンプル信号χ(t),χ(t),χ(t),…,χ(t)の内の初期のi個について求めた仮定到達時間差τiji’と航走体が微小時間(t-1)から(t+1)間は直線上を進行するとした航走体位置P(k)にラプラシアンフィルターによる非線形最小二乗法を適用し航走体の位置変動量と未知バイアス変動量を求めるステップと、(d)求められた航走体位置変動量と未知バイアス変動量を基に、航走体の任意設定初期位置Pについて順次、ラプラシアンフィルター残差が最小になる航走体の位置P(0)からP(i)を決定し、その値から真の到達時間差を検出するステップと、(e)航走体放射雑音の各受波器までの真の到達時間差と各受波器の位置S(x,y,z)及び任意に設定した航走体初期位置P(x,y,z)とから未知バイアス変動量△Bijを0として、目標と受波器の距離であるレンジRijに関する三次元方程式を解くことにより、全放射雑音計測時間Tにわたり航走体の位置P(t)を決定するステップとを具備することを特徴とする航走体放射雑音からの航跡標定方法。

【請求項3】
航走体の放射雑音を3台以上の受波器で受信し、受信された受波信号間の相互相関をとることにより、音源の位置を求める航走体放射雑音からの航跡標定装置において、
航走体の放射雑音を受信する受波器S,S,…,S(但し、N:3以上の整数)と、
前記受波器からの受波信号をそれぞれ一定レベルまで振幅増幅する受信回路(5-1,5-2,…,5-N)と、
前記受信回路からのアナログ受波信号をそれぞれデジタル受波信号に変換するA/D変換器(6-1,6-2,…,6-N)と、
前記A/D変換器からのデジタル受波信号をそれぞれFFT処理し時間-周波数信号に変換するFFT処理器(11-1,11-2,…,11-N)と、
前記FFT処理器でFFT処理された時間-周波数信号をそれぞれ記憶する記憶装置(12-1,12-2,…,12-N)と、
航走体固有振動特性に起因する航走雑音周波数帯域を検出する検出器(14)と、
航走体固有振動特性に起因する航走雑音周波数帯域で前記記憶装置からの信号をバンドパスフィルター処理をするバンドパスフィルター処理器(13-1,13-2,…,13-N)と、
受波信号のドップラー周波数により航走体の速度を検出する航走体速度検出器(15)と、
前記航走体速度検出器で検出された航走体の速度により受波信号をドップラー補正するドップラー補正演算器(16)と、
該ドップラー補正された受波信号について3台以上の受波器の内の各2台の組み合わせに対して、該ドップラー補正された受波信号について相互相関処理を行い放射雑音計測開始時間tにおける到達時間差を0とした仮定到達時間差曲線を算出する相互相関による仮定到達時間差検出器(17)と、
前記仮定到達時間差検出器で算出された仮定到達時間差から各受波信号のn個のサンプル信号の内の初期のi個を用いて航走体位置変動量と未知バイアス変動量を求める航走体位置変動量と未知バイアス変動量演算器(18)と、
前記航走体位置変動量と未知バイアス変動量演算器で演算された航走体位置変動量と未知バイアス変動量から真の放射雑音到達時間差を検出する真の到達時間差検出器(19)と、
前記真の到達時間差検出器で検出された真の到達時間差から全放射雑音計測時間にわたって航走体の位置を求め航跡を標定する航走体の航跡標定器(20)とを具備し、
航走体が水中又は水上を航走した場合に、3台以上の受波器で受信した受波信号から、航走体放射雑音の各受波器までの到達時間差を検出し、航走体の位置を標定することを特徴とする航走体放射雑音からの航跡標定装置。

【請求項4】
請求項3記載の航走体放射雑音からの航跡標定装置において、前記ドップラー補正された受波信号の相互相関処理を行う相互相関による仮定到達時間差検出器(17)は、(a)N台の受波器の内、各2台の組み合わせに基づいて、前記航走体固有振動特性に起因する周波数帯域でバンドパスフィルター処理された後ドップラー補正演算器(16)でドップラー補正された全放射雑音計測時間Tの受波信号X(t)とX(t)のFFT処理信号を読み込んで、該信号を周波数分析間隔dt毎にn回(T=n×dt)逆FFT処理して求めたn個のサンプル信号χin(t)とχjn(t)の相互相関係数Cijnを算出し、該相互相関係数の実数部を当該相互相関係数の実数部の最大値で割り相対相互相関係数△dijnで表示した時間-相対相関係数信号を算出する手段と、(b)前記相対相互相関係数△dijn信号を読み込んで、放射雑音計測開始時間tでの受波器SとSの航走体放射雑音到達時間差を0とし、サンプル信号χin(t)とχjn(t)について1番目の相対相互相関係数△dij1と2番目の相対相関係数△dij2の相関を計算し、そのズレ幅△wij1を求め、同様に、2番目の相対相関係数△dij2と3番目の相対相関係数△dij3の相関からズレ幅△wij2、さらに△dij3と△dij4の相関からズレ幅△wj3、これを順次、△dijiと△diji+1のズレ幅△wijiまで算出して、仮定到達時間差曲線τij’=wij(t)を求める手段とを具備し、
前記航走体位置変動量と未知バイアス変動量演算器(18)は、前記3台以上の受波器により計測された各受波信号X(t)のn個のサンプル信号χ(t),χ(t),χ(t),…,χ(t)の内の初期のi個について求めた仮定到達時間差τiji’と航走体が微小時間(t-1)から(t+1)間は直線上を進行するとした航走体位置P(k)にラプラシアンフィルターによる非線形最小二乗法を適用し航走体の位置変動量と未知バイアス変動量を求める手段を具備し、
前記真の到達時間差検出器(19)は、求められた該航走体位置変動量と未知バイアス変動量を基に、航走体の任意設定初期位置Pについて順次、ラプラシアンフィルター残差が最小になる航走体の位置P(0)からP(i)を決定し、その値から真の到達時間差を検出する手段を具備し、
前記航走体の航跡標定器(20)は、前記航走体放射雑音の各受波器までの真の到達時間差と各受波器の位置S(x,y,z)及び任意に設定した航走体初期位置P(x,y,z)とから未知バイアス変動量△Bijを0として、目標と受波器の距離であるレンジRijに関する三次元方程式を解くことにより、全放射雑音計測時間Tにわたり航走体の位置P(t)を決定する手段を具備することを特徴とする航走体放射雑音からの航跡標定装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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