TOP > 国内特許検索 > 動的風洞試験装置

動的風洞試験装置

国内特許コード P05A007967
整理番号 1980
掲載日 2005年12月2日
出願番号 特願2001-360075
公開番号 特開2003-161671
登録番号 特許第3472835号
出願日 平成13年11月26日(2001.11.26)
公開日 平成15年6月6日(2003.6.6)
登録日 平成15年9月19日(2003.9.19)
発明者
  • 堀江 和宏
  • 山口 裕美子
  • 後藤 敬太
出願人
  • 防衛装備庁長官
発明の名称 動的風洞試験装置
発明の概要 【課題】 動的風洞試験装置及び方法に関し、風試模型の風洞計測部からの逸脱を防止し試験範囲の制限を緩和し、フリーフライト移行時の過渡現象を小さくする。
【解決手段】 風洞前部70と風洞後部72間の計測部71の空間に支持棒2、下方支持装置4で風試模型50を支持する。模型50にはジンバル機構1が組み込まれ、支持棒2に支持され、ジンバル機構1により風試模型50はロールR、ピッチP、ヨーY方向の回転が可能となり、かつ風試模型50は支持棒2で位置が拘束されるので回転模擬範囲の制限が緩和される。フリーフライトに移行させる場合、下方支持装置4にシリンダを組み込み、初期条件設定後、シリンダの作動により、支持棒2を下げて風試模型50をフリーフライト状態とする。模型50の離陸状態を制御する必要がなく、模型制御成立後の過渡現象を小さくする。
従来技術、競合技術の概要


従来の動的風試模型は、航空機の模型を風洞の計測部内の空間にケーブル等で配置し、風洞から発生する気流により空間に浮かせ、風洞内でフリーフライト状態を作り出し、動的風試模型の6自由度運動を模擬していた。図7は動的風試模型のフリーフライトの状態を示す説明図であり、風試模型50は気流60により風洞内の計測部の空間に浮いており、機体の重心51を中心としてピッチP、ヨーY、ロールR、前後方向F、左右方向L、上下方向Uの6自由度の運動模擬を行い、航空機の動的模擬試験がなされている。
上記の6自由度運動模擬は航空機の機体の各種の空力的性能試験が可能であるが、回転運動に伴う位置変位が大きい場合には、狭い風洞計測部内の空間から模型が逸脱してしまい、回転運動模擬範囲には制限がある。即ち、風洞の計測部の空間は、一例として3.3m×3.3mの空間であり、その中に飛行する模型は長さが1m~1.6m程度、幅も1m程度の大きさ、重さは17kg程度であり、その移動範囲もおのずと制限があり、大きな変位量には対応できず、模型の風洞構造部への接触等により破損が生じてしまう。
上記の6自由度運動模擬は航空機の機体の各種の空力的性能試験が可能であるが、模型制御初期条件(風速、推力等)設定までの間の模型の挙動を何らかの方法で制御する必要があり、模型にケーブル、ひも等を取付けて模型挙動を拘束する場合には、フリーフライト移行時には、ケーブル、ひも等をゆるめる必要があり、この場合には大きな外乱が入る可能性が高い。また、積極的に飛行を制御する場合には、別途離陸専用の複雑な制御システムを検討しなければならず、簡略な方法では不可能である。
また、航空機の模型の動的風洞試験においては、風洞内に模型を配置し、気流を流して各種、空力試験を実施している。図5は米国で行われている動的風洞試験設備の斜視図であり、風洞前部520と風洞後部521との間の計測部には気流60により揚力を受けて航空機の風試模型522が自由飛行している。模型522には制御用の電線やセンサからの信号線を伝送するケーブル523の一端が接続され、ケーブル523の他端はコンピュータ525へ接続されている。また、模型522には安全ケーブル524が接続され、万一、模型522の挙動が不安定となっても、風洞外へ飛び出さないようにしている。
上記の風洞試験においては、試験時には、安全ケーブルのオペレータ530、風洞オペレータ531、ピッチ操作オペレータ532、推力操作オペレータ533、ロール操作オペレータ534等の多くのオペレータが試験を実施している。
図6は従来の動的風洞試験設備の斜視図であり、主に国内で実施している例である。図において、風洞540内には航空機の風試模型541がケーブルで空間部に保持され、気流60を受けるようになっている。模型541は前方ケーブル542の途中により前部が取付けられ、前方ケーブル542は一端が風洞内の固定部544に固定され、他端はプーリ543を介して基礎へ固定されている。また、模型541の後部には後方ケーブル545の一端が取付けられ、後方ケーブル545の他端はプーリ546を介して基礎に弾性力を付与して固定されている。模型541の風洞側面には2台のTVカメラ548a,548bが装備され、カメラからの信号は電線549で位置計測装置550へ接続されている。模型541には、模型の姿勢制御用の電線やセンサへ接続される電線からなるケーブル547の一端が接続され、ケーブル547の他端は制御用の計算機551へ接続されている。この例では模型541をケーブル542,545で支持して試験を行っているが、模型541を上下位置保持装置で支持し、ピッチ姿勢の変化を可能とした試験も行われている。
上記に説明した従来の動的風洞試験においては、図5の例では試験人員が多数必要であり、操縦に熟練が必要となる。また、人の反応速度は遅く、模型、風洞が大規模になり、試験の再現性や試験効率も悪い。また、図6の例では、ケーブルで模型を支持しているので、前後、左右の移動に対応できず、高い迎角の試験も難しくなる等の問題がある。

産業上の利用分野


本発明は、動的風洞試験装置に関し、回転運動に伴う位置変位量が大きい場合においても風試模型が風洞計測部から逸脱することがなく風試模型の大規模運動模擬を可能とし、高精度な位置の保持を可能として試験人員も少なくすることができるものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
風洞の計測部空間に配置した風試模型の重心に取付けられ直交する3軸を中心として回転可能なジンバル機構と、前記計測部空間の下方基礎部から立設し前記ジンバル機構を支持する支持棒と、該支持棒に設けられ当該支持棒に加わる上下、前後及び左右方向の力を計測する力計測センサとを備えてなることを特徴とする動的風洞試験装置。

【請求項2】
風洞の計測部空間に配置した風試模型の重心に取付けられ直交する3軸を中心として回転可能なジンバル機構と、前記計測部空間の上方固定部から懸吊し前記ジンバル機構を支持する支持棒と、該支持棒に設けられ当該支持棒に加わる上下、前後及び左右方向の力を計測する力計測センサとを備えてなることを特徴とする動的風洞試験装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

11960_01SUM.gif
出願権利状態 登録
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close