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クラッタ抑圧装置

国内特許コード P05A008040
整理番号 1849
掲載日 2005年12月2日
出願番号 特願平09-033926
公開番号 特開平10-227851
登録番号 特許第3145943号
出願日 平成9年2月18日(1997.2.18)
公開日 平成10年8月25日(1998.8.25)
登録日 平成13年1月5日(2001.1.5)
発明者
  • 溝上 収
  • 仲 功
  • 高橋 和之
  • 水谷 明義
出願人
  • 防衛装備庁長官
発明の名称 クラッタ抑圧装置
発明の概要 【課題】 ドップラ周波数がゼロでないクラッタでもその影響を抑圧し、また、目標のドップラ周波数がクラッタのドップラ中心周波数に近い場合でも、クラッタ成分のみを抑圧することを目的とする。
【解決手段】 レーダ送信周波数よりクラッタ中心周波数を推定するクラッタ中心周波数算出手段と、この推定されたクラッタ中心周波数と、予め設定したクラッタレベルとクラッタ帯域幅に対応したノッチフィルタ係数とからフィルタの係数を算出するノッチフィルタ係数発生手段とを備え、受信した入力信号に上記フィルタ係数を用いたノッチ・フィルタ処理によりクラッタを除去するようにした。
従来技術、競合技術の概要


レーダにおいて地面等からの不要反射信号であるクラッタは、目標の検出に対し大きな障害となる。クラッタの抑圧に対しては、クラッタが静止物からの反射であり、クラッタのドップラ周波数がゼロであることが多いことから、反射信号のドップラ周波数で航空機等の移動目標と弁別、抑圧する処理が一般的である。図8は、例えばレーダ技術(吉田考監修、社団法人電子通信学会編)に記載の単一消去器を用いた従来技術のクラッタ抑圧装置を用いた移動目標指示装置(Moving Target Indicator;以下MTIという)の機能系統図である。図において、1は位相検波された入力信号である位相検波ビデオ信号、2は1サンプル毎に位相検波ビデオ信号1を遅延させる遅延回路(通常、遅延時間はレーダのパルス繰り返し周期に等しい)、3は現在の入力信号と1サンプル前の位相検波ビデオ信号1との差をとる減算回路、4は位相検波ビデオ信号1からクラッタを除去した出力信号である。
従来の上記のように構成されたクラッタ抑圧装置の動作を説明する。位相検波ビデオ信号1は、減算回路3において、1サンプル前の位相検波ビデオ信号1が減算される。電波が移動目標から反射してくるとき、その反射波の周波数fはドップラ効果によって、次式(1)だけ偏移する。
【数1】
ここにcは光速度、vは目標の電波進行方向の分速度、fc は送信周波数を表す。一方、固定目標からの反射波(クラッタ)は、周波数偏移を受けない。従ってドップラ効果による周波数偏移、あるいはこれに対応する位相偏移を検出すれば、移動目標だけを検出することができる。パルスレーダにおいては、反射波を位相検波し、1周期だけの遅延を与え、次の周期の検波出力と逆極性にして加え合わせると固定目標からのクラッタは抑圧されることになる。簡単のため、入力の位相検波ビデオ信号1を、ドップラ各周波数をωd =2πfd として
1 =Asinωd t (2)
と表すと、1周期前の遅延回路2の出力は、遅延時間をTとして
2 =Asinωd (t-T) (3)
となる。これをベクトル表示にすれば次式(4)となる。従って、減算回路2の出力信号4は式(5)となる。
【数2】
これは遅延系をexp(-jωd t)なる伝送特性を持つ素子と考えることができる。いま、Zを式(6)とすると、遅延回路2と減算回路3で構成される消去器の伝送特性は式(7)となり、その速度レスポンスは式(8)で表され、この単一消去MTIの特性を図9に示す。
【数3】

産業上の利用分野


この発明は、短波帯のレーダの信号処理におけるシークラッタのクラッタ抑圧処理に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
レーダ送信周波数から求まるドップラ周波数を中心に所定のドップラ範囲を設定し、このドップラ範囲内において電力スペクトルが最大値の周波数をクラッタピーク周波数とし、該クラッタピーク周波数を中所定のモーメント処理ゲートを設定し、このモーメント処理ゲート内でモーメント法を適用してクラッタ中心周波数を算出するクラッタ中心周波数算出部と、上記クラッタ中心周波数算出部で算出されたクラッタ中心周波数と、上記入力信号の電力スペクトルとによりクラッタのレベルを推定するクラッタレベル推定部と、予め記憶された複数の減衰量と、上記クラッタレベル推定部で推定されたクラッタレベルとを比較し、上記推定されたクラッタレベルに相当する減衰量に対応したフィルタ係数を選択するノッチフィルタ係数選択部と、上記ノッチフィルタ係数選択部で選択されたフィルタ係数により、ノッチフィルタのノッチが上記クラッタ中心周波数となるノッチフィルタ係数を発生するノッチフィルタ係数発生部と、上記ノッチフィルタ係数発生部で得られたノッチフィルタ係数を持つノッチフィルタにより、上記入力信号からクラッタを除去するフィルタ処理部と、を備えたことを特徴とするクラッタ抑圧装置。

【請求項2】
レーダ送信周波数から求まるドップラ周波数を中心に所定のドップラ範囲を設定し、このドップラ範囲内において電力スペクトルが最大値の周波数をクラッタピーク周波数とし、該クラッタピーク周波数を中所定のモーメント処理ゲートを設定し、このモーメント処理ゲート内でモーメント法を適用してクラッタ中心周波数を算出するクラッタ中心周波数算出部と、上記クラッタ中心周波数算出部で算出されたクラッタ中心周波数と、上記入力信号の電力スペクトルとによりモーメント法を適用してクラッタの帯域幅を推定するクラッタ帯域幅推定部と、予め記憶された複数の阻止帯域幅と、上記クラッタ帯域幅推定部で推定されたクラッタの帯域幅とを比較して、上記推定されたクラッタの帯域幅に相当する阻止帯域幅を選択し、該選択に対応したフィルタ係数を出力するノッチフィルタ係数選択部と、上記ノッチフィルタ係数選択部で選択されたフィルタ係数により、ノッチフィルタのノッチが上記クラッタ中心周波数となるノッチフィルタ係数を発生するノッチフィルタ係数発生部と、上記ノッチフィルタ係数発生部で得られたノッチフィルタ係数を持つノッチフィルタにより、上記入力信号からクラッタを除去するフィルタ処理部と、を備えたことを特徴とするクラッタ抑圧装置。

【請求項3】
入力信号の電力スペクトルより雑音レベルを算出する雑音レベル推定部と、別途算出されたクラッタレベルと、上記雑音レベル推定部で推定された雑音レベルとを比較するC/N比算出部と、上記算出されたC/N比算出部出力を所定のしきいと比較し、設定値より低い場合はクラッタ抑圧切、設定値より高い場合はクラッタ入の判定を行う抑圧処理判定部と、上記抑圧処理判定部が判定した上記クラッタ抑圧の入、切、の指示によりフィルタ処理後にクラッタの除去の入り切りを行うスイッチと、を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のクラッタ抑圧装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP1997033926thum.jpg
出願権利状態 登録
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