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プロペラ

国内特許コード P05A008071
整理番号 1859
掲載日 2005年12月2日
出願番号 特願平10-265758
公開番号 特開2000-079897
登録番号 特許第3151484号
出願日 平成10年9月4日(1998.9.4)
公開日 平成12年3月21日(2000.3.21)
登録日 平成13年1月26日(2001.1.26)
発明者
  • 佐藤 隆一
  • 佐々木 紀幸
出願人
  • 防衛装備庁長官
発明の名称 プロペラ
発明の概要 【課題】 回転にともなって発生するキャビテーションを抑制し、船体の振動および騒音を低減し、低回転としても、プロペラ本体11の直径を大きくする必要がなくプロペラ効率を低下させることがないプロペラを提供すること。
【解決手段】 プロペラ本体11の翼型を工夫しプロペラの直径を従来と同等に維持したまま低回転化すること、プロペラ本体11の第1の領域11Aにおいて前縁部11Bの半径rを従来より小さくすること、および第2の領域11Cにおいて後縁部11Dの厚さtを従来より厚くすること(後縁部11Dを短く切除すること)に着目したもので、半径Rおよび最大厚さTを有するプロペラ本体11について、0.7R~0.9Rの第1の領域11Aにおいて、0.01≦r/T≦0.02とし、回転軸3の中心から所定範囲の第2の領域11Cにおいて、0.05≦t/T≦0.10としたことを特徴とする。
従来技術、競合技術の概要


図7は、従来からの船体1の側面図、図8は、同、船体1の進行方向後ろ側から見た説明図で、船体1の振動や騒音は、とくにプロペラ2によって起こされるが、これらを低減させるためには、プロペラ2の回転数の低減を図ること、およびプロペラ2と船体1との間のクリアランス、すなわち船体進行方向におけるクリアランスおよびプロペラ2の回転面内におけるプロペラ直上部船体1Aとの間のクリアランスの増加を図ること、などが有効である。なおプロペラ2は、その回転軸3(ボス)、および回転軸3に固定した複数本のプロペラ本体4を有する。しかしながら、プロペラ2の回転数を低減させると、その回転軸3の中心からの最適なプロペラ2の直径が大きくなり、船体1との間のクリアランスが減少し、水圧その他の変動を受けやすくなってしまうという問題がある。
図9は、馬力係数Bpおよび直径係数δにより整理された最適設計チャート図(Bp-δチャート図)であって、このチャート図から、キャビテーションが発生しないプロペラ2の最適な直径Dを求めることができる。プロペラ2の一回転で前進するらせん距離をH、回転軸3の中心からのプロペラ2の直径をD、プロペラ2の回転数をN、伝達馬力をP、プロペラ2の前進速度をVとし、直径係数δ=N・D/V、ピッチ比をH/D、馬力係数Bp=N・P0.5/V2.5、プロペラ効率をηとすると、図示のように、プロペラ効率ηおよび直径係数δが一定の条件において、プロペラ本体4の前進面4FCにキャビテーションが発生する範囲Iおよび後進面4BKにキャビテーションが発生する範囲IIは、最適値範囲IIIのグラフ下部および上部にそれぞれ位置する。なお図7に示すように、プロペラ本体4の前進面4FCとは、船体1の進行方向後ろ側の面であり、後進面4BKとは、船体1の進行方向前側の面である。
しかしながら、プロペラ2を設計するにあたって、船体1のエンジンの馬力(上記伝達馬力Pに相当)あるいは船速(上記前進速度Vに相当)は初期条件として与えられるもので、これらの初期条件の制約の上で、さらに直径係数δおよびプロペラ効率ηを考慮して、プロペラ2の回転数Nや直径Dを選択してゆくが、その選択によりこの最適値範囲IIIを逸脱すると、プロペラ2のプロペラ効率ηやキャビテーション性能ないし振動特性あるいは騒音特性が悪化するという問題がある。
たとえば図9中、点Q1は、最適値範囲III内における、より高回転のプロペラであり、点Q2は、最適値範囲III内における、より低回転かつ大直径のプロペラで、点Q3は、後進面4BKにキャビテーションが発生する範囲IIにおける、より低回転であって点Q1と同直径のプロペラをそれぞれ示す。既述のように、キャビテーションを抑制するために、プロペラ2の直径Dを維持したままで低回転化すると、プロペラ2の特性としてはグラフ中の点Q2から点Q3となって、高ピッチの(すなわち、プロペラ2の一回転で前進するらせん距離が大きな)プロペラ2にせざるを得なくなり、この場合プロペラ2に衝突する流体に対するプロペラ本体4の迎え角が過大となり、プロペラ効率ηの低下、かつキャビテーションが発生してしまうという問題がある。
図10は、回転軸3を中心とした回転方向の断面におけるプロペラ本体4の断面長さに対する後進面4BKの圧力係数Cpの関係を示すグラフであり、上述のように迎え角が大きくなると、圧力係数Cpが過大となる部分が後進面4BKに発生し、圧力係数Cpがキャビテーション指数σをこえたプロペラ本体4の部分、たとえばその前縁部4Aのとくに後進面4BK側において、キャビテーションが発生し、振動および騒音の問題を生ずることになる。すなわち、プロペラ2としてのピッチが大きくなると迎え角が大きくなり、直径Dが同じであっても、キャビテーションが発生しやすくなってしまうという問題がある。

産業上の利用分野


本発明はプロペラにかかるもので、とくに回転によるキャビテーションの発生に起因する船体の振動や騒音を低減可能なプロペラに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
回転軸と、
この回転軸の中心からの半径R、およびこの回転軸を中心とした回転方向の断面における最大厚さTを有するプロペラ本体をこの回転軸のまわりに複数本備えたプロペラであって、
前記プロペラ本体について、
前記回転軸の中心から0.7R~0.9Rの間隔範囲にある第1の領域において、前記回転軸を中心とした回転方向の断面における前記プロペラ本体の前縁部の半径をrとしたときに、
0.01≦r/T≦0.02
とし、
前記回転軸の中心から所定の間隔範囲にある第2の領域において、前記回転軸を中心とした回転方向の断面における前記プロペラ本体の後縁部の厚さをtとしたときに、
0.05≦t/T≦0.10
としたことを特徴とするプロペラ。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP1998265758thum.jpg
出願権利状態 登録
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