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機械的性質と塑性加工性に優れたNi基金属ガラス合金 コモンズ

国内特許コード P05P002620
整理番号 B37P06
掲載日 2005年12月19日
出願番号 特願2004-113630
公開番号 特開2005-298858
登録番号 特許第4086195号
出願日 平成16年4月7日(2004.4.7)
公開日 平成17年10月27日(2005.10.27)
登録日 平成20年2月29日(2008.2.29)
発明者
  • 井上 明久
  • 張 偉
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 機械的性質と塑性加工性に優れたNi基金属ガラス合金 コモンズ
発明の概要
【課題】従来のNi基金属ガラス合金は高い熱的安定性、大きなガラス形成能、優れた加工性、優れた機械的性質を兼ね備えていなかった。
【解決手段】 式 : Ni100-a-b-cTaTi(Zr,Hf)[式中、a,b,cは原子%で、5原子%≦a≦35原子%、5原子%≦b<35原子%、かつ15原子%≦a+b<40原子%、0原子%<c≦20原子%であり、かつ30原子%≦a+b+c≦55原子%、を満足する。]で示される組成を有する、非晶質相を体積百分率で80%以上含む、圧縮強度が2800MPa以上の高強度のNi基金属ガラス合金。0.2mm2以上の断面積の線状金属ガラス合金塊又は0.1mm以上の厚さの板状金属ガラス合金が容易に得られる。
【選択図】 図3
従来技術、競合技術の概要


溶融状態の合金を急冷することにより、薄帯状、フィラメント状、粉粒体状など、種々の
形状を有する非晶質(アモルファス)合金が得られることがよく知られている。非晶質合
金薄帯は、大きな急冷速度の得られる単ロール法、双ロール法、回転液中紡糸法、アトマ
イズ法などの種々の方法で作製できるので、これまでにもFe系、Ti系、Co系、Zr
系、Cu系、Pd系又はNi系について多くの非晶質合金が得られており、優れた機械的
性質、高い耐腐食性等の非晶質合金特有の性質が明らかにされた。



例えば、Ni基非晶質合金では、Ni-Pd-Si-B-Al合金(特許文献1)、Ni-P-B
合金( 特許文献2)、RNi系高硬度合金(Rは、Ta、Nb、又はWの1種
以上、Tは、Ti又はZrの1種以上、rは、35~65原子%、sは、25~65原子
%、tは、15原子%以下、r、s、tの合計は100)(特許文献3)、Ta-Ni,T
a-(Ti,Nb,W)-Ni系高耐食性合金(特許文献4)などが知られている。



しかし、これらのNi基非晶質合金は液体急冷法により薄帯状、粉末状、細線状などのも
のしか得られていない。そして、高い熱的安定性を示しておらず、最終製品形状へ加工す
ることも困難なことから、工業的に見て、その用途がかなり限定されていた。



アモルファス合金をバルク状で作るという夢を実現したのが「金属ガラス」である。すな
わち、ガラス形成能が非常に高い合金が1980年代にPd-Si-Cu合金で見出だされ
た。さらに、1990年になってから、実用的な合金組成でガラス形成能が非常に高い合
金が見出された。一般に、「アモルファス合金」では加熱によりガラス転移点に到達する
前に結晶化が進行してしまい、ガラス転移は実験的には観察できない。これに対して、「
金属ガラス」は加熱によって明瞭なガラス転移が観察され、結晶化温度までの過冷却液体
領域の温度範囲が数十Kにも達する。



この物性を備えることにより初めて、冷却速度の遅い銅金型に鋳込む方法によってバルク
状のアモルファス合金を作ることができるようになった。このようなアモルファス合金が
、特に、「金属ガラス」と呼ばれているのは、金属でありながら、酸化物ガラスのように
安定な非晶質で、高温で容易に塑性変形(粘性流動)できるためである。



「金属ガラス」は、非晶質形成能が高い、すなわち、ガラス相からなる、より寸法の大き
な、いわゆるバルクの金属鋳造体を銅金型鋳造等により溶湯から過冷却液体状態において
冷却凝固して製造できる特性を有するものであり、また、過冷却液体状態に加熱すると合
金の粘性が低下するために閉塞鍛造などの方法により任意形状に塑性加工できる特性を有
するものであり、これらの特性を有しない、従来のアモルファス合金薄帯やファイバーな
どの「アモルファス合金」とは本質的に異なる材料であり、各種工業製品の材料としての
有用性は非常に大きい。



本発明者らは、先に、非晶質形成能、加工性、機械的強度に優れたNi-P-M(Mは、T
i,Zr,Hf,Nb,又はTaの1種以上)系Ni基金属ガラス合金を開発した(特許文献
5)。また、2003年に高いガラス安定性及び非晶質形成能に優れたNi-Nb-Sn基
金属ガラス合金が開発された(非特許文献1)が、このNi基金属ガラス合金は非常に脆
くて、優れた機械的性質と高いガラス安定性を備えていると言えない。



【特許文献1】
特開平6-25807号公報
【特許文献2】
特開平9-143642号公報
【特許文献3】
特公昭60-28899号公報
【特許文献4】
特公平6-15706号公報
【特許文献5】
特開2000-87197号公報
【非特許文献1】
APPL. PHYS. LETT. 82 (7): 1030-1032,FEB. 17(2003)

産業上の利用分野


本発明は、大きな非晶質形成能を有し、機械的性質と塑性加工性に優れたNi基金属ガラ
ス合金に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
金型鋳造法により作製された合金であって、
式 : Ni100-a-b-cTaTi(Zr,Hf)[式中、a,b,cは原子%で

5原子%≦a≦35原子%、
5原子%≦b<35原子%、かつ
15原子%≦a+b<40原子%、
0原子%<c≦20原子%であり、かつ
30原子%≦a+b+c≦55原子%、
を満足する。]で示される組成を有し、
△Tx=Tx-Tg(ただし、Txは、結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表
わされる過冷却液体領域△Txが40K以上、Tg/Tl(ただし、Tlは、合金の液相線温度を
示す。)の式で表わされる換算ガラス化温度が0.56以上であり、非晶質相を体積百分
率で80%以上含む、圧縮強度が2800MPa以上の高強度と塑性加工性を有することを
特徴とするNi基金属ガラス合金。

【請求項2】
金型鋳造法により作製された合金であって、
式 :Ni100-a-b-dTaTiNb[式中、a,b,は原子%で、
5原子%≦a≦35原子%、
5原子%≦b<35原子%、かつ
15原子%≦a+b<40原子%、
0原子%<d<35原子%であり、かつ
30原子%≦a+b+d≦55原子%、
を満足する。]で示される組成を有し、
△Tx=Tx-Tg(ただし、Txは、結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表
わされる過冷却液体領域△Txが40K以上、Tg/Tl(ただし、Tlは、合金の液相線温度を
示す。)の式で表わされる換算ガラス化温度が0.56以上であり、非晶質相を体積百分
率で80%以上含む、圧縮強度が2800MPa以上の高強度と塑性加工性を有することを
特徴とするNi基金属ガラス合金。

【請求項3】
金型鋳造法により作製された合金であって、
式 :Ni100-a-b-c-TaTi (Zr,Hf)Nb[式中、a, b,
c, dは原子%で、
5原子%≦a≦35原子%、
5原子%≦b<35原子%、かつ
15原子%≦a+b<40原子%、
0原子%<c≦20原子%、
0原子%≦d<35原子%であり、か
30原子%≦a+b +c+≦ 55原子%、
を満足する。]で示される組成を有し、
△Tx=Tx-Tg(ただし、Txは、結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表
わされる過冷却液体領域△Txが40K以上、Tg/Tl(ただし、Tlは、合金の液相線温度を
示す。)の式で表わされる換算ガラス化温度が0.56以上であり、非晶質相を体積百分
率で80%以上含む、圧縮強度が2800MPa以上の高強度と塑性加工性を有することを
特徴とするNi基金属ガラス合金。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2004113630thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成14年度採択課題
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