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テラヘルツ電磁波を用いた物性測定装置 コモンズ

国内特許コード P05P002689
整理番号 B38P03
掲載日 2006年1月27日
出願番号 特願2004-133564
公開番号 特開2005-315708
登録番号 特許第4147487号
出願日 平成16年4月28日(2004.4.28)
公開日 平成17年11月10日(2005.11.10)
登録日 平成20年7月4日(2008.7.4)
発明者
  • 島野 亮
  • 五神 真
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 テラヘルツ電磁波を用いた物性測定装置 コモンズ
発明の概要 【課題】 テラヘルツ電磁波が照射される被測定材料からの反射波の偏光変化によるホール係数などを、非接触、高感度、かつ、高精度で測定できる、テラヘルツ電磁波を用いた物性測定装置を提供する。
【解決手段】 テラヘルツ電磁波を発生させる入射光学系10と、入射光学系10から被測定材料2へ入射されるテラヘルツ電磁波の偏光を制御し、かつ、被測定材料2から反射されるテラヘルツ電磁波の偏光を制御する偏光子25と、被測定材料2からの反射テラヘルツ電磁波の偏光を検出する検出光学系30と、を含み、テラヘルツ電磁波の被測定材料2による反射波の偏光状態の変化を電場の直接測定によって検出し、被測定材料2の物性定数である複素屈折率又は複素伝導度をテラヘルツ電磁波の関数として測定する。また、被観察物2に磁場28を印加すれば、非接触で、高感度、かつ、高精度でホール係数の測定ができる。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


近時、次世代のエレクトロニクスを開拓するために新しい機能性材料の開発が進められている。新規材料の伝導特性を広い周波数領域で決定することは、当該材料の潜在的な能力を評価する上で必須である。この新規機能とは、電場によって伝導特性、磁性、光学的性質を制御することである。このような新規材料として、各種のナノ構造材料、遷移金属酸化物に代表される強相関電子材料、半導体量子構造、機能性ガラスなどが注目されている。
これらの材料の電場に対する応答特性を通常の伝導測定で、直流からピコ秒の領域で調べることは、測定器の帯域、測定のための端子電極の設置など困難な問題があり、汎用性の高い簡便な方法は存在しない。これを解決する方法として、フーリエ変換分光法を応用した測定法の利用が知られている。



さらに、光源として、極超短パルス光によって発生した遠赤外パルス電磁波(以下、テラヘルツ電磁波と呼ぶ)を用いた測定装置が数例報告されている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。非特許文献1には、テラヘルツ電磁波を被測定材料に透過させる配置による測定方法が報告されている。
しかしながら、透過法では、テラヘルツ電磁波を透過しない磁性体や金属などの不透明な被測定材料の測定を行うことができない。



そこで、本発明者らにより、反射光のカー効果による偏光面の回転、所謂カー回転角を検出する分光法が提案され、透過法では測定できない磁性体や金属などの不透明な被測定材料の複素誘電率やホール(Hall)係数などを測定できることが報告されている(非特許文献2参照)。



図9は、非特許文献2で報告されたテラヘルツ電磁波を用いた反射法によるホール係数測定装置を模式的に示す図である。図9において、テラヘルツ電磁波を用いた反射法によるホール係数測定装置100は、入射光学系110と、被測定材料102に磁場を印加する磁石105と、検出光学系120と、から構成されている。
入射光学系110は、極短光パルスレーザ111を光源として、電気光学結晶(ZnTe)112の光整流効果によりテラヘルツ電磁波パルスを発生する。このテラヘルツ電磁波パルスはレンズ112,113により集光され、入力側偏光子114を介して被測定材料102に照射される。
また、被測定材料102の表面で反射したテラヘルツ電磁波パルスは、出射側偏光子121を介して、検出光学系120へ出射する。この出射側検光子121においては、偏光が45°,-45°に切り替え可能となっている。出射側検光子121を通過した反射テラヘルツ電磁波パルス122は、レンズ123,124により集光され、電気光学結晶(ZnTe)125に入射し、反射テラヘルツ電磁波パルス122の偏光が検出される。
この際、電気光学結晶(ZnTe)125には、極短光パルスレーザ111からの参照光126が印加され、所謂電気光学サンプリング(EOサンプリング)により、反射テラヘルツ電磁波122 の電場に関する時系列信号が得られる。この信号をフーリエ変換して、被測定材料102のテラヘルツ電磁波領域のホール係数を測定している。



【特許文献1】
特開2001-21503号公報
【非特許文献1】
S. Spielman 他7名, "Observation of the Quasiparticle Hall Effect in Superconducting YBa2Cu3O7- δ" 1994, Physical Review Letters, vo1.73, pp.1537-1540
【非特許文献2】
R. Shimano, Y. P. Svirko, M. Kuwata-Gonokami, "Teraherz frequency Hall measurement by magneto-optical Kerr spectroscopy in InAs", 2002, Applied Physics Letters, vol.81, No.2, pp.199-201

産業上の利用分野


本発明は、テラヘルツ時間領域分光法を用いて半導体、金属、磁性体などの多様な物質に対して、電気伝導特性及び磁気特性とそれらの応答性能を非接触で精度よく測定できるテラヘルツ電磁波を用いた物性測定装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
テラヘルツ電磁波を発生させる入射光学系と、
上記入射光学系から被測定材料へ入射されるテラヘルツ電磁波の偏光を制御する偏光子と、
上記該被測定材料から反射されるテラヘルツ電磁波の偏光を検知する検光子と、
上記被測定材料からの反射テラヘルツ電磁波の偏光を検出する検出光学系と、を含み構成され、
上記偏光子が上記検光子を兼ねていて、上記入射光学系と上記被測定材料との間に配置されており、
上記テラヘルツ電磁波が上記被測定材料へ垂直入射され、該被測定材料から反射されるテラヘルツ電磁波が上記偏光子により上記検出光学系へ出射される光学配置とされ、
上記テラヘルツ電磁波の上記被測定材料による反射波の偏光状態の変化を電場の直接測定によって検出し、上記被測定材料の物性定数である複素屈折率又は複素伝導度を上記テラヘルツ電磁波の関数として測定することを特徴とする、テラヘルツ電磁波を用いた物性測定装置。

【請求項2】
パルスレーザと、該パルスレーザから発生するパルスレーザ光を分割し光時間遅延回路への入射光と参照光とするビームスプリッターと、上記光時間遅延回路を通過したパルスレーザ光を変調する光強度変調器と、光強度変調されたパルスレーザ光からテラヘルツ電磁波を発生させる素子と、からなる入射光学系と、
上記入射光学系から被測定材料へ入射されるテラヘルツ電磁波の偏光を制御する偏光子と、
上記被測定材料から反射されるテラヘルツ電磁波の偏光を検知する検光子と、
上記検光子から反射されるテラヘルツ電磁波及び上記参照光が入射されるテラヘルツ電磁波検知器を備えていて上記被測定材料からの反射テラヘルツ電磁波の偏光を検出する検出光学系と、を含み構成され、
上記偏光子が上記検光子を兼ねていて、上記入射光学系と上記被測定材料との間に配置されており、
上記テラヘルツ電磁波が上記被測定材料へ垂直入射され、該被測定材料から反射されるテラヘルツ電磁波が上記偏光子により上記検出光学系へ出射される光学配置とされ、
上記テラヘルツ電磁波の上記被測定材料による反射波の偏光状態の変化を電場の直接測定によって検出し、上記被測定材料の物性定数である複素屈折率又は複素伝導度を上記テラヘルツ電磁波の関数として測定することを特徴とする、テラヘルツ電磁波を用いた物性測定装置。

【請求項3】
前記テラヘルツ電磁波が、非線形光学結晶による光整流法を用いて発生されるテラヘルツ電磁波パルスであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のテラヘルツ電磁波を用いた物性測定装置。

【請求項4】
前記テラヘルツ電磁波が、光伝導素子による光整流法を用いて発生されるテラヘルツ電磁波パルスであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のテラヘルツ電磁波を用いた物性測定装置。

【請求項5】
前記テラヘルツ電磁波の検出光学系が、非線形光学結晶による電気光学効果を用いた検知器と、該検知器からの偏光成分が入射され該偏光成分を互いに直交する偏光成分に分解する位相板及び検光子と、該検光子から互いに直交した偏光成分が入射され該偏光成分の差分を検出する光検知器と、を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載のテラヘルツ電磁波を用いた物性測定装置。

【請求項6】
前記テラヘルツ電磁波の検出光学系が、光伝導素子を用いた検知器を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載のテラヘルツ電磁波を用いた物性測定装置。

【請求項7】
前記テラヘルツ電磁波を用いた物性測定装置が、さらに、ホール伝導度を測定するため
に、前記被測定材料に磁場を印加する磁場系を備えることを特徴とする、請求項1~6に記載のテラヘルツ電磁波を用いた物性測定装置。

【請求項8】
前記磁場系が、磁場の向きを反転させる手段を備えることを特徴とする、請求項7に記載のテラヘルツ電磁波を用いた物性測定装置。

【請求項9】
前記磁場の向きが反転及び非反転のときの前記反射テラヘルツ電磁波の電場の差分によ
って、前記被測定材料のホール効果による偏光成分だけを測定することを特徴とする、請
求項7又は8に記載のテラヘルツ電磁波を用いた物性測定装置。

【請求項10】
前記テラヘルツ電磁波を用いた物性測定装置が、さらに、コンピュータ系を備えること
を特徴とする、請求項1~9に記載のテラヘルツ電磁波を用いた物性測定装置。

【請求項11】
前記検出光学系は、さらに前記テラヘルツ電磁波検知器に接続される増幅器を備え、該増幅器へ前記光強度変調器からの参照信号が入力され、該増幅器が、該参照光の位相に基づく信号を検出することを特徴とする、請求項2に記載のテラヘルツ電磁波を用いた物性測定装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004133564thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成14年度採択課題
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