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消波方法及び水質浄化方法並びにそれを用いた浅海域の環境創造支援方法

国内特許コード P05A008193
整理番号 TDU-063
掲載日 2006年1月27日
出願番号 特願2004-126820
公開番号 特開2005-307591
登録番号 特許第4491620号
出願日 平成16年4月22日(2004.4.22)
公開日 平成17年11月4日(2005.11.4)
登録日 平成22年4月16日(2010.4.16)
発明者
  • 中井 正則
  • 前田 陽子
出願人
  • 学校法人東京電機大学
発明の名称 消波方法及び水質浄化方法並びにそれを用いた浅海域の環境創造支援方法
発明の概要

【課題】 従来とは全く異なる原理を用いた消波方法により、簡便かつ効率的に消波することのできる消波方法と消波装置、及び同じ原理による水質浄化方法並びにそれを用いた浅海域の環境創造支援方法を提供する。
【解決手段】 水面13における波かの進行方向と順方向に、水中から水面に対して、水流放出手段11から水流12を斜め上向きに放出させる。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


図16に浅海域の模式図を示すように、浅海域には、干潟101、アマモ類が生育しているアマモ場102、ホンダワラ類が生育しているガラモ場103などの領域がある。このような浅海域は,多様な生態系が形成されている空間であり、なかでもアマモ場102やガラモ場103などの藻場、又は干潟101は、生物の生息場・産卵場であると同時に、水質浄化の役割をも果たす重要な場である。しかしながら、近年、沿岸域における埋め立て、海岸構造物の設置などによって、こうした藻場、干潟が消失し、浅海域の生態系破壊・水質悪化などの問題がさまざまな形で生じている。



このような問題を背景にして、浅海域の環境保全への活動が盛んになっており、最近では保全のみならず、藻場・干潟の再生、更には藻場・干潟の造成という、より積極的な環境創造の試みへと発展している。その代表例として、広島県五日市市の人工干潟や羽田沖の浅場などが挙げられ、その他にも全国スケールで数多くの環境創造が試みられている。



しかし、こういった環境創造を実施する際に波浪がしばしば大きな障害となる。例えば、藻場の再生地や造成地でアマモを育成しようとしても、その領域で波浪が高ければアマモが定着したり、生育したりするのが困難である。



そこで、近年では、波浪対策として離岸堤や潜堤がよく用いられている。例えば図16に示した模式図のように、潜堤104がアマモ場102よりも沖側に設けられることにより、このアマモ場102における波浪の影響を軽減している。しかしながら、離岸堤や潜堤を設けるには費用が嵩むし、また、構造物そのものが大規模化するために環境への影響が大きいことなどの欠点がある。



また、消波システムの一つとして、岩垣らによるエアーカーテンを用いる方法が非特許文献1~6に開示されている。このエアーカーテンを用いる消波方法は、水中から水面に向けて垂直に空気を放出させることを基本構成とする方法である。放出された空気(エアーカーテン)が水面と衝突して、その衝突後の沖側に向かう逆流を形成させることにより、沖側の波高を積極的に増大させる結果として砕波させ、最終的に消波しようとするものである。しかしながら、このエアーカーテンを用いる消波方法によって消波する場合には、砕波を生じさせる程に逆流を形成させる必要があり、この逆流を空気を用いたエアーカーテンで生じさせるには大規模な設備とならざるを得なかった。特に、非特許文献1~6では、主として防災的な側面より離岸堤の代わりとしての消波システムを念頭において研究がなされており、このような防災のための大規模かつ根本的な消波を取り扱った消波システムをエアーカーテンで実現するには、大掛かりな設備となってしまう。

【非特許文献1】岩垣雄一、安井誠人,「空気防波堤に関する研究(第1報)-空気防波堤の基本的性質-」,第22回海岸工学講演会論文集,1975年,p.563-569

【非特許文献2】岩垣雄一、石田啓、本田勉、須藤雄二,「空気防波堤に関する研究(第2報)-潜堤との併用効果-」,第23回海岸工学講演会論文集,1976年,p.158-163

【非特許文献3】岩垣雄一、浅野敏之、間瀬肇,「空気防波堤に関する研究(第3報)-浮防波堤との併用について-」,第24回海岸工学講演会論文集,1977年,p.290-294

【非特許文献4】岩垣雄一、浅野敏之,「空気防波堤に関する研究(第4報)-空気防波堤の消波理論-」,第24回海岸工学講演会論文集,1977年,p.295-299

【非特許文献5】岩垣雄一、浅野敏之、須藤雄二、山中庸彦,「空気防波堤に関する研究(第5報)-空気防波堤の消波護岸への応用-」,第25回海岸工学講演会論文集,1978年,p.412-415

【非特許文献6】岩垣雄一、浅野敏之,「流れが空気防波堤の消波効果に及ぼす影響-空気防波堤に関する研究(第6報)-」,第29回海岸工学講演会論文集,1982年,p.413-417

産業上の利用分野


本発明は、上向き放出噴流を活用した消波方法と装置及び水質浄化方法並びにそれを用いた浅海域の環境創造支援方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
水面における波の進行方向と順方向に、水中から水面に対して、水流を斜め上向きに放出させることを特徴とする消波方法。

【請求項2】
消波しようとする領域を、斜め上向きの水流が水面に到達した位置よりも波の進行方向側に位置させて水流を放出することを特徴とする請求項1記載の消波方法。

【請求項3】
沖から岸に向かって進行する波を、水底に設けた消波装置から水流を放出することにより消波することを特徴とする請求項1又は2記載の消波方法。

【請求項4】
岸から沖に向かって水底が緩斜面になる領域における水面の波を消波することを特徴とする請求項3記載の消波方法。

【請求項5】
水面における波の進行方向と順方向に、水中から水面に対して、水流を斜め上向きに放出させて消波を行うとともに、前記水流より岸側において、前記水流が岸によって循環流を形成し、この循環流によって、水の循環を促進することを特徴とする水質浄化方法。



【請求項6】
岸から沖に向かって水底が緩斜面になる領域における沖側の領域の底層に停滞している貧酸素水塊から取水し、岸側の領域において沖から岸に向かう方向と順方向に、水中から水面に対して、前記取水した水流を斜め上向きに放出することにより、消波を行うとともに、前記貧酸素水塊の溶存酸素を増大することを特徴とする水質浄化方法。

【請求項7】
岸から沖に向かって水底が緩斜面になる領域にて、沖側の底層に停滞する貧酸素水塊からポンプで取水し、沖から岸に向かう方向と順方向に、水中から水面に対して、前記取水した水流を斜め上向きに放出させて消波を行うとともに、前記貧酸素水塊の溶存酸素を増大して水質浄化を行うことを特徴とする浅海域の環境創造支援方法。
産業区分
  • 土工
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2004126820thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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