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電気伝導性複合酸化物結晶化合物及びその製造方法。 実績あり

国内特許コード P05P002650
整理番号 E060P41
掲載日 2006年2月16日
出願番号 特願2004-136942
公開番号 特開2005-314196
登録番号 特許第4111931号
出願日 平成16年4月30日(2004.4.30)
公開日 平成17年11月10日(2005.11.10)
登録日 平成20年4月18日(2008.4.18)
発明者
  • 細野 秀雄
  • 平野 正浩
  • 林 克郎
  • 金 聖雄
出願人
  • 科学技術振興機構
発明の名称 電気伝導性複合酸化物結晶化合物及びその製造方法。 実績あり
発明の概要 【課題】高い電気伝導性を有するC12A7及び同型結晶化合物を高効率で作製すること。
【解決手段】12Ca1-XSrO・7Al(x=0~1)で示される組成を有する化合物又は平均組成が12Ca1-XSrO・7Al(x=0~1)で示される化合物混合体を溶融凝固してなる複合金属酸化物透明ガラスを結晶化させた電気伝導性複合酸化物結晶化合物。原料をカーボン部材から構成される容器中で、1470℃超、1650℃未満の温度に保持して溶融した後、ガラス相状態の形成温度以下まで急冷することによって複合金属酸化物透明ガラスを製造し、次いで結晶化させる。<EMI LX=1100 HE=053 WI=069 ID=000002 LY=1742>
【選択図】 図4
従来技術、競合技術の概要 【背景技術】
1970年にH.B.Bartlらは、アルミナ・カルシヤ化合物である12CaO・7Al(以下、適宜「C12A7」と記す)結晶が2分子を含む単位胞にある66個の酸素のうち2個を、結晶中に存在するケージ内の空間に「フリー酸素」として包接しているという、特異な特徴を持つことを示していた(非特許文献1)。以後、このフリーの酸素が種々の陰イオンに置換できることが明らかにされた。 本発明者らの一人である細野は、CaCOと、Al又はAl(OH)とを原料とし、空気中で1200℃の温度で固相反応によって合成した12CaO・7Al結晶の電子スピン共鳴を測定することによって、該結晶中に1×1019個/cm程度のO-が包接されていることを発見し、フリー酸素の一部がO-の形でケージ内に存在するというモデルを提案した(非特許文献2)。 本発明者らの一人である細野らは、このフリー酸素をO2-、O-、OH-などの各種陰イオンに置換することができることを新たに見出し、その化合物又はその同型化合物自体、その製造法、及び該化合物の用途に関する発明について特許出願した(特許文献1~4)。 さらに、細野らは、マイエナイト型化合物であるC12A7粉末又はその同型化合物にH-を包接させた後、これに紫外光を照射することによって、ケージ中に電子を包接させることによって、該化合物に導電性を付与できることを見出し、その化合物自体、その製造法、及び該化合物の用途に関する発明について特許出願した(特許文献5)。 結晶中にH-を包接させ、紫外線を照射する作製法は、紫外光照射された結晶の部分のみに電子が生成し、該電子がケージに包接され、該電子がケージ中を移動することによって電気伝導が生じる。しかし、紫外線非照射領域である粉末又は結晶内部までは、電子を包接させることができなかった。 また、細野らは、C12A7単結晶の作製法を開発し(特許文献6参照)、該結晶をアルカリ金属蒸気にさらすことで、ケージ中に電子を包接させ、該結晶に導電性を付与できることを見出し、その化合物自体、その製造法、及び該化合物の用途に関する発明について特許出願した(特許文献7)。 この製造方法では固体状態であるC12A7結晶からのフリー酸素の引き抜き反応を利用しており、そのために該反応においては、固体内部での酸素の拡散が律速過程となり、十分な量の電子を包接せしめるために、長時間を要する。 一方、本発明者らは、高温におけるC12A7の融液状態においては、フリー酸素の引き抜き反応における固体内部での酸素の拡散律速過程が存在せず、固体状態と比較して、迅速なフリー酸素引き抜き反応が進行するとの知見を持っていた。 しかしながら、通常、無酸素雰囲気下では、C12A7組成の融液からは分解物である3CaO・Al(以下C3Aと記載する)相とCaO・Al(以下CA相と記載する)が生成し、C12A7結晶は生成しないことが知られていた(非特許文献3)。 これに対し、本発明者の一人である細野らは、粉末と比較して緻密な構造である静水圧プレス体を用いることによって、該開始原料の表面積を減少せしめることによって、表面で起こる反応である昇華過程での酸素引き抜き反応を緩やかにし、分解物の生成を抑制できるとの知見のもと、C12A7粉末の静水圧プレス体を還元雰囲気で溶融し、さらに該雰囲気中で冷却、固化することで、ケージ内の酸素を電子で置換したC12A7化合物の作製法を発明し、特許出願している(特許文献8)。また、本発明者らは、C12A7又はその同型化合物薄膜に、不活性ガスイオンを打ち込み、ノックオン効果によって、フリー酸素を電子で置換できる事を見出し、特許出願している(特許文献8)。 さらに、本発明者らは、導電体C12A7化合物又はその同型化合物を溶融液状態から作製する条件を明確にし、その製法に関して特許出願している(特許文献9)。C12A7及びその同型化合物のケージ中のフリー酸素を全て、電子で置換した化合物は、電子がアニオンの役割を果しており、エレクトライド化合物と呼ばれている。 エレクトライド(Electride)化合物は、J.L.Dyeがはじめて提案した概念で、クラウンエーテルを陽イオンとし、電子を陰イオンとした化合物などではじめて実現した(非特許文献4)。エレクトライドは、陰イオンとして含まれる電子のホッピングによって電気伝導性を示すことが知られている。その後いくつかの有機化合物エレクトライドが見出されたが、これらの化合物は、いずれも、100K程度以下の低温でのみ安定であり、空気や水と反応する不安定な化合物である。C12A7エレクトライドは、室温で安定なはじめてのエレクトライド化合物で、コールド電子エミッタ-、還元剤などとしての応用が可能である事を見出し、これに関する発明について特許出願した(特許文献8)。 また、本発明者らの一人である細野らはCaCOとAl(OH)を原料とし、SiOを添加した原料を、アルミナ坩堝で、1200℃から1450℃の温度で、溶融し、Ca-Al-O系ガラスを作製し、紫外線による感光性がある事を見出した(非特許文献5)。さらに、本発明者らの一人である細野らは、シリコンを含まないCa-Al-Oガラスをカーボン坩堝内に1550℃で4時間保持した後、800℃に急冷し、透明ガラスを作製し、フォトクロミック特性を示す事を見出した(非特許文献6)。また、該ガラスにTb3+を添加し、残光材料として機能することを見出し特許出願している。(特許文献10)
【特許文献1】特開2002-3218号公報
【特許文献2】特開2002-316867号公報
【特許文献3】特開2003-128415号公報
【特許文献4】特開2003-238149号公報
【特許文献5】WO03/089373
【特許文献6】特開2003-40697号公報
【特許文献7】特開2004-26608号公報
【特許文献8】特願2003-183605号(PCT/JP04/001507)
【特許文献9】特願2004-37203号
【特許文献10】特開2000-63245号広報
【非特許文献1】H.B.Bartl and T.Scheller, Neuses Jarhrb. Mineral, Monatsh. 1970, 547
【非特許文献2】H.Hosono and Y.Abe,Inorg.Chem.,26,1193,(1987)
【非特許文献3】P.P.Williams, Acta Crystallogr., Sec. B, 29, 1550 (1973)
【非特許文献4】F.J.Tehan,B.L.Barrett,J.L.Dye,J.Am.Chem.Soc.,96,7203-7208 (1974)
【非特許文献5】H.Hosono,K.Yamazaki,and Y.Abe,J.Am.Ceram.Soc.70,867(1987)
【非特許文献6】H.Hosono,N.Asada,and Y.Abe,J.Appl.Phys.67,2840(1990)
産業上の利用分野 本発明は、式12Ca1-XSrO・7Al(x=0~1)で示される組成物又は該組成物に特定の陽イオン元素を添加した組成を有する透明ガラス(以下、適宜「Ca-Sr-Al-O系透明ガラス」と記す。)を結晶化させた、該ガラスと概略等しい組成を有し、電気伝導性を示す複合酸化物結晶化合物及びその製造方法に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】12Ca1-XSrO・7Al(x=0~1)で示される組成を有する化合物又は12Ca1-XSrO・7Al(x=0~1)で示される化合物に相当する平均組成となるように混合した2種以上の化合物混合体を溶融凝固してなる複合金属酸化物透明ガラスを結晶化させた電気伝導性複合酸化物結晶化合物。
【請求項2】複合金属酸化物透明ガラスが、Mg,Baのうち、少なくとも1種類の元素を含有するものであることを特徴とする請求項1記載の電気伝導性複合酸化物結晶化合物。
【請求項3】複合金属酸化物透明ガラスが、希土類金属元素、遷移金属元素のうち、少なくとも1種類の元素を含有するものであることを特徴とする請求項1記載の電気伝導性複合酸化物結晶化合物。
【請求項4】複合金属酸化物透明ガラスが、Si、Geのうち、少なくとも1種類の元素を含有するものであることを特徴とする請求項1記載の電気伝導性複合酸化物結晶化合物。
【請求項5】12Ca1-XSrO・7Al(x=0~1)で示される組成を有する化合物又は12Ca1-XSrO・7Al(x=0~1)で示される化合物に相当する平均組成となるように混合した2種以上の化合物混合体の微粉末そのまま、該微粉末の静水圧プレス成型体、又は該微粉末の焼結体、のいずれかを原料として、カーボン部材から構成される容器中で、1470℃超、1650℃未満の温度に、保持して溶融した後、冷却してガラス相状態を形成して複合金属酸化物透明ガラスを製造し、該複合金属酸化物透明ガラスを1.5Pa未満の真空度雰囲気中又は、乾燥した不活性ガス雰囲気中で、950℃から1470℃の温度範囲に保持して結晶化させることを特徴とする、電気伝導性複合酸化物結晶化合物の製造方法。
【請求項6】前記原料に、Mg,Ba,希土類金属、遷移金属、Si、又はGeの陽イオン元素のうち、少なくとも1種類の元素を添加することを特徴とする請求項5記載の電気伝導性複合酸化物結晶化合物の製造方法。
産業区分
  • 窯業
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 細野透明電子活性プロジェクト 領域
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