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スクリーニング用溶液の作製方法及び装置 コモンズ

国内特許コード P05A008270
整理番号 259
掲載日 2006年2月24日
出願番号 特願2003-308422
公開番号 特開2005-077255
登録番号 特許第4314364号
出願日 平成15年9月1日(2003.9.1)
公開日 平成17年3月24日(2005.3.24)
登録日 平成21年5月29日(2009.5.29)
発明者
  • 森本 幸生
  • 阿部 真琴
  • 鈴木 雅洋
  • 梅名 泰史
出願人
  • 学校法人京都大学
発明の名称 スクリーニング用溶液の作製方法及び装置 コモンズ
発明の概要

【課題】複数の特性の最適な組み合わせを効率的に選択できる生体高分子結晶化条件などのスクリーニング用溶液の作製方法及び装置を提供する。
【解決手段】少なくとも2種類の特性を有する溶液について各特性の上限及び下限の性質を有する各溶液を各々収容するタンク対群から供給される上限溶液と下限溶液との割合を送液手段により漸次的に変化させつつ混合して各フラクションに分注する機構を備え、送液手段が、第1番目から第n番目までの特性について、低い番数の特性の漸次的変化を繰り返しながら、その都度、より順位の高い番数の特性を漸次的に変化させるように、各特性の上限溶液と下限溶液との供給割合を調節する供給量調節機構を備えている装置。この装置を用いて複数の特性のマトリクス状組み合わせを有するスクリーニング用溶液セットを作製する方法。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


タンパク質の結晶構造解析のためには、X線回折実験に適した良質な結晶が必要である。タンパク質分子の電荷分布、コンフォメーションに影響を及ぼす条件としては、そのタンパク質の濃度、温度、塩の種類及び濃度、沈殿剤の種類及び濃度、pHなどが挙げられる。タンパク質の種類によって結晶化のためのこれらの条件の最適な組み合わせが存在する。



従来は、手作業で大まかな最適条件の組み合わせを見出し、次いでその組み合わせを中心にして各結晶化条件を少しずつ変化させることにより、厳密な結晶化最適条件の組み合わせを見出すいわゆるグリッドスクリーニングを行っている。具体的には、例えば、塩の種類及び濃度、沈殿剤の種類及び濃度、並びに、pHが互いに異なる多数の溶液を用意して、ロボットを用いて各溶液とタンパク質とを混合することにより、微結晶又は針状晶などが形成される条件の溶液を見出す。次いで、その溶液条件を中心として塩濃度を細かく変化させた溶液とタンパク質とを同様にして混合することにより、最も結晶化し易い塩濃度を見出す。さらにその溶液条件を中心として沈殿剤濃度を細かく変化させた溶液とタンパク質とを混合することにより、最も結晶化し易い沈殿剤濃度を見出す。最適pHも同様にして定める。



このように、タンパク質を結晶化させるための条件のスクリーニングには膨大な手間がかかるため、X線結晶解析において結晶成長条件のスクリーニングが最も大きなネックとなっている。近年のタンパク質の網羅的な結晶構造解析に伴い、タンパク質の結晶化最適条件を効率的に見出すことが強く求められている。



このため、例えば特許文献1は、細管内に充填された固体支持体に複数種類のタンパク質沈殿剤を固定したタンパク質結晶化条件スクリーニング用試薬を提案している。この試薬にタンパク質含有試料を接触させることにより、結晶化最適条件を検出できるとしている。しかし、この方法でスクリーニングできるのは1種類の特性の最適値であり、複数の特性について最適条件の組み合わせを簡単に検出できるわけではない。

【特許文献1】特開平9-89898(請求項1~11等)

産業上の利用分野


本発明は、タンパク質のような生体高分子の結晶化条件などのスクリーニングのための溶液の作製方法及び装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
少なくとも2種類の特性を有する溶液について各特性の値を漸次的に変化させマトリクス状に組み合わせた複数のスクリーニング用溶液の作製方法であって、
各種類の特性の上限及び下限の性質を有する上限溶液及び下限溶液を準備し、
前記上限溶液及び下限溶液を各々収容するタンクと、各タンクに接続された導出路と、該導出路の途中に介在する供給量調節機能付きの送液手段と、前記導出路の先端に接続されたミキサーと、該ミキサーから排出される混合溶液を複数の受け部に順次収容するフラクションコレクターとを備えた装置を用い、
上限溶液収容タンクと下限溶液収容タンクとから排出される上限溶液と下限溶液とを前記導出路及び送液手段を用いて供給割合を漸次的に変化させつつ前記ミキサーに供給する操作を、複数種類の特性の各特性値を漸次的に変化させたマトリクス状組み合わせが得られるように、順次行ない、
該供給操作に並行して前記ミキサーから混合溶液を順次排出し、
排出された混合溶液を前記フラクションコレクターの前記複数の受け部に順次収容することを特徴とするスクリーニング用溶液の作製方法。

【請求項2】
前記マトリクス状組み合わせを得る供給操作が、第1番目から第n番目までの特性の溶液について行なわれ、該供給操作は、低い番数の特性の漸次的変化を繰り返しながら、その都度、より順位の高い番数の特性を漸次的に変化させるように行なわれ、該漸次的変化の繰り返しが第n番目まで行われ、且つ、より高い番数の特性が変化する毎に所定番数の特性から漸次的変化が繰り返される請求項1に記載の方法。

【請求項3】
スクリーニング用溶液が生体高分子結晶化最適条件のスクリーニング用溶液である請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
複数種類の特性の各特性値を漸次的に変化させたマトリクス状組み合わせを得るために、上限溶液と下限溶液との供給割合及び前記各受け部に収容される混合溶液量を漸次的に変化させる請求項1、2又は3に記載の方法。

【請求項5】
少なくとも2種類の特性を有する溶液について各特性値を漸次的に変化させマトリクス状に組み合わせた複数の溶液の中から、生体高分子結晶化最適溶液をスクリーニングする方法であって、
各種類の特性の上限及び下限の性質を有する上限溶液及び下限溶液を準備し、
前記上限溶液及び下限溶液を各々収容するタンクと、各タンクに接続された導出路と、該導出路の途中に介在する供給量調節機能付きの送液手段と、前記導出路の先端に接続されたミキサーと、該ミキサーから排出される混合溶液を複数の受け部に順次収容するフラクションコレクターとを備えた装置を用い、
上限溶液収容タンクと下限溶液収容タンクとから排出される上限溶液と下限溶液とを前記導出路及び送液手段を用いて供給割合を漸次的に変化させつつ前記ミキサーに供給する操作を、複数種類の特性の各特性値を漸次的に変化させたマトリクス状組み合わせが得られるように、順次行ない、
該供給操作に並行して前記ミキサーから混合溶液を順次排出し、
排出された混合溶液を前記フラクションコレクターの複数の受け部に順次収容し、
前記複数の受け部に対し結晶化される生体高分子を添加し、結晶化条件下に置いた後、結晶化最適溶液を選択することを特徴とする生体高分子結晶化最適溶液のスクリーニング方法。

【請求項6】
前記マトリクス状組み合わせを得る供給操作が、第1番目から第n番目までの特性の溶液について行なわれ、該供給操作は、低い番数の特性の漸次的変化を繰り返しながら、その都度、より順位の高い番数の特性を漸次的に変化させるように行なわれ、該漸次的変化の繰り返しが第n番目まで行われ、且つ、より高い番数の特性が変化する毎に所定番数の特性から漸次的変化が繰り返される請求項5に記載の方法。

【請求項7】
複数種類の特性の各特性値を漸次的に変化させたマトリクス状組み合わせを得るために、上限溶液と下限溶液との供給割合及び各受け部に収容される混合溶液量を漸次的に変化させる請求項5又は6に記載の方法。

【請求項8】
少なくとも2種類の特性を有する溶液について各特性の特性値を漸次的に変化させマトリクス状に組み合わせた複数のスクリーニング用溶液の作製装置であって、
各種類の特性の上限及び下限の性質を有する上限溶液及び下限溶液を各々収容するタンクと、
各タンクに接続された導出路と、
前記導出路の先端に接続されたミキサーと、
前記導出路の途中に介在し、前記上限溶液収容タンクと下限溶液収容タンクとから排出される上限溶液と下限溶液との供給割合を漸次的に変化させつつ前記ミキサーに供給する供給量調節機構付きの送液手段と、
前記ミキサーから排出される混合溶液を複数の受け部に順次収容するフラクションコレクターとを備え、
前記送液手段は、第1番目から第n番目までの特性について、低い番数の特性の漸次的変化を繰り返しながら、その都度、より順位の高い番数の特性を漸次的に変化させ、該漸次的変化の繰り返しが第n番目まで行われ、且つ、より高い番数の特性が変化する毎に所定番数の特性から漸次的変化を繰り返すように、各特性の上限溶液と下限溶液との供給割合を調節する供給量調節機構を備えていることを特徴とする作製装置。

【請求項9】
前記送液手段が、上限溶液及び下限溶液の供給割合及び各受け部に収容される混合溶液量を調節する供給量調節機構を備えており、前記上限溶液収容タンクと下限溶液収容タンクとから排出される上限溶液と下限溶液との供給割合及び各受け部に収容される混合溶液量を漸次的に変化させつつ前記ミキサーに供給するものである請求項8に記載の作製装置。

【請求項10】
前記送液手段が、前記各導出路の途中に介在する流量調節ポンプを備え、前記供給量調節機構が、各導出路のポンプの流量調節部及び該流量調節部に結合された制御装置により構成されている請求項8又は9に記載の作製装置。

【請求項11】
前記送液手段が、各対の上限溶液収容タンク及び下限溶液収容タンクに接続された導出路に介在する流量調節弁と、各対の上限溶液収容タンク及び下限溶液収容タンク毎に流量調節弁の下流側に接続された1台のポンプとを備えており、前記供給量調節機構が、前記流量調節弁及び該流量調節弁に結合された制御装置により構成されている請求項8又は9に記載の作製装置。

【請求項12】
前記送液手段が、各対の上限溶液収容タンク及び下限溶液収容タンクに接続された導出路に介在する流量調節弁と、これらの流量調節弁の下流側に接続された1台のポンプとを備え、前記供給量調節機構が、前記流量調節弁及び該流量調節弁に結合された制御装置により構成されている請求項8又は9に記載の作製装置。

【請求項13】
前記送液手段が、各タンクに接続された各導出路に介在する1台のポンプであって各導出路の流量を調節する機能を有するものを備え、前記供給量調節装置が、前記ポンプの流量調節部及び該流量調節部に結合された制御装置により構成されている請求項8又は9に記載の作製装置。

【請求項14】
前記送液手段が、各対の上限溶液収容タンク及び下限溶液収容タンクに接続された導出路に介在する流量調節弁と、各対の上限溶液収容タンク及び下限溶液収容タンク毎に流量調節弁の下流側に接続された1台のポンプとを備えており、前記供給量調節機構が、前記流量調節弁、前記ポンプの流量調節部及びこれらに結合された制御装置により構成されている請求項8又は9に記載の作製装置。

【請求項15】
前記送液手段が、各対の上限溶液収容タンク及び下限溶液収容タンクに接続された導出路に介在する流量調節弁と、これらの流量調節弁の下流側に接続された1台のポンプとを備え、前記供給量調節機構が、前記流量調節弁、前記ポンプの流量調節部及びこれらに結合された制御装置により構成されている請求項8又は9に記載の作製装置。

【請求項16】
スクリーニング用溶液が生体高分子結晶化最適条件のスクリーニング用溶液である請求項8~15のいずれかに記載の作製装置。

【請求項17】
前記複数の受け部に対し結晶化される生体高分子を添加する機構を備える請求項16に記載の作製装置。
産業区分
  • 試験、検査
  • 処理操作
  • 治療衛生
  • 工業用ロボット
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003308422thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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