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エピタキシャル成長用基材の製造方法 コモンズ 外国出願あり

国内特許コード P05P003104
整理番号 NU-0008
掲載日 2006年3月3日
出願番号 特願2004-207782
公開番号 特開2006-032575
登録番号 特許第4296276号
出願日 平成16年7月14日(2004.7.14)
公開日 平成18年2月2日(2006.2.2)
登録日 平成21年4月24日(2009.4.24)
発明者
  • 酒井 朗
  • 田岡 紀之
  • 中塚 理
  • 財満 鎭明
  • 安田 幸夫
出願人
  • 学校法人名古屋大学
発明の名称 エピタキシャル成長用基材の製造方法 コモンズ 外国出願あり
発明の概要

【課題】シリコン基板上のシリコンゲルマニウム膜における均一な歪み緩和をより確実に達成する。
【解決手段】シリコン基板1と、このシリコン基板1上に層状に形成されたシリコンゲルマニウム膜2とを備えたエピタキシャル成長用基板10において、シリコン基板1とシリコンゲルマニウム膜2との界面近傍に、連続的に伸びる90°転位の転位線により構成されたネットワーク状構造物3が設けられている。このネットワーク状構造物3を構成する90°転位の転位線は短く途切れることなく長く連続的に伸びており、界面と平行な面内において90°転位が周期的に配列している。このため、界面と平行な面内において90°転位が均一に存在しており、シリコンゲルマニウム膜2の結晶格子の歪みがより確実に均一に緩和されている。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


近年、MOS(金属-酸化膜-半導体)型電界効果トランジスタ等の高速化を図るべく、チャネル領域を構成するシリコン膜の結晶格子に引っ張り歪みを導入することにより、チャネル領域でのキャリア移動度を向上させる研究が盛んに行われている。



シリコン膜に引っ張り歪みを与えて歪みシリコン膜とするには、シリコンよりも大きな格子定数をもつ下地層の上に化学的堆積又は物理的蒸着によってシリコン膜をエピタキシャル成長させる必要がある。この下地層としては、シリコン基板上に化学的堆積又は物理的蒸着によってエピタキシャル成長させて形成した、シリコンよりも大きな格子定数をもち、かつ、歪み緩和したシリコンゲルマニウム膜が通常用いられている。



シリコン(001)基板上にシリコンゲルマニウム膜をエピタキシャル成長させると、格子不整合のためシリコンゲルマニウム膜内に歪みを内包して成長する。シリコンゲルマニウム膜の膜厚が増加するに連れてその歪みは大きくなり、臨界膜厚を越えるとシリコン基板とシリコンゲルマニウム膜との界面に転位が導入される。そして、この転位の導入により、シリコンゲルマニウム膜内の歪み緩和が達成される。このときに導入される転位は、{111}面の滑りによるダイヤモンド構造固有の60°転位(転位の変位ベクトル(バーガスベクトル)と転位線とが60°の角度をなす転位)である。



この60°転位のバーガースベクトルは、基板平面に対して垂直方向及び水平方向の刃状転位成分と、螺旋転位成分とを有する。このため、60°転位によって歪み緩和されたシリコンゲルマニウム膜の結晶格子は、基板平面に対して微小傾斜するとともに、基板平面と平行な面内において微小回転して、基板平面方向に不均一なモザイク構造となる。



このようなモザイク構造のシリコンゲルマニウム膜は、内部歪みが等方的かつ均一に緩和されていない。このため、このシリコンゲルマニウム膜上にシリコンチャネル層を形成してヘテロ接合電界効果トランジスタ構造を作製しようとしても、シリコンチャネル層に等方的かつ均一に引張歪みを付与することができず、シリコンチャネル層におけるエネルギーバンド構造変調が局所的に変化して、目的とする高いキャリア移動度を実現することができない。



そこで、転位制御層として機能しうる界面層をシリコン基板とシリコンゲルマニウム膜との間に形成することにより、シリコンゲルマニウム膜のシリコン基板側に90°転位を導入する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。



この90°転位を導入する技術は、シリコン基板上にゲルマニウム層(又はGaAs層)を形成すれば、その界面に60°転位ではなくて90°転位が優先的に導入されることを利用するものである。すなわち、この技術では、シリコン基板上に形成したゲルマニウム(又はGaAs)界面層を転位制御層として機能させることにより、このゲルマニウム(又はGaAs)界面層上に形成されるシリコンゲルマニウム層のシリコン基板側に90°転位を形成する。



具体的には、シリコン基板を200℃に設定し、MBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシー)法等の成膜手法を用いることにより、シリコン基板上にまず5nmのゲルマニウム界面層を形成する。次いで、シリコン基板を同温度に保持した状態で、同じくMBE法などの成膜手法を用いて、ゲルマニウム界面層上に5nmのシリコンゲルマニウム中間層を形成する。なお、このシリコンゲルマニウム中間層は、後の熱処理に伴う平坦性の低下を抑制するためのものである。次いで、シリコン基板を400℃に設定し、同じくMBE法などの成膜手法を用いることにより、シリコンゲルマニウム中間層上にシリコンゲルマニウム膜を形成する。こうしてシリコン基板上にまずゲルマニウム界面層を形成し、この界面層を転位制御層として機能させることにより、この界面層上に形成されたシリコンゲルマニウム膜の、シリコン基板側に90°転位を形成するようにしている。



このようにしてシリコンゲルマニウム中に導入された90°転位は、基板平面に対して垂直方向の刃状転位成分のみを有している。また、90°転位のバーガースベクトルは転位線に対して常に直交するので、基板平面と平行な面内の回転成分を有しない。このため、90°転位が導入されたシリコンゲルマニウム膜の結晶格子はもモザイク構造を呈することなく、等方的となる。

【特許文献1】特開2004-172276号公報

産業上の利用分野


本発明はエピタキシャル成長用基材の製造方法に関する。本発明に係るエピタキシャル成長用基材及びこのエピタキシャル成長用基材を備えた多層膜構造体は、例えば半導体素子、特にチャネル領域に歪みを導入した電界効果トランジスタ等の作製において好適に用いることができる。

特許請求の範囲 【請求項1】
シリコン含有基材と該シリコン含有基材上に層状に形成されたシリコンゲルマニウム膜とを備えたエピタキシャル成長用基材の製造方法であって
前記シリコン含有基材上にゲルマニウム膜を層状に形成するGe膜形成工程と、
前記ゲルマニウム膜が形成された前記シリコン含有基材を600~800℃の低温域で熱処理する低温域熱処理工程と、
前記ゲルマニウム膜が形成された前記シリコン含有基材を800~1300℃の高温域で熱処理する高温域熱処理工程とを備え、
前記低温域熱処理工程で、前記シリコン含有基材と前記ゲルマニウム膜との界面近傍に、連続的に伸びる90°転位の転位線により構成されたネットワーク状構造物を形成し、かつ、
前記高温域熱処理工程で、前記シリコン含有基材と前記ゲルマニウム膜との間でシリコン原子及びゲルマニウム原子を相互拡散させることにより両該原子同士を混合させて前記シリコンゲルマニウム膜を形成することを特徴とするエピタキシャル成長用基材の製造方法

【請求項2】
前記シリコン含有基材上に形成された前記ゲルマニウム膜上にさらにシリコン被膜を層状に形成するSi被膜形成工程をさらに備え、
前記高温域熱処理工程で、前記シリコン被膜と前記ゲルマニウム膜との間でもシリコン原子及びゲルマニウム原子を相互拡散させることを特徴とする請求項1記載のエピタキシャル成長用基材の製造方法

【請求項3】
前記Ge膜形成工程で、前記ゲルマニウム膜の膜厚を10~500nmにすることを特徴とする請求項1又は2記載のエピタキシャル成長用基材の製造方法

【請求項4】
シリコン含有基材と該シリコン含有基材上に層状に形成されたシリコンゲルマニウム膜とを備えたエピタキシャル成長用基材の製造方法であって、
前記シリコン含有基材上にゲルマニウム膜を層状に形成するGe膜形成工程と、
前記ゲルマニウム膜が形成された前記シリコン含有基材を800~1300℃の高温域で熱処理する高温域熱処理工程とを備え、
前記高温域熱処理工程で、前記シリコン含有基材と前記ゲルマニウム膜との界面近傍に、連続的に伸びる90°転位の転位線により構成されたネットワーク状構造物を形成するとともに、該シリコン含有基材と該ゲルマニウム膜との間でシリコン原子及びゲルマニウム原子を相互拡散させることにより両該原子同士を混合させて前記シリコンゲルマニウム膜を形成することを特徴とするエピタキシャル成長用基材の製造方法

【請求項5】
前記シリコン含有基材上に形成された前記ゲルマニウム膜上にさらにシリコン被膜を層状に形成するSi被膜形成工程をさらに備え、
前記高温域熱処理工程で、前記シリコン被膜と前記ゲルマニウム膜との間でもシリコン原子及びゲルマニウム原子を相互拡散させることを特徴とする請求項4記載のエピタキシャル成長用基材の製造方法

【請求項6】
前記Ge膜形成工程で、前記ゲルマニウム膜の膜厚を10~500nmにすることを特徴とする請求項4又は5記載のエピタキシャル成長用基材の製造方法。
産業区分
  • 固体素子
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004207782thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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