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化学物質発生源探索装置

国内特許コード P05A008291
掲載日 2006年3月3日
出願番号 特願2003-191126
公開番号 特開2005-024426
登録番号 特許第3834648号
出願日 平成15年7月3日(2003.7.3)
公開日 平成17年1月27日(2005.1.27)
登録日 平成18年8月4日(2006.8.4)
発明者
  • 神崎 亮平
出願人
  • 国立大学法人 筑波大学
発明の名称 化学物質発生源探索装置
発明の概要 【課題】自然界のような複雑で離散的に分布する匂いに基づき、遠隔地から匂い源を探索することが可能となる化学物質発生源探索装置を提供する。
【解決手段】化学物質発生源探索装置300は、昆虫の匂い源探索行動に類似した第1~3の行動パターンで前記装置を自律的に移動させる移動手段310と、前記装置の左右にそれぞれ設けられている一対の化学物質検知手段(センサ)320と、化学物質を含む気体または液体を能動的に化学物質検知手段320へ供給する供給手段330と、前記移動手段310を制御する第1の制御手段340と、供給手段330を制御する第2の制御手段350とを具える。昆虫の匂い源探索行動に類似したシンプルな行動パターンを用いて匂い源の効率的な探索を実現する。
【選択図】図7
従来技術、競合技術の概要


化学物質などから発生する匂いを検出する匂いセンサは、匂いの種類やその濃度を測定する手段として開発されてきた。このような匂いセンサを利用して、匂い発生源を探索する従来手法としては、匂いの濃度を指標として濃度の高い方向を検出し、この方向を辿って匂い発生源を見つけ出すことが試みられてきた。しかしながら、この手法は、匂いの濃度が連続的に分布しているような状態、即ち、匂い発生源の周りの空気が一番濃度が高く、そこから離れるに従って次第に濃度が低くなるような理想的な濃度分布をしている「実験室内のような流体モデル」の場合しか通用し得ない。しかしながら、前述したような理想的な匂いの濃度分布は、自然界のように非常に複雑で常に変化する風(風速や風向などの変化)、および構造物や地形などの影響を受ける流体モデルでは、匂い物質が気体や液体中に不連続(離散的)にフィラメント(匂いの塊)として存在し時々刻々とその分布状態を変化させ、さらに、その濃度分布も離散的かつ不連続であり、上記従来手法では、匂い発生源の探索は非常に困難であった。



上述したように、自然環境では、匂いは空中に分布し、分布状態を絶え間なく複雑に変化させる。このような環境下で、昆虫は数キロメートルにもわたる匂い源定位(例えば、雄が雌の発する匂い物質(フェロモン)をたよりに定位する)を実現している。昆虫は、匂いの離散的分布や、匂い源に近づくほど匂いフィラメント密度が増加する自然界の情報を活用し、一過的なフィラメントとして存在する匂い情報によりドライブされ、匂い情報が消失しても継続する定型的行動パターン(匂いを検知している間は直進移動、匂いが途絶えると小さなターンから次第に大きくなるターンを繰り返し、その後、回転に移るような決まった移動パターン)を利用して匂い源探索を行っている。また、昆虫匂い源探索では、この一過的な匂い情報を受けるたびに、前記行動パターンをリセットし初めから(直進から)の行動パターンを繰り返す。このように、昆虫は、空中の匂いの離散的分布パターンに依存することにより、複雑な機構を利用することなく、プログラム化された定型的な行動パターンのセットとリセットを繰り返すだけで、複雑に変化する匂い環境下で、数キロメートルという長距離の匂い源探索に成功している。このような昆虫の匂い源探索手法(非特許文献1を参照されたい。)を本発明者は既に開示している。さらに、本発明者はこの手法のロボットへの応用の可能性も開示している(非特許文献2を参照されたい。)。



【非特許文献1】
「昆虫の匂い源探索行動の神経機構」(AROMA REAEARCH Vol.1 No.3別冊、 2000年、フレグランスジャーナル社、神崎亮平)
【非特許文献2】
「昆虫の微小脳における匂い情報処理(―小型移動ロボットと超小型テレメトリによる昆虫の脳機能・運動機能の分析―)」(AROMA REAEARCH Vol.3 No.3別冊、 2002年、フレグランスジャーナル社、神崎亮平)

産業上の利用分野


本発明は、匂いや味などの化学物質を自律的に探索する化学物質発生源探索装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】化学物質発生源探索装置であって、
直進する第1の行動パターン、ジグザグターンで進みこのジグザグの直線部が次第に大きくなるように進むまたはその場に留まって前記装置の向きを所定の角度まで左右にシフトしこの所定の角度を次第に大きくしながら左右のシフトを繰り返すような第2の行動パターン、或いは、円を描くように旋回するまたはその場に留まって回転するような第3の行動パターンを用いて前記装置を自律的に移動させる移動手段と、
前記装置の左右にそれぞれ設けられている一対の化学物質検知手段と、
前記化学物質検知手段が化学物質を検出しているときは前記第1の行動パターンを取るよう前記移動手段を制御し、前記化学物質検知手段が化学物質を検出しなくなると前記第2の行動パターンを取るよう前記移動手段を制御し、前記第2の行動パターンを取ってから所定の時間が経過した場合或いは所定の距離を進行した場合は前記第3の行動パターンを取るよう前記移動手段を制御し、前記第2および第3の行動パターン中に化学物質を検出した場合は前記第1の行動パターンを取るよう前記移動手段を制御する、第1の制御手段と、
化学物質を含む気体または液体を前記化学物質検知手段へ供給する供給手段と、
前記第2の行動パターンを取っているときはジグザグターンの側またはシフトしている側の前記気体または前記液体を前記一対の化学物質検知手段のうちのジグザグターンまたはシフトの側の手段へ供給するよう前記供給手段を制御し、前記第3の行動パターンを取っているときは旋回または回転する側の前記気体または前記液体を前記一対の化学物質検知手段のうちの旋回または回転する側の手段へ供給するよう前記供給手段を制御し、進行方向が風下或いは液体の流れの下流側になったときは風上側或いは上流側からの前記気体または前記液体が前記化学物質検知手段へ供給されないよう前記供給手段を制御する第2の制御手段と、
を具えることを特徴とする探索装置。
【請求項2】請求項1に記載の探索装置において、
前記第1の制御手段は、
前記一対の化学物質検知手段の左右どちらか一方のみが化学物質を検出した場合は、検出した側に進行方向を変化させるよう前記移動手段を制御し、
前記一対の化学物質検知手段の双方が化学物質を検出した場合は、双方の検出濃度が同一のときは直進するよう前記移動手段を制御し、双方の検出濃度に差があるときは、検出濃度が高い方へこの濃度差に応じた角度だけ進行方向を変化させるよう前記移動手段を制御する、
ことを特徴とする探索装置。
【請求項3】請求項1または2に記載の探索装置において、
前記第3の行動パターンは、旋回するときに描かれる円が旋回するたびに次第に大きくなるように旋回する、
ことを特徴とする探索装置。
【請求項4】請求項1~3のいずれか1項に記載の探索装置において、
前記供給手段はファン或いはスクリューである、
ことを特徴とする探索装置。
【請求項5】請求項1~4のいずれか1項に記載の探索装置において、
前記化学物質検知手段は、生物或いは植物の感覚器を用いたセンサである、
ことを特徴とする探索装置。
【請求項6】請求項1~4のいずれか1項に記載の探索装置において、
前記化学物質検知手段は、昆虫の触角を用いたセンサである、
ことを特徴とする探索装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2003191126thum.jpg
出願権利状態 登録
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