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気体分子の整列保持方法 コモンズ

国内特許コード P05A008316
整理番号 182
掲載日 2006年4月7日
出願番号 特願2002-367343
公開番号 特開2004-196594
登録番号 特許第4217776号
出願日 平成14年12月18日(2002.12.18)
公開日 平成16年7月15日(2004.7.15)
登録日 平成20年11月21日(2008.11.21)
発明者
  • 北川 進
  • 小林 達生
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 気体分子の整列保持方法 コモンズ
発明の概要

【課題】遷移金属カチオンとそれを連結する有機架橋配位子によって多孔性3次元構造を構成して細孔内に、常温常圧で気体の分子を、収容することができる配位高分子のその細孔内の空間を利用して気体分子を整列保持させる方法およびこのようにして気体分子が保持された材料を提供すること。
【解決手段】本発明は、遷移金属カチオンとそれを連結する有機架橋配位子によって多孔性3次元構造を構成して細孔内に、常温常圧で気体の分子を、収容することができる配位高分子のその細孔内に気体分子を収容する際、有機架橋配位子の種類を選択して細孔入口寸法を所望する数値に設計することで気体分子を規則性を持って収容し、細孔内の空間を利用して気体分子を整列保持させる方法およびこの方法を利用して得られる気体分子保持材料である。
【選択図】 図3

従来技術、競合技術の概要
気体分子は、我々の身の回りに無尽蔵にある物質である。最近では、酸素などに圧力を加えて固体にすると超伝導になることなどがわかってきた。この様に、気体という物質は、我々にとって、未踏の新材料である。気体を新材料として実用化するためには何らかの方法で気体分子を整列させて低次元構造化する必要がある。例えば、酸素を考えた場合、-218℃以下にまで冷却すると分子は固体となり一定の配列を持つ構造となるので新材料としての期待が持たれるが、このような温度は実用上あまりにも多くの制約を伴う。また、走査型プローブ顕微鏡(SPM)のような物理的手法を用いて分子を整列させる方法もあるが、この手法では分子を基盤に1個ずつおいていくようなものなので、一時に大量に整列させることができないし、材料としての汎用性に欠ける。また、多数の分子(数千~数百万個)を1次元に整列させるためには強制力を必要とするため、容易に実現できるものではない。
【0003】
そこで、考えられることは、気体分子が整列保持されるような言わば「器」のようなものを利用して気体分子を整列保持できないかということである。このような器になりえる材料として容易に思いつくことができるのは、ゼオライトなどの無機材料や、活性炭、カーボンナノチューブなどの炭素材料などの多孔性材料である。しかし、これらの多孔性材料は、孔の大きさが、気体分子を整列させて保持するには大きすぎたり不均一であったりするとともに、チャンネル形状(孔の入口の形状)が収容する気体分子に適していなかったりするので、とにかく保持できればよいといった要求には応えることができるが、整列させて保持するという要求には応えることができない。
【0004】
ところで、本発明者らは、ナノメートルの大きさを持つ細孔を規則正しく並べた物質を、あたかもブロックを組むようにデザインし、化学的に合成する研究をこれまで精力的に行ってきた。その研究成果として、遷移金属カチオンとそれを連結する有機架橋配位子によって多孔性3次元構造を構成して細孔内に、常温常圧で気体の分子を、収容することができる配位高分子の合成に成功している。この配位高分子は、遷移金属カチオンと有機架橋配位子が分子レベルで直接交互に結合した有機・無機の複合物質であり、その特徴としては、常に均一な構造を保つこと、自在に分子レベルから設計し、単に室温、1気圧で混ぜるだけで合成することができること(自己集合)、数グラムでバスケットボールコートからサッカーグラウンドまでの表面積を持つといったことが挙げられ、ガス貯蔵材料として期待されている。
このような配位高分子の一例としては、遷移金属カチオンと第1有機架橋配位子から構成される2次元シートが層をなし、2座配位可能な第2有機架橋配位子が各層に存在する遷移金属カチオンに配位することで隣接するシートとシートを連結させ、その間に細孔が形成されている構造を有するものがあり、その具体例として、遷移金属カチオンとしての銅イオン(2価金属イオン)と第1有機架橋配位子としての2,3-ピラジンジカルボン酸(pzdc)から構成される2次元シートが層をなし、2座配位可能な第2有機架橋配位子としての4,4’-ビピリジル(bpy)が各層に存在する銅イオンに配位することで隣接するシートとシートを連結させ、その間に細孔が形成されている構成を有するCu2(bpy)(pzdc)2がメタンの貯蔵能力に優れることを明らかにしている(下記の特許文献1や非特許文献1を参照)。
【0005】
上記の研究成果は、配位高分子をガス貯蔵材料として利用することを目的として得られたものであり、これまで、ガス貯蔵材料としての配位高分子の設計は、いかに多量のガスを貯蔵させるかという視点に基づいて行われてきた。従って、配位高分子を利用して気体分子を配列させるためにはどのような設計を行えばよいか、意図したように配位高分子を設計できたとしても、気体分子を思い通りに配列させることができるかといった点については未知の領域であった。
【0006】
【特許文献1】
特開平9-227572号公報
【非特許文献1】
北川進,「ナノ金属錯体によるナノサイエンス」,化学工業,第53巻,第11号,2002年,p808-815
産業上の利用分野
本発明は、常温常圧(25℃1気圧)で気体の分子の整列保持方法関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 遷移金属カチオンとそれを連結する有機架橋配位子によって多孔性3次元構造を構成して細孔内に、常温常圧で気体の分子を、収容することができる配位高分子のその細孔内に気体分子を収容する際、有機架橋配位子の種類を選択して細孔入口寸法を所望する数値に設計することで気体分子を規則性を持って収容し、細孔内の空間を利用して気体分子を整列保持させる方法であって、配位高分子として遷移金属カチオンと第1有機架橋配位子から構成される2次元シートが層をなし、2座配位可能な第2有機架橋配位子が各層に存在する遷移金属カチオンに配位することで隣接するシートとシートを連結させ、その間に細孔が形成されている構造を有するものを用い、細孔入口寸法を3~7Å×3~7Åに、シートとシートの間隔を決定しているピラー配位子としての第2有機架橋配位子のピッチを3Å~6Åに設計し、配位高分子と気体分子を冷却しながら行う方法
【請求項2】 2座配位可能な第2有機架橋配位子がピラジンまたはその誘導体である請求項記載の方法。
【請求項3】 配位高分子が、遷移金属カチオンとしての銅イオン(2価金属イオン)と第1有機架橋配位子としての2,3-ピラジンジカルボン酸(pzdc)から構成される2次元シートが層をなし、2座配位可能な第2有機架橋配位子としてのピラジン(pyz)が各層に存在する銅イオンに配位することで隣接するシートとシートを連結させ、その間に細孔が形成されている構成を有するCu(pyz)(pzdc)である請求項記載の方法。
【請求項4】 気体分子が2原子分子である請求項1記載の方法。
【請求項5】 2原子分子が酸素分子である請求項記載の方法
産業区分
  • 無機化合物
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2002367343thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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