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レーザ照射方法及び装置、微細加工方法及び装置、並びに薄膜形成方法及び装置 コモンズ

国内特許コード P05A008326
整理番号 310
掲載日 2006年4月7日
出願番号 特願2004-020536
公開番号 特開2005-212013
登録番号 特許第4644797号
出願日 平成16年1月28日(2004.1.28)
公開日 平成17年8月11日(2005.8.11)
登録日 平成22年12月17日(2010.12.17)
発明者
  • 阪部 周二
  • 高野 幹夫
  • 橋田 昌樹
  • 清水 政二
出願人
  • 学校法人京都大学
発明の名称 レーザ照射方法及び装置、微細加工方法及び装置、並びに薄膜形成方法及び装置 コモンズ
発明の概要

【課題】 例えば固体表面において原子・分子レベルでの剥離や原子・分子レベルでのイオン化(即ち、脱離イオン化)を効率的に行えるようにする。
【解決手段】 固体表面から剥離すべき所望の剥離深さ及び固体表面の材質に応じて、固体表面に照射されることで固体表面に非熱的なイオン化放出を引き起こす低フルーエンス領域内のフェムト秒レーザに係る照射フルーエンスの値を、低フルーエンス領域内で設定する。そして、固体表面に対して、このように設定された照射フルーエンスの値でフェムト秒レーザを照射する。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


この種のレーザを用いた微細加工の技術分野では、パルス幅が極短い、「フェムト秒レーザ」を用いた技術開発が進められている。ここに「フェムト秒レーザ」とは、パルス幅が1ピコ秒(ps)以下であるフェムト秒オーダのレーザ或いはレーザパルスをいう。また、レーザを高フルーエンスや低フルーエンスで固体表面に照射することで、該固体表面における微細加工を行う技術も知られている。ここに「フルーエンス」とは、レーザの1パルス当りの出力エネルギを照射断面積で割って求めたエネルギ密度(J/cm)である。



より具体的には、高フルーエンス領域で、長パルスのレーザや、フェムト秒レーザを含む短パルスのレーザを固体表面に照射することによって、高温に加熱された固体表面から、熱的にイオン放出(或いは、脱離イオン化)を行わせる技術が報告されている(非特許文献1、2、3参照)。



他方、低フルーエンスでフェムト秒レーザを波長制御(即ち、周波数制御)や偏光制御することによって、穴のサイズや、穴の形状を制御することを特徴とする微細加工方法も提案されている(特許文献1参照)。尚、「低フルーエンス」とは、一般には、相対的にフルーエンスの値が小さいことをいうが、特許文献1では、レーザを材料表面に照射することで材料表面が蒸発する現象が生じるエネルギ密度の最小値(アブレーション閾値)近傍のフルーエンスを示しているとされている。




【非特許文献1】P.A.VanRompay et al, “Pulse-contrast effects on energy distributions of C1+ to C4+ ions for high-intensity 100-fs laser-ablation plasmas”, Applied Surface Science 127-129, pp.1023-1028 (1998)

【非特許文献2】S.Amoruso et al, “Thermal and nonethermal ion emission during high-fluence femtosecond laser ablation of metallic targets”, Appl. Phys. Lett. 77, pp.3728-3730 (2000)

【非特許文献3】T.Gotz et al, “Short-pulse UV laser ablation of solid and liquid metals: indium”, Appl. Phys. A64, pp. 539 543 (1997)

【特許文献1】特開2003-211400号公報

産業上の利用分野


本発明は、例えばレーザを利用した固体表面におけるナノレベルの微細加工や固体表面からのナノレベルのイオン放出、固体表面の非破壊的な質量分析等に好適に利用される、レーザ照射方法及び装置、これらを用いた微細加工方法及び装置並びに薄膜形成方法及び装置の技術分野に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
固体表面から剥離すべき所望の剥離深さ及び前記固体表面の材質に応じて、前記固体表面に照射されることで前記固体表面に非熱的なイオン化放出を引き起こす低フルーエンス領域内のフェムト秒レーザに係る照射フルーエンスの値を、前記低フルーエンス領域内で設定する設定工程と、
前記固体表面に対して前記設定された照射フルーエンスの値で前記フェムト秒レーザを照射する照射工程と
を備え
前記設定工程は、前記低フルーエンス領域内として、前記材質に依存する複数のアブレーション閾値フルーエンスのうち1番目に小さいアブレーション閾値フルーエンスと2番目に小さいアブレーション閾値フルーエンスとの間の領域内で、前記照射フルーエンスの値を設定する
ことを特徴とするレーザ照射方法。

【請求項2】
前記設定工程は、前記複数のアブレーション閾値フルーエンスとして少なくとも3つ存在するアブレーション閾値フルーエンスのうち、前記1番目に小さいアブレーション閾値フルーエンスF3,thと前記2番目に小さいアブレーション閾値フルーエンスF2,thとの間の領域内で、前記照射フルーエンスの値を設定することを特徴とする請求項に記載のレーザ照射方法。

【請求項3】
前記設定工程は、前記1番目に小さいアブレーション閾値フルーエンスと前記2番目に小さいアブレーション閾値フルーエンスとの間の領域内で、前記材質に応じてレーザ多光子吸収過程に基づいて予め設定される照射フルーエンスの値に対するアブレーション率の特性曲線に従って、前記照射フルーエンスの値を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザ照射方法。

【請求項4】
前記設定工程は、前記レーザ多光子吸収過程として3光子吸収過程に基づいて予め設定される前記特性曲線に従って、前記照射フルーエンスの値を設定することを特徴とする請求項に記載のレーザ照射方法。

【請求項5】
前記設定工程は、前記剥離深さ及び前記材質に応じて、前記フェムト秒レーザの光強度の値を設定することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のレーザ照射方法。

【請求項6】
固体表面から剥離すべき所望の剥離深さ及び前記固体表面の材質に応じて、前記固体表面に照射されることで前記固体表面に非熱的なイオン化放出を引き起こす低フルーエンス領域内のフェムト秒レーザに係る光強度の値を、前記フェムト秒レーザに係る照射フルーエンスが前記低フルーエンス領域内から外れない範囲内で設定する設定工程と、
前記固体表面に対して前記設定された光強度の値で前記フェムト秒レーザを照射する照射工程と
を備え
前記設定工程は、前記照射フルーエンスが、前記低フルーエンス領域内としての、前記材質に依存する複数のアブレーション閾値フルーエンスのうち1番目に小さいアブレーション閾値フルーエンスと2番目に小さいアブレーション閾値フルーエンスとの間の領域内から外れない範囲内で、前記光強度の値を設定する
ことを特徴とするレーザ照射方法。

【請求項7】
前記設定工程は、前記剥離深さに加えて又は代えて前記固体表面から剥離すべき所望の剥離面積と前記材質とに応じて、前記照射フルーエンスの値及び前記光強度の値のうち少なくとも一方を設定することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のレーザ照射方法。

【請求項8】
請求項1からのいずれか一項に記載のレーザ照射方法を含み、前記照射工程によって前記固体表面を微細加工することを特徴とする微細加工方法。

【請求項9】
請求項1からのいずれか一項に記載のレーザ照射方法と、
前記照射工程によって前記固体表面から放出された分子イオンを用いて被成膜体に対して成膜を行う成膜工程と
を備えたことを特徴とする薄膜形成方法。

【請求項10】
固体表面から剥離すべき所望の剥離深さ及び前記固体表面の材質に応じて、前記固体表面に照射されることで前記固体表面に非熱的なイオン化放出を引き起こす低フルーエンス領域内のフェムト秒レーザに係る照射フルーエンスの値を、前記低フルーエンス領域内で設定する設定手段と、
前記固体表面に対して前記設定された照射フルーエンスの値で前記フェムト秒レーザを照射する照射手段と
を備え
前記設定手段は、前記低フルーエンス領域内として、前記材質に依存する複数のアブレーション閾値フルーエンスのうち1番目に小さいアブレーション閾値フルーエンスと2番目に小さいアブレーション閾値フルーエンスとの間の領域内で、前記照射フルーエンスの値を設定する
ことを特徴とするレーザ照射装置。

【請求項11】
固体表面から剥離すべき所望の剥離深さ及び前記固体表面の材質に応じて、前記固体表面に照射されることで前記固体表面に非熱的なイオン化放出を引き起こす低フルーエンス領域内のフェムト秒レーザに係る光強度の値を、前記フェムト秒レーザに係る照射フルーエンスが前記低フルーエンス領域内から外れない範囲内で設定する設定手段と、
前記固体表面に対して前記設定された光強度の値で前記フェムト秒レーザを照射する照射手段と
を備え
前記設定手段は、前記照射フルーエンスが、前記低フルーエンス領域内としての、前記材質に依存する複数のアブレーション閾値フルーエンスのうち1番目に小さいアブレーション閾値フルーエンスと2番目に小さいアブレーション閾値フルーエンスとの間の領域内から外れない範囲内で、前記光強度の値を設定する
ことを特徴とするレーザ照射装置。

【請求項12】
前記照射手段は、前記レーザとして、一つのレーザパルスを他のレーザパルスから時間的に独立した形で照射可能に構成されていることを特徴とする請求項10又は11に記載のレーザ照射装置。

【請求項13】
請求項10から12のいずれか一項に記載のレーザ照射装置を含み、前記照射手段によって前記固体表面を微細加工することを特徴とする微細加工装置。

【請求項14】
請求項10から12のいずれか一項に記載のレーザ照射装置と、
前記照射手段によって前記固体表面から放出された分子イオンを用いて被成膜体に対して成膜を行なう成膜手段と
を備えたことを特徴とする薄膜形成装置。

【請求項15】
請求項1からのいずれか一項に記載のレーザ照射方法により微細加工が施された構造を有することを特徴とする加工物。
産業区分
  • その他機械要素
  • 表面処理
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004020536thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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