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ミクロ孔を有するメソポーラスシリカナノ粒子及びその製造方法

国内特許コード P06P004372
整理番号 E-004
掲載日 2006年4月21日
出願番号 特願2004-253108
公開番号 特開2006-069824
登録番号 特許第4671216号
出願日 平成16年8月31日(2004.8.31)
公開日 平成18年3月16日(2006.3.16)
登録日 平成23年1月28日(2011.1.28)
発明者
  • 木島 剛
  • 森 寛
出願人
  • 学校法人宮崎大学
発明の名称 ミクロ孔を有するメソポーラスシリカナノ粒子及びその製造方法
発明の概要

【課題】 ミクロ孔とメソ孔とを合わせ持ち、かつ粒径が100nm以下の微細メソポーラスシリカを創出し、提供する。
【解決手段】 オルトケイ酸テトラエチル、オルトケイ酸テトラメチルなどの有機もしくは無機ケイ素化合物よりなる群から選択された一種類のケイ素化合物、選択された二種類の非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤一種とイオン性界面活性剤一種の合わせて二種類の界面活性剤、および水からなる反応混合物、またはこれに硝酸等の酸とドデシルアルコール等のアルコール類もしくはそのいずれか一方を加えた反応混合物を調製し、反応させることにより、直径0.2~0.5nmのミクロ孔をもつシリカによってその骨格が構成され、かつ直径4~5nmのメソ孔がヘキサゴナル状に配列した多孔質構造と直径40~80nmの球状形態を有する、シリカナノ粒子を生成し、回収する。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


シリカ(酸化ケイ素)は、化学的に安定な化合物であり、人体、環境への安全性が高く、これを主成分とする非晶質体は窓や食器用ガラス、近年では光ファイバーガラスなどの高機能素材として利用され、他方、水晶に代表される結晶質体は発振素子などとして実用されてきている。また、シリカゲルや多孔質ガラスは、シリカに二次粒子構造あるいは細孔構造を形成させ、高表面積と高細孔容積を賦与した固体であり、幅広い産業分野において吸着剤や担体、鋳型材などとして用いられ、特にシリカゲルは包装食品・ガス除湿用乾燥剤、ビール用清澄剤、クロマトグラフィー用充填剤、流動触媒担体、医薬品の粉末化用担体などの多様な用途に活用されている。



多孔質ガラスは分相させたガラス構造中の特定の相を溶解することにより作製されるのに対して、1992年、界面活性剤を鋳型として、直径2nm以上のメソ孔と1000m/gを超える大きな比表面積を有するシリカ多孔体を創製する手法がMobil社によって開発された(非特許文献1)。すなわち、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)を鋳型としてケイ酸成分を反応させることにより直径2~8nmの円筒状細孔が2次元-六方構造を形成したMCM-41型および細孔が3次元的に連結したMCM-48型の2種類のタイプのメソポーラスシリカが合成された。



その後、アルキルジアミンを鋳型としてベシクル状MSU-V(非特許文献2)、非イオン性のデカエチレングリコールモノオクタデシルエーテルを鋳型として3次元-六方構造をもつSBA-12型(非特許文献3)などの種々のメソポーラスシリカが得られている。さらに、親水性のエチレンオキサイド(EO)と疎水性のプロピレンオキサイド(PO)からなるブロックコポリマーEOmPOnEOm (m=33~70, n=5~26)を鋳型とする反応により、10nm以上の細孔径をもつ2次元-六方構造メソポーラスシリカSBA-15も得られた(非特許文献4)。



以上のように、大きな比表面積と特有の細孔構造をもつメソポーラスシリカは、当初より触媒担体や吸着剤として有望視されたが、最初に創られた素材は、例えば、MCM-41型がミクロンスケール、SBA-15がサブミクロンスケールの一次粒子サイズをもち、いずれも粒径の大きさに難点があった。このため、粒径を小さくしてゲスト分子への拡散抵抗を低減し、細孔を有効に活用することをねらいとして、微粒子化が検討されてきた(例えば、非特許文献5)。水酸化ナトリウム水溶液に溶かしたオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を極低濃度のCTAB存在下で反応させることにより、MCM-41型構造をもつメソポーラスシリカが平均直径110nmの球状粒子として得られている(非特許文献6)。



また、アルカリ性水溶液に溶かしたケイ酸成分と界面活性剤の比を変えると、生成する球状のMCM-41型メソポーラスシリカ粒子の直径を65~740nmの広い範囲で制御できる(非特許文献7)。このとき、界面活性剤としてCTABを用いると、規則的な細孔構造と乱れた球状の形態をもつ粒子が得られ、ドデシルアミンを用いると、逆に不規則な細孔構造と整った球状の形態をもつ粒子が生成することも明らかにされた。



50nm以下のメソポーラスシリカも報告されている。例えば、TEOS/CTAB/NaOH/HO系の反応を短時間行った後に大過剰の水で希釈することにより、直径20nm程度の球状粒子が得られている(非特許文献8)。さらに、最近、上記のブロックコポリマーP123とアニオン界面活性剤の混合系を鋳型として、直径約20nmで、3次元-六方構造をもつメソポーラスシリカも合成された(非特許文献9)。



一方、メソポーラス材料は骨格がアモルファスで、細孔径が大きいために、ゼオライトに比べて触媒能や吸着特性に劣ることが分かってきた。このため、非晶質の細孔壁にミクロ孔をもたせ、機能化を図ることが検討され、上記MCM-41とSBA-15では、その細孔壁にミクロ孔が形成されていることが窒素吸着等温線の解析により明らかにされた(非特許文献10、11)。さらに、反応に用いるテトラエトキシシランとP123との仕込み比率を変えることによってミクロ孔の細孔容積を制御できることも見いだされている(非特許文献12)。



以上に挙げた学術文献以外に、近年、メソポーラスシリカについて各種提案が特許文献になされている。すなわち、界面活性剤と珪酸ソーダとを混合して、界面活性剤とシリカとの複合体から、メソポーラスシリカを得ること(特許文献1、2)、あるいは、シリコンアルコキシドと酸との反応によりシリカを析出させる反応工程を、二段階で実施し、各段階での酸濃度を極めて厳格に調製することによって、耐酸性を有し、平滑性、配向性に優れた細孔を有するメソポーラスシリカを薄膜状で得ること(特許文献3)が提案されている。これらの提案で得られたシリカは、その細孔分布構造や耐酸性に富んだ膜状物に形成し、従前のシリカにはない特徴を備えたものを提供した点で評価される。しかしながら、そのいずれにもメソポーラスシリカ粒子サイズを、近年注目され、そして粒子サイズ自体で評価される、ナノメートルレベルの超微細粒子に調製することについては記載がないし、また示唆するところもない。




【非特許文献1】C.T.Kresge ほか4名、Nature、359、p.710~712(1992)

【非特許文献2】P.T.Tanev ほか1名、Science、271、1267(1996)

【非特許文献3】D.Zhao ほか4名、J.Am.Chem.Soc.、 120、6024(1998)

【非特許文献4】D.Zhao ほか6名、Science、279、548(1998)

【非特許文献5】Y.F.Lu ほか5名、Nature、398、223-226(1999)

【非特許文献6】Q.Cai ほか5名、Chem.Mater.、13、 258-263 (2001)

【非特許文献7】R.I.Nooney ほか4名、Chem.Mater.、 14、4721-4728(2002)

【非特許文献8】C.D.Fowler ほか3名、 Adv.Mater.、13、649-652(2001)

【非特許文献9】K.Suzuki ほか2名、J.Am.Chem.Soc.、126、462-463(2004)

【非特許文献10】Y.Long ほか3名、Langmuir、14、 6173(1998)

【非特許文献11】M.Kruk ほか3名、Chem.Mater.、 12、1961(2000)

【非特許文献12】K.Miyazawaほか1名、Chem.Commun.、12、2121-2122(2000)

【非特許文献13】木島剛、「機能性微粒子とナノマテリアルの開発」、(株)フロンテイア出版、p.57~68(2004)

【非特許文献14】T.Kijima ほか3名、Langmuir、18, 6453-6457(2002)

【非特許文献15】木島 剛 ほか6名、Angew.Chem.Int. Ed.、43、228-232(2004)




【特許文献1】特開8-34607号公報

【特許文献2】特開2001-261326号公報

【特許文献3】特開2004-99381号公報

【特許文献4】特開2004-034228号公報

産業上の利用分野


本発明は、シリカの化学的および構造的特性を利用した触媒担体、モレキュラーシーブス、吸着剤などとして使用される、ミクロ孔とメソ孔とを併せ持つ多孔質構造と直径数十nmのナノレベルのサイズを有し、球状形態を呈した、新規なシリカナノ粒子及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
直径0.2~0.5nmのミクロ孔をもつシリカ骨格から成り、かつ直径4~5nmのメソ孔がヘキサゴナル状に配列した多孔質構造と直径40~80nmの球状形態を有することを特徴とするシリカナノ粒子。

【請求項2】
オルトケイ酸テトラエチル、オルトケイ酸テトラメチルなどの有機もしくは無機ケイ素化合物よりなる群から選択された一種類のケイ素化合物、ノナエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニールエーテルよりなる群から選択された二種類の非イオン界面活性剤または非イオン界面活性剤一種とイオン性界面活性剤一種の合わせて二種類の界面活性剤、および水からなる反応混合物、またはこれに硝酸等の酸とドデシルアルコール等のアルコール類もしくはそのいずれか一方を加えた反応混合物を調製し、反応させることにより、直径0.2~0.5nmのミクロ孔をもつシリカによってその骨格が構成され、かつ直径4~5nmのメソ孔がヘキサゴナル状に配列した多孔質構造と直径40~80nmの球状形態を有することを特徴とするシリカナノ粒子を生成し、回収することを特徴とする請求項1記載のシリカナノ粒子の製造方法。

【請求項3】
請求項1に記載のシリカナノ粒子を吸着剤として使用することを特徴とする、シリカナノ粒子から成る吸着剤。

【請求項4】
前記吸着剤が、分子篩用吸着剤として使用されることを特徴とする、請求項記載のシリカナノ粒子から成る吸着剤。

【請求項5】
請求項1に記載のシリカナノ粒子を充填材として使用することを特徴とする、シリカナノ粒子から成る充填材。

【請求項6】
前記充填材、クロマトグラフィー用充填材として使用されることを特徴とする、請求項記載のシリカナノ粒子から成る充填材。
産業区分
  • 無機化合物
  • 食品
  • その他無機化学
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004253108thum.jpg
出願権利状態 権利存続中


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