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シナプス成熟障害モデル動物 コモンズ

国内特許コード P06P002919
整理番号 A091P59
掲載日 2006年4月21日
出願番号 特願2004-257060
公開番号 特開2006-067944
登録番号 特許第4550530号
出願日 平成16年9月3日(2004.9.3)
公開日 平成18年3月16日(2006.3.16)
登録日 平成22年7月16日(2010.7.16)
発明者
  • 白尾 智明
  • 児島 伸彦
  • 山崎 博幸
  • 関野 祐子
  • 花村 健次
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 シナプス成熟障害モデル動物 コモンズ
発明の概要 【課題】 シナプスの成熟のみが障害されその他のドレプリン関連機能が正常であるモデル動物や、このモデル動物を用いたシナプス成熟障害の候補治療薬のスクリーニング方法を提供すること。
【解決手段】 マウス由来のドレブリン遺伝子を単離し、ドレブリンA特異的エクソン11Aを挟むようにloxP配列を挿入したターゲティングベクターを作製し、ES細胞への相同組み換えを行い、組み換えES細胞を個体に導入し、ES細胞由来の体細胞を高割合で有するキメラ個体を親として、組み換え遺伝子を有する子孫F1を得て、この個体F1とCre遺伝子を発現するマウスとを交配させることによって2つのloxP配列に挟まれたドレブリンA特異的エクソン11Aを欠失させた個体を得て、この個体の雌雄を掛け合わせることによってドレブリンAノックアウトマウスを作製する。
従来技術、競合技術の概要


本発明者らは、発生過程の神経細胞に多量発現するアクチン結合タンパクドレブリン(Drebrin)を世界に先駆けて発見し(例えば、非特許文献1及び2参照)、このドレブリンがアクチンファイバーの性状を変えることにより神経細胞の形態形成、特に突起形成に関わっていること(例えば、非特許文献3~5参照)や、発生中で移動している神経細胞では、細胞体と突起全体に存在するが、成熟した神経細胞では棘構造中に特異的に存在すること(例えば、非特許文献6~8参照)を既に証明している。ドレブリンには、胚性型(embryonic type)のドレブリンEと成体型(adult type)のドレブリンAという2つのアイソフォームが存在しており(例えば、非特許文献9参照)、成熟した神経細胞のスパインに特異的に見られるドレブリンAは、神経細胞にしか発現しないという特徴を有している(例えば、非特許文献10及び11参照)。ドレブリンAはalternative splicing機構によりドレブリンEに“ins2”と呼ばれる領域が加わった配列をしている。すなわち、5’側から956~1093baseにgtcgtccgtactgccctttcataaaggcatcggacagtgggccttcctcctcctcctcttcctcctcttcccctccacggactccctttccctatatcacctgccaccgcaccccaaacctctcttcctccctcccat(配列番号1)が挿入されて発現したものである(例えば、非特許文献12参照)。また、本発明者らは、ドレブリンAを初代培養神経細胞に発現させると自動的に樹状突起スパインに集まり、しかもその長さを長くすることを見い出した。この発見は、ある一つの蛋白合成量を変化させることによってスパインの形態を変化させることができることを発見した世界で最初の報告である(例えば、非特許文献13参照)。



【非特許文献1】
J. Neurochem. 44, 1210-1216, 1985
【非特許文献2】
J. Biochem. 117, 231-236, 1995
【非特許文献3】
J. Neurosci. Res. 38: 149-159, 1994
【非特許文献4】
Exp. Cell Res. 215:145-153, 1994
【非特許文献5】
J. Biol. Chem. 269:29928-29933, 1994
【非特許文献6】
J. Neurosci. 15: 7161-7170, 1996
【非特許文献7】
Dev. Brain Res. 29, 233-244, 1986
【非特許文献8】
Brain Res. 413, 374-378, 1987
【非特許文献9】
J. Biochem.117, 231-236, 1995
【非特許文献10】
Dev. Brain Res. 29, 233-244, 1986
【非特許文献11】
Brain Res. 413, 374-378, 1987
【非特許文献12】
Mol. Brain Res. 19, 101-114, 1993、Neuroreport 3, 109-112, 1992
【非特許文献13】
J. Neurosci. 19, 3918-3925, 1999

産業上の利用分野


本発明は、シナプス成熟障害モデル動物や、該シナプス成熟障害モデル動物を用いたシナプス成熟障害の予防・治療剤のスクリーニング方法や、シナプス成熟障害治療薬を特定する試験方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ドレブリン遺伝子のエクソン11aが欠失した変異遺伝子を有する全能性細胞を個体発生して得られる非ヒト哺乳動物及びその子孫動物であって、体細胞染色体中に上記ドレブリン変異遺伝子を保有し、ドレブリンAを発現する機能を失ない、かつドレブリンAに代えてドレブリンEを発現する機能を有する非ヒト動物からなるシナプス成熟障害モデル動物。

【請求項2】
Cre-loxPを用いてドレブリン遺伝子のエクソン11aが欠失した変異遺伝子であることを特徴とする請求項1記載のシナプス成熟障害モデル動物。

【請求項3】
ドレブリン遺伝子のエクソン11aが欠失した変異遺伝子が、ドレブリン遺伝子のエクソン11aの全部とエクソン11bの一部が欠失した変異遺伝子であることを特徴とする請求項1又は2記載のシナプス成熟障害モデル動物。

【請求項4】
非ヒト動物がマウスであることを特徴とする請求項1~3のいずれか記載のシナプス成熟障害モデル動物。

【請求項5】
請求項1~4のいずれか記載のシナプス成熟障害モデル動物に対し、出生前または出生後に被検物質を投与し、テタヌス刺激により誘導される海馬シナプス伝達の長期増強の改善の程度を評価するシナプス成熟障害の予防・治療剤のスクリーニング方法。

【請求項6】
請求項1~4のいずれか記載のシナプス成熟障害モデル動物に対し、出生前または出生後にシナプス成熟障害の候補治療薬を投与し、テタヌス刺激により誘導される海馬シナプス伝達の長期増強の改善の程度を指標としてシナプス成熟障害治療薬を特定する試験方法。

【請求項7】
請求項1~4のいずれか記載のシナプス成熟障害モデル動物に由来する神経細胞に被検物質を投与し、シナプス成熟障害の程度を評価するシナプス成熟障害の予防・治療剤のスクリーニング方法。

【請求項8】
請求項1~4のいずれか記載のシナプス成熟障害モデル動物に由来する神経細胞にシナプス成熟障害の候補治療薬を投与し、シナプス成熟障害の程度を指標としてシナプス成熟障害治療薬を特定する試験方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 脳を創る 領域
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