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ペンタフルオロフェニル基を有する複素芳香族化合物の製造方法

国内特許コード P06P003827
掲載日 2006年4月21日
出願番号 特願2004-263110
公開番号 特開2006-076928
登録番号 特許第4734558号
出願日 平成16年9月9日(2004.9.9)
公開日 平成18年3月23日(2006.3.23)
登録日 平成23年5月13日(2011.5.13)
発明者
  • 瀧宮 和男
出願人
  • 学校法人広島大学
発明の名称 ペンタフルオロフェニル基を有する複素芳香族化合物の製造方法
発明の概要

【課題】 一般流通している汎用原料を用いて、ペンタフルオロフェニル基を有する複素芳香族化合物を容易に製造する方法、及び当該方法により製造される複素芳香族化合物を提供すること。
【解決手段】 ペンタフルオロフェニル基を有する有機金属化合物とAr-XまたはX-Ar-X(Xはハロゲンである)とを縮合させる工程を包含するペンタフルオロフェニル基を有する複素芳香族化合物を製造する方法において、当該縮合させる工程においてAgOを共存させる。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


近年、有機半導体材料を有機電子部品として利用する有機半導体デバイスに関する研究がなされており、このような研究の成果として、有機半導体デバイスの一部実用化も始まっている。上記有機半導体デバイスとしては、有機エレクトロルミネッセンスデバイス、有機薄膜トランジスタデバイス、及び有機光電変換デバイス等が挙げられる。



これら有機半導体デバイスの作製において、その高性能化を図る際に特に重要となる点は、優れた性能を有する有機半導体材料が用いられることである。このため、高い発光性能やキャリア移動度等を有する有機半導体材料が精力的に、探索され、そして研究されている。



ここで、有機半導体材料は一般的にp型(ホール輸送性)となる性質が強いので、優れたp型の有機半導体材料が数多く開発されている。これに対して、n型(電子輸送性)材料はその種類が限られており、その性能も一般的にp型材料より低いものが多い。従って、n型の有機半導体材料及びその製造方法の開発に対する要望が非常に大きい。



n型の有機半導体材料の開発における有効な手段の一つとして、優れた特性を示すp型の有機半導体材料に電子吸引性の置換基を導入することによって、p型からn型への極性転換を図ることが行われている。このような極性転換を目的として、複数のシアノ、フッ素等を含有する置換基が好適に用いられている。



上記複数のフッ素を含有する置換基としては、例えば、ペンタフルオロフェニル基を挙げることができる。特に、ペンタフルオロフェニル基を有する複素芳香族化合物には、n型の有機半導体材料となるものが多い。しかし、非特許文献1には、安価で入手容易なペンタフルオロフェニルボロン酸を用いて複素芳香族化合物(臭化ピリジン)にペンタフルオロフェニル基を導入しようと試みたが、収率が0%であったことが記載されており、p型からn型への極性転換を図ることは容易ではない。



実際に、p型の有機半導体材料であるチオフェン四量体の末端部位に2つのペンタフルオロフェニル基を導入することによって、良好な性質を有するn型の有機半導体材料であるn型トランジスタ材料が得られるということが報告されている(非特許文献2参照)。



非特許文献2では、有機半導体材料にペンタフルオロフェニル基を導入してチオフェン四量体部位を構築するための方法として、非特許文献1に記載される方法とは異なる方法(すなわち、チオフェンのトリブチルスズ体と臭化ペンタフルオロベンゼンとのStileカップリング)を用いることによって2-ペンタフルオロフェニルチオフェンを合成し、その後に中央チオフェン部の鎖長伸張反応を行う多段階反応を用いている。



【化学式6】




また、有機半導体材料にペンタフルオロフェニル基を導入する別の方法としては、上記の非特許文献2に記載されている方法以外に、塩化ペンタンフルオロベンゼンスルホン酸を利用する方法が報告されている(非特許文献3参照)。

【非特許文献1】Jing Chenら、Tetrahedron Letters 44: 1503-1506 (2003)

【非特許文献2】Antonio Facchettiら、Angew. Chem. Int. Ed., 42: 3900-3903 (2003)

【非特許文献3】Nobumasa Kamigataら、Journal of Fluorine Chemistry 87: 91-95, ELSEVIER (1998)

産業上の利用分野


本発明は、電気的、電子的、光電気的部品に用いられる有機電子部品材料の製造に関し、例えば、有機半導体層を有する薄膜トランジスタ(TFT)、有機キャリア輸送層または発光層を有する発光デバイス等に利用可能な有機電子部品材料に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式
【化学式1】


で表され、
ここで、Arが、
【化学式2】


(nは、1~10である)、チエノチオフェン、ジチエノチオフェン、ナフトジチオフェン、ベンゾジチオフェン、または
【化学式3】


(nは、1~10である)、セレノフェノセレノフェンジセレノフェノセレノフェンナフトジセレノフェン、ベンゾジセレノフェンであるか、あるいは、これらが有する水素基の1つ以上が、C1-18アルキル、C1-18アルキルオキシ、C1-18アルキルチオまたはハロゲンで置換されていることを特徴とするペンタフルオロフェニル基を有する複素芳香族化合物:但し、Arは、n=4のチオフェンオリゴマーではない。

【請求項2】
ペンタフルオロフェニル基を有する有機金属化合物とAr-XまたはX-Ar-Xとを縮合させる工程を包含し、当該縮合させる工程において、パラジウム化合物、極性の非プロトン性溶媒、および塩基の存在下で、AgOをさらに共存させることを特徴とするペンタフルオロフェニル基を有する複素芳香族化合物を製造する方法:
ここで、Arは、
【化学式4】


(nは、1~10である)、チエノチオフェン、ジチエノチオフェン、ナフトジチオフェン、ベンゾジチオフェン、または
【化学式5】


(nは、1~10である)、セレノフェノセレノフェンジセレノフェノセレノフェンナフトジセレノフェン、ベンゾジセレノフェンであるか、あるいは、これらが有する水素基の1つ以上が、C1-18アルキル、C1-18アルキルオキシ、C1-18アルキルチオまたはハロゲンで置換されており、Xは、Cl、BrまたはIである。

【請求項3】
上記有機金属化合物が、臭化ペンタフルオロフェニルマグネシウム、ペンタフルオロフェニル銅、臭化ペンタフルオロフェニル亜鉛、およびペンタフルオロフェニルボロン酸からなる群より選択されることを特徴とする請求項2に記載のペンタフルオロフェニル基を有する複素芳香族化合物を製造する方法。

【請求項4】
上記有機金属化合物がペンタフルオロフェニルボロン酸であることを特徴とする請求項3に記載のペンタフルオロフェニル基を有する複素芳香族化合物を製造する方法。

【請求項5】
上記パラジウム化合物が、二塩化ジフェニルホスフィノフェロセンパラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、およびパラジウム(0)ビス(ジベンジリデンアセトン)からなる群より選択されることを特徴とする請求項2に記載のペンタフルオロフェニル基を有する複素芳香族化合物を製造する方法。

【請求項6】
上記パラジウム化合物が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムであることを特徴とする請求項5に記載のペンタフルオロフェニル基を有する複素芳香族化合物を製造する方法。

【請求項7】
上記極性の非プロトン性溶媒が、N-メチルピロリドン(NMP)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメトキシエタン、およびN,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)からなる群より選択される溶媒が用いられることを特徴とする請求項2に記載のペンタフルオロフェニル基を有する複素芳香族化合物を製造する方法。

【請求項8】
上記極性の非プロトン性溶媒が、ジメトシキエタンまたはジメチルホルムアミドであることを特徴とする請求項7に記載のペンタフルオロフェニル基を有する複素芳香族化合物を製造する方法。

【請求項9】
上記塩基が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、1,8-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン(DBN)、および4-(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)からなる群より選択されることを特徴とする請求項2に記載のペンタフルオロフェニル基を有する複素芳香族化合物を製造する方法。

【請求項10】
上記塩基が、リン酸カリウムであることを特徴とする請求項9に記載のペンタフルオロフェニル基を有する複素芳香族化合物を製造する方法。
産業区分
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中


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