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ゼロ面アンカリング液晶配向法及びその液晶デバイス コモンズ

国内特許コード P06P003019
整理番号 E059P14
掲載日 2006年4月21日
出願番号 特願2004-266837
公開番号 特開2006-084536
登録番号 特許第4053530号
出願日 平成16年9月14日(2004.9.14)
公開日 平成18年3月30日(2006.3.30)
登録日 平成19年12月14日(2007.12.14)
発明者
  • 山本 潤
  • 横山 浩
  • 渡邊 順次
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 ゼロ面アンカリング液晶配向法及びその液晶デバイス コモンズ
発明の概要 【課題】狭い温度範囲でしか実現されていない、完全ぬれ状態の液体(液晶)-液体界面を、通常の表示素子が要求する十分広い温度範囲で実現する。
【解決手段】
液晶試料に、相溶性が良くない、高分子等の適当な物質を選んで混合し、完全ぬれ状態の水平配向液体(液晶)-液晶界面が、広い温度範囲で実現される混合系を得る。また、混合された物質と、液晶物質の界面を特異的に活性化する分子を用いて界面活性を行うことにより、混合物質の選択の幅を広げ、より広い温度範囲で、液体(液晶)-液晶界面を安定化させる。上記水平配向の完全ぬれ状態の界面を液晶表示素子に応用することで、外場(電場・磁場)により水平面内に360度配向回転可能で、メモリ性を持ちながらスイッチング閾値のない、液晶光スイッチングデバイスを得る。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


図8は従来の固体配向膜による液晶配向制御を示す模式図である。



図8において、1は固体配向層、2は固体配向膜、3はネマティック相液晶〔LC(N)〕を示している。



従来技術として、液晶ディスプレイの表示原理〔TN(Twisted Nematic)型液晶、FLC(強誘電性液晶)、IPS(In-Plane Swiching)方式、光配向方式等〕のほとんどが、基板による液晶の配向方向を事前に規定する動作モードを用いている。しかし、FLCを除いてこれらの表示モードには原理的にメモリ性がない。また、V-shape等の特殊な表示モード以外では、駆動閾値が存在する。反対に、自由な界面で液晶を保持できれば、本来液晶の異方軸はすべての方向に、エネルギー的に縮退しているため、外場(電場・磁場・電磁場等)で異方軸の向きを自由に制御し、かつ任意の向きに異方軸をメモリできるはずである。しかし、これを達成しようとすると、流動性に富む液晶を固定するために必要な固体のセル表面という境界面で、必ず配向場が拘束されて、対称性が破れてしまうことになる。



このように、液晶ディスプレイの容器界面では、液晶の配向場を規定せざるを得ないので、水平、斜め、垂直などの様々な配向技術が開発されてきた。特に、斜め、水平配向の場合、面内に配向の自由度があるにもかかわらず、界面に最初から水平一軸配向性を強制する方法が用いられる。一般には、基板上に適当な高分子薄膜を塗布し、これを布等でこするというラビング法や、光配向性等の性質を持つ分子を基板表面に固着させ、その後、光を用いて基板表面に軸性を持たせる技術が用いられる。



この最も大きな理由は、FLCやTNのように表示モードの原理からの要請、或いは、無電場でも液晶を一様に配向させることができるという以外に、固体表面では、完全なランダム性を与え難く、面内の対称性を崩さずに水平配向するのが難しいという点が挙げられる。



これに反して、固体・アモルファス状態の表面に十分波長の短いランダム性を与えて、液晶の配向軸を消滅させる試みがあるが、固体表面では本質的に液晶分子のミクロな運動が拘束されているので、外場によってその異方軸を回転させるためには、液晶の配向弾性力に比較すると途方もなく大きな力と、緩和時間が必要となる。



上記事情を回避し、液晶分子のミクロな運動性を失わせずに、巨視的な配向制御をする方法として、固体界面でなく、液体と液晶の界面を用いる方法が挙げられる。ただし、液晶ディスプレイ等に用いられている液晶材料は流動性に富み、表示装置として用いるためには必ず液晶材料を挟み込むセルが必要となり、固体表面との接触が必要となってしまう。事前に十分多量な低分子物質を基板に塗布する試みもあるが、見かけ上短時間(拡散時間は、物質や温度に依存する)は流体が後から注入した液晶材料との間に存在するが、当然この液体は液晶材料に溶けて拡散してしまう(下記特許文献1)。



一方、液晶に不溶の物質を混合することにより、相分離現象により液体-液晶界面を試料内に作ることができる。ただし、水-油の混合系に見られるように、互いに溶け合わない物質同士の作る界面は、大きな表面張力の存在により球形となってしまうので、液晶表示素子の界面としての利用は極めて困難である。



本願発明者は、下記非特許文献1,2において、基板に対する親和性をモデル化することで、片側にSiOの斜方蒸着膜、一方にラビングしたPVAの膜を用意し、液晶に単純な炭化水素を混合した2成分系を用いて、等方相-ネマティック相の2相共存状態で、本発明の目的とする完全ぬれ状態の液体-液晶界面を実現した。これにより、水平(斜め)配向で配向を強制する軸のない界面が得られた。



しかしながら、単純液体の混合では、完全ぬれ状態が得られるのは、共存相が存在する0.6℃の間と狭い温度範囲に限定されている。これは単純液体との混合系の作る希釈型の相図では、混合物質と液晶物質との相溶性を下げて、共存相領域を広げようとすると逆に、2相の濃度差が広がるために界面張力が大きくなり、液体-液晶界面は完全ぬれ状態からはずれ、部分ぬれ状態となって液滴になってしまうことがさけられないためである。従って、このような希釈型の相図を持つ系では、本質的に完全ぬれ状態の液体(液晶)-液晶界面を、広い温度範囲で実現することは不可能である。もちろん、このような完全ぬれ界面を用いた液晶表示デバイスとしての応用性やその特性(360度回転対称性、メモリ性、無閾値性など)については、特許文献や発表文献は見受けられない。
【特許文献1】
特開2003-98553号公報
【非特許文献1】
Mol.Cryst.Liq.Cryst.99,pp.39-52(1983)
【非特許文献2】
Mol.Cryst.Liq.Cryst.107,pp.311-331(1984)

産業上の利用分野


本発明は、ゼロ面アンカリング液晶配向法及びその液晶デバイスに関するものである。なお、ここで、「ゼロ面アンカリング」について触れると、「ゼロアンカリング」とは「アンカリングのない、配向強制力のない」ことを意味するので、「ゼロ面アンカリング」は面内に配向強制力がないことを意味する。アンカリング(配向強制力)には、面内(水平配置している分子の軸がある水平面内)に方向を規定する力と、面外(水平、垂直、或いは角度がある場合は、その角度)を規定する力の2種類があり、この場合は、水平又は斜め配向は強制するが、面内方向の配向強制力がゼロと言う意味である。但し、垂直配向の場合は、ゼロと考えてよい。

特許請求の範囲 【請求項1】
液晶試料に高分子を添加することで、液体-前記高分子が添加された液晶相分離を安定に誘起し、前記液体-前記高分子が添加された液晶界面を用いて、前記高分子が添加された液晶を面内に配向強制力がなく、水平・垂直・斜めの所定の方向に配向させるとともに、前記液体-前記高分子が添加された液晶界面を安定化させるため、界面活性剤を混合することを特徴とするゼロ面アンカリング液晶配向法。

【請求項2】
請求項1記載のゼロ面アンカリング液晶配向法において、前記液体-高分子が添加された液晶界面と、基板表面の幾何学的凹凸を組み合わせることを特徴とするゼロ面アンカリング液晶配向法。

【請求項3】
請求項1記載のゼロ面アンカリング液晶配向法において、前記液体-高分子が添加された液晶界面を配向膜の作製プロセスに用いることを特徴とするゼロ面アンカリング液晶配向法。

【請求項4】
請求項1~の何れか一項記載のゼロ面アンカリング液晶配向法によって作製される液晶デバイス。

【請求項5】
請求項記載の液晶デバイスを用いて、外場の変化による液晶配向回転手段により、液晶のスイッチングを行うことを特徴とする液晶光スイッチングデバイス。

【請求項6】
請求項記載の液晶光スイッチングデバイスにおいて、前記外場は電場又は磁場であることを特徴とする液晶光スイッチングデバイス。

【請求項7】
請求項記載の液晶光スイッチングデバイスにおいて、前記外場は光照射であることを特徴とする液晶光スイッチングデバイス。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004266837thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 横山液晶微界面プロジェクト 領域
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