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ガレクチン-3誘導能を利用した物質のスクリーニング方法、肝の状態の診断方法およびこれらの方法を利用したキット

国内特許コード P06A008413
整理番号 TOYAMA-P2001902
掲載日 2006年4月21日
出願番号 特願2002-021636
公開番号 特開2002-303624
登録番号 特許第4035562号
出願日 平成14年1月30日(2002.1.30)
公開日 平成14年10月18日(2002.10.18)
登録日 平成19年11月9日(2007.11.9)
優先権データ
  • 特願2001-023271 (2001.1.31) JP
発明者
  • 平賀 紘一
出願人
  • 国立大学法人富山大学
発明の名称 ガレクチン-3誘導能を利用した物質のスクリーニング方法、肝の状態の診断方法およびこれらの方法を利用したキット
発明の概要 【解決手段】ヒトを除く哺乳動物、肝組織または肝培養細胞に被験物質を投与し、ガレクチン-3誘導能を測定することを特徴とする物質のスクリーニング方法、誘導されるガレクチン-3およびその関連物質の量を測定することを特徴とする肝の状態の判定方法並びにこれらの方法を利用したキット。
【効果】肝においてガレクチン-3の増加の検出は、肝細胞の薬物障害の状態、肝細胞の炎症の存在やその修復、修復時の生存およびその後の再生可能肝細胞の判定指標になる。この効果は薬物やアルコール性肝障害だけでなく、各種の感染性肝炎についても普遍的に当て嵌まる。さらに、一般的薬剤開発においては、被験化合物の肝細胞におけるガレクチン-3誘導能を測定することにより、容易に肝障害性の高い化合物をスクリーニングで除外することができる。また、ガレクチン-3遺伝子の転写は固有の転写因子タンパク質により促進される。従って、毒性が無く、ガレクチン-3遺伝子の転写因子タンパク質合成を肝で促進する物質を化学合成すれば、ウイルス性肝炎を含む各種肝障害の治療薬として使用できる。
従来技術、競合技術の概要
肝炎や肝硬変に代表される肝疾患は、肝癌へと進行し、死に至ることがある重篤な疾患である。ところが、肝は、生体において極めて複雑な臓器であり、その急性障害の修復機能も十分に解明されておらず、肝疾患または薬物・毒物等によって引き起こされる肝細胞障害に対する有望な薬剤・治療方法は、未だ見出されていない。
【0003】
また、肝障害を判定する指標として、GOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)活性値、GPT(グルタミンピルビン酸トランスアミナーゼ)活性値などの肝細胞壊死・損傷を反映する逸脱酵素;総ビリルビンなどの代謝・排泄能を反映するもの;アルブミン、コリンエステラーゼ、血液凝固因子などの血漿タンパクなど多くの肝機能検査項目が知られている。
しかしながら、これらの検査だけでは、急性障害期にある肝細胞の生死・修復・再生について容易に判断ができない。また、肝は、正常時には大きな予備能を有しており、一部の肝細胞の障害は、既存の肝機能検査では判断できない場合も多く存在する。
【0004】
また、肝障害の治療は、病状の進行過程によって選択すべき治療手段は異なるのが通常である。肝細胞の様々な種類の障害を区別し、肝の状態を的確に把握することは、患者の治療にとって極めて重要な問題である。すなわち、肝障害が起こっている患者の肝細胞レベルの修復能や再生能の識別による肝障害の予後を把握し、各患者に見合った治療方針を構築することは、患者にとって大きな利益となる。特に発症の初期の病態を的確に把握することは患者の転帰に大きな影響を与える。
【0005】
特開平10-300754号には、ヒト血清中の血管内皮細胞増殖因子/血管透過性因子濃度を測定することを特徴とした肝炎患者の病状検査方法が開示されており、また、特開平11-32797号には、α-1,6フコース転位酵素測定試薬を含有する肝臓疾患診断薬が開示されており、肝疾患において肝の状態を的確に把握しようとする試みがなされている。
【0006】
一方、医薬品の開発等において、肝障害を誘発する物質をスクリーニングすることは、極めて重要である。しかしながら、現在、化合物の肝細胞障害性を確認するためには、動物モデル等を使用し、上記の多岐にわたる肝機能検査により判断する必要があった。また、細胞を使用した場合も同様に肝障害の程度を測定することは、困難であった。
【0007】
ところで、障害の修復や再生は、動物組織において極めて重要な反応の集大成として起こる。また、これらの時期には、固有の情報伝達系があってもよいが、詳細については、不明である。また、肝は、ウイルス感染や自己免疫疾患、薬物および毒物などで障害を受けることが知られている。
【0008】
本発明者は、肝障害のモデルとして、ラットに肝障害を誘発する物質を投与し、肝細胞の障害、修復、再生について観察を行った。これまでに、成体雄ラットに四塩化炭素を胃内投与すると、(1)9時間迄にアルブミン遺伝子の転写が完全に抑制され、アルブミンmRNAの分解促進により肝中のアルブミンmRNAが正常の20%に減少すること、(2)48時間迄には、アルブミン遺伝子の転写が回復し、一方で、アルブミンmRNA分解は完全に抑制され、肝中のアルブミンmRNA量は増加に転じること。(3)48時間で肝中のアルブミンmRNA量は正常の40%、72時間で80%に回復し、120時間以上を要して正常レベルに戻り、ついで、アルブミンmRNA分解活性についても正常化することを見出し、これらの観察を基に、9時間頃迄を急性障害の増悪期、48~72時間を修復期、それ以後を修復された細胞の増殖期と推定した[Biochem. Biophys. Res. Commun.、第273号、第261~266頁(2000年)]。
産業上の利用分野
本出願の発明は、ヒトを除く哺乳動物、肝組織または肝培養細胞に被験物質を投与し、ガレクチン-3誘導能を測定することを特徴とする物質のスクリーニング方法、誘導されるガレクチン-3およびその関連物質の量を測定することを特徴とする肝の状態の判定方法並びにこれらの方法を利用したキットに関する。
特許請求の範囲 【請求項1】ヒトを除く哺乳動物、肝組織または肝培養細胞に被験物質を投与し、チロシン残基がリン酸化されたガレクチン-3を測定することを特徴とする物質のスクリーニング方法
【請求項2】肝細胞中のガレクチン-3またはその関連物質の量を測定することを特徴とする肝の状態の判定方法
【請求項3】ガレクチン-3またはその関連物質が、チロシン残基がリン酸化されたガレクチン-3である請求項2記載の判定方法
産業区分
  • 試験、検査
  • 薬品
  • 微生物工業
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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