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磁気力顕微鏡用の磁性探針及びその製造方法 コモンズ

国内特許コード P06P003010
整理番号 RJ007P81
掲載日 2006年4月28日
出願番号 特願2004-272519
公開番号 特開2006-084449
登録番号 特許第3926356号
出願日 平成16年9月17日(2004.9.17)
公開日 平成18年3月30日(2006.3.30)
登録日 平成19年3月9日(2007.3.9)
発明者
  • 石尾 俊二
  • 斉藤 準
  • 林 映雨
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 磁気力顕微鏡用の磁性探針及びその製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】 高い空間分解能を有する磁気力顕微鏡用の磁性探針及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】 磁気力顕微鏡用の磁性探針においては、非磁性材料からなる針状部表面上に積層構造が形成されている。この積層構造は、第1のハード磁性体合金層、この第1のハード磁性体合金層上に形成されたソフト磁性合金層及びこのソフト磁性合金層上に形成された第2のハード磁性体合金層から成り、交換スプリング磁石を構成する。
【選択図】 図2
従来技術、競合技術の概要


近年のIT技術分野の進展により、磁気記録媒体の高密度化が進み、単位面積当りの記録密度が飛躍的に向上している。記録密度の向上とともにその検査方法もより微細な磁区構造まで観察できるよう改良が重ねられてきている。



磁気情報の検査方法の1つとして、磁気情報に対応した磁化パターンを測定する磁気力顕微鏡(MFM)が非特許文献1或いは特許文献1で知られている。この磁気力顕微鏡は、走査型プローブ顕微鏡の1つであり、その測定は、強磁性体材料を有する磁性探針を磁化し、その先端を検査用被測定媒体である磁性体試料に近づけ、磁性探針上の磁極と磁性体試料上の磁極との間に働く磁気的相互作用(力)を直接検出している。即ち、その磁性探針を媒体面に沿って媒体を走査しながら磁気的相互作用を検出し、磁化パターン等を画像化して解析することによって検査がなされる。



従来の磁性探針には、一般的に、ピラミッド型の四角錐形状を有する珪素(Si)よりなる非磁性探針の先端部全体が強磁性材料の単一薄膜で被覆された構造、又は、強磁性材料が探針形状に加工された構造等がある。磁性探針に用いられる強磁性材料としては、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、希土類元素、或いは、これらを含む磁性材料が知られ、特に、磁性材料としてコバルト(Co)-クロム(Cr)-白金(Pt)系合金等が一般的となっている。



現在のところ、磁気力顕微鏡に用いられている磁性探針の空間分解能は、30nm程度に留まり、高密度磁気記録媒体の開発に必要な20nm以下の高空間分解能、特に10nm以下で磁気パターンを解析することができる磁性探針が開発されていない状況にある。



20nm以下の空間分解能が得られない主な原因は、探針先端の磁極密度が十分に大きくないことにある。磁極密度が小さいと、観察する磁気記録媒体試料から発生する漏洩磁場により磁性探針に働く力が小さくなり、高感度で磁化パターンを測定することができない問題がある。探針先端の磁極密度は、磁性探針材料の保磁力が小さい場合、磁性探針先端の磁化が磁気記録媒体試料からの漏洩磁場により揺らぐことで小さくなってしまう。



探針先端の磁極密度を高めるためには、大きな保磁力と大きな飽和磁束密度を合わせもつ磁性探針構造が必要とされる。大きな保磁力と大きな飽和磁束密度とを合わせもつ磁性探針構造を探針先端に与えることで、探針先端の磁極密度が高まり検出感度が増加され、空間分解能を向上させることができることとなる。
【特許文献1】
特開2003―34258
【非特許文献1】
J. Appl. Phys. 70(4), 15 August 1991, P2413-2422, H. W. van Kesteren
【非特許文献2】
伊藤弘高、斉藤準、石尾俊二:組成変調FePt薄膜のLl0規則化における成膜後熱処理の効果:日本金属学会誌、66巻、9号(2002)、889-892頁)

産業上の利用分野


この発明は、磁気力顕微鏡用の磁性探針及びその製造方法に係り、特に、高い空間分解能を有する磁気力顕微鏡用の磁性探針及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
非磁性材料からなる針状部と、
この針状部の表面上に形成された第1のハード磁性体合金層、この第1のハード磁性体合金層上に形成されたソフト磁性合金層及びこのソフト磁性合金層上に形成された第2のハード磁性体合金層から成り、前記針状部先端に層状断面部が配置されている単相磁石としての特性を示す交換スプリング磁石と、
から構成されことを特徴とする磁気力顕微鏡用の磁性探針。

【請求項2】
前記交換スプリング磁石の層状断面部は、100nm以下の幅を有することを特徴とする請求項1の磁気力顕微鏡用の磁性探針。

【請求項3】
前記ソフト磁性合金層は、5nmから20nmの範囲の厚さを有することを特徴とする請求項1の磁気力顕微鏡用の磁性探針。

【請求項4】
前記第1及び第2のハード磁性合金層は、30nm以下の厚さを有することを特徴とする請求項1の磁気力顕微鏡用の磁性探針。

【請求項5】
前記非磁性針状部上には、セラミックス下地膜が形成され、このセラミックス下地膜上に前記交換スプリング磁石が形成されていることを特徴とする請求項1の磁気力顕微鏡用の磁性探針。

【請求項6】
前記セラミックス下地膜は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化マグネシウム、窒化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項に記載の磁性探針。

【請求項7】
前記針状部は、先端が切除された先端面を有し、その周囲に平坦面を有する錐体に形成され、この平坦面に前記交換スプリング磁石が前記針状部先端に向けて延出され、層状断面部が前記先端面に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の磁性探針。

【請求項8】
前記第1及び第2のハード磁性合金層は、希土類・鉄系磁石、希土類・コバルト系磁石、鉄・白金系磁石、鉄・コバルト系磁石、Mn化合物磁石、ハード・フェライト及びストロンチウム・フェライトから選定された磁性材料で作られていることを特徴とする請求項1に記載の磁性探針。

【請求項9】
前記第1及び第2のハード磁性合金層は、40~60原子パーセントのPt及びFe或いはCoのいずれか一方または両方を少なくとも含有する磁性合金材料で作られていることを特徴とする請求項1に記載の磁性探針。

【請求項10】
前記ソフト磁性合金層は、鉄コバルト系合金、鉄系合金、コバルト系合金、鉄・コバルト・ニッケル系合金、非晶質ソフト合金、微結晶ソフト合金、ソフト・フェライト合金から選定された磁性材料で作られていることを特徴とする請求項1に記載の磁性探針。

【請求項11】
前記ソフト磁性合金層は、飽和磁束密度1.8テスラ以上のFe、Coのいずれか一方または両方を少なくとも含有する合金から作られていることを特徴とする請求項1に記載の磁性探針。

【請求項12】
非磁性材料からなる針状部を用意し、
この針状部の表面上に第1のハード磁性体合金層を形成し、
この第1のハード磁性体合金層上にソフト磁性合金層を形成し、及び
このソフト磁性合金層上に第2のハード磁性体合金層を形成して前記針状部先端に層状断面部が配置されている積層構造を前記針状部に設け、
前記積層構造を熱処理して単相磁石としての特性を示す交換スプリング磁石とすることを特徴とする磁気力顕微鏡用の磁性探針の製造方法。

【請求項13】
前記積層構造の層状断面部を100nm以下の幅で形成することを特徴とする請求項12の磁気力顕微鏡用の磁性探針の製造方法。

【請求項14】
前記ソフト磁性合金層は、5nmから20nmの範囲の厚さに形成することを特徴とすることを特徴とする請求項12の磁気力顕微鏡用の磁性探針の製造方法。

【請求項15】
前記第1及び第2のハード磁性合金層は、30nm以下の厚さに形成することを特徴とすることを特徴とする請求項12の磁気力顕微鏡用の磁性探針の製造方法。

【請求項16】
前記非磁性針状部上にセラミックス下地膜を形成し、このセラミックス下地膜上に前記積層構造を形成することを特徴とする請求項12の磁気力顕微鏡用の磁性探針の製造方法。

【請求項17】
前記セラミックス下地膜は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化マグネシウム、窒化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項12の磁気力顕微鏡用の磁性探針の製造方法。

【請求項18】
前記第1及び第2のハード磁性合金層は、希土類・鉄系磁石、希土類・コバルト系磁石、鉄・白金系磁石、鉄・コバルト系磁石、Mn化合物磁石、ハード・フェライト及びストロンチウム・フェライトから選定された磁性材料で作られていることを特徴とする請求項12の磁気力顕微鏡用の磁性探針の製造方法。

【請求項19】
前記第1及び第2のハード磁性合金層は、40~60原子パーセントのPt及びFe或いはCoのいずれか一方または両方を少なくとも含有する磁性合金材料で作られていることを特徴とする請求項12の磁気力顕微鏡用の磁性探針の製造方法。

【請求項20】
前記ソフト磁性合金層は、鉄コバルト系合金、鉄系合金、コバルト系合金、鉄・コバルト・ニッケル系合金、非晶質ソフト合金、微結晶ソフト合金、ソフト・フェライト合金から選定された磁性材料で作られていることを特徴とする請求項12の磁気力顕微鏡用の磁性探針の製造方法。

【請求項21】
前記ソフト磁性合金層は、飽和磁束密度1.8テスラ以上のFe、Coのいずれか一方または両方を少なくとも含有する合金から作られていることを特徴とする請求項12の磁気力顕微鏡用の磁性探針の製造方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
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