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気泡流シミュレーションプログラム及びそれを記憶した記憶媒体並びに気泡流シミュレーション装置 コモンズ

国内特許コード P06P003530
整理番号 NU-0018
掲載日 2006年4月28日
出願番号 特願2004-272011
公開番号 特開2006-085603
登録番号 特許第4032123号
出願日 平成16年9月17日(2004.9.17)
公開日 平成18年3月30日(2006.3.30)
登録日 平成19年11月2日(2007.11.2)
発明者
  • 内山 知実
  • 出川 智啓
出願人
  • 学校法人名古屋大学
発明の名称 気泡流シミュレーションプログラム及びそれを記憶した記憶媒体並びに気泡流シミュレーション装置 コモンズ
発明の概要


【課題】 気体と液体とが混在する気泡流の挙動を精度よく解析することが可能な気泡流の解析方法、気泡流シミュレーションプログラム及びそれを記憶した記憶媒体並びに気泡流シミュレーション装置を提供する。
【解決手段】 本発明は、気泡Gと液体Lとが混在した気泡流の渦度場に着目して複数の渦要素16,17で離散化し、気泡流内の気泡Gと液体Lとの気液体積割合(気泡体積率α、液体体積率α)を考慮した運動量保存関係及び質量保存関係から渦度輸送方程式を導出し、この渦度輸送方程式のラグランジェ計算により離散渦要素の挙動を求めるものである。
【選択図】 図5

従来技術、競合技術の概要


微小な気泡と液体とが混在して相互作用を及ぼし合いながら流れる気泡流は、例えば反応装置、熱交換器及び廃水処理装置など、様々な工業装置において観察される。このため、この気泡流の挙動について、合理的な解析方法の確立が望まれている。



従来の解析方法では、流れの変数として速度、圧力及び気泡体積率が用いられ、それらを支配する複数の偏微分方程式を様々な数値解法(差分法、有限体積法、有限要素法)によって計算するようにしていた。これらの偏微分方程式は、微分を差分で近似表現することにより、代数方程式に置き換えられるが、非線形項が数値不安定性を有するため、気泡流のレイノルズ数が高い場合には計算過程で発散が生じるおそれがある。特に、工業装置で見受けられる気泡流は、レイノルズ数が高いものが多く、精度の高い気泡流解析ができないという問題があった。



ところで、従来から、液体又は気体のみの単相流の解析については渦法が有効に利用されている。ここで、渦法とは、渦度をもつ渦要素を追跡して渦度場の時間変化を求めるLagrange 型解法であり,大規模渦の形成や変形など渦構造の発展過程を良好に計算できるものである。そして、下記非特許文献1には、この渦法を利用して、気泡流の挙動を解析する技術が開示されている。

【非特許文献1】Sene, K. J., et al., The role of coherent structures in bubble transport by turbulent shear flows,J. Fluid Mech., 259(1994), 219-240.

【特許文献1】特開2004-126925公報

【特許文献2】特開2004-118394公報

【特許文献3】特開2001-99748公報

【特許文献4】特開平9-329109号公報

【特許文献5】特開2003-331208公報

【特許文献6】特開2004-503005公報

【特許文献7】特開2001-132700公報

産業上の利用分野


本発明は、液中に分散した気泡が液体と相互作用を及ぼし合いながら流れる気泡流(二相流)の挙動の解析方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
気泡と液体とが混在した気泡流の解析するための気泡流シミュレーションプログラムであって、コンピュータに、次のステップ(a)~(h)を含むステップを繰り返し実行させて、解析領域内に想定した評価点について求まる前記液体のスカラーポテンシャル及びベクトルポテンシャルの時間的変化に基づいて、時間的に変化する前記気泡流の挙動を解析する気泡流シミュレーションプログラム。
前記コンピュータは、前記ステップ(c)、(d)、(e)、(f)用の記憶手段を備え、前記気泡流シミュレーションプログラムは、
(a)前記解析領域内に複数の離散渦要素を順次導入し、そのときに前記解析領域内に存在する各離散渦要素の各位置データを算出するステップ。
(b)前記解析領域内に複数の気泡を導入し、そのときに前記解析領域内に存在する各気泡の位置を算出するステップ。
(c)前記解析領域を複数に区画した各解析要素内における気泡と液体との気液体積割合を、前記ステップ(b)で算出された各気泡の位置に基づき求めて記憶手段に保存するステップ。
(d)前記ステップ(c)によって保存された気液体積割合データを読み出して、前記各解析要素内における循環強度変化を、当該気液体積割合の気泡流についての運動量保存関係から導出された気泡流の渦度輸送方程式と、レイノルズの輸送定理とに基づき求めて記憶手段に保存するステップ。
前記気泡流の渦度輸送方程式は、次の数式[数1]である。
【数式1】



Γ :解析要素内における循環強度変化
α:気泡と液体との気液体積割合
g :重力加速度
:液体の速度
A :解析要素の面積
(e)前記ステップ(d)によって保存された前記循環強度変化データを読み出して、前記各解析要素内に存在する各離散渦要素の循環強度及び位置を、当該循環強度変化と、前記ステップ(a)で算出された各離散渦要素の位置に基づきラグランジェ的に求めて記憶手段に保存するステップ。
(f)前記ステップ(e)によって保存された各離散渦要素の循環強度及び位置データを読み出して、前記解析領域内の前記評価点における渦度を、当該各離散渦要素の循環強度及び位置に基づき求めて記憶手段に保存するステップ。
(g)前記ステップ(f)によって保存された前記評価点における渦度データを読み出して当該渦度から前記液体のベクトルポテンシャルを求め、前記評価点における前記液体のスカラーポテンシャルを、当該液体のベクトルポテンシャルと、前記体積割合の気泡流の質量保存関係及びヘルムホルツの定理によって導出された液体のスカラーポテンシャル式とに基づき求めるステップ。
前記液体のスカラーポテンシャル式は、次の数式[数2]である。
【数式2】



α:気泡と液体との気液体積割合
φ :液体のスカラーポテンシャル
ψ :液体のベクトルポテンシャル
(h) 前記ステップ(g)によって求められた前記評価点における前記液体の速度ポテンシャルおよびスカラーポテンシャルを用いて、前記評価点における前記液体の速度を計算するステップ。

【請求項2】
前記請求項1に記載の気泡流シミュレーションプログラムを記憶した記憶媒体。

【請求項3】
気泡と液体とが混在した気泡流の解析するための気泡流シミュレーション装置であって、次の手段(a)~(h)を備えるとともに、
前記手段(a)で算出される前記離散渦要素の位置データが保存される渦要素情報記憶手段と、 前記手段(b)で算出される前記気泡の位置データが保存される気泡情報記憶手段と、前記手段(c)、(d)、(e)、(f)用の記憶手段とを備えており、
前記手段(a)~(h)を繰り返し実行させて、解析領域内に想定した評価点について求まる前記液体のスカラーポテンシャル及びベクトルポテンシャルの時間的変化に基づいて、時間的に変化する前記気泡流の挙動を解析する気泡流シミュレーション装置。
(a)前記解析領域内に複数の離散渦要素を順次導入し、そのときに前記解析領域内に存在する各離散渦要素の各位置データを算出する手段。
(b)前記解析領域内に複数の気泡を導入し、そのときに前記解析領域内に存在する各気泡の位置を算出する手段。
(c)前記解析領域を複数に区画した各解析要素内における気泡と液体との気液体積割合を、前記手段(b)で算出された各気泡の位置に基づき求めて記憶手段に保存する手段。
(d)前記手段(c)によって保存された気液体積割合データを読み出して、前記各解析要素内における循環強度変化を、当該気液体積割合の気泡流についての運動量保存関係から導出された気泡流の渦度輸送方程式と、レイノルズの輸送定理とに基づき求めて記憶手段に保存する手段。
前記気泡流の渦度輸送方程式は、次の数式[数1]である。
【数式1】



Γ :解析要素内における循環強度変化
α:気泡と液体との気液体積割合
g :重力加速度
:液体の速度
A :解析要素の面積

(e)前記手段(d)によって保存された前記循環強度変化データを読み出して、前記各解析要素内に存在する各離散渦要素の循環強度及び位置を、当該循環強度変化と、前記手段(a)で算出された各離散渦要素の位置に基づきラグランジェ的に求めて記憶手段に保存する手段。
(f)前記手段(e)によって保存された各離散渦要素の循環強度及び位置データを読み出して、前記解析領域内の前記評価点における渦度を、当該各離散渦要素の循環強度及び位置に基づき求めて記憶手段に保存する手段。
(g)前記手段(f)によって保存された前記評価点における渦度データを読み出して当該渦度から前記液体のベクトルポテンシャルを求め、前記評価点における前記液体のスカラーポテンシャルを、当該液体のベクトルポテンシャルと、前記体積割合の気泡流の質量保存関係及びヘルムホルツの定理によって導出された液体のスカラーポテンシャル式とに基づき求める手段。
液体のスカラーポテンシャル式は、次の数式[数2]である。
【数式2】



α:気泡と液体との気液体積割合
φ :液体のスカラーポテンシャル
ψ :液体のベクトルポテンシャル
(h) 前記手段(g)によって求められた前記評価点における前記液体の速度ポテンシャルおよびスカラーポテンシャルを用いて、前記評価点における前記液体の速度を計算する手段。

【請求項4】
前記手段(a)で算出される前記離散渦要素の位置データが保存される渦要素情報記憶手段と、
前記手段(b)で算出される前記気泡の位置データ及び前記手段(c)で算出される気液体積割合データが保存される気泡情報記憶手段とを備え、
前記手段(a)による処理と、前記手段(b)及び前記手段(c)による処理とを並列的に実行することを特徴とする請求項3に記載の気泡流シミュレーション装置。
産業区分
  • 計算機応用
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2004272011thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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