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難分解性有機金属錯体の分解方法

国内特許コード P06P004066
整理番号 IP53
掲載日 2006年4月28日
出願番号 特願2004-275371
公開番号 特開2006-088011
登録番号 特許第4565182号
出願日 平成16年9月22日(2004.9.22)
公開日 平成18年4月6日(2006.4.6)
登録日 平成22年8月13日(2010.8.13)
発明者
  • 本多 謙介
  • 西野 寛教
  • 山口 陽子
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 難分解性有機金属錯体の分解方法
発明の概要

【課題】 本発明は各種産業排液や家庭における洗濯排水等、難分解性有機金属錯体を含む排液による河川等の汚染防止などを目的とし、安定で分解することが困難であった錯体を容易に分解する方法を提供する。併せて錯体の中心金属を微粒子状で回収することができるので、有害な重金属類の除去或いは価値の或る金属類の回収も容易に行うことができる。
【解決手段】 本発明は、難分解性の有機金属錯体を電気分解することにより、中心金属を微粒子状として回収すると共に配位子を分解する方法を提供する。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


一般に錯体又は錯塩といわれる有機金属化合物の中には、安定で分解され難いものが数多く存在する。



一般に配位子となり得る有機化合物は、遷移金属などと安定な錯体を形成するので、微量金属の捕捉剤として用いられる。



たとえば、EDTAなどは、硬水の軟化剤、ゴムやビタミンCの酸化防止剤、医薬品などの金属不活性化剤、食品中の微量金属による変質防止剤、洗剤用の金属イオン封鎖或いは重金属イオンの沈殿防止剤、ボイラー洗浄剤、さらには酵素反応における金属イオンの影響を防止する目的や分析化学等に広く用いられている。



これらの金属錯体のうち、特に難分解性のものは、通常排水として捨てられた場合、河川や湖沼或いは海に流入し、CODやBODの増大を来たし、延いては富栄養化の原因の一つとなり、特に重金属の錯体にあっては、それ自体、土壌や水質の汚染物質として公害の原因ともなりかねない。



したがって錯体を含む排水も他の有害な化学物質等と同様に種々の化学処理や微生物処理を施し、分解除去した後は廃棄することが必要である。



しかしながら、錯体の中には、安定で難分解性のものが数多く存在する。錯体の安定度は、その中に含まれる金属イオン諸性質と配位子の性質とによって定まる。一般にアンモニアのように一分子中に一つの配位部位を持つものに比べ、エチレンジアミンの如く、一分子中に複数の配位部位を持つもの、換言すればキレート化合物を形成するものは安定であり、難分解性有機金属錯体となる。また中心金属にあっては、例えば二価遷移金属イオンを例に示すと、一般に安定性に関して次の関係があることが知られている。



【化学式1】




更に錯体の安定度は、安定定数として実測・計算で求めることもできる。



たとえば、金属イオンM、配位子Lから1種の錯体(MLn)が生成する反応を考えると、次の式(1)が成立する場合、イオン強度一定(活量係数一定)という設定でモル濃度によるみかけの平衡定数を測定することにより、式(2)として求めることができる。



【化学式2】


(但し、Mは金属イオン、Lは配位子、Kは見かけの平衡定数(安定定数))



本発明において、難分解性有機金属錯体と見なし得るものは、安定定数5以上の錯体であり、一般にキレート化合物がこれに該当する。特に中心金属として鉄、コバルト、ニッケル及び銅の錯体であり、これらは通常安定度定数が7以上の化合物であり、中でも銅にあっては10を超えるものである。



上述の如き安定な、すなわち難分解性有機金属錯体の廃棄処理は、従来特に有効な手段がなく、例えば産業上利用されている代表的な錯化剤であるEDTAによる錯体にあっても、その処理方法は、多孔質の鉄等に吸着させて、地中に埋めて廃棄する方法がとられているか又は稀釈して河川に流す方法が用いられているのが現状であり、いずれも有害物が流出しないという確証はない。

産業上の利用分野


本発明は、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸(以下EDTAという)やニトリロトリ酢酸のような難分解性有機金属錯体の分解に関する。また難分解性有機金属錯体の中心金属を微粒子として回収する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
電極の少なくとも一方が炭素電極であり、両電極間に難分解性有機金属錯体を含む電解質溶液を存在させ、正極と負極の極性を定期的に転換しつつ電解することを特徴とする難分解性有機金属錯体の電気分解方法。

【請求項2】
炭素電極が導電性ダイヤモンド、導電性ダイヤモンドライクカーボン、グラッシーカーボン及びアモルファスカーボンより選ばれた一種であることを特徴とする請求項1記載の難分解性有機金属錯体の電気分解方法。

【請求項3】
難分解性有機金属錯体がキレート化合物である請求項1又は請求項2記載の難分解性有機金属錯体の電気分解方法。

【請求項4】
キレート化合物が、アルキレンジアミン、エチレンジアミンテトラ酢酸、クラウンエーテル、ポルフィリン及びビピリジンより選ばれた少なくとも一種を配位子とする有機金属錯体である請求項3記載の難分解性有機金属錯体の電気分解方法。

【請求項5】
難分解性有機金属錯体の中心金属が鉄、コバルト、ニッケル及び銅から選ばれる少なくとも一種の金属である請求項1乃至3のいずれかに記載の難分解性有機金属錯体の電気分解方法。

【請求項6】
難分解性有機金属錯体の中心金属イオンを負極で還元し、微粒子状として回収する請求項1記載の難分解性有機金属錯体の電気分解方法。

【請求項7】
難分解性有機金属錯体が、エチレンジアミンテトラ酢酸の重金属錯体である請求項1記載の難分解性有機金属錯体の電気分解方法。

【請求項8】
エチレンジアミンテトラ酢酸の重金属錯体が、エチレンジアミンテトラ酢酸の銅錯体である請求項記載の難分解性有機金属錯体の電気分解方法。

【請求項9】
正極と負極との間に2.5~4ボルトの電圧を印加して電気分解を行うことを特徴とする請求項1記載の難分解性有機金属錯体の電気分解方法。
産業区分
  • 処理操作
  • 冶金、熱処理
  • 冶金、熱処理
  • 加工
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
山口TLOは平成11年11月に山口大学の教官50名の出資により設立された、リエゾン一体型のTLO活動会社です。山口大学を主とし、山口県内の大学・高専の研究成果をご紹介致します。特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


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